クレマチスはあまり手間をかけなくても美しく咲く、園芸初心者でも育てやすい人気の花です。しかし害虫や病気から守るために、剪定をきちんとする必要があります。剪定方法は種類によって異なるため、正しい知識を身に付けておくことが大切です。
クレマチスについて
クレマチスはほとんど手間がかからず育てやすいので、ガーデニング初心者におすすめの植物です。
上手に育てればたくさんの花を付けます。四季咲きと呼ばれる種類のものを選べば、華やかな見た目を長い期間楽しむことができる点も魅力です。
まずはクレマチスがどのような植物なのか、基本的な情報を紹介します。
クレマチスの特徴
クレマチスは日本をはじめ、ヨーロッパやアジアなど世界各地に原種を持つ多年草です。
多年草はあまり手間をかけなくても、一度植えれば毎年花を咲かせます。長期にわたって何回も開花を楽しめるため、コストパフォーマンスに優れているともいえるでしょう。手入れも簡単なのでガーデニング初心者でも育てやすい品種です。
咲き方によって大きく2つに分類され、1年に1度花を咲かせる一季咲きのものと、長期にわたって花が次々に咲く四季咲きのものがあります。上手に組み合わせて育てることで、長期にわたって花を楽しめる点も人気の理由といえるでしょう。
またクレマチスはバラと相性が良く、一緒に植えるとお互いに引き立て合って、より華やかになります。イギリスではバラのパートナープランツとして定番です。
世界にたくさんの原種が存在し、さらに交配によってたくさんの種類が生まれたため、クレマチスの種類はおよそ300種類にものぼります。
日当たりの良い場所が適している
クレマチスを上手に育てるには、日当たりの良い環境で育てることが大切です。半日以上日光があたる場所を選びましょう。
日照時間が数時間しかなく、日陰になっている時間が長い半日陰の環境でも、花を咲かせることはできます。しかし花付きが悪くなったり、徒長しやすくなったり、生育の悪影響になる可能性があるため推奨できません。
一方で、日当たりのよすぎる真夏の西日の下にさらし続けるのもあまり良くありません。極端に強い日光は避けましょう。
花の咲き方は3種類ある
クレマチスの咲き方には、旧枝咲き・新枝咲き・新旧枝咲き3種類があります。咲き方によって剪定の仕方が異なってくるため、種類ごとに正しく把握しておきましょう。
旧枝咲き
旧枝咲きとは「前年に伸びた枝に花を付ける咲き方」のことです。冬咲きタイプのものや、早春から花を付けるアーマンディー系・モンタナ系・フォステリー系がこのタイプに分類されます。
1年に1度しか咲かない一季咲きのものが多く、古い枝を残しておかなければ花を付けなくなってしまうので、剪定の際に誤って切り落とさないように気を付けなければなりません。
新枝咲き
新枝咲きとは「新しく伸びた枝に花を付ける咲き方」のことです。インテグリフォリア系・テキセンシス系・ビチセラ系・ビタルバ系がこのタイプです。
季節を問わず周期的に花を咲かせる四季咲きの品種が多いため、長期間きれいな花を楽しむことができます。古い枝には花が付かないので、新しい枝を残しながら剪定しましょう。
新旧枝咲き
新旧枝咲きとは「前年に伸びた枝にも、新しく伸びた枝にも両方に花を付ける咲き方」のことです。前年に伸びた枝から新しく伸びた枝に花を付けます。
フロリダ系・アトラゲネ系・タングチカ系などがこのタイプに該当します。新旧枝咲きも、四季咲きのものが多いので、長期にわたって花を楽しめるでしょう。
後ほど詳しく解説しますが、新旧枝咲きは開花後の剪定が必須です。行わないと次の花を楽しめないため、開花ごとに手をかけてあげる必要があります。
なぜクレマチスには剪定が必要なのか
つる性植物であるクレマチスは、放っておくとつるが伸び放題になり、形が悪くなってしまいます。
また風通しを確保しなければ、害虫被害や病気にもなりやすくなってしまうため、クレマチスにとって剪定は欠かせないのです。
つるが伸びて形が悪くなる
クレマチスは丈夫な茎を作らず、他の植物に依存しながら伸びていくつる性植物です。
イギリスではクレマチスを「つる性植物の女王」といいます。上手に手入れをすれば華やかに咲き誇る、つる性植物を代表する植物のひとつです。
しかし、このつるは放置しておくと、あちこちに向かって伸びてしまい、恰好の良い見た目にはなりません。その美しさを楽しみ続けるためには、つるの剪定が欠かせないのです。
風通しの良い場所を好む
クレマチスは風通しと日当たりの良い場所が適しています。
風通しが悪い環境では、アブラムシやナメクジといった害虫の被害に遭いやすいですし、うどんこ病・立ち枯れ病・さび病といった病気にもかかりやすくなります。
風通しの良い場所で育てることはもちろん、クレマチス自体を定期的に剪定し、風通しを確保することも大切です。
クレマチスの剪定方法と時期
クレマチスの剪定方法や時期は、その咲き方によって異なります。間違った方法で剪定してしまうと、次の年に花を付けなくなってしまうこともあります。
それぞれの咲き方にとっての正しい剪定方法と時期を知り、長く楽しみましょう。
旧枝咲きの剪定
旧枝咲きの場合、4月から5月にかけて花を付けます。花が咲き終わった後が剪定のタイミングです。花から1節か2節ほど下を目安に切り戻します。
旧枝咲きのクレマチスは、冬になると枯れてしまったように見えますが、よく見ると夏から秋にかけて育った花芽が付いているので、切らないように注意しましょう。
