丈夫で成長が早いカポック(シェフレラ)を綺麗に保つためには、正しい剪定が必要です。けれどもいざ剪定をしようとすると、以下のようなことを考えて躊躇してしまう方も多いでしょう。
- 剪定に適した時期はいつなのか?
- どこをどんなふうに切ればいいのか?
- その他必要な手入れがあれば知りたい。
そんな悩みを持つ方のために、ここではカポックの正しい剪定方法や剪定時期を解説。他にも、普段の手入れや育て方を紹介していきます。
カポックの剪定方法と最適な時期は?
カポックは育てやすい丈夫な植物。しかしとても成長が早いため、定期的に剪定をしておかないと、樹形が崩れたり病害虫の被害にあったりします。
では、正しい剪定方法や剪定時期を見ていきましょう。
カポックの剪定方法・切り方
まずは剪定ハサミを用意しましょう。剪定ハサミを持っていない方は、100円ショップでも販売されていますので購入を検討してみてくださいね。どうしても入手できない方は、普通のハサミでも大丈夫です。
次のように順番に作業を行っていきます。
- 樹形をイメージして剪定箇所を決める
- 不要な枝や葉を切る
- 全体の形を整える
手順1:樹形をイメージして剪定箇所を決める
カポックはとても頑丈な植物です。剪定で切り過ぎてしまってもダメージは受けにくいので、好きな形をイメージして剪定場所を決めてください。こんもりと茂るようにする方が多く、その場合は全体が丸くなるように剪定します。
手順2:不要な枝や葉を切る
最初に枯れた枝や葉が重なっている箇所から切っていきましょう。切り落とす時は、根本ではなく根から10㎝程度離れたところにハサミを入れると、芽が出やすくなります。葉が密集している箇所を中心に切り、風通しや日当たりを良くしましょう。
また、切る時には切り口を斜めにすることも覚えておいてくださいね。そうすると、あとで挿し木などに利用する時に根が出やすくなりますよ。
手順3:全体の形を整える
不要な枝や葉を落としたら、全体の形を見ながら整えていきます。形が最初に決めたイメージ通りになれば剪定は終了です。
カポックの剪定時期は春から夏!
カポックの剪定の適期は春から夏。5月から7月あたりに作業をしましょう。カポックは丈夫なので基本的にはいつ剪定をしても大丈夫ですが、春から夏は成育期のため株が弱りにくくなっています。
カポックは剪定をしないと5m程度まで伸びる
カポックは育つスピードが非常に早く、枝をまっすぐ上へと伸ばしていきます。枝によって成長スピードが違うので、数年もすれば全体の形がちぐはぐに。長いところでは5m程度まで伸びるケースもあるため、樹形が崩れてきたり枯れた枝が出始めたりしたら剪定を行ってください。
ちなみに後述しますが、カポックはまれに花を咲かせます。もしも小さな粒状の花が咲いたら、できるだけ剪定してしまいましょう。花は匂いがきつく、虫を呼び寄せてしまうから。また花に養分が取られ、葉の元気がなくなる原因にもなるのです。
カポックは剪定後に水挿しや挿し木にするのがおすすめ!増やし方を4つ紹介
カポックの剪定最適期は春から夏ですが、基本的にはいつ剪定しても構いません。その剪定後の枝を使えば、カポックを簡単に増やすことが可能です。カポックは育てやすい上に、可愛く綺麗な緑色の葉を持っています。上手に増やして鉢植えでプレゼントするのもおすすめです。きっと喜ばれますよ。
カポックの増やし方は以下の4つがあります。剪定後の枝を利用してトライしてみてください。
- 水挿し
- 挿し木
- ハイドロカルチャー
- 茎伏せ
増やし方①水挿し
水挿しは非常に簡単で、初心者でも失敗しにくい方法です。剪定した枝を水に入れて発根させるだけ。水が入ったコップや花瓶に枝を入れ、毎日水を変えてください。
枝の先から根が出始めたら、観葉植物用培養土に挿して明るい日陰に置き、しっかり水をやりましょう。
増やし方②挿し木
挿し木も簡単な方法ですね。こちらは剪定した枝を土に挿して発根させる方法です。順番は以下の通り。
- 剪定した枝の節(枝や葉が出る箇所)を2~3個残して10cm程度に切る
- 葉は枝全体で2枚程度残して、他は全部落とす
