サイディング外壁の塗装は必要?
サイディング外壁の塗装は必要です。新築時に業者から塗装不要であると言われたかもしれませんが、どの外壁でも定期的に塗装する必要があります。
サイディング外壁を塗装するタイミングは?
サイディング外壁に劣化症状が見られる、もしくは塗料の耐用年数を超えている場合には外壁を塗装する必要があります。劣化症状については記事内で解説しているので、参考にしてみてください。
サイディング外壁の塗装は必要です。新築時に業者から塗装不要であると言われたかもしれませんが、どの外壁でも定期的に塗装する必要があります。
サイディング外壁に劣化症状が見られる、もしくは塗料の耐用年数を超えている場合には外壁を塗装する必要があります。劣化症状については記事内で解説しているので、参考にしてみてください。
サイディングは、どのタイミングで塗装が必要になるのでしょうか。
目に見えて劣化している場合はもちろん、サイディングが耐用年数を超えていたり、過去に塗装した塗料が耐用年数を超えていたりする場合にも、メンテナンスを検討した方がよいと言えるでしょう。
ここでは、サイディングの主な劣化症状や耐用年数を紹介します。
サイディング外壁に劣化症状が見られたらすぐに業者に点検を依頼するか、塗装工事を行うようにしましょう。
劣化症状を放置していると、部分的な補修や塗装で済まず、張り替え工事が必要になり修理費用が大幅に高くなってしまいます。
状態 | 対処法 |
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シーリングの打ち換え・打ち増し |
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再塗装 |
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再塗装 |
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補修・塗装 |
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再塗装 |
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サイディング外壁の交換 |
※¹シーリングとは、防水目的で使われるゴムのようなもの。外壁のつなぎ目・サッシ周りの隙間などを埋めるために使用されています。コーキングと呼ばれることも。
サイディング外壁はメンテナンスフリーであると言われることがありますが、メンテナンスフリーの外壁材は存在しません。
サイディングには主に4種類の材質があり、材質の種類によって持ちが異なります。
サイディングの中で最もシェアの高い「窯業系」は、セメントと繊維を原料につくられています。セメントには吸水性がないため、塗膜が劣化すると雨が染み込みやすくなります。
次にシェア率の高い「金属系」も、サビてくると防水性がなくなるため塗装が必要です。
種類 | メンテナンス周期 |
窯業系(表面はスチール・裏には断熱材が施されている。腐食しにくい) | 7年~8年 |
金属系(セメントに木片などを混ぜて耐久性を高めたもの) | 10年~15年 |
木質系(天然木などを塗装し、表面を炭化処理したもの) | 3年~7年 |
樹脂系(薄くて軽い。色褪せや変色に強い) | 10年~20年 |
外壁に劣化症状が見えなくても、メンテナンス周期を迎えていたり超えてたりしている場合には、メンテナンスを行うようにしましょう。
剥がれたりひび割れたりしているサイディングを放っておくと、そこからカビやコケが生えたり腐食が進んだりしてボロボロになってしまいます。
塗装では修復できないところまで劣化が進行してしまうと、サイディング自体を張り替える必要があるため、1.5~2倍の費用がかかります。
住宅を長持ちさせるためにも、メンテナンスはきちんと行っておきましょう。
過去にもサイディングの塗装を行っていて、前回使用した塗料が分かっている場合には、上記の耐用年数を超えていないか確認しましょう。
塗料にも寿命があるので、頻繁にメンテナンスをしたくないという人はフッ素塗料を選ぶとよいかもしれません。
種類 | 耐用年数 |
シリコン塗料 | 8~13年 |
ウレタン塗料 | 6~10年 |
ラジカル塗料 | 10~15年 |
フッ素塗料 | 13~20年 |
▽塗料の種類ごとの特徴や費用を詳しく知りたい方はこちら
坪数(延床) | 塗装面積(外壁) | 費用 |
30坪 | 約118㎡ | 約60~100万円 |
35坪 | 約139㎡ | 約70~110万円 |
40坪 | 約158㎡ | 約80~120万円 |
45坪 | 約178㎡ | 約90~130万円 |
50坪 | 約198㎡ | 約100~140万円 |
