築年数の古い住宅にはよくある押入れ。収納として使いづらいのでリフォームしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、自分でできる手軽な押入れリメイクから、業者に本格的なリフォームを依頼する場合の費用目安まで紹介します。
押入れをリフォームする場合、どんなアイデアがある?
押入れの中段を外してクローゼットにする、作業スペースにするといったアイデアがあります。その他にもふすまを外してカーテンに変えたり、壁紙を貼るなど簡単な作業でおしゃれに模様替えすることが可能です。
押入れをクローゼットにリフォームしたときにかかる費用は?
中段を外してハンガーパイプを取り付けるだけの簡易なクローゼットなら、費用は5万円程度です。いっぽう押入れを解体して本格的なウォークインクローゼットに改装する場合には、20~50万円くらいの費用がかかるでしょう。
押入れリフォームの事例・費用まとめ!DIYでもできる?
押入れリフォームの内容とかかる費用の目安
押入れをリフォームする目的は人それぞれ。現代的なクローゼット収納に変えたい方も、扉を外して書斎・作業スペースとして活用したいという方もいらっしゃるでしょう。
このような押入れリフォームを業者に依頼すると、一体どれくらいの費用と工期がかかるのかを見ていきましょう。
工事内容 | 費用相場 | 工事期間 |
簡易クローゼット | 2万〜6万円 | 半日〜1日 |
一般的なクローゼット | 7万〜18万円 | 3〜4日 |
ウォークインクローゼット | 20万〜50万円 | 3〜5日 |
作業スペース | 10万〜20万円 | 3〜5日 |
撤去して部屋を広げる | 5万〜10万円 | 2〜3日 |
ふすまの張り替え | 2,000円〜/1枚片面 | 1日 |
工事内容によって変動するので、詳細は業者に見積もりを依頼しましょう。
押入れリフォームのDIY、どんなことができる?
あまりお金をかけず、自力で押入れをリフォームしようと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
元々の構造には手を加えずにできるDIYアイデアをご紹介します。
【突っ張り棒を利用してパイプハンガーを作りクローゼット風にする】
残りのスペースは、衣装ケースやチェストなどを置くとクローゼット風に仕上がります。
【ふすまを外してカーテンで目隠しをする】
部屋から見ると、ふすまの和風な雰囲気によって、押入れの古めかしさが強調されていることが多いです。
ふすまを外し、好きなデザインの布やカーテン、ロールスクリーンなどを吊るすだけで、かなり印象が変わるでしょう。
【中板をデスク代わりにして書斎や作業スペースを作る】
扉を撤去し、床材と壁材をそれぞれ張っていきます。
中段の撤去はDIYでは難しいので、そのままデスクとして生かしましょう。
床は部屋の床材と似たような色柄でも良いですし全く違っても面白いと思います。
壁と天井には、お気に入りのクロスを貼って内装を自分好みに仕上げれば完成です。
デスクとチェア、収納ボックスや照明を付ければ書斎に変身します。
床材や壁材(プラスターボードや合板)はホームセンターで購入しましょう。
自分でDIYする場合は人によって出来ることが異なるので、無理せずできる範囲で自分好みにカスタマイズしてみましょう。
①押入れをクローゼットにリフォーム
押入れをクローゼットにリフォームするには、大きく分けると以下3つの方法があります。
- 簡易クローゼットにする
- 一般的なクローゼットにする
- ウォークインクローゼットにする
簡易クローゼットにする
最も簡単でシンプルなリフォームは、押入れの中棚を取り外してハンガーパイプを設置するパターン。中身だけを大きな空間に変えるため外見は和風の押入れのままですが、工期も費用もさほどかかりません。
押入れは畳んだ布団を重ねて収納するために、一般的なクローゼットよりも奥行があります。それを利用すれば2連のハンガーレーンやパイプを設置できるので、多くの洋服がきれいに収納できますよ。
