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サイディング外壁を寿命まで使うにはメンテナンスが不可欠!しっかり40年まで長持ちさせよう

最終更新日: 2023年03月31日

「メンテナンスフリー」と言われることもあるサイディング外壁。

しかし実際には定期的なメンテナンスをすることで、耐用年数まできっちり長持ちさせることができます。

そこで気になるのが「そもそもサイディングの寿命は?」というポイント。

この記事ではサイディング外壁の寿命・耐用年数について解説。

また寿命までしっかり長持ちさせるために、チェックすべき劣化症状やメンテナンス時期についても紹介します。

サイディング外壁の寿命は30~40年!定期メンテナンスで長持ち

家

サイディング外壁にはおもに4種類ありますが、いずれも寿命・耐用年数は30~40年ほどとされています。

しかし耐用年数めいっぱいまで長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが必要です。

そのため「メンテナンスフリー」というのは厳密にいえば正しくはありません。

雨水や湿気を吸って劣化したり、クギ周辺から割れたりといった劣化症状があり、そのままに放っておくと、サイディングボードは耐用年数よりはやく寿命を迎えてしまいます。

また外壁は家の見た目を左右するので、メンテナンスをしないことで発生した汚れ・コケなどにより、美観を損ねてしまうのです。

サイディングの種類とメンテナンス時期

サイディング外壁とは、工場であらかじめ一定サイズに成形されたサイディングボードを貼り付け、コーキングで継ぎ目を埋めた外壁です。

この「サイディングボード」にはおもに4種類あり、それぞれ特徴が異なります。

メンテナンス時期
窯業系サイディング 7~10年
金属系サイディング 10〜15年
木質系サイディング 8~10年
樹脂系サイディング 10〜20年

サイディングの種類ごとのメンテナンス時期は上記のとおりです。

しっかり寿命まで長持ちさせるために、自宅のサイディングがなんの種類か確認して、適切な時期にメンテナンスを行いましょう。

【窯業系サイディング】

窯業系サイディング

「窯業系(ようぎょうけい)サイディング」は、日本で最も普及しているサイディングボードです。

セメントと繊維を材料に作られていて、耐震性・耐火性に優れているのが特徴。

ただしサイディングのうえから塗装された塗料が劣化すると、セメント本来の吸水性により、雨水を吸って劣化しやすくなってしまいます。

そのためメンテナンスをせずに放っておくと、40年も長持ちしなくなってしまう可能性も。そのため7~10年に1回程度はメンテナンスしましょう。

【金属系サイディング】

ガルバリウム外壁

「金属系サイディング」は、ガルバリウム鋼板やアルミニウムなどのサイディングボードを使います。

窯業系と違って金属には吸水性がないので、雨水などによる劣化には強く、耐水性に優れています。

ただし壁に傷がついたりすると、そこからサビが発生しやすいのがデメリットです。サビが広がると穴になってしまうので、10~15年に1回程度のメンテナンスが必要になります。