- 斜めに切った枝の切り口を2時間程度水につける
- 鉢に軽石・赤玉を順番に入れ、水から出したカポックの枝を挿す
- 水をたっぷりとやり、明るい日陰に置く
- 2週間くらいは水やりを毎日行う
増やし方③ハイドロカルチャー
見た目がおしゃれで、インテリアとしても活躍するのがハイドロカルチャーです。
ハイドロカルチャーはハイドロボールと呼ばれる粘土から作られた石に、枝を挿して植物を育てる方法。見た目がボール状で大変おしゃれなのです。
まず容器の底に根腐れ防止剤を敷き、水洗いしたハイドロボールを置きます。そこにカポックの枝をさせば終了です。腐葉土で育てるよりも虫が寄ってこないため、「室内で育てるのは虫が心配」という方にもおすすめの方法です。
増やし方④茎伏せ
茎伏せは、剪定した茎を土の上に寝かせて増やす方法。葉を全部取ったあとの茎を、3cm~5㎝程度に切ります。それを約2カ月の間湿った土に寝かせればOK。うまくいけば根が出てきますよ。根が出れば軽石を敷いた鉢に観葉植物用の培養土を入れ、挿し込んで水やりをしてください。
茎伏せは少々レベルが高いので、初心者の方は難しいかもしれません。興味があればトライしてみてくださいね。
カポックの剪定に悩んだら?業者へ依頼しよう
剪定業者にカポックをお願いすることも可能です。「どうにかしたいけれど時間もないし、やっぱり自分で剪定するのが怖い」という方は、業者に依頼するのがおすすめ。
費用相場は樹高に応じて決められているところが多く、一般的には3mまでの樹木を「低木」と呼びます。低木なら1本あたり1,000~5,000円が相場です。観葉植物としてカポックを育てている場合は3m以下であることが多いので、このくらいの費用を見ておきましょう。
ミツモアを使えば、あなたの地域や求める条件にピッタリの業者が、見積もりを出してくれます。無料で複数社から見積もりが取れるので、剪定を依頼する際はぜひ一度使ってみてください。
人気の観葉植物!カポックの詳細と特徴
「カポック」は、ウコギ科シェフレラ属に分類される観葉植物。正式名称はシェフレラですが、日本ではシェフレラではなく「カポック」という名前で呼ばれることが多いですね。しかし本来カポックとは、アオイ科の落葉樹のこと。葉が似ていることからシェフレラも「カポック」と呼ばれ始め、そのまま定着しました。この記事で解説している「カポック」とは、シェフレラのことを指します。
カポック(シェフレラ)の詳細は以下の通りです。
- 原産国:中国南部~台湾
- 樹高:~5m程度
- 耐寒性:弱い
- 耐暑性:強い
どんな環境にも順応して丈夫で育てやすいため、園芸初心者にもおすすめの樹木です。100円ショップなどでも小さな鉢で販売されており、手に入れやすいことも人気の理由。最も一般的な「シェフレラホンコン」や、たこ足状に花をつける「シェフレラ・アクティノフィラ」といった複数の種類があります。
カポックは、手をパッと広げたような形の艶やかな緑葉が特徴的な植物です。上へ上へと伸びる性質がある割には茎が弱いため、鉢植えで観葉植物として育てている場合、ある程度の高さになると支柱が必要です。
稀にですが、カポックにも花が咲きます。花が咲く割合としては20年に1度程度。小さな粒状の白や黄色の花で、とても強い匂いが出ます。そのままインテリアとして楽しんでも構いませんが、強い匂いが出るため剪定した方が良いでしょう。切ったあとの花も強く匂いますので、虫が寄らないように袋に密閉することを忘れないようにしましょう。
可愛く健康に育てるコツ!カポックの育て方や普段の管理方法
健康で艶やかな緑色の葉を保つため、カポックの基本の育て方や普段の管理方法を見ていきましょう。丈夫で育てやすい植物ですので、他の植物に比べるとさほど神経質になる必要はありません。
成育場所や適した環境
カポックが好む環境は、日当たり・風通しともに良い場所。とはいえ直射日光は刺激が強く、葉焼けを起こします。夏場は遮光ネットや寒冷紗(かんれいしゃ)と呼ばれる植物に被せる布などを使って遮光しましょう。これらは園芸店やホームセンターの他、100円ショップで手に入ることもあります。
