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トイレに防犯カメラを設置してもよい?プライバシー保護とのバランスが重要

最終更新日: 2024年06月28日

「トイレに監視カメラを設置しよう」と提案されたら、おそらく多くの人が「トイレに監視カメラなんて置いて大丈夫なの?」と思うでしょう。トイレ内への監視カメラ設置の是非と、実際に取り付けを検討するときの注意点を解説します。

トイレの防犯カメラ設置は個室の中でなければOK

個室にカメラを設置しなければ、トイレ内にも監視カメラは取り付けられます

もし個室内を撮影するように監視カメラを置けば、盗撮として立派な犯罪になります。トイレ内に監視カメラを設置する場合は、利用者のプライバシーを侵害しないよう、出入り口や手洗い場のみに設置するのが一般的です。

例外的に、介護施設ではトイレの個室内に監視カメラを取り付けることがあります。介護施設ではトイレ中に脳卒中や脳梗塞で倒れる人がおり、そのような場合にいち早く発見するためです。

ただし、介護施設といえどプライバシーには最大限の配慮が必要であり、トイレや風呂などへの設置には事前に家族に確認をとっておく必要があるでしょう。

トイレに防犯カメラを設置すれば犯罪の抑止効果がある

トイレ内に監視カメラを取り付ける最大のメリットが、犯罪の抑止効果です

不特定多数が利用し、簡単に密室状態を作れるトイレは、さまざまな犯罪が発生しやすい空間といえるでしょう。トイレ内で起こりがちな犯罪には以下のようなものがあります。

  • 強制わいせつ
  • 盗撮
  • 放火
  • 万引き
  • 備品の盗難

犯罪者は犯罪の証拠を残されるのを嫌うため、トイレに監視カメラを設置すれば、犯罪者に心理的プレッシャーを与えて犯行を思いとどまらせる効果が期待できます。

トイレで防犯カメラを設置できる位置

絶対に映してはいけない場所が存在するトイレでは、どこに監視カメラを設置するかが重要となります。トイレの防犯力を上げる意味でも、設置位置の検討は大切です。トイレに監視カメラを取り付ける際の、おすすめの設置位置を解説します。

  • 出入り口
  • 手洗い場

出入り口

トイレ内に監視カメラを取り付けるなら、まずは出入り口周辺への設置を検討しましょう

トイレの出入り口は、トイレ内で悪事を働こうと企んでいる不審者も含め、全ての利用者が通る場所です。カメラを付けて出入りする利用者を記録すれば、必ず犯罪者の姿を捉えられます。

また、トイレの外からでも監視カメラの存在が分かるように設置すれば、トイレを警戒していることを不審者に伝えられ、犯罪行為にブレーキをかける効果が期待できます。

手洗い場

トイレに入った人のほとんどが利用する、手洗い場付近への設置もおすすめです

手洗い場付近に監視カメラを取り付ける場合は、個室に入る人が映らないように気を使いましょう。個室の方から手洗い場を映せば、プライバシーに配慮しながら防犯力を高められます。

また、死角を作らない位置にカメラを設置するのも大切です。死角ができると、不審者を撮り逃してしまう可能性があります。どこに設置するのが的確なのか分からない場合は、防犯カメラの専門家に相談しましょう。

防犯カメラの設置についてプロに相談する

トイレに防犯カメラを設置するときの注意点

トイレに監視カメラを取り付ける際に気を付けたい注意点を解説します。ポイントをしっかり押さえて監視カメラを導入すれば、トイレ利用者に心理的なプレッシャーをかけずに、トイレの防犯力を引き上げられます。

  • 自治体のガイドラインを確認する
  • 映像の取り扱いに気を付ける
  • プライバシーを侵害しない範囲で設置する

自治体のガイドラインを確認する

トイレ内への監視カメラ設置を検討しているなら、自治体が定める防犯カメラのガイドラインを確認しましょう。自治体によっては、トイレに監視カメラを設置できないところがあります。

防犯カメラの導入は、住民のプライバシーを侵害する恐れがある防犯対策です。自治体独自に防犯カメラの運用指針を示すことで、防犯カメラの適正な設置と運用の実現を目指します。

例えば大阪市が定めるガイドラインでは、私的空間が映り込まないように撮影範囲を必要最小限に抑えることや、防犯カメラの存在を周囲に知らせることなどを求めています。

映像の取り扱いに気を付ける

トイレ内に監視カメラを設置するなら、撮影した映像の取り扱いに注意が必要です

防犯カメラで撮影した映像のうち、個人の特定が可能な映像は『個人情報保護法』で保護されるべき『個人情報』に当たります。そのため、監視カメラ映像の扱い方を誤ると、個人情報保護法に抵触する可能性があります。

トイレ内に監視カメラを設置するなら、映像の取り扱いルールを策定しましょう。『映像の外部への持ち出しを原則禁止にし、捜査協力の要請があったときのみ持ち出し可とする』『閲覧可能な人物を最小限に絞る』などというように、厳格な規則を作るのがおすすめです。

プライバシーを侵害しない範囲で設置する

トイレは最もプライバシーが尊重されるべき空間の1つであるため、トイレ内への監視カメラ設置にはプライバシーへの配慮が求められます

利用者のプライバシーを守るために大切なのが、撮影範囲に気を配ることです。個室内にカメラを設置していなくても、撮影範囲によっては個人のプライバシーを侵害する恐れがあります。

不適切な監視カメラの設置は、『軽犯罪法』や『迷惑行為防止条例』に違反する可能性があります。セキュリティレベルの向上とプライバシー保護とのバランスを考慮することが大切です。

トイレに監視カメラを設置するならプロに相談

個室内に設置しないという大前提を守れば、トイレ内にも監視カメラは取り付け可能です。密室が簡単に作れるトイレ内に『監視の目』を配置することで、犯罪を抑止する効果が期待できます。

ただしトイレ内への監視カメラの導入の際は、プライバシーに最大限配慮しなければなりません。無用なトラブルを防ぐためにも、トイレ内への監視カメラ取り付けはプロの力を借りて行うのが賢明です。

カメラ選びから設置までをプロに相談して、誰もが気持ち良く使えるトイレを目指しましょう。

トイレの防犯カメラ設置についてプロに相談する