【樹脂系サイディング】

「樹脂系サイディング」は、塩化ビニル樹脂(プラスチック)を主原料としたサイディングボードを使用する外壁です。

「顔料」(塗料の原料につかわれる色のもと)がそのまま練り込まれているため、劣化による色あせなどが起こらないことがメリット。

ただし樹脂の特性上、紫外線に弱いというデメリットがあります。

紫外線によって樹脂が分解されていき、徐々に劣化症状があらわれはじめるので、10~20年に1回ほどを目安にメンテナンスをしましょう。

【木質系サイディング】

木質系サイディング

「木質系サイディング」は名前から分かるとおり、木が主材のサイディングボードを使用する外壁です。

木のぬくもりある色合い・質感が魅力的で、オシャレな飲食店などで見かけることがあります。

ただし防火指定がある地域では、消防法の決まりによって採用できない可能性も。

木の特性上、湿気に弱いというデメリットがあります。長いあいだ湿気や水分にさらされていると、腐食につながってしまうのです。

そのため8~10年に1回くらいの頻度で、メンテナンスが必要となります。

サイディング外壁の寿命を縮める劣化症状

チョーキング現象

サイディング外壁の寿命・耐用年数は30~40年ですが、劣化症状によって、もっと短くなってしまう可能性があります。

とくに以下のような劣化症状を見つけたときには、すみやかにメンテナンスを施しましょう。

  • コーキング剤の劣化
  • サイディングの色あせ
  • サイディングの反り、浮き、ひび割れ
  • チョーキング現象

コーキング剤(シーリング剤)とは、サイディング同士の継ぎ目を埋めている白い部分です。劣化が進むと、そこから雨水などが侵入するため、ひび割れなどが起こったらすぐにコーキングを詰めなおす必要があります。

またサイディングが色あせてきたり、粉を吹くチョーキング現象がみられたりしたら、表面の塗装が劣化してきているサインです。対処法として「塗り替え」を検討しましょう。

関連記事:チョーキング現象、原因と対策を徹底解説!放置せずに外壁塗装で補修しよう | ミツモア

外壁のひび割れ

またサイディングボード自体がひび割れたり、反ってしまったりすることも。程度にもよりますが、コーキングによってヒビを埋めることができます。また反りに対しては「ビス打ち」で直します。

※それぞれの劣化症状とメンテナンス方法に関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:サイディング外壁の補修方法、費用を解説!ひび割れの原因や悪化症状に注意【DIYできる?】 | ミツモア

