家の外壁は、塗装してから年数が経つと次第に汚れが目立つようになります。見た目が悪くなるだけでなく、塗装の劣化を促進してしまうことも。
きれいな外壁を維持するためには、汚れに強い塗料を選ぶのが大切です。
この記事では、汚れにくい塗料の種類や特徴を紹介します。もし外壁が汚れたときの掃除方法まで案内しますので、外壁についてお悩みの方はぜひご覧ください。
汚れが目立たない外壁にする3つのコツ
大切なマイホームの外壁が汚れていると、気持ちが落ち込んでしまいますよね。
外壁が汚れる原因としてよくあるのは、排気ガスや砂ぼこり・コケ・カビなどが挙げられます。それぞれのお住まいによって、お悩みの原因もさまざま。汚れの原因を解消する商品を選ぶことで、びっくりするほど汚れが目立たなくなり、長期にわたってきれいな外観を保てます。
今回は、そんな汚れが目立たない外壁にする3つのコツを紹介いたします。
汚れにくい塗料を使う
上記のように外壁が汚れてしまうのを防ぐカギを握るのは、塗装につかう塗料です。
じつは塗料には様々な種類があり、なかには「防汚効果」や「セルフクリーニング効果」などをそなえた高機能なものがあります。
たとえば親水性が高い(水になじみやすい)塗料や、「光触媒塗料」「無機質塗料」などは、いずれも汚れに強くきれいな外観を保つのに役立つのです。
詳しくは「汚れにくい塗料5選とその特徴」の章で解説しています。
海のそばなどサビが発生しやすい環境にある場合は、サビ止め効果がある塗料を選ぶのもおすすめです。
汚れが目立たない色で塗装する
外壁の色によって、目立たない汚れの種類が違ってきます。
ここでは色別に目立ちにくい汚れの種類と、どういった人に向いている色なのかを紹介します。
こんな汚れに強い | こんな人におすすめ | |
グレー | 雨染み・油汚れ・黒ずみ・排気ガス・コケ・カビなどほとんどの汚れ |
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ベージュ | 砂埃・排気ガスなど |
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ブラウン | 砂埃・排気ガスなど |
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グリーン | コケ・藻・黒ずみなど |
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ポイントは汚れと近く、パキッとしすぎていない色を選ぶことです。
明るい雰囲気がお好みの方はライトグレーやベージュ、シックな雰囲気にしたい方はブラウンやグリーンがおすすめです。
汚れが目立たない外壁材にする
住宅の外壁材としてよく使用されるのは、サイディング・モルタル・タイル・ALCがあります。その中で、汚れが目立たない外壁材は、「タイル」と「サイディング」です。
タイルは、耐久性が高く、傷や汚れや紫外線などによる劣化もほとんどありません。
初期費用が高くつきますが後々塗替えをする必要もないため、メンテナンスの費用もあまりかからない点もメリットです。
サイディングは、初期費用を押さえつつ汚れが目立たない外壁材を探している方にぴったり。
表面の凹凸が少ないため、汚れが付きにくく、汚れが目立ちにくいのが特徴。色や柄も豊富にあるため、人気がありよく使われている外壁材です。
しかし、10年から20年ほどで塗替えする必要があります。
汚れにくい塗料5選とその特徴
外壁の汚れに対処するためには、いくつもの種類がある塗料のうちどれを選べばよいのでしょうか?
