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木造外壁の塗装が傷んできたら?費用の相場と施工の流れ・塗料の種類

最終更新日: 2023年03月31日

木造外壁は頻繁にメンテナンスを行う必要があります。水分を吸収・放出する木は膨張と収縮を繰り返すため、塗装の寿命は長くありません。工事費用を確認してメンテナンスしましょう。木造外壁のメリット・デメリットや使う塗料、塗装工事の流れを解説します。

木造外壁の特徴

木造住宅

木造外壁の特徴としてまず挙げられるのは、天然木材の温かみある風合いでしょう。近年の戸建て住宅はサイディングボードを採用しているものが多い中、デザイン性の高さが特徴的です。

木造外壁のメリット

昨今の木造外壁はかつてとは違い、高いデザイン性に特徴があり、サイディングボードにはない以下のようなメリットがあります。

  • 断熱性に優れている
  • 調湿性に優れている
  • 雰囲気に温かみがある
  • 年月により風合いが変化する

木材はコンクリートと比較して、約15~20倍の断熱効果を期待できます。湿度が高いときには湿気を吸収し、低くなれば放出する働きを持つため、エアコンを使う頻度も減り、電気代の節約につながるでしょう。

木のぬくもりを感じさせる温かみのある雰囲気と、長い年月を経ることで、独特の深い色合いに変化する点も魅力の一つです。木造外壁は天然木材を使用しているので、商品の廃版を気にすることなく長く使えます。

木造外壁のデメリット

断熱性や調湿性に優れている木造外壁には、一方で以下のようなデメリットがあります。

  • メンテナンス周期が短い
  • 防火性が低い
  • 高温多湿に対する耐性が低い
  • 腐食・カビ・白アリの被害
  • 価格が高め

腐食しやすい木材を長く保つためには、保護するコーティングを定期的に塗り直す必要があります。これは木材が常に膨張と収縮を繰り返し、表面塗装が傷みやすいためです。また天然素材のため窯業系サイディングボードや、金属系のサイディングボードに比べると、耐火力は劣る傾向です。

木造外壁は水にも弱く、湿度の高い季節に傷みやすい点はデメリットといえるでしょう。外壁材を張り替える際は、木材を1枚ずつ職人が張っていくため、工賃が高額になりがちです。成形しやすいサイディングボードに比べ、2倍近く費用がかかる点に注意しましょう。

木造外壁はこまめな手入れが必要

木材の塗装

木目の美しさを保つにはこまめなメンテナンスが欠かせません。木造外壁の塗装周期や、状態のチェック方法を押さえておきましょう。

木造外壁の塗装の役割と再塗装の周期

木造外壁のメンテナンス周期は3~5年が目安です。木は表面に塗装を施しても、雨や湿気の影響を受け、膨張と伸縮を繰り返します。そのため塗装の劣化が進みやすく、メンテナンス周期は短くなるのです。

外壁自体の耐用年数は20年ほどですが、丁寧にメンテナンスすれば50年以上使えるケースも少なくありません。

木造外壁の状態をチェックする方法

木造外壁自体と塗装の状態を調べる際は、以下のポイントに注目しましょう。

  • チョーキング現象
  • 形状の変化
  • 塗膜の剥がれ
  • カビや藻が生えている
  • 白アリ・羽アリを見かけた

チョーキング現象は外壁を手でこすった際に、手のひらにチョークのような白い粉が付く現象で、塗料の劣化を示しています。

白亜化現象」ともいい、塗料の合成樹脂が紫外線や雨にさらされ続けた結果、分解されて粉状になったものです。クリアー塗装仕上げを施してあると、色褪せや変色を見分けにくくなるので、直接触って確かめましょう。

塗膜の剥がれは初期段階で、水ぶくれという形で現われます。塗装面が浮いた部分は、内部に水がたまっている証拠です。塗装の劣化としては深刻な状態で、外壁材を直接的に傷める原因になります。また外壁材の継ぎ目や塗膜が剥がれたところに、ホコリやごみがたまると、カビや藻の温床になるでしょう。

外壁材の表面に見られるこれらの現象は、塗装が弱って、外壁材が外気や雨にさらされているサインです。これらを放置していると害虫が侵入しやすくなり、白アリや羽アリが発生する可能性も高まります。

木造外壁の再塗装費用

塗装費用

再塗装は使う塗料によって費用が異なります。見積もりで費用を判断するためにも、相場観は大切です。費用を抑える工夫についても確認しましょう。

再塗装の費用相場

木造外壁の塗装は1㎡あたり7,000~13,000円が相場で、30坪の住宅で考えると600,000~1,200,000円です。雨漏りや木材のひび割れなどが生じている場合は、補修や外壁材の一部の交換が必要になり、費用が加算されます。

延べ床面積から外壁の面積を算出するには、床面積に以下の係数を掛けることで可能です。

外壁の㎡数=延べ床面積×1.2

計数は塗料やその他建材のグレードを考えて、1.2~1.7の範囲で考えます。係数はあくまで費用の概算をつかむための目安です。正確な外壁の面積は専門業者に調べてもらいましょう。

費用を抑える工夫

木造外壁はほかの外壁より、メンテナンスの回数が多くなるため、費用がかかるのも気になる人も多いと思います。そこで塗装の費用を抑えるコツを確認しましょう。

  • 外壁の補修と同時に屋根も補修する
  • 自治体の助成金や補助金を利用する
  • 相見積もりを取る
  • 閑散期に依頼する

外壁塗装の工事費用の中でも、足場の設置費用は約20%と大きな割合を占めるのが一般的です。屋根の補修も同時に行うことで、足場を使う回数が減り費用が節約できます。

自治体によって異なるものの、外壁塗装の際に助成金や補助金を受け取れる場合があります。制度を利用する場合は、自治体が指定する塗料を使用し、地元の業者を利用するなど、一定の条件があるのが一般的です。