サイディング外壁の塗装にかかる費用相場は上記の通りです。
基本的にサイディングの費用相場を大きく決める要因は「坪数」「使用する塗料の種類」「必要な作業工程」の3つです。
以下で塗料別の費用相場や各工程の費用内訳について紹介しているので、参考にしてみてください。
塗料の種類によって、耐用年数と費用相場が変わります。
最も多く使用されている塗料は、シリコン塗料です。費用が比較的安価であるにもかかわらず、耐用年数が長いため、コストパフォーマンスが良いとされています。
安く塗装工事を依頼したい方は、ウレタン塗料がおすすめです。しかし、費用が安い反面、耐用年数が短いため、定期的なメンテナンスが必要になります。
定期的なメンテナンスできるだけ抑えたいという方はフッ素塗料がおすすめです。フッ素塗料は費用が高いもの、耐用年数が長いため、メンテナンス回数を減らすことができます。
塗料の種類 | 3回塗り単価(㎡) | 塗装費用の目安(30坪) | 耐用年数 |
ウレタン塗料 | 2,000~2,800円 | 約70万円 | 6~10年 |
シリコン塗料 | 2,500~3,600円 | 約80万円 | 8~13年 |
ラジカル塗料 | 3,000~3,700円 | 約85万円 | 10~15年 |
フッ素塗料 | 3,600~4,500円 | 約110万円 | 13~20年 |
予算と相談しながら、後悔のないように選びましょう。
工事内容 | 単価(円) | 費用の目安(30坪) |
足場代 | 700~900円/㎡ | 14万円~18万円 |
飛散防止ネット | 150~300円/㎡ | 3万円~6万円 |
高圧洗浄 | 150~300円/㎡ | 2万円~4万円 |
養生 | 300~500円/㎡ | 4万円~6万円 |
シーリング | 700~1,200円/㎡ | 8万円~14万円 |
下塗り(塗装) | 650~1,700円/㎡ | 8万円~20万円 |
上塗り2回(塗装) | 1,350~3,000円/㎡ | 16万円~36万円 |
補修工事 | 2万円~/一式 | 2万円~ |
ゴミ処理代 | 2万円~/一式 | 2万円~ |
合計 | 60万円~100万円 |
上記は各工程の費用相場を示した表です。業者から見積もりをもらう際には、上記のような項目がきちんと書かれているか確認するようにしましょう。
悪徳業者の中には、下塗りや上塗りの回数を減らして表記する業者がいます。しかし下塗り1回と上塗り2回を行ってはじめて、塗料の効果を十分に発揮できるのです。絶対に下塗りや上塗りの手間を省かないように注意しましょう。
外壁塗装は決して安い買い物ではありません。どうせなら少しでもお得に工事がしたい…!と思いますよね。
そんな時は、以下の3つを検討してみましょう。
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外壁塗装と屋根の塗装はどちらも家の周りに足場を組んで工事を行います。屋根と外壁の塗装を別々で依頼してしまうと、同じ足場を2回設置する必要があります(1回の足場設置に20万円かかる)。
屋根も定期的にメンテナンスが必要になるので、外壁とまとめて塗装を依頼すれば、足場の設置が1回で済み、合計費用を安く抑えることができます。
以下の表は、屋根と外壁の塗装を一緒に依頼したときの費用相場です。屋根にも劣化が見え始める時期であれば、ぜひまとめて塗装することをおすすめします。
坪数(延床) | 屋根の塗装面積 | 費用 |
30坪 | 約54㎡ | 約80万円~130万円 |
35坪 | 約63㎡ | 約93万円~144万円 |
40坪 | 約72㎡ | 約106万円~156万円 |
45坪 | 約81㎡ | 約119万円~169万円 |
50坪 | 約90㎡ | 約132~182万円 |
自然災害が原因で外壁の修復が必要になってしまった場合には、火災保険を適用することができます。
ただし以下の3つをすべて満たしていることが条件です。経年劣化による破損などは適用範囲外なので注意しましょう。
火災保険の適用条件 |
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適用できるのかどうかがわからない場合には、保険会社に問い合わせてみましょう。
省エネ目的の工事であったり、地域活性化につながる工事の場合には、自治体から助成金が受け取れる制度が設けられていることがあります。
自治体ごとに適用条件は異なりますが、「遮熱塗料・断熱塗料の使用」を条件にしていることが多いです。
外壁塗装を依頼する際には、自治体のホームページを確認して助成金制度があるかどうかを確認しましょう。
自治体の助成金制度に関してもっと知りたいという方は、以下の関連記事を参考にしてみてください。申請方法や適用条件について詳しく解説しています。