費用や時間をできるだけ抑え、手軽に収納量を増やしたい方におすすめです。ただし壁や床は押入れ当時のままなので、見た目や頑丈さの面では妥協が必要です。
特に古い押入れであれば床がきしんでいないか、大人が立っても大丈夫そうかは確認しておきましょう。危ないと感じたら、床の補強工事だけはしておくことをおすすめします。
費用は6万円程度、工期は1日を想定しておけばOKです。
一般的なクローゼットにする
和室を洋室化するときに、押入れを見た目も中身も洋室に合わせたクローゼットにリフォームするというケースも多いでしょう。
見た目がきれいになるうえ、通常のクローゼットに比べると押入れ特有の奥行があるため、収納量が多くなります。
以下のような作業を行います。
- 押入れの中棚を外す
- 床や壁を補強
- ハンガーパイプや収納棚を新たに設置
- 襖(ふすま)を扉へ変更
- 壁にはクロス(壁紙)を貼る
この場合の工事費は15万円程度、工期は部屋全体を含めて2週間程度です。
ウォークインクローゼットにする
中に人が入って収納物を出し入れできる小型の部屋、ウォークインクローゼットへのリフォーム。間取りによっては、押入れの前のスペースと合わせて空間を広げることも可能です。
押入れの解体・壁や床の補強をして新しく壁や間仕切りを作り、ハンガーパイプや収納棚を作っています。湿度対策のために換気扇も設置します。
費用は55万円程度、工期は部屋の他の部分も含めて約1ヵ月を見ておきましょう。
この場合一般的には押入れスペースだけでは狭いので、もとの押入れよりもスペースを広げたリフォームとなります。押入れがあった部屋ごとリフォームとなるため、リフォームにかかる費用や工期は最も高くなります。
②押入れを作業スペース(書斎・勉強机)にリフォーム
押入れを作業スペースにリフォームする場合は、DIYなら扉、中段の撤去、床材や壁材を取り付け内装仕上げまでが、DIYの限界です。
また、作業スペースのデスクを新たに取り付けるのは至難の技で、DIYで付けられたとしても物を置いたら壊れてしまったということもよくあります。
強度や設置の仕方は、やはり素人には難しい作業となるため業者に依頼した方が懸命です。
さらに照明を付けたい場合には電気工事が必要です。
電気工事をDIYで行うには、大変難しく危険も伴うため専門業者に任せましょう。
DIYでやるなら、中段をそのまま残してデスクとして有効活用するのがおすすめです。
それでは、業者に依頼した方が良いことと、その費用の相場、DIYで行う際の注意するポイントを紹介します。
業者に依頼して快適な作業スペースに
自分でDIYが出来ないことは業者に依頼する方が安心です。
自分で行う作業時間や材料費、仕上がりやケガのリスクを考えると費用をかけて業者に任せた方がスムーズに綺麗な仕上がりになります。
以下のような作業はプロの業者に依頼するのがおすすめです。
- コンセントを増設する
- 採光を取る
- 中段を撤去してデスクの高さを変える
工事内容 | 費用相場 |
コンセントの増設(1箇所) | 1.4万〜2万円 |
採光を取る(窓の新設の場合) | 10万〜20万円 |
中段撤去・デスク新設 | 10万円程度 |
コンセントを新設したり、照明の配線が必要な場合は業者に見積もりを依頼しましょう。
採光を取りたい場合は、外壁に窓を新設するのか、内壁にあかり取り用の窓のみを設置するのかによっても費用は異なります。
また、周囲の補修工事も関わってきますので、正確な費用は見積もりを取りましょう。
DIYで作業スペースを作るときのポイント
DIYで作業スペースを作る際のポイントについて見ていきましょう。
【内装デザイン】
DIYの場合は基本的に中段は残します。
それを踏まえた上で、デスク代わりになる中段をどうデザインするかです。
天板をそのまま使うのも良いですが、お好みのシートを貼ってデスクらしくするのも良いでしょう。
