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防音工事の費用はいくら?ピアノ演奏・騒音対策などケース別一覧

最終更新日: 2025年03月27日

「自宅内の音を外に出したくない」「外からの騒音が気になる」などの理由で防音工事を依頼する人が増えています。防音工事の費用相場は10万~200万円以上と、施工内容によって工事費に大きな幅があることが特徴です。

防音工事で現地調査が必須な理由や安く済ませるためのコツを確認しましょう。過去1年間の160件以上の見積もり結果から算出した費用相場も紹介します。

防音工事の費用相場

防音工事は部屋全体に行われることが多いです。詳しい費用相場については以下の表をご参照ください。

防音工事の内容 費用相場
壁の防音工事 1㎡あたり12,000~15,000円
天井の防音工事 1㎡あたり22,000~28,800円
床の防音工事 1㎡あたり4,000~12,000円
ドアの交換 1枚あたり240,000~345,000円
防音シートの設置 1㎡あたり12,000~13,000円
内窓の設置 1枚あたり8,400~35,000円

※ミツモアにおける防音工事サービスの見積もり価格から算出しています。(2024年1月1日~12月31日)

防音工事のケース別費用相場

防音工事にはいくつかのケースが考えられます。代表的な事例を4つ紹介します。

① 子供やペットの声を外部に漏らさないための防音工事を行う場合

子どもの声や足音、ペットの鳴き声は共に暮らす家族からすればほほえましいものですが、生活騒音として数えられることの多い音です。

子どもやペットが出す音を外部に漏らさないためには、以下のような防音工事が必要です。

  • 壁・床の防音工事
  • 二重窓(内窓)の設置
  • 防音ガラスへの変更
  • 防音・遮音マットを敷く
  • 換気口を防音換気口に変更

これらの工事を行った場合の費用相場は55万~100万円です。

② 外からの騒音を防ぐ防音工事を行う場合

家の近くを走る車の音など、外からの騒音を防ぐためには以下の防音工事が効果的です。

  • 二重窓(内窓)の設置
  • 防音ガラスへの変更
  • 壁の防音工事

これらの工事を行った場合の費用相場は30万~55万円です。

③ 楽器を弾くために部屋全体を防音室に変更する場合

楽器を弾くために部屋の1つを防音室に変更する場合は、以下の工事が必要です。

  • 壁・床・天井の防音工事
  • 壁内へ吸音材の敷き詰め
  • 吸音・遮音マットの敷設
  • 二重窓(内窓)の設置
  • 防音ガラスの設置
  • 防音ドアの設置

これらの工事を行った場合の費用相場は200万~800万円です。演奏したい楽器のdb数によって必要な防音工事が異なり、施工費用が変動します。

④ 楽器を弾くために組み立て式の防音室を設置する場合

防音室を作る金銭的余裕がない場合は組み立て式の防音室を設置することでも、楽器演奏や歌唱に必要な環境を作れます

組み立て式の防音室の施工費用は、防音室の本体価格と設置工賃の合計金額です。

組み立て式防音室の本体価格:1,000,000円
組み立て・設置工賃:20,000円
合計金額:1,020,000円

組み立て式防音室の本体価格は防音室の広さや防音性能によって変動します。上記はあくまで一例であることにご留意ください。

防音工事の費用内訳

① 建材の費用

防音工事では多量の建材を利用するため、建材の費用がかさむ傾向があります。用いられる建材は特別なものではなく、一般的な住宅にも用いられるものがほとんどです。

防音工事用建材の費用例
グラスウール・ロックウール:1㎡あたり2,000~5,000円
制振材(防振ゴム・防振シート):1㎡あたり5,000~10,000円
防音石膏ボード:1枚あたり3,000~6,000円
防音ドア:1枚あたり50,000~100,000円
二重窓(内窓):1か所あたり9,000~35,000円

選ぶ建材の防音性能やメーカーによって価格が変動します。そのため、防音性能と予算のバランスを吟味する必要があります。

② 工賃

防音工事には騒音や音の広がり方に関する特別な知識が必要なため、工賃が高額になりやすい傾向があります。

防音工事の工賃の例
床の防音工事:1㎡あたり4,000~12,000円
壁の防音工事:1㎡あたり12,000~15,000円
天井の防音工事:1㎡あたり22,000~28,800円
※ミツモアにおける防音工事サービスの見積もり価格から算出しています。(2024年1月1日~12月31日)

③ 人件費

防音工事における人件費は総工事費の20~30%を占めるケースが多いです。

人件費が高くなる要因の1つに工期の長さが挙げられます。工期が延びるとその分拘束時間も伸びるため、人件費が高額になりやすいです。

防音工事が高額になりやすい2つの理由

防音工事は他のリフォーム工事と比較すると費用が高額になりやすい傾向があります。防音工事費用が高額になりやすい理由は2つあります。

① 高性能な建材を多量に使用する

防音工事では機能性の高い建材を多量に使用して施工するケースが多いため、工事費用が高額になりやすいです。たとえば一般的な石膏ボードの費用は1枚あたり1,000円ほどですが、防音用石膏ボードは3,000〜6,000円と3〜6倍の価格差があります。