サイディングの塗装は、塗料を何色使うかによってイメージが大きく変わります。塗装には主に以下の4種類があるので、どの塗り方が良いか考えてみましょう。
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人気が高い塗装方法は、1色に塗りつぶす「単色塗り」や元の外壁の見た目を維持させる「クリア塗装」の2つです。
また、外壁塗装を機に外壁の色を新しく変えることも可能です。以下で4つの工法の説明をします。
単色塗りとは、1色の塗料でベタ塗りする工法です。最もシンプルな塗装方法で、費用も安いため、手軽に外壁メンテナンスをしたいという方におすすめです。
外壁塗装を行っている業者であれば、どの業者でも単色塗りの塗装を依頼することができるため、依頼しやすいです。
多色塗りといっても一般的には2色の塗料を使うため、ダブルトーンと呼ばれることもあります。タイル調やレンガ調のサイディングは凹凸に合わせて塗り分けることで、奥行きのある見ために仕上げることができます。
また、下の写真のように場所ごとに塗り分ける塗り方も、2色塗りと呼ばれます。
多色塗りと似た塗装方法に多彩塗りがありますが、別の工法です。
多彩塗りは、複数の色合いやチップが混ざった塗料を使い、高級感のある石目調に仕上げます。
クリア塗装は、現在のサイディング外壁ののデザインを残したいとき(上から塗りつぶしたくないとき)に使われる工法です。
クリア塗装を行う際には、無色透明な塗料で塗装します。
しかし外壁の劣化状態によっては、クリア塗装ができない場合もあります。チョーキング現象が起きている程度なら問題ありませんが、ひび割れや剥がれがある場合は塗装が難しいです。まずは一度、業者に塗装できるか確認してもらいましょう。
せっかく塗り替えるのだから元の外壁と違う色にしたい、という人もいますよね。
もちろん、サイディング外壁においては元の色と違う色に塗り替えることも可能です。業者にカラーシミュレーションをお願いするなどして、イメージに合う色を探してみてはいかがでしょうか。
色を考える際には、面積によって色合いや雰囲気はガラリと変わること、窓のサッシや雨どいといった塗り替えできない部分との相性などに注意しましょう。
ここでは耐久性やコストパフォーマンスに優れた塗料を4つご紹介します。
実際の値段がどれくらいかを知っておくと、見積もりをとった際の業者選びの参考になるかもしれません。
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費用相場 | 2300円~3300円/㎡ |
塗料の種類 | シリコン |
水性or油性 | 油性 |
耐用年数 | 13年~15年 |
透明の塗料であるため、元からあるサイディング外壁のデザインをそのまま残すことができます。一般的なクリア塗料よりも密着性が高いため、塗料が付着しにくいサイディング外壁にも簡単に塗れます。
費用相場 | 3,200円~3,400円/㎡ |
塗料の種類 | シリコン |
水性or油性 | 水性 |
耐用年数 | 10年~12年 |
ナノコンポジットWは他の塗料と比べて圧倒的に「汚れにくい」「色あせしにくい」という特徴を持っています。汚れがサイディング外壁に付着しても雨で洗い流されるセルフクリーニング機能を持っているため、外壁が綺麗な状態を保ち続けられるのです。
費用相場 | 3,200円~3,400円/㎡ |
塗料の種類 | シリコン |
水性or油性 | 水性 |
耐用年数 | 10年~12年 |
アレスダイナミックTOPは、外壁劣化の原因となる物質「ラジカル」を抑制する機能を持っているため、紫外線に強いことが特徴です。また、シリコン塗料ではあるものの、耐用年数の長いフッ素塗料に迫る耐候性を持っていると言われています。
費用相場 | 3,800円~4,800円/㎡ |
塗料の種類 | フッ素 |
水性or油性 | 水性 |
耐用年数 | 15年~20年 |
RSゴールドFは関西ペイントに認定された有料の塗料販売店や業者しか使えない塗料です。この塗料を使用する業者は、塗料メーカーから品質を認められた業者であることから、業者選びの基準にもなります。
コーティング処理がされているサイディング外壁や、「直張り工法」という工法で施工されたサイディング外壁は、上から普通の塗装するのが難しいことがあります。
これらに当てはまる場合には、業者と相談しながらメンテナンスや修繕の方法を考えましょう。
新築時にコーティング処理が行われているサイディング外壁は、再塗装が難しいことがあります。
コーティング処理とは、外壁を綺麗に保つために特殊なコーディング材を塗布する処理のことです。たとえば、以下のようなコーティング処理があります。
これらの処理を施している場合、通常の塗料で塗りなおすと剥がれやすくなってしまいます。そのためコーティング処理の上に塗装するには、専用の下塗り塗料を使う必要があります。