壁や天井はお気に入りの壁紙クロスを貼るか、塗装しても面白いかも知れません。
変わったところでは、黒板を壁材代わりに壁一面に設置したり、無垢の板を貼り付けるのもおしゃれです。
床は、部屋との段差を無くすようにフラットにしておき、バリアフリーレールやフロアマットを使うと便利です。
【照明や配線の設置】
コンセントの設置や照明の配線などの電気工事は業者に任せて、パソコンやディスプレイ、デスクライトなどの配線は出来るだけ目立たないように整理しましょう。
ケーブルボックスやケーブルカバーを上手く利用してスッキリ見せると綺麗です。
コンセントを新設しない場合は部屋から引っ張るしかありませんが、10個口ぐらいある長めの電源タップを用意するとまとまるためスッキリします。
【椅子の高さ】
中段をデスクにする訳ですから、中段の高さに合った椅子が必要です。
通常は中段の高さは75cmです。一般的なデスクの高さは70cm程度なので、少し座面を高く出来る椅子を用意すると良いでしょう。
③押入れを小部屋にリフォーム
押入れを小さな部屋としてリフォームする場合、どのような使い方があるのでしょうか。
中段に小さなはしごをつけて子供の遊ぶスペースにしたり、2段ベッドにすることも出来ます。
また、自分だけの趣味に没頭できるスペースとして使うのも良いでしょう。
物作りの作業スペースやコレクターならディスプレイする部屋にも出来ます。
他には、テレビの置き場に困っている方は、壁面収納として使用するのも一つのアイデアです。
使い方は人それぞれで、自分の好みにカスタマイズしましょう。
④押入れを撤去して部屋を広くする
押入れを部屋のスペースとつなげる場合、部屋との一体感がないと綺麗に見えません。
小部屋に使ったり、書斎にするのならイメージが違っても別空間として捉えられます。
しかし、押し入れのスペースを撤去して部屋を広げるためには、中段の撤去や床を部屋と繋げる工事も必要です。
また、壁紙や天井などを違和感なくつなげるには、DIYでは大変難しい作業になります。
押入れを撤去して部屋を広くするためには、プロの技術が無いと上手く納めることは不可能といえるでしょう。
押入れのリフォームにかかる費用の内訳・工期
押入れリフォームの内容とその内訳
押入れリフォームの工事費は、一般的に「基本費用」と「追加費用」で計算されます。
費用種類 | 工事内容 | 費用目安 |
基本費用 | 中棚の解体撤去 | 1万円 |
全体の解体撤去 | 2~3万円 | |
壁と床の補強 | 1.2万円 | |
養生費や廃棄処理など | 2万円 | |
追加費用 | クローゼットの扉取り付け | 5~10万円 |
壁紙貼り付け | 2~5万円 | |
床張り替え | 2~3万円 | |
棚板やパイプの取り付け | 7千~1.2万円 | |
仕切り棚の取り付け | 4~5万円 |
※費用はあくまで目安です。状況によって大きく異なることもあるので、正確な金額は見積もりを出してもらわなければ分かりません。
基本費用にプラスして追加費用を加算していくやり方の業者が一般的ですが、中にはセットパックを作って料金を設定しているところもあります。
また、襖を扉(クローゼットのドア)へ変える場合にはドアの本体費用がかかります。扉には折れ戸・開き戸・引き戸の3つがあり、それぞれの特徴や費用目安は以下の通りです。
クローゼットドアの種類 | 開け方 | 費用相場 |
折れ戸 | 外から取っ手を引くと折れ曲がって開くドア | 5~10万円 |
開き戸 | 外から引いて開くドア | 5~10万円 |
引き戸 | 横にずらして開くドア | 5万円程度 |
引き戸は押入れの襖と同じタイプのため、襖の扉枠を再利用できます。その分他の2つに比べると費用が抑えられるでしょう。
押入れリフォームの工期
押入れをクローゼットにリフォームする場合の工期は全体で3~4日程度です。
工事内容 | 工期 |
工事前の養生や調整作業 | 約1日 |
押入れの解体・撤去・下地補修 | 約1日 |