切ってしまうと、次の年に花が咲かなくなってしまいます。
新枝咲きの剪定
新枝咲きの剪定の時期は2回ほどあります。1度目は春先の2月から3月頃に、2度目は花が咲き終わった5月以降です。
1度目の春先の剪定では、生え際から2~3節ほどを残してバッサリ切ってしまいます。クレマチスは春になれば残りの節や地中から新しい枝が出てきますので、思い切って剪定してしまっても問題ありません。
2度目の花後に行う剪定では、四季咲きの場合はつるの半分を残すくらいまで切り戻します。切った枝からはまた新しい枝が伸びてくるので、2番花、3番花が咲いて楽しめます。
新旧枝咲きの剪定
新旧枝咲きの場合も、春先の2月から3月頃と花が咲き終わった後の5月以降の2回、剪定します。
春先は先端から1節か2節くらいのところを、新芽の部分は切らないように注意しながら剪定します。
花後の剪定は7~8割の花が咲き終わった頃に、春先の剪定と同様、先端から1節か2節くらいのところを切っておきましょう。
花が咲き終わった後の剪定をしなければ、次の花が出てきません。剪定するのを忘れないように気を付けましょう。
剪定以外に必要な手入れ
クレマチスはあまり手間をかけなくても育てやすい植物ですが、毎年花を咲かせ、長く楽しむためには、剪定以外にも気を付けるべきことがあります。
害虫や病気から守ったり、常に適切な生育環境に置いてあげたりする配慮は必要です。
外敵や病気から守る
クレマチスは比較的病気や害虫に強い植物であるといわれています。しかし全くかからないわけではありません。例えば風通しの悪い場所に置きっぱなしにして、手入れを全くしないようでは花は付かないですし、枯れてしまいます。病気や害虫から適宜守ってあげることは大切です。
クレマチスが被害に遭いやすい害虫はアブラムシです。アブラムシは1~2mmの小さな緑色や赤い色をした虫で、新芽や葉の栄養を吸い取ってしまいます。
繁殖力が強く、その排泄物も病気の原因となるため、見つけたらすぐに園芸用殺虫剤や木酢液を使って駆除しましょう。またアブラムシは肥料のやりすぎでも発生します。アブラムシを見かけたら、しばらく肥料を与えるのは控えましょう。
クレマチスがかかりやすい病気
また病気から守るのも大切です。先ほど解説したとおり、クレマチスはうどんこ病・さび病・立ち枯れ病にかかりやすい性質を持つ植物です。
うどんこ病は葉の表面や茎に、白い粉状のものが現れる病気です。湿度が低く乾燥した環境でかかりやすく、風通しや日当たりの悪さによって起こります。病気になってしまった部分は治りませんので、切ってしまうしかありません。
さび病は、さび病菌というカビの一種に感染することで、葉の表面にオレンジ色の斑点が生じます。放っておくと落葉して枯れてしまうことがあるので、病気にかかってしまった枝は切ってしまうことで防ぎましょう。葉に斑点ができていないか定期的に確認することも大切です。
クレマチスが急に元気がなくなり、しおれてきたら立ち枯れ病の可能性があります。立ち枯病は、傷ついた枝の先から入った菌が、そこから先を枯らしてしまう病気です。
症状が出ているのが一枝だけの場合は、その部分を切ってしまえば大丈夫です。鉢植えの場合は、根が傷んでいないか確認して植え替えをしてみるのも良いでしょう。
定期的な鉢の植え替えを行う
クレマチスは非常にたくさんの根が伸びる植物なので、ずっと同じ鉢で育てているとやがて根でいっぱいになります。そのため、2年に1度は定期的な鉢の植え替えが必要です。鉢の底から根が出るほどに伸びたら、植え替えを行いましょう。
クレマチスの鉢の植え替えに用意するのは、一回り大きい鉢・軽石・赤土玉・土です。
鉢底に軽石と赤土玉を入れたら、その上に半分ほど土をかぶせます。そこにクレマチスを置き、さらに土をかぶせます。
このとき深植えをするのがポイントです。深植えをすることで根元からたくさんのつるが伸びて、たくさんの花を咲かせることができます。
またクレマチスの根は傷つきやすく、傷ついたところから病気にもなりやすいので、植え替えの際は丁寧に扱うように気を付けましょう。
庭植えする場合は慎重に場所選びを
クレマチスは移植を嫌うため、庭に地植えする場合は慎重に場所を選びましょう。クレマチスの根は、一度地植えにするとまっすぐ下に伸びていくため、植え替えはとても困難です。
まだ小さなクレマチスの場合は、1~2年鉢植えで育ててから庭植えすると失敗を減らせます。まだ十分に成長しないうちに、庭植えしてしまうとうまく育たないことがあるためです。
クレマチスの植え替えは基本的に1年中いつ行っても構いませんが、休眠中の12月から2月中旬にかけての時期がより適しています。
クレマチスの剪定を覚えて楽しい園芸を
クレマチスは多年草なので一度植えれば毎年花を楽しめる植物です。また四季咲きの品種を選べば年間を通して何回も美しい花を眺めることができます。
園芸初心者でも育てやすいといわれていますが、適宜剪定を行うことと、適切な場所で育てることがポイントです。うまく開花しなかったり、葉や茎に元気がなかったりする場合にはこれらを見直しましょう。
また病気や害虫から守ってあげることも大切です。葉に異常を見つけたら、すぐに対処すれば枯れずに元気な姿に戻ります。
育て方のポイントを押さえて、きれいなクレマチスの花を楽しみましょう。
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