請求書を作成する時や取引先へ送る時、相手に失礼がないようにしたいものですよね。ところで、請求書や請求書を入れる封筒を作成する際に、「御請求書」と「請求書」の2種類の書き方を目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
請求書に「御」はつけるべきなのか、それとも単に「請求書」でよいのか。くわしく解説します。
「御請求書」は誤りではないが、「御」はなくてもよい!
ビジネスではよく目にする請求書ですが、最近「御請求書」と記載されているものを目にします。請求先に敬意を払った丁寧な表現をするためにこのような表現を使用していますが、果たして正しい言葉使いとなっているのでしょうか?
まずは、「御請求書」と「請求書」のどちらが正しい表記なのかを確認してみましょう。
御請求書の「御」は不要?
御請求書の「御」は請求先を敬うための敬語として使用されているものだと考えられます。しかし、厳密にいえば文法上は間違えた「御」の使い方なので注意が必要です。
よく使われている言葉で「御案内」や「御指導」という言葉があるように、相手に敬意を表する丁寧な言葉として名詞の前に「御」をつけて認知されている言葉もあります。
ただし、「現金」を「御現金」と言わないように、全ての名詞の前に「御」をつけることで正しい言葉使いになるわけではありません。
「御請求書」も「請求書」も誤りではない
「御請求書」の「御」は文法上不要だと言いましたが、ビジネスシーンでは長年にわたって認知されている言葉となっているので、誤りだとは言えません。
ただし、実務上は「請求書」という表記も多く、「御請求書」の表記には違和感を覚える取引先もいるはずです。
つまり、「御請求書」も「請求書」もビジネスシーンでは誤りではありませんが、「請求書」の方が無難な表記になります。
他にも気になる請求書類の表現
「請求書」を「御請求書」と記載するように、正しいかどうか分からないけれども使用されている表現は他にも多数あります。
特に請求書類に直接記載されている表現や、請求書に同封されてくる封筒や送り状にもこのような表現は多く用いられています。このような表現のうちいくつか具体例を挙げて確認してみましょう。
「御請求書在中」も「請求書在中」に
請求書を送付する際は封筒に赤いスタンプなどで「請求書在中」と明記します。これは、大事な請求書が入っていることを封筒開封前に分かってもらうための表記で、受け取り側が一目で内容について把握するためのものです。
この場合は、簡潔に内容が伝わることが最も大事なので、「御請求書在中」ではなく「請求書在中」と文字数が少ない簡素な形で表記するほうが望ましいです。
ただし、前述の請求書のケースと同様に「御請求書在中」であってもビジネス上は間違った表現ではありません。
「ご請求させていただきます」は正しい?
メールや請求書の送付状などに「ご請求させていただきます」という表現が使用されているのを目にしたことはありませんか。実はこの表現は誤りで、正しくは「ご請求いたします」または「ご請求申し上げます」と表現します。
「ご請求させていただきます」はご自身が行う請求という行為に許可を求める言葉の「させていただきます」をつけていることになるので、正しい言葉使いではないのです。
「ご査収願います」は正しい?
「請求書を送付致します。ご査収願います」このような送付状が請求書と一緒に送られてくることがあります。実は「ご査収願います」は正しい敬語ではないので注意が必要です。正しくは「ご査収ください」。もっと丁寧に表現するのであれば「ご査収くださいますよう、お願い申し上げます」などと表現します。
請求書の書き方とテンプレート
請求書の表記については上記で確認した通りです。では、実際に請求書を発行するためには何を記載すべきでしょうか。こちらでは、請求書に記載すべき事項を簡単に説明します。
請求書の記載事項
請求書は商品の購入やサービスの利用をして頂いた得意先へ代金の支払いを依頼するために発行する文書です。そのためには必ず以下の項目を記載しなければなりません。
- 請求先名称(宛先)
- 請求書発行者(住所、名称、電話番号)
- 取引年月日
- 取引内容
- 取引金額
- 消費税の額
- 締め支払日
- 振込先銀行口座情報
また、必要に応じて請求書に以下の項目を記載することもあります。
- 書類作成者または担当者
- 振込手数料の負担など
請求書の書き方については、関連記事でも紹介していますのでご参照ください。