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トタン外壁とは?特徴やメンテナンス方法・費用を解説!採用すべき?

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最終更新日: 2023年05月26日

費用が安いといったメリットのあるトタン外壁。外壁を探しているユーザーの中には、トタンも候補のひとつとして検討している方もいるのではないでしょうか?

しかしトタンには錆(さ)びるなどのデメリットもあるため、メリットとデメリットもしっかり比較した上で選ぶことが重要です。

そこで本記事では、トタン外壁の種類や特徴・価格相場などについて解説しています。そもそも自宅にトタン外壁が適しているのか見極める方法などについても解説しているので、トタンを検討されている方はぜひ参考にしてください。

トタン外壁とは?どのような特徴や構造の外壁なの?

トタンの外壁

トタンとは一言でいうと、亜鉛メッキを施した薄い鋼板のこと。もう少し分かりやすくいうと、薄い鉄板を錆びないように亜鉛でコーティングしたものです。

トタンといわれると、古いお家や工場などのトタン外壁が錆だらけになっている様子をイメージする方も多いのではないでしょうか。

現在トタンは住宅業界において主流というわけではありません。

しかしトタンは安価で、外壁・屋根・外構などさまざまな部分に使用できる万能建材でもあります。

トタン外壁と他の外壁の違いとは?

トタンと、一般的な住宅で用いられることの多い外壁材「サイディング」との特徴比較を下記表にまとめてみました。

施工費用相場(㎡単価) メリット デメリット
トタン 約1,500円~ ・安価

・軽量

・メンテナンスしないと錆びる

・現在主流ではないため、商品選択の幅が少ない

・断熱性や遮音性が低い

窯業系サイディング 約4,500円~ ・耐火性が高い

・デザインが豊富

・比較的低コスト

・メンテナンスサ

 イクルが短い

金属系サイディング

(主にガルバリウム鋼板)

約5,500円~ ・軽量

・耐火性が高い

・強度が高い

・断熱材が一体化した商品もある

・メンテナンスを怠ると錆びる
木質系サイディング 約6,500円~ ・木ならではの温かみあるデザイン ・耐火性に乏しい

・耐久力が低い

・メンテナンスを

 こまめに行う必

 要がある

樹脂系サイディング 約7,100円~ ・耐久性、耐候性

 共に高い。

・耐火性は窯業、

 金属と比べると

 低い

・日本であまり普

 及していないため

 取り扱う業者が

 限られる

それではトタン外壁の特徴について具体例を挙げて、さらに詳しく解説していきたいと思います。

トタン外壁の種類やデザイン例

ライトシルバーメタリックに塗装されたトタン波板

トタン外壁は塗装で色を変えたり、模様がプリントされた製品を選んだりすることで、ある程度自由にデザインを選ぶことが可能です。トタンのデザインは主に下記のような種類があります。

