倉庫は社屋に比べてメンテナンスを怠りがちですが、古いままだと資産価値を損ねてしまうでしょう。特に屋根や外壁の塗装は、見た目の印象だけでなく社員のモチベーションにも影響します。
この記事では倉庫を塗装する際にかかる費用やおすすめの塗料、自宅の物置を塗装するDIYの方法についても解説していきます。
工場・倉庫塗装の費用相場
工場や倉庫の外壁塗装をする場合の費用相場はおおよそ50〜1,000万円以上です。
費用は「塗装面積」と「塗料の種類」で大きく変動します。
坪数 | 塗装面積 | 費用相場 |
30坪 | 108㎡ | 50~72万円 |
50坪 | 180㎡ | 88~120万円 |
100坪 | 360㎡ | 176~238万円 |
150坪 | 540㎡ | 264~357万円 |
300坪 | 1080㎡ | 530~713万円 |
塗料ごとの費用相場
一般的に耐用年数が短い塗料ほど価格も安くなります。価格が高い塗料は防汚性や耐久性などが高いものが多いです。
塗料の種類 | 耐用年数 | 単価(㎡) |
ウレタン | 8~10年 | 1,350~1,800円 |
シリコン | 10~15年 | 2,000~3,500円 |
フッ素 | 15~20年 | 3,500~4,500円 |
遮熱塗料 | 8~12年 | 2,500~3,000円 |
各塗料の特徴や倉庫の塗装におすすめの塗料については工場・倉庫の塗装におすすめの塗料と特徴で紹介しています。
以下は近年1番多く使用されているシリコン塗料で塗装した場合にかかる工事費用の目安です。
坪数 | 費用目安 |
30坪 | 60万円 |
50坪 | 100万円 |
100坪 | 200万円 |
150坪 | 300万円 |
300坪 | 600万円 |
しかし上記はあくまでも目安なので正確な費用が知りたい方は1度業者に見積もりを依頼してみましょう。
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倉庫の外壁・屋根塗装はなぜ必要?
倉庫はモノを保管したり人が作業したりする場所です。塗装しなければモノや人に悪影響を与えてしまうことも。具体的には倉庫の外壁塗装をすることで以下のような効果が期待できます。
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ここでは倉庫の外壁と屋根を塗装する必要性を解説していきます。
環境改善でスタッフの安全性や作業効率が高まる
倉庫内の環境は、屋根や外壁の塗装状態に左右されます。
しっかり塗料の機能が働いていれば暑すぎたり寒すぎたりすることはほとんどありませんし、空調も効きやすくなるでしょう。職場の環境が良いとスタッフは快適に作業できます。
逆に環境が悪いと、室内の温度だけでなく湿気も気にしなければなりません。じめじめした場所では作業しづらくなり、スタッフのやる気を損ねてしまうでしょう。
また空調の効きが悪くなると、適温を保つためにエアコンに負担が掛かります。電気代がかさむだけでなく、エアコンの寿命を縮めてしまう原因にもなるでしょう。
見た目の印象と防犯性が高まる
倉庫が傷むと、サビや塗装の剥がれなどが目に付きやすくなります。この状態では見た目が廃れて寂しい印象を放ち、会社のブランドイメージにも悪影響をもたらすことも。
街並みに対し景観を損なったり、出入りする取引先や顧客からの信頼が低下する恐れもあります。
屋根や外壁がキレイになると、近隣住民や顧客に与える印象が良くなります。見た目が新しいので人の出入りも多く見え、侵入者にも狙われにくくなるでしょう。
このように印象がアップすれば経営に影響を与える可能性があるうえ、防犯にもつながります。
劣化を防ぎ資産価値を維持できる
倉庫の外壁や屋根に塗装されている塗料は塗膜で覆われており、これが雨風や紫外線から倉庫を保護します。しかし約10年も経てば劣化が進むため、倉庫を守る効果が薄れてしまうのです。
