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防音工事の費用はいくら?ピアノ演奏・騒音対策などケース別一覧

最終更新日: 2025年05月13日

「自宅内の音を外に出したくない」「外からの騒音が気になる」などの理由で防音工事を依頼する人が増えています。防音工事の費用相場は10万~200万円以上と、施工内容によって工事費に大きな幅があることが特徴です。

防音工事で現地調査が必須な理由や安く済ませるためのコツを確認しましょう。過去1年間の160件以上の見積もり結果から算出した費用相場も紹介します。

防音工事の費用相場

防音工事の平均相場

防音工事の費用相場は、施工内容や範囲によって大きく変動します。ミツモアにおける防音工リフォームサービスの見積もりデータに基づくと、平均費用相場は22,000円~875,000円です。(2021年1月1日~2024年12月31日)

この費用相場には幅があり、窓や壁の一部といった比較的小規模な工事から、部屋全体にわたる本格的な防音施工まで、様々なケースが含まれています。

内窓の設置など、小規模な工事であれば1箇所あたり8,400円~35,000円で完了するケースもあります。

防音工事箇所別の費用相場

防音工事は部屋全体に行われることが多いです。詳しい費用相場については以下の表をご参照ください。

防音工事をする箇所 工事内容の例 料金
遮音材や吸音シートの敷き詰め 1㎡あたり12,000円~15,000円
天井 遮音材や防音ボードの貼り付け 1㎡あたり22,000円~28,800円
防音フローリングへの張替え 1㎡あたり4,000円~12,000円
床下へ遮音材の敷き詰め 1部屋あたり300,000円~800,000円
ドア 防音ドアへの交換 1枚あたり240,000円~345,000円
二重窓の設置 1箇所あたり8,400円~35,000円
防音ガラスへの取り替え 1枚あたり35,000円~47,000円

※ミツモア調べ(2025年5月時点)

楽器を弾くための防音工事の費用

室内で楽器を弾けるようにするための防音工事の費用について解説します。

dB数別防音工事の内容

弾きたい楽器や防音したい音のdB数ごとに行うべき防音工事の内容は異なります。音の大きさ別に必要な工事の例をご紹介します。

音の大きさ 音の例 必要な工事
110dB
  • ドラム
  • パーカッション
  • 二重床への変更
  • 防音マット・遮音ボードの設置
  • 壁内へ吸音材敷き詰め
  • 二重窓(内窓)の設置
  • 防音ガラスへの取り替え
  • 等級の高い防音ドアの設置
100dB
  • 声楽の歌声
  • 金管楽器
  • 防音マット・遮音ボードの設置
  • 壁内へ吸音材敷き詰め
  • 二重窓(内窓)の設置
  • 防音ガラスへの取り替え
  • 等級の高い防音ドアの設置
90dB
  • バイオリン
  • ピアノ
  • 防音マット・遮音ボードの設置
  • 壁内へ吸音材敷き詰め
  • 二重窓(内窓)の設置
  • 防音ドアの設置

なお防音工事では「Dr-値」が大きくかかわります。Dr-値とは、防音性能の等級を表す指標です。たとえば防音室内で100dBの音が発生しているときに、防音室外では50dBに聞こえるとしたら50dB分遮音していることとなります。この場合Dr-値は「Dr-50」と記載されます。

① 楽器を弾くために組み立て式の防音室を設置する場合

防音室を作る金銭的余裕がない場合は組み立て式の防音室を設置することでも、楽器演奏や歌唱に必要な環境を作れます

組み立て式の防音室の施工費用は、防音室の本体価格と設置工賃の合計金額です。

組み立て式防音室の本体価格 1,000,000円
組み立て・設置工賃 20,000円
合計金額 1,020,000円

組み立て式防音室の本体価格は防音室の広さや防音性能によって変動します。上記はあくまで一例であることにご留意ください。

② 楽器を弾くために部屋全体を防音室に変更する場合

楽器を弾くために部屋の1つを防音室に変更する防音工事の費用相場は200万~800万円です。

  • 壁・床・天井の防音工事
  • 壁内へ吸音材の敷き詰め
  • 吸音・遮音マットの敷設
  • 二重窓(内窓)の設置
  • 防音ガラスの設置
  • 防音ドアの設置

演奏したい楽器のdB数によって必要な防音工事が異なり、施工費用が変動します。

外からの騒音を消す工事の費用

音の大きさの目安

一般的に人が「うるさい」と感じる音の目安は65dB以上です。とはいえ、どのくらいの音の大きさかすぐには想像がつかない人がほとんどでしょう。

以下に音の大きさと、音の大きさの目安を表形式でまとめました。

音の大きさ 音の目安
120dB
  • 飛行機のエンジンの近く
  • 近くの落雷
110dB
  • 車のクラクション
100dB
  • 地下鉄の構内
  • 電車が通る時のガード下
  • 声楽のプロが歌う声
90dB
  • カラオケ店
  • 工場の内部
  • 人の怒鳴り声
80dB
  • 走行中の電車内
  • 電車の線路脇
70dB
  • 掃除機
  • セミの鳴き声
60dB
  • 走行中の社内
  • 普通の話し声
50dB
  • 家庭用エアコンの室外機
  • 静かな事務所の中
  • 小さな声
40dB
  • 人のささやき声
  • 図書館内