金額は10万~20万円と、少なくない金額を受け取れるので、居住する自治体のホームページを確認しましょう。

相見積もりを取る際は、ほかの業者からも見積もりを取っている旨を伝えましょう。競合他社を意識させることで、価格の引き下げに効果を発揮します。

また業者の閑散期に依頼することで、費用を抑えられる可能性があります。塗料が乾きやすい春と秋は繁忙期で、閑散期は夏と冬です。夏は高温、高湿で台風のリスクもあるため、塗装には不向きな季節です。冬の閑散期に依頼することで、値引き交渉しやすくなるでしょう。

木造外壁をDIYで塗装する注意点

木材を塗装する

DIYは施工箇所によっては、費用を安くできる場合がありますが、外壁工事については、DIYはおすすめできません。その理由を解説します。

事故の危険性

外壁塗装は高所での作業が続くため危険が伴います。脚立を使用する場合は、必ず複数人で作業しましょう。

業者が作業する場合は安全性を保つため、作業箇所が高さ2mを超える場合には足場を組みます。これは足場の設置が法律で義務付けられているからであり、それだけ高所での作業は危険であるといえます。

参考:労働安全衛生規則第二編第九章第一節 墜落等による危険の防止

工期の長期化

業者が作業した場合の工期は、10~14日が目安です。しかしDIYで進める場合、作業時間をどれだけ取れるかによって、工期が大幅に長引く可能性があります。

作業を行えるのが週末や祝日のみの場合には、塗装を終えるまでに3カ月以上を要するかもしれません。

色ムラ・剥離

大量の塗料で塗装する調合には、熟練の技術が欠かせません。広範囲に塗装する外壁塗装では、色ムラが目立ちやすくなります

塗料の乾燥具合を判断するのにも経験が必要です。塗料の扱いに慣れていないと、施工からほどなくして塗装が剥がれたり、水ぶくれができたりと、劣化が早々に現われるケースも少なくありません。

木造外壁をメンテナンスする工法

外壁のメンテナンス

外壁のメンテナンスには2つの方法があります。塗装のみの場合と、木造サイディングボードに張り替える場合について、確認しましょう。

塗装

木造外壁の塗料には「浸透タイプ」と「造膜タイプ」の2種類があります。浸透タイプは木部の内部に塗料がしみ込むことで、木目を浮き上がらせ木の風合いを引き立たせるのに効果的です。

浸透タイプの塗料はしっかりと色味を出すために、最低でも3回は塗り重ねる必要があります。ただし何度塗っても塗料が浸透するだけなので、表面は水を吸い込みやすい状態のままです。

このままでは雨水を吸収してしまうので、水をはじく塗料を使う必要があります。木の素材感を活かしたい場合は、浸透タイプで木目を浮き上がらせた後、クリアー塗料を上から塗ります。

木造外壁材の耐久性を高めるためには、造膜タイプの塗料がおすすめです。造膜タイプの塗料は木目が目立たなくなってしまうので、木の風合いを優先するか保護を優先するかで、好みが分かれます。

木造サイディング

外壁材を張り替える場合には、それまでと同じ天然木材を使う方法もありますが、木造サイディングボードに切り替える方法も、おすすめです

木造サイディングボードは木材を使った外壁材で、無垢材や合板に塗装と不燃処理がなされています。ボードを張り付けていく工法で、木造外壁材より少ない工程で済む点がメリットです。

窒業系サイディングボードに比べると価格は高くなりますが、天然木材の風合いをそのまま楽しめます。施工費用の相場は1㎡あたり5,000~9,000円、メンテナンス周期は10年が目安です。

木造外壁を再塗装する方法

木材をペンキで塗装

工事の流れを知っておくと工期も把握しやすくなります。施工上の注意点として近隣への挨拶についても、押さえておきましょう。

施工上の注意点

施工上の注意点として以下のような項目が挙げられます

  • 現地で点検を行う
  • 費用の明細をもらう
  • 保証期間を確認する
  • 近隣への挨拶は業者を同行

外壁の見積もりには専門家の知見が欠かせません。分かりやすく丁寧な説明ができる業者を選びましょう。

見積もりに「○○一式」という項目が多い場合には、別途明細をもらいます。一式としか記載がないと、工事内容にどのような作業が含まれているか分かりにくく、費用の検証もできません。

工事には保証が必要です。保証期間が見積もりに記載されていない場合は、保証期間についての書類ももらいましょう。施工前に近隣に挨拶に行く際は業者にも同行をお願いし、工期や作業内容を説明してもらうことで、安心感を与えられるはずです。

施工の流れ

工事の流れを把握しておくと、見積もりと同じ作業内容で進行しているかを、チェックする際に役立ちます。施工は以下のような流れで進むのが一般的です。

  1. 業者とともに外壁の状態を確認する
  2. 点検結果をもとに工事内容を決める
  3. 足場を組んで養生シートで被う
  4. 外壁を洗浄する
  5. 古い塗料を除去する
  6. 補修
  7. 下地作り
  8. 下塗り
  9. 中塗り
  10. 上塗り
  11. 足場・養生シート撤去
  12. 立会い点検

工事のスケジュールも合わせて確認しておきましょう。スケジュールを把握しておくことで、工期に遅れが出た場合も理由が明確になり安心です。

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800,000

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