倉庫の屋根や壁を塗装し直せば、建物の資産価値を維持できるでしょう。塗装が剥げるなど状態が悪いまま放置しておくと、倉庫が傷んでしまい寿命を縮めてしまいます。
塗装が劣化してはっ水性能がなくなると、倉庫が水分を含んだ状態になります。すると雨漏りが発生したり湿気が多くなったりと、モノを保管する環境に適さなくなる可能性もあるのです。
工場・倉庫の塗装におすすめの塗料と特徴
塗料の種類によって特徴や耐用年数、費用も異なるので自分にあった塗料を選びたいですよね。
ここでは各塗料の特徴や倉庫の外壁塗装におすすめの塗料を紹介していきます。
代表的な塗料とそれぞれの特徴
外壁塗装に使用される代表的な塗料には以下のようなものがあります。
耐用年数:約8~10年 単価(㎡):1,350~1,800円 密着性が高くひび割れをしにくい。価格は安いが耐用年数が短い点がデメリット。
耐用年数:約10~15年 単価(㎡):2,000~3,500円 耐用年数も長くコストパフォーマンスがいいので近年では外壁塗装で最も使用されている。耐久性・耐水性・防汚性が高い。
耐用年数:約15~20年 単価(㎡):3,500~4,500円 価格は高いがその分耐用年数が長い。耐久性にも優れているためメンテナンスコストは節約できる。
耐用年数:8~12年 単価(㎡):2,500~3,000円 赤外線を反射することができる機能を持つ。汚れると性能が低下するため定期的なメンテナンスが必要。 |
それぞれに特徴があるので、どの塗料を使用するかは自身の目的や予算にあわせて決めるのがよいでしょう。
次の項目ではおすすめの塗料について解説していきますね。
倉庫の外壁塗装におすすめの塗料
工場や倉庫の外壁塗装におすすめの塗料は「遮熱塗料」になります。
遮熱塗料には赤外線を跳ね返す機能があるため室内の温度の上昇を防ぐことができ、冷房の費用も節約することができるからです。また費用だけでなくCO2排出量の削減にもつながります。
一方で冬も熱を吸収してしまうというデメリットがあるため寒冷地の方は避けた方がよいでしょう。
またこの先も長く工場や倉庫を維持していきたいと考えている方は耐用年数が長い「フッ素」を選ぶとよいでしょう。
どの塗料を選べばよいかわからないという方は1度業者に相談してみるのがおすすめです。
倉庫を塗装する適切なタイミングは?
見た目は変わらなくとも、塗装は劣化している可能性があります。一般的な塗り替えのタイミングを確認していきましょう。
また再塗装が必要な外壁の劣化症状も紹介していきます。
一般的には10年に1度が目安
一般的に、塗装し直した方が良いタイミングは倉庫を建ててから約10年といわれます。これはウレタンやシリコンなど塗装によく使用される塗料の耐用年数が8~15年であるためです。
そのため倉庫だけでなくアパートやマンションといった住宅、事務所や社屋などの建物もこの期間で塗り替える場合が多くなります。
ただしフッ素塗料や遮熱塗料などの耐用年数は15年以上です。基本的に塗装した耐用年数に合わせて塗装し直します。
耐用年数以内であっても、塗装の損傷が激しかったり深いひび割れがあったりした場合は、塗り替えを検討すると良いでしょう。
塗装が必要な外壁の劣化症状
耐用年数以内であっても、塗装の損傷が激しかったり深いひび割れがあったりした場合は、塗り替えを検討すると良いでしょう。
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上記のような劣化症状がみられる場合は、外壁だけでなく建物自体の劣化も早めることになるため塗装を依頼した方がよいでしょう。
チョーキング現象が起こると外壁を触った時に手に白い粉がつきます。このような場合も塗装をし直すタイミングのひとつです。
以下の記事では外壁塗装のタイミングやおすすめの時期などをより詳しく解説しているので参考にしてみてくださいね。
倉庫の塗装作業の流れと工期
実際に業者に塗装を依頼した後はどのような工事を行うのでしょうか?