塩害などの環境要因にも注意

もっとも普及率が高い「窯業系(ようぎょうけい)サイディング」は、「塩害」により寿命が本来より短くなる可能性があります。

海から5km以内の沿岸部では、塩害に遭いやすいため注意しましょう。

もしも沿岸部で窯業系サイディングを外壁していると、通常よりも早くチョーキングや色あせなどの劣化が発生するかもしれません。

ちなみに塩害の影響を受けにくいのは「樹脂系サイディング」です。塩化ビニル樹脂製のサイディングのため、さびや腐食に強く沿岸部でも安心。

張り替えのタイミングで、どの外壁材にするのかを再検討してもいいかもしれませんね。

寿命を延ばすための「塗り替え」

外壁塗装

もし劣化がみられなくても、定期的に外壁を塗り替えるのがおすすめです。

劣化症状として「色あせ」「チョーキング現象」などが起こっていたら、時期にかかわらずメンテナンスをする必要があります。

しかしそういった目立つ症状がなくても、10年も経てばサイディングの耐久力はだいぶ弱まり始めているはずです。

それぞれサイディングの種類ごとに、目安となるメンテナンス時期があります。

劣化症状の有無にかかわらず、定期的に塗り替えをすることで、外壁の耐久性を保持して寿命まで長持ちさせることができます。

寿命が来たら「張り替え or カバー工法」

塗装業者

いくら適切にメンテナンスをしていても、30~40年のあいだにサイディングの寿命が訪れます。

耐用年数を過ぎた外壁は防水性が下がったり、断熱効果が無くなったりと、十分に役割を果たせなくなってしまうのです。

そのため「張り替え」または「カバー工法による重ね張り」を検討しましょう。

サイディング外壁の張り替え

寿命を過ぎてしまったサイディング外壁は、メンテナンスを行っても劣化が進むのを抑えられなくなります。

そのため「張り替え」が必要です。古いサイディングを撤去し、新しいものに交換するのです。

一般的な30坪2階建て程度の住宅であれば、足場代など込みでザックリ180~250万円程度が張り替え工事の費用相場です。

また施工が完了するまでおよそ15~23日程度かかります。ただし雨が降り続くなどの要因によって、完成まで1カ月以上かかることもあります。

いくら耐久性が高いといえど、施工してから40年を目安にサイディングの張り替えを行いましょう。

関連記事:サイディングの縦張り・横張りの違い!強度や性能・デメリットを比較しおすすめを紹介! | ミツモア

カバー工法による重ね張りが可能な条件

カバー工法とは、既存の外壁を撤去せず、上から新しいサイディングを重ね張りする方法です。

古いサイディングを撤去しない分、工事費用を抑えられるというメリットがあります。

おおよそ150~200万円で施工することができ、工期も2週間程度で済むのが一般的。

ただし下地となる既存の外壁に、ひび割れやサビなどの劣化がないことが条件です。

その理由は、上から新しいサイディングボードを被せると、内部で劣化が進行していても気づけなくなってしまうため。

小さい劣化症状であれば、既存の外壁を補修したのちにカバー工法で施工します。

日常のメンテナンス方法

刷毛

サイディングをできるだけきれいな状態でキープするには、日常的に行うメンテナンスも大切です。自分でできる手入れの方法を紹介します。

汚れを落として洗浄

日常的なメンテナンスでは「汚れを落とす」ことが大切です。

サイディング外壁を水洗いをするときには、ホースの水を上から下へかけましょう。

同時に柔らかいスポンジやブラシで汚れを落とします。水で落ちない汚れや、かび・藻・鳥のフンなどは食器用の中性洗剤を使いましょう。

強くこすりつけるなどして傷付くと、そこからひび割れが起こったり、隙間に入った菌からカビ・コケになってしまうかもしれません。

また高圧洗浄機はサイディングの手入れに向いていないので、使用をさけましょう。

家庭用の機種であっても強い圧力がかかるため、へこみや表面の傷付きの原因になります。

掃除の最後には、十分な量の水を流してしっかりすすぎましょう。洗剤の成分が外壁に残っていると、表面の劣化を早める可能性があるためです。

外壁のメンテナンス・張り替えで、優良業者を選ぶポイント

工事業者

現地調査の上で見積りしてくれるか

まず挙げられるポイントは「現地調査をしている」業者であることです。できるだけ丁寧にチェックしている業者を選ぶと、安心して任せられます。

現地調査を丁寧にしている基準は、サイディングの劣化はもちろん周辺の状態も確認していることです。屋根や雨どいなどの状態も確認してくれている業者を選びます。

くまなく調査していると、60分ほどかかることも珍しくありません。現地調査後に、写真や説明をまとめた調査報告書を提出してくれることも、優良業者かどうかを見極めるポイントです。

丁寧な点検を実施している業者であれば、本当に必要な工事内容を提示してもらえるでしょう。見積りも的確な金額で出しているはずです。

実績の多さ

「実績の多い」業者を選ぶことも、優良業者選びをする際のポイントといえます。専門的な知識や技術が必要なサイディングの工事だからこそ、数多く施工した実績のある業者を選びましょう。

施工実績はホームページを見ると確認できます。写真による紹介とともに、工事費・施工場所・素材なども掲載されているとよいでしょう。

ホームページで確認できなかった場合には、見積りを取るときに、これまでの施工例を見せてもらえるよう頼む方法もあります。

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この記事ではサイディング外壁の寿命と、寿命まで長持ちさせるためのメンテナンス時期などについて解説しました。

サイディングの寿命は30~40年といわれています。ただしメンテナンスフリーというわけではなく、適切な時期や劣化症状に合わせて、塗装などの手入れが必要です。

また、普段から洗浄をするなど、汚れを落とすことで劣化をおさえることもできます。水洗いで簡単に対策できるので定期的に実施しましょう。

劣化がもっと進んだ場合や、寿命を迎えてメンテナンスでは劣化を抑えられなくなったときには、張り替えやカバー工法で対処します。

DIYではできない作業のため、信頼できる業者に依頼しましょう。

そこで重要なのが、相見積もりです。複数の業者から提示された見積額を比較検討し、納得できる費用で依頼をしましょう。

ミツモアでは簡単な質問に答えるだけで、最大5件の見積もりがプロから届きます。まずは実績豊富な外壁塗装のプロに相談をしてみてはいかがでしょうか?

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