コーティング処理の有無を判断するには、家を建てたときの書類から「メーカー・製品番号」を調べるのが確実です。「メーカー・製品番号」が分かる場合には、インターネットで「メーカー名と製品番号」を入れて検索すると、コーディング処理が行われているサイディング外壁かどうか確かめることができます。
もしメーカーが分からない場合は、見た目で判断することも可能です。築10年ほどの外壁でも以下のような状態であれば、コーティング処理が行われている可能性が高いと言えます。
もし塗装を検討しているサイディングが直張り工法であれば、塗装でなく張り替えをしなければいけないかもしれません。
直張り工法とは、外壁の防水シートの上にサイディング外壁を直接貼り付ける工法のことです。
外壁の劣化がなければ塗装することができますが、劣化症状が少しでもある場合には、塗装してもすぐに浮き・剥がれを起こす可能性が高いです。
サイディング外壁の張り替えを検討するようにしましょう。
外壁の1番下にある水切り部分の隙間から確認することができます。
ものさしやカードをサイディングと水切り部分の間に入れてみて、奥行きが2cm以上あれば、直張り工法ではないため塗装が可能です。しかし、奥行きが1cm~1.6㎜程度しかない場合は、直張り工法の可能性が高いです。
判断が難しい場合は塗装業者に確認してもらいましょう。
工程 | 日数 |
①足場設置 | 1日 |
②高圧洗浄 | 1日 |
③シーリング | 1日~2日 |
④養生 | 1日~2日 |
⑤下塗り | 1日 |
⑥上塗り1回目 | 1日 |
⑦上塗り2回目 | 1日 |
⑧掃除・点検 | 1日 |
⑨足場解体 | 1日 |
外壁塗装の作業を依頼する際は、工事が始まる前に家の周りにあるものを片づけておきましょう。塗装工事中に塗料がはねてしまうことがあるからです。
工事する業者も注意して作業を行いますが、万が一に備えて大切なものは移動させておいたほうが良いです。
足場がないと塗装工事ができないので、足場の設置は必ず行います。
30坪くらいの家であれば1日もかからずに足場の設置が終わります。早い業者であれば、半日程度で完成することも。
組み立て作業中は危険なため、頻繁な家への出入りは控えるようにしましょう。
専用の高圧洗浄機を使い、外壁についているコケなどの汚れを落とす作業です。また、窓や土間など塗装しない部分も一緒に洗い流してくれます。
高圧洗浄中には、水が飛び跳ねてしまうため、家周りの片付けや戸締まりをしておきましょう。また、作業中は洗濯物を干すことができないため注意しましょう。
外壁のつなぎ目や窓周りの目地のシーリングを新しくする工事です。
古いシーリングのままで塗装をしても防水性が弱く、雨水の侵入を防げません。
既存のシーリング材の状態を見て「打ち替え」か「増し打ち」かが決まります。「打ち換え」とは、既存のシーリング材を処分して新しいシーリング材に好感することです。「増し打ち」とは既存のシーリング材の上から新しくシーリング材を上塗りする方法です。
どちらの作業を行うかで費用が変わるため、業者から見積りをする際に確認しておきましょう。
塗装しない窓や土間などが汚れないようにナイロンで保護する作業です。塗装中の2~3日ほどは窓が開けられなくなるので注意してください。
エアコンや換気扇は原則使えるように養生しますが、使用中はナイロンがバタバタとうるさく感じる場合もあります。よほど気になる場合は業者に相談して対処してもらいましょう。
下地との密着度を高めるために必要な工程です。場所によっては下地処理をしながら進めていきます。
下塗りが乾燥したら上塗りを順番に塗っていきます。
気温が23度以上の日であれば2~4時間ほどで乾くことが多いです。塗料によって乾燥時間は若干異なります。
乾燥が早ければ、1日に上塗りを2回行うこともあります。
養生をすべて撤去して、不備がないか依頼者と一緒に確認していきます。
この時点で気になることがあれば必ず業者に伝えるようにしましょう。後から不備を伝えても、追加料金がかかってしまったり、対応が遅くなってしまうことがあります。
外壁のチェックも済ませて、仕上がりに問題がなければ足場をすべて解体します。最後に掃除をしてすべての工事が完了です。
自分でサイディングを塗装すれば費用の節約にはなりますが、おすすめはできません。理由は以下の3つです。
塗装は一見簡単そうに感じるかもしれませんが、プロの知識や経験があってこそできるものです。素人の塗装では綺麗に塗装できないだけでなく、塗装の効果が半減してしまうことも少なくありません。
外壁の塗装は家を守る重要な役割を果たします。知識のある専門業者に依頼することで、住んでいる家を長く綺麗に保ちましょう。
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