汚れに強い塗料の特徴は、「親水性が高く、水になじみやすい」ことが挙げられます。
外壁につく汚れの多くは油分が多いですが、油は水とはじきあうため、塗膜が水になじんでいるほど汚れをはじくのです。
ちなみにここで紹介する防汚性の高い塗料は高機能なため、一般的な塗料にくらべて値段が高い傾向にあります。
たとえば、以下で紹介する光触媒塗料は3,500~5,500円/㎡です。よく使われるシリコン塗料が2,300〜3,500円/㎡なのと比べても高価なのが分かります。
雨で汚れを落とす「低汚染塗料」
水になじみやすい(親水性が高い)塗料の定番は「低汚染塗料」です。
親水性が高い塗膜に、油分の汚れが一時的についたとしても、はじきあうため汚れが密着することはありません。
そのため塗装表面と汚れとの間にすき間ができ、雨水が流れることによって汚れも一緒に洗い流されていきます。
この「セルフクリーン機能」によって、頻繁に洗浄やメンテナンスをしなくても、外壁を常にきれいな状態に保てるのです。
ホコリなどは、藻やカビのような微生物の餌になるため、汚れが溜まると繁殖してしまいます。
セルフクリーン機能でこれを防げることで、藻やカビなどの汚れを防ぐのにも役立つのです。
ちなみに低汚染塗料の耐用年数は、使っている樹脂の種類によって違います。
耐用年数が短い順に「アクリル<ウレタン<シリコン<フッ素」がおもな樹脂の種類です。
また費用相場は、おおよそ2,400~3,600円/㎡程度です。
超低汚染リファイン/アステック
アステック社の「超低汚染リファイン」シリーズは、汚れにくさに特化して開発された塗料です。
- 塗膜の緻密性が高いため、汚れにくい
- 無機成分の濃度が高いため、紫外線に強く塗膜が長持ちする
- 太陽光を反射させることで、室内温度を抑える効果がある
水性セラタイトSi/エスケー化研
エスケー化研社の「水性セラタイトSi」は、水性塗料ながら油性塗料のような耐久性を実現させた低汚染性塗料です。
- 塗膜の表面は低帯電性となり、汚れにくい。汚れが付いた場合も雨で洗い流すため長くきれいを保つ
- アクリルシリコン樹脂をベースに使用することで強い耐久性を持っている
- 安全性の高い水性塗装のため安心して使える
- カビや藻などに優れた抵抗性がある
太陽光で汚れを分解「光触媒塗料」
「光触媒(ひかりしょくばい)塗料」は、酸化チタンを原料とする塗料です。
塗膜に太陽光が当たることで、外壁に付いた汚れを分解するという特性があります。
また親水性にも優れているため、メンテナンスの手間がかかりません。
抗菌性能や空気清浄機能が備わっているのも特徴で、汚れ対策だけでなく健康的で環境に優しい住環境を整えるのに役立ちます。
太陽光が当たりやすい南側・西側の外壁には、特におすすめの塗料です。
光触媒塗料は価格が高いこともあって、日当たりがよくない北向きの外壁には別の塗料で塗装するなど、使い分けるとよりよいです。
光触媒塗料の耐用年数は16~22年ほど。フッ素と同じくらい耐久性に優れています。
費用相場は、3,500~5,500円/㎡程度です。
耐久性がある「フッ素塗料」
フッ素塗料は、アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素などの一般塗料の中で、最も性能が高い塗料です。
親水性が高く、カビや藻が生えにくい性質をもっています。耐久年数も15年から20年と他の一般塗料に比べて長いです。
また光沢の減少率が他の塗料に比べて20年で約10%と低いため、長く美しい外観を保つことができます。
防カビ効果もある「ナノテク塗料」
無機質塗料の1種である「ナノテク塗料」。
極小の粒子が、ガラスのような性質の塗膜を形成して、塗装した外壁の汚れを防ぎます。
セルフクリーン機能に加えて防カビ性・防藻性も備えており、湿気の多い地域などにおすすめです。抗菌性と防火性にも優れます。
また石油系の原料を使っていないため二酸化炭素を排出せず、環境に優しいのも魅力です。
速乾性が高く施工がしやすい性質から工期を短く抑えられます。
ナノテク塗料の耐用年数は10~15年程度で、比較的長持ちするのが特徴。また費用は、2,400〜5,500円/㎡くらいが相場です。
カビを防ぐ「防カビ塗料」
外壁のなかでも日陰になってしまう面など、カビが生えやすい環境なら「防カビ塗料」で塗装するのがオススメです。
塗料の中に防カビ剤・抗菌剤・防腐剤などを添加しているため、カビの発生・繁殖を防ぐことができます。
防カビ効果の持続年数は5~6年と短いものが多いので、その点には注意が必要です。
費用は、どの塗料に防カビ剤を加えるのかによって変わりますが、一般的な2階建て30坪程度の外壁であれば「通常の塗装費用+4万円」あたりが相場です。
汚れが目立つ外壁の特徴とは?