温暖な地域なら屋外でもOK
寒さに弱いので、冬に外で育てられるのは温暖な地域のみ。霜が降りない場所であれば地植えでも越冬します。夏場は直射日光が当たらない場所で育てましょう。春から秋は、半日程度であれば日光が当たっても大丈夫です。
寒い地域の場合は室内で育てるのがおすすめです。カポックには耐陰性がありますが、やはり健康に育つのは日光が適切に当たる場所。カーテン越しに日光があたる窓辺などが最適です。室内でも直射日光には当てないようにしましょう。さらに、エアコンの風が直接当たる場所も葉が傷むためNGです。
水やり
カポックは熱帯の植物なので、水を好みます。土の表面が乾いたら鉢底から水があふれ出る程度たっぷりと水やりをしてください。
冬場は水やりの回数を減らし、土の表面が乾燥してからさらに2日程度おいて水やりをします。
霧吹きを使った葉水は、できれば毎日行いましょう。ハダニなどの害虫予防になり、カポックが健康に育ちます。
施肥
カポックは初夏から秋までの間が成育期。盛んに枝を伸ばす時期なので、5月~9月頃までは液体タイプの肥料を10日~15日に1回程度、水やりの代わりに与えてください。
固形タイプの肥料を使う時は、2カ月に1度程度で構いません。根元から少し離れた場所に撒きます。水やりをするたびに肥料の成分が溶けだし、ゆっくりと土に浸透していきますよ。
植え替え
カポックを鉢植えで育てているなら、年に1回程度の植え替えが必要です。カポックは成長が早いため、よく根詰まりを起こします。鉢底から根が出ていないかマメに確認し、根が出ていれば一回り大きな鉢に植え替えてください。
植え替え手順は以下のとおりです。
- 新しく一回り大きな鉢を用意し、底石を敷いてある程度の高さまで観葉植物用土を入れる
- 現在の鉢からカポックを抜き、丁寧に土を落とす
- カポックの根を見て、古くなった根や黒く変色した根があれば剪定する
- 新しい鉢に植え、土をかぶせる
- 土表面を整えたら、たっぷりと水を与える
注意すべき病害虫とその対策
カポックにも対策を必要とする病害虫があります。以下を参考にして、駆除・対策をしてください。
種類 | 被害 | 対策 | |
害虫 | ハダニ | 葉の裏側から吸汁する | 葉水を与え窒息させる |
アブラムシ | 葉や茎から吸汁する | テープなどにくっつけて取り除く | |
カイガラムシ | 枝に取りつき吸汁する | ブラシなどで払い落とす | |
病気 | うどんこ病 | 葉の表面に白い粉のようなものがつく | 白くなった部分を切り落とし、剪定をして風通しを良くする |
病害虫以外でカポックが枯れる原因と対策
「病気でも害虫被害でもなさそう、環境も特に悪いとは思えないのに葉が枯れている」。そんな時には、以下の3つを疑いましょう。
- 根腐れ
- 根詰まり
- 低温
原因①:根腐れ
成長が穏やかになる冬に、夏場と同じように水やりをすると根腐れを引き起こしてしまいます。根腐れは土が常に湿っており根が呼吸できない状態。そのまま放置すれば株全体が腐ってしまいます。
早い段階で発見できれば、土をしっかりと乾燥させることで回復させられる可能性があります。また、乾いた土へ入れ替えるのも良い方法でしょう。その場合は根を傷めないように慎重に行ってください。
しかし残念ながら、根が真っ黒になっていれば既に重症。根は回復しませんので、処分しなければいけません。
原因②:根詰まり
根詰まりとは植物が成長したことで、鉢の中でそれ以上根を伸ばせなくなってしまった状態のこと。放っておくと、次第に先端から腐っていきます。
以下のような症状があれば、一回り大きな鉢へ植え替えをしましょう。
- 水の吸い上げが悪い
- 葉が垂れ下がっている
- 鉢の底から根が出ている
原因③:低温
カポックは熱帯植物です。順応性が高いため、ある程度の低温までは耐えられますが、氷点下になるとアウト。霜が降りると葉が傷み枯れ始めます。屋外に置いてある鉢は室内へ、窓のそばに置いてある鉢は部屋の内側へ移動させてください。
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