クローゼット本体の組み立て工事 | 1~2日 |
ただし工期目安の3日は、前述した「一般的なクローゼット化」の場合。簡易タイプであれば半日で終了するケースもあります。逆にウォークインクローゼットの場合は部屋を丸ごとリフォームするため、1ヵ月かかることもあります。
どのようなリフォームをするか・どんな扉を選ぶかで工期は変わるので、工事期限を設けたい方は事前に業者に相談しましょう。
押入れをリフォームするときの注意点
押入れリフォームで気をつけたい注意点や、考えておきたいポイントを確認しましょう。
- スペースに収納する物を考えておく
- タンスを置ける強度かどうかを確認する
- カビや結露防止策が必要になる
スペースに収納する物を考えておく
押入れをリフォームしたあとに、何を収納したいかを考えておくと後悔が少なくなります。
たとえば幅いっぱいにハンガーパイプを設置しても、ハンガーにかけて収納する服がさほどなかった場合にはハンガーパイプの長さが余りますよね。「ハンガーパイプがなければタンスなどの収納ケースを置けたかもしれない…」と後悔する羽目になってしまいます。
大まかでいいので何をどこにどうやって収納するかを考えておきましょう。クローゼットに設置したいタンスや収納ケースがあれば、先にサイズを測っておくと大体の設置場所を決められます。
床の強度を確認する
特に築年数が経っている家では、押入れの中が傷んでいるケースが散見されます。このとき最も注意すべきなのは押入れの床。
押入れはそもそも人が立ち入るように設計されていないため、床は薄いベニヤ板が一枚敷いてあるだけという場合も多いです。せっかくクローゼットにリフォームしたのに床を踏んだら抜けてしまったというトラブルもあります。
タンスや収納ケースなどが置けない場合もあるため、まずは床の強度を確認しましょう。床が薄いように感じる・踏んだらたわむという場合には、床の補強工事が必要です。費用の追加を見込んでおきましょう。
カビや結露を予防する
押入れは普段から閉めきっていることが多い場所。空気の逃げ場もないので家の中では特に湿気が溜まりやすい場所です。築年数が古い家では壁や床に白カビが生えていたり、結露が発生してじっとりと濡れていたりすることもあります。
そのためクローゼットへリフォームする際には、断熱材を壁や床に入れたり壁紙を防カビ効果がある種類にしたりするなどの対策が必要です。
古い戸建てであれば押入れ工事の際に壁の板を剥がして白アリ被害がないかどうかも確認してもらってくださいね。
リフォーム業者を選ぶときのポイント
押入れリフォームをできる限り安くしたいという場合は、以下の2点を意識するのがおすすめです。
- ハウスメーカーではなく施工業者に直接問い合わせる
- 複数の施工会社から見積もりを取り、比較する
ハウスメーカーではなくリフォーム業者に依頼する
この記事を読んでいる方の中には、ハウスメーカーにリフォームの問い合わせを送ろうと考えている方もいるかもしれません。しかしハウスメーカーはリフォーム料金が割高になってしまうというデメリットがあるんです。
その理由は、ハウスメーカーも結局施工業者にリフォームを外注するから。私たちと施工業者の間にハウスメーカーが介するので、自分たちの利益を上乗せした金額を提示しなければならないのです。そのため安く抑えたいなら、ハウスメーカーを介さずに施工業者に直接依頼しましょう。
複数のリフォーム業者から見積もりを取り、比較する
施工業者の中にも高いところと安いところがあります。仮に1社しか見積もりを取らないと、それが高いのか安いのか判断ができないですよね。より安くリフォームを依頼したいなら、少なくとも3社の見積もりを比較するのがおすすめですよ。
とはいえ「どの施工業者に問い合わせればいいか分からない」「それを最低3社もやるなんて面倒」という方は、ぜひミツモアを利用してみてください。
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