なお聴覚に異常が発生する可能性が高くなるのは90dB以上の音です。音楽のライブやスポーツ観戦時なども90dB以上の音が発生する可能性が高いです。

外からの騒音を防ぐ防音工事を行う場合

家の近くを走る車の音など、外からの騒音を防ぐ防音工事の費用相場は30万~55万円です。以下に挙げる工事を行うことが多いです。

  • 二重窓(内窓)の設置
  • 防音ガラスへの変更
  • 壁の防音工事

二重窓は防音性能だけでなく断熱性能を高める効果も期待できます。二重窓の設置時には断熱工事に関する補助金が利用できるケースがあるので、補助金情報について調べることをおすすめします。

ペットの鳴き声を漏らさない防音工事の費用

ペットの鳴き声は共に暮らす家族からすればほほえましいものですが、生活騒音として数えられることの多い音です。ペットの音を外に漏らさないようにする防音工事の費用相場は55万~100万円です。

ペットが出す音を外部に漏らさないためには、以下のような防音工事が必要です。

  • 壁・床の防音工事
  • 二重窓(内窓)の設置
  • 防音ガラスへの変更
  • 防音・遮音マットを敷く
  • 換気口を防音換気口に変更

ペットの中で特に注意をしたいのは犬の鳴き声です。犬の鳴き声は約90~100dBと非常に大きな音です。これは掃除機や走行中の地下鉄の車内と同程度とされており、環境省の定める環境基準の55dBを大きく上回ってしまいます。

小型犬であっても鳴き声は大型犬のものと大きく変わりません。ペットを飼育する場合は、なるべく高性能な防音設備を用意することをおすすめします。また無駄吠えをしないようにしつけをすることも大切です。

ペットの鳴き声対策として効果的な防音工事は二重窓の設置です。二重窓そのものが防音性能を高めてくれるうえ、防音ガラスを用いることでさらに防音効果を高めてくれます。二重窓を適切に設置することで、30~40dBほど遮音できるといわれています。

6畳の部屋を防音室にするときの費用例

実際に6畳の部屋を防音工事にする工事の内容と費用感は以下の通りです。

工事の内容 費用相場
天井の防音工事 500,000円
壁の防音工事 500,000円
床の防音工事 500,000円
防音ドアへの交換 240,000円
内窓の設置 20,000円
合計金額 1,760,000円

※ミツモア調べ(2025年5月時点)

ピアノを弾ける程度の防音工事を施す場合、6畳という比較狭い部屋であっても170万円以上の費用が必要であることがわかります。

防音室を設置する工事が高額になりやすいのは、以下の理由があります。

  • 防音工事に高度で複雑な専門知識が必要
  • 『浮き構造』の施工にコストがかかる
  • 防音性能に優れた高性能な建材を大量に使う
  • 高気密を保つ施工に手間がかかる

なお防音室を設置する場合は、天井や壁、床が厚くなることが多いです。楽器が弾ける程度の防音性能を持った部屋にする場合、6畳の部屋では実際に使える面積は4畳程度になることが多い点にご注意ください。

防音工事の費用内訳

防音工事の費用は主に3つに分けられます。

上記3つの要素が組み合わさって総工費が決定します。防音工事の見積書をチェックするときは費用の内訳を確認して、それぞれの費用が妥当な金額かどうかも確認しましょう。

① 建材の費用

防音工事では多量の建材を利用するため、建材の費用がかさむ傾向があります。用いられる建材は特別なものではなく、一般的な住宅にも用いられるものがほとんどです。

防音工事用の建材 大きさ 費用例(円)
グラスウール・ロックウール 1㎡ 2,000~5,000円
防音石膏ボード 1枚 5,000~10,000円
二重窓(内窓) 1か所 9,000~35,000円
防音ドア 1枚 50,000~100,000円

② 工賃

防音工事には騒音や音の広がり方に関する特別な知識が必要なため、工賃が高額になりやすい傾向があります。

防音工事の内容 1㎡あたりの費用例(円)
床の防音工事 4,000~12,000円
壁の防音工事 12,000~15,000円
天井の防音工事 22,000~28,800円
内窓の設置 8,400~35,000円

※ミツモアにおける防音工事サービスの見積もり価格から算出しています。(2024年1月1日~12月31日)

③ 人件費

防音工事における人件費は総工事費の20~30%を占めるケースが多いです。

人件費が高くなる要因の1つに工期の長さが挙げられます。工期が延びるとその分拘束時間も伸びるため、人件費が高額になりやすいです。

防音工事が高額になりやすい2つの理由

防音工事は他のリフォーム工事と比較すると費用が高額になりやすい傾向があります。防音工事費用が高額になりやすい理由は2つあります。

① 高性能な建材を多量に使用する

防音工事では機能性の高い建材を多量に使用して施工するケースが多いため、工事費用が高額になりやすいです。たとえば一般的な石膏ボードの費用は1枚あたり1,000円ほどですが、防音用石膏ボードは3,000〜6,000円と3〜6倍の価格差があります。