ここでは倉庫の塗装作業の流れと工期を紹介していきます。
倉庫塗装の作業の流れ
倉庫塗装の流れは以下のようになります。
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高圧洗浄の際には外壁に水分が残ると塗りムラができてしまうため、3日ほど乾燥させるのが一般的です。さらに下地の細かいサビなどを落とし塗りやすいよう調整します。
塗料を塗る回数は下塗り1回、上塗り2回の計3回です。下塗りが完了したらすぐに上塗りするのではなく、乾燥させてから塗装します。
最後は細かい箇所をチェックし、問題がなければ足場を崩し完了です。
工期の目安
倉庫を塗装した際に掛かる期間は、約2週間〜1カ月です。塗る倉庫の広さにもよりますが、100〜200坪だと一般的にこのくらいの時間が掛かります。
乾燥させる工程では天候に期間が左右されることもあり、梅雨の時期だとこれより長くなる可能性があるでしょう。逆に工期が極端に短かい場合は注意が必要です。
業者によっては、契約を取るために短期間で終わると伝えてくることがあります。このような業者は必要な工程を飛ばして施工する可能性があるため注意しましょう。手抜き工事では品質が落ちますし、またすぐに塗り直さなければなりません。
優良な塗装業者の選び方
外壁塗装は明確な定価がなく、専門的な施工が必要なため手抜き工事に気づきにくい工事だといわれています。
ここでは信頼できる優良な塗装業者を選ぶポイントや手抜き工事の見分け方も紹介していくので参考にしてみて下さい。
業者を選ぶ際のチェックポイント
塗装業者を選ぶ際には以下のような点をチェックしてみましょう。
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まずは会社のホームページを検索して、資格や施工実績を確認してみてください。失敗しないためにも「建設業許可」や「塗装技能士1級・2級」などの資格を保有しており、施工実績も豊富な会社を選ぶことが重要です。
工事後に施工不良が発覚した時のためにアフターフォローが充実している業者を選びましょう。
また費用の内訳まで明確に記した見積もり書を提示してくれるかもという点も大切です。業者に依頼する際には「相見積もり」で複数の業者から見積もりをとり、費用や口コミを比較して選ぶようにしましょう。
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よくある手抜き工事の見分け方
外壁塗装工事では上塗り2回、下塗り1回というように合計3回塗装する必要があります。しっかり3回塗装をしないと外壁の劣化が早く、またすぐに塗り直しが必要になるでしょう。
しかし中には塗料の費用を節約するために上塗りの作業を1回しか行わない悪徳業者も存在します。
依頼の際には塗装業者に「塗料は3回塗るんですよね?」と尋ねてみましょう。もし「集めに塗るから1回の塗装だけで大丈夫」と答えるようならば、その業者は避けた方がよいでしょう。
以下の記事では悪徳業者を見抜く方法をより詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
事業用倉庫の塗装で適用される「減価償却」のしくみ
事業用倉庫の外壁塗装をする際は「減価償却」という計上方法で確定申告を行う必要がある場合がほとんどです。
ここでは減価償却のしくみやメリット・デメリットについて解説していきます。
外壁塗装における確定申告の項目
事業用の建物のリフォームを行う場合にかかる費用は確定申告に含めることが必要です。
事業用倉庫の外壁塗装における確定申告の項目には「修繕費」と「資本的支出」の2つがあります。
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このうち外壁塗装工事は「資本的支出」にあてはまることが多いです。
重要な違いは、修繕費は確定申告の際に1度にかかった全額を費用として申告できますが、資本的支出は何年かに分けて経費として申告する必要がある点になります。
それぞれの計上方法や適用条件や配下の通りです。
【修繕費】 |
計上方法
一括で費用を計上する |
適用条件
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工事例
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資本的支出の詳細は以下の通りです。
【資本的支出】 |
計上方法
何年かに分けて経費を計上する(減価償却) |
適用条件
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工事例