ほかにも通常の断熱材ではなく防音効果を高めるための制振材や吸音材を複層で施工するため、材料費だけでも一般的な内装工事の倍以上の価格になることも珍しくありません。

ほかにも防音室を設置する場合は、音の伝搬を遮断するための「浮き構造工法」などの特殊施工が必要となり、その場合は1㎡あたりの単価は標準内装の3〜5倍になるケースもあります。

② 工期が長くなりやすい

防音工事は手を加える範囲が広く、作業の工数も多くなりがちです。すると工期が長くなり、結果的にリフォーム費用が高額になりやすいです。

以下は一般的な防音工事の内容と工期の目安です。

防音工事の内容 工期の目安
二重窓の設置 半日~1日
防音カーペットの敷き込み 1日
床の張り替え 1日
組み立て式防音室の設置 半日~7日
楽器用防音室への変更 20~30日

一般的に、防音工事の工期は施工する部屋が広くなるほど長くなります。また楽器用の防音室を作る場合は、使用する楽器の種類によって必要な防音性能が変化するため、工期に影響が生じます。

防音工事を安く済ませる3つのコツ

防音工事は100万円以上かかるケースも多いです。少しでも費用を抑えるコツを知って、総工費を節約しましょう。

① 補助金・助成金を活用する

二重窓を設置する場合は「先進的窓リノベ事業」の助成対象になるケースがあります。先進的窓リノベ事業は断熱工事に関する事業ですが、二重窓の設置は断熱性能を高め防音効果も高められるため、補助金の支給対象になると考えられます。

特定の空港周辺の住宅は補助金の対象になる可能性がある

特定の空港周辺の住宅であれば、防音工事に補助金が支給されます。

「公共用飛行場周辺における航空機騒音による傷害の防止等に関する法律(騒防法)等に基づく空港周辺環境対策事業」では、第1種区域~第3種区域が指定されており、この区域内に住宅がある場合は防音工事や転居に補助金が支給されます。

騒防法の対象空港

  • 函館空港
  • 仙台空港
  • 東京国際空港(羽田空港)
  • 成田国際空港
  • 新潟空港
  • 大阪国際空港(伊丹空港)
  • 松山空港
  • 高知空港
  • 福岡空港
  • 大分空港
  • 宮崎空港
  • 鹿児島空港
  • 那覇空港

具体的なエリアについては空港がある自治体に問い合わせる必要があります。

② 一括見積もりでお得な業者を見つける

防音工事の依頼先を見つけるには一括見積もりサイトの活用をおすすめします。1度の情報入力で複数の業者から見積もりが取れるため、効率的に業者の情報を取得できます。各社の見積もり内容や価格の比較も簡単にできるため、相場観が掴みやすい点も魅力的です。

ミツモアでは地域で活躍するリフォーム業者や工務店を含めた、最大5つの事業者からの見積もりが届きます。見積もり依頼は無料でできるため、防音工事の検討段階からお気軽にご利用いただけます。

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③ 防音マット・スリッパ等を活用する

足音が階下の住宅に響いてしまうことを心配しているのであれば、防音工事をしなくても防音マットや防音スリッパを利用することである程度の騒音を抑えられます

たとえば厚さ5mm〜1cm程度の防音マットを床に敷くことで、足音による衝撃音を10〜15dBほど軽減できます。特にマンションの床では、ウレタン素材やEVA素材のマットが効果的です。また室内用の防音スリッパは底面がフェルトや発泡ゴムでできており、硬い床での足音を和らげます。

防音マット・スリッパは数千円から導入できるため、気軽にできる騒音対策として効果的です。

防音工事の正確な費用を知るには現地調査が必須

防音工事の正確な費用を把握するには現地調査が重要です。

建物の構造や壁の厚さ、天井の高さなどの物理的条件は物件ごとに異なります。これらの違いが防音効果と工事難易度に直結します。他にも音の発生源や伝搬経路を特定しなければ、効果的な対策箇所を判断できません。

さらに既存の遮音性能の測定や周辺環境の確認も必要です。電話やネット経由の概算見積もりはあくまで入力された情報からの見積もりであるため、実際に調査を行った際に費用が大きく変動するケースが少なくありません。適切な防音効果を得るためには、専門家による事前調査が不可欠といえます。

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生活騒音の対策として防音工事をする場合の費用目安は55万~100万円です。部屋の広さや対策したい音の種類によって工事の範囲や内容が異なるため、費用が変動します。

防音工事は施工内容によって費用相場が大きく異なるため、リフォーム業者による現地調査と見積もりが大切です。信頼できる業者を簡単に探したいのであれば一括見積もりサービスの活用をおすすめします。

ミツモアでは簡単な質問に答えるだけで最大5つの見積書が届きます。見積もりの内容を比較・検討し、口コミもチェックして信頼できる業者にリフォームを依頼しましょう。

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