ほかにも通常の断熱材ではなく防音効果を高めるための制振材や吸音材を複層で施工するため、材料費だけでも一般的な内装工事の倍以上の価格になることも珍しくありません。

ほかにも防音室を設置する場合は、音の伝搬を遮断するための「浮き構造工法」などの特殊施工が必要となり、その場合は1㎡あたりの単価は標準内装の3〜5倍になるケースもあります。

② 工期が長くなりやすい

防音工事は手を加える範囲が広く、作業の工数も多くなりがちです。すると工期が長くなり、結果的にリフォーム費用が高額になりやすいです。

以下は一般的な防音工事の内容と工期の目安です。

防音工事の内容 工期の目安
二重窓の設置 半日~1日
防音カーペットの敷き込み 1日
床の張り替え 1日
組み立て式防音室の設置 半日~7日
楽器用防音室への変更 20~30日

一般的に、防音工事の工期は施工する部屋が広くなるほど長くなります。また楽器用の防音室を作る場合は、使用する楽器の種類によって必要な防音性能が変化するため、工期に影響が生じます。

防音工事を安く済ませる3つのコツ

防音工事は100万円以上かかるケースも多いです。少しでも費用を抑えるコツを知って、総工費を節約しましょう。

① 補助金・助成金を活用する

二重窓を設置する場合は「先進的窓リノベ事業」の助成対象になるケースがあります。先進的窓リノベ事業は断熱工事に関する事業ですが、二重窓の設置は断熱性能を高め防音効果も高められるため、補助金の支給対象になると考えられます。

特定の空港周辺の住宅は補助金の対象になる可能性がある

特定の空港周辺の住宅であれば、防音工事に補助金が支給されます。

「公共用飛行場周辺における航空機騒音による傷害の防止等に関する法律(騒防法)等に基づく空港周辺環境対策事業」では、第1種区域~第3種区域が指定されており、この区域内に住宅がある場合は防音工事や転居に補助金が支給されます。

騒防法の対象空港

  • 函館空港
  • 仙台空港
  • 東京国際空港(羽田空港)
  • 成田国際空港
  • 新潟空港
  • 大阪国際空港(伊丹空港)
  • 松山空港
  • 高知空港
  • 福岡空港
  • 大分空港
  • 宮崎空港
  • 鹿児島空港
  • 那覇空港

具体的なエリアについては空港がある自治体に問い合わせる必要があります。

② 一括見積もりでお得な業者を見つける

防音工事の依頼先を見つけるには一括見積もりサイトの活用をおすすめします。1度の情報入力で複数の業者から見積もりが取れるため、効率的に業者の情報を取得できます。各社の見積もり内容や価格の比較も簡単にできるため、相場観が掴みやすい点も魅力的です。

ミツモアでは地域で活躍するリフォーム業者や工務店を含めた、最大5つの事業者からの見積もりが届きます。見積もり依頼は無料でできるため、防音工事の検討段階からお気軽にご利用いただけます。

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③ 防音マット・スリッパ等を活用する

足音が階下の住宅に響いてしまうことを心配しているのであれば、防音工事をしなくても防音マットや防音スリッパを利用することである程度の騒音を抑えられます

たとえば厚さ5mm〜1cm程度の防音マットを床に敷くことで、足音による衝撃音を10〜15dBほど軽減できます。特にマンションの床では、ウレタン素材やEVA素材のマットが効果的です。また室内用の防音スリッパは底面がフェルトや発泡ゴムでできており、硬い床での足音を和らげます。

防音マット・スリッパは数千円から導入できるため、気軽にできる騒音対策として効果的です。

防音工事の正確な費用を知るには現地調査が必須

防音工事の正確な費用を把握するには現地調査が重要です。

建物の構造や壁の厚さ、天井の高さなどの物理的条件は物件ごとに異なります。これらの違いが防音効果と工事難易度に直結します。他にも音の発生源や伝搬経路を特定しなければ、効果的な対策箇所を判断できません。

さらに既存の遮音性能の測定や周辺環境の確認も必要です。電話やネット経由の概算見積もりはあくまで入力された情報からの見積もりであるため、実際に調査を行った際に費用が大きく変動するケースが少なくありません。適切な防音効果を得るためには、専門家による事前調査が不可欠といえます。

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生活騒音の対策として防音工事をする場合の費用目安は55万~100万円です。部屋の広さや対策したい音の種類によって工事の範囲や内容が異なるため、費用が変動します。

防音工事は施工内容によって費用相場が大きく異なるため、リフォーム業者による現地調査と見積もりが大切です。信頼できる業者を簡単に探したいのであれば一括見積もりサービスの活用をおすすめします。

ミツモアでは簡単な質問に答えるだけで最大5つの見積書が届きます。見積もりの内容を比較・検討し、口コミもチェックして信頼できる業者にリフォームを依頼しましょう。

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