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資本的支出は「減価償却」で計上する
資本的支出で確定申告を行う場合は「減価償却」という方法で計上しなければいけません。支払う金額は国税庁が定めている法定耐用年数に従い、年ごとにわけて申告します。
外壁塗装にかかる費用の減価償却の計算には、「塗装する建物自体の法定耐用年数」が用いられるので注意しましょう。
以下の国税庁のサイトでは建物ごとの法定耐用年数が記載されています。
減価償却のメリット・デメリット
以下は「修繕費」と「減価償却」のメリット・デメリットを比較したものです。
メリット | デメリット | |
修繕費 |
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減価償却 |
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修繕費の場合は所得額を低くできるので節税になります。しかし外壁塗装では適用できないことも多いので、自分が条件にあてはまるか確認しましょう。
減価償却の場合は分割して支払うため1年あたりの負担が少なく赤字を避けやすい点がメリットになります。償却期間は国によって定められているので注意が必要です。
どちらの方法で計上するかによって会社の経営に影響があるため、税理士や確定申告に詳しい塗装業者に相談できるとよいでしょう。
【DIY】倉庫の塗装方法とおすすめの塗料
業者に自宅の物置の塗装を依頼すると費用は5〜10万円程度かかります。
しかし自宅の物置ならばDIYで塗装を行うことも可能です。
ここでは金属製の倉庫の塗装をDIYする方法やおすすめの塗料についても紹介していくので参考にしてくださいね。
DIYで倉庫の塗装をする方法
主な準備物は以下の通りです。
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塗装の手順は以下の通りです。
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サビ止めはサビの症状が出ている部分だけに塗れば十分です。全体的にサビがみられる場合は、サビ止め塗料を使用してまんべんなく塗りましょう。部分的な塗装に便利な錆止めスプレーもあります。
上塗りでは2回塗ることがポイントです。これによって耐久性など本来の機能が発揮されます。1回目の塗装では透けた状態でもよいので、厚塗りしてしまうのは避けましょう。
DIYにおすすめの塗料
塗料にはシリコンやウレタン、フッ素などの種類があり、通販やホームセンターで購入することができます。
使用する塗料は「シリコン」がおすすめです。シリコンは価格と耐用年数のバランスが良く、コスパのよい塗料になります。
また塗料には「水性」と「油性」がありますがDIY初心者の方は「水性」を選ぶとよいでしょう水性塗料はシンナーの臭いもなく塗装もしやすい点がメリットになります。
一方で水性塗料は剥がれやすいというデメリットもあるため、塗装前はサンドペーパーで下地を磨いておくとよいでしょう。
どの塗料を選べばよいか分からない方は業者に相談することをおすすめします。塗料の品質や色についてもアドバイスをくれるでしょう。
倉庫メーカーによって塗装時期が変わる場合も
倉庫を販売しているメーカーは「イナバ物置」で有名な稲葉製作所やヨドコウなどが有名ですが、メーカーによって塗装時期が変わることもあるでしょう。
例えばイナバ物置は外壁に「ウレタン」、屋根に「アクリル」という塗料を使用して塗装されています。ウレタンは8~10年、アクリルは5~7年とどちらも耐用年数が短いため10年もたたないうちに劣化が始まり、塗装が必要になります。
ヨドコウの物置は非常にサビにくいガルバリウム鋼板を使用しているため耐用年数が長いのが特徴です。このように物置のメーカーによっても塗装時期が変わってくるでしょう。
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倉庫を塗装すれば、印象が良くなり経営面でもメリットが出る場合があります。人の出入りがあるようにも見えるため、空き巣に狙われることもほとんどないでしょう。
外壁や屋根の状況にもよりますが、約10年に1度は塗り替えるとキ レイな外観を保てます。工事期間は2週間〜1カ月程度ですが、天候にも左右されることを考慮して下さい。
倉庫の塗装は適度に行い、快適な職場を作りましょう。
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