同じ汚れがついても、外壁の色や塗料の性質によって目立ちやすさが変わります。
そもそも外壁にはどんな汚れがつくのか、汚れが目立ちやすい外壁の色や素材はどんなものかを解説します。
外壁につきやすい汚れの種類と原因
外壁の汚れは、周囲の環境や経年劣化によってつきます。たとえば海が近い地域などでは、通常よりもサビが付きやすいことも。代表的な汚れは次の4つです。
- 変色や色あせ
- サビ
- カビやコケ・藻
- 煙やスス
長期間にわたって日光や雨にさらされた外壁は、塗膜が劣化して変色したり色あせたりします。
またサビや、カビ・コケ・藻などの原因となりやすいのは雨水・湿気などで、特に風通しが悪く湿度が高い場所で発生しやすい汚れです。
さらに煙やススは排気口から排気されたり空気中の排気ガスが付着したりして、外壁を黒く汚します。
汚れが目立つ外壁の色
汚れの目立つ外壁の色は「黒」と「白」です。
汚れが目立たないように黒の外壁を選ぶという話を耳にすることもあるかと思います。しかし黒の外壁は、黒ずみは目立ちにくい反面、白っぽい汚れが目立ってしまいます。
逆に白い外壁は、黒い汚れとのコントラスト比が大きく、汚れが目立ちやすいカラーです。
「白い外壁は清潔感があり、憧れるけれど、汚れが気になる。」という方は、クリームやアイボリーなど少し色が付いた白色がおすすめ。色が付いている分、汚れが目立ちにくいでしょう。
汚れやすい塗料
何もわからずに価格をおさえるために選んだ塗料が、実は汚れやすい塗料だったということも。
汚れ以外の部分でメリットがある塗料もあるので、塗料ごとの特性を理解した上で商品を選ぶようにしましょう。
アクリル塗料 |
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弾性塗料 |
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ツヤなし塗料 |
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1液性塗料 |
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外壁が汚れたときの掃除方法
いくら汚れにくい塗料を使っていても、外壁が全く汚れないわけではありません。
塗装が経年劣化するのは当たり前なので、洗浄などのメンテナンスで対策しましょう。
外壁の洗浄方法を3つ紹介します。
ブラシやスポンジで洗浄する
軽度の汚れであればブラシやスポンジを使った水洗いでも、外壁をきれいにできます。
ホースで外壁に水をかけてゴミやホコリを流した上で、汚れている場所をこすりましょう。
強くこすりすぎてしまうと、外壁にダメージを与えるので注意が必要です。柔らかいブラシやスポンジを使い、力を入れすぎないようにしましょう。
しつこい汚れがある部分には中性洗剤を使うのがおすすめです。洗剤の原液を約10倍に薄めて、スポンジなどで優しくこすります。
カビが生えているときはカビ取り剤を使えば、より効果的な洗浄が可能です。
高圧洗浄機で簡単クリーニング
水を勢いよく噴出する高圧洗浄機なら、外壁塗装についた汚れを短時間で簡単にきれいにできます。
親水性に優れた塗料で塗装している外壁であれば、軽く水をかけるだけでも汚れを洗い流せるでしょう。
ただし高圧洗浄機の水圧が強すぎると塗料が剥がれたり、外壁が劣化したりしてしまうため、業務用ではなく家庭用の機種を選ぶのがポイントです。
水圧の調節が可能なら、できるだけ低圧で洗浄をすると外壁を傷めません。
汚れがひどければ業者に依頼
汚れの程度がひどく自力での洗浄が難しいときは、プロの業者に依頼するのが無難です。
費用はかかるものの、手間と時間を大幅に削減できるうえ、外壁や塗料に合わせて最適な洗浄方法を選択してくれます。
2階以上の外壁など自力では難しい場所を、しっかりときれいにできるのもメリットです。
費用相場は、足場設置代も合わせて「1㎡あたり900〜1,300円ほど」。
業者を探す際には、複数社からまとめて見積もりが取れるミツモアがおすすめです。費用の安い業者をスムーズに見つけるためにも、無料の見積もりサービスを活用しましょう。
汚れにくい塗料で家の外観をキープ
外壁の見た目を保つためのポイントは、汚れにくい塗料をつかって塗装することです。
低汚染塗料や光触媒塗料・ナノテク塗料などセルフクリーン機能を備えた塗料を利用すれば、雨水や太陽光の力を借りて自動的に汚れが洗い流されます。
頻繁な洗浄やメンテナンスが必要もなくなり、時間と手間をかなり削減できるでしょう。
外壁に汚れが付いた場合も汚れにくい塗料を使っていれば、基本的には自力で簡単に汚れを落とせます。
外壁や塗料の種類・周辺環境を考慮して適した塗料を選び、家の外観を整えましょう。
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