  • 波トタン
  • 角波トタン
  • リブ波トタン
  • スパンドレルトタン

それぞれ紹介していきます。

種類① 波トタン

工場の屋根

波打っているような曲線の凹凸が特徴のトタンです。一般的にトタンといわれると思い浮かぶのが、この波トタンではないでしょうか。

種類② 角波トタン

角波トタンの外壁

波トタンが角ばった形になったのが角波トタンです。工場や倉庫といった施設の外壁に使われていることが多いでしょう。

種類③ リブ波トタン

木目調トタン外壁

波トタンのように常に曲線の凹凸があるわけではなく、平らな板を平行に並べたようなデザインをしています。

表面に木目調などの模様がプリントされている商品もあり、一見するとトタンに見えないことから、ひと昔前の住宅業界ではよく用いられていました。

種類④ スパンドレルトタン

スパンドレルトタン

少々複雑な加工が施されており、固定する釘の頭などを隠せるようになっています。

ただし塗装を施すときに塗り残しなどが発生しやすいため、注意が必要です。

トタン外壁を選ぶメリット3選

工場の外壁

外壁材をトタンで張り替えるメリットは下記の通りです。

  • 部材が安価なため、費用を抑えられる
  • 他の外壁材と比べ軽量なため、耐震性の向上が期待できる
  • 安価ながら耐久性が高い

それぞれ解説します。

メリット① 部材が安価なため、費用を抑えられる

トタン外壁は、商品にもよりますが比較的価格がお手頃な外壁材です。

仮に外壁を張り替えたいと考えているならば、トタンを選択することで費用を抑えられるでしょう。

メリット② 他の外壁材と比べ軽量なため、耐震性の向上が期待できる

トタンは他の外壁材に比べて軽いというメリットもあります。

一般的な住宅に用いられる窯業系のサイディングと比べると、トタン・ガルバリウム鋼板などの金属外壁は約3分の1ほどの重量しかありません。

住宅が軽くなれば地震の揺れに対して受ける負荷も小さくなるため、耐震性の向上につながります。(ただし住宅の構造や立地なども関係するので、トタン外壁にしたからといって必ずしも耐震性が向上するとは限りません)

メリット③ 安価ながら耐久性が高い

トタンは安かろう悪かろうといったイメージを持っている方もいるかもしれませんね。しかしきちんとメンテナンスすれば10~20年前後は使用できる外壁材です。

メンテナンスの頻度次第ではさらに長く使い続けることも可能です。

トタン外壁を選んだ際のデメリットや注意点4選

赤さびの屋根 錆びたトタン屋根

上述した通り、現在トタン外壁は建材業界において主流ではありません。下記のようなデメリットもあるので確認してみてください。

  • 外的要因で錆びやすい
  • 遮熱性が低い
  • 張り替えの際に他の外壁材を選べない場合がある
  • 遮音性に難がある

それぞれ解説します。

デメリット① 外的要因で錆びやすい

トタンは鉄板を亜鉛でコーティングし、さらにその上に塗装を行うことで錆びにくさをアップさせています。

しかしあくまで金属のため、下記のような原因で錆が発生する可能性もあるでしょう。

  • 外的要因によって傷がついた場合、そこから錆が広がる
  • 他の金属の錆などが付着した場合、そこからもらい錆が広がる
  • 塗装が劣化して徐々に錆が広がる

塗装などのメンテナンスをしっかり行ったとしても、ちょっとした小傷などから錆が広がる可能性は否めない…というのがマイナスな点といえます。

デメリット② 遮熱性が低い

トタンは金属なので熱伝導率が高いです。

とくに夏場の太陽光などにさらされると表面温度は80℃近くになることもあるため、室内も熱くなってしまいます。遮熱性の高い塗料を塗ることで対策は可能ですが、トタン自体のデメリットのひとつといえるでしょう。

デメリット③ 張り替えの際に他の外壁材を選べない場合がある

トタン外壁などの金属外壁は、上述した通り他の外壁材と比べて軽量な建材です。これを窯業系サイディングに変えようとすると、住宅の重量は約3倍になってしまいます。

外壁重量の急な増加は住宅にどのような影響を与えるか分かりません。そのため外壁の張り替えを行う場合は、同等重量の外壁材を使用することが一般的です。

つまり既存の外壁などがトタンだった場合、重量の大きい窯業系サイディング等の外壁材の使用は制限されると考えてよいでしょう。逆に窯業系サイディングなどから軽い金属系のトタン外壁に張り替える場合であれば特に問題ありません。

また外壁材のリフォームは張り替えだけではなく、既存の外壁材の上に外壁材を重ねて張り付ける「カバー工法」という方法もあります。

カバー工法では上記のような外壁重量の関係で、軽量な金属系の外壁材がよく使用される傾向にあります。

ただし既存の外壁材がトタンだった場合、あまりにも表面に錆が広がっていると新しい金属外壁にもらい錆が広がる可能性も。そのためカバー工法で施工できないことがあります。

このようにトタン外壁を選択した場合、将来的なメンテナンスの際に選択肢が制限される可能性があることを覚えておきましょう。

デメリット④ 遮音性に難がある

トタンは基本的に薄い鉄の板です。雨音や強風などにさらされた場合、音を室内に伝えてしまうという特徴があります。

薄い・軽量・丈夫というメリットがあるのですが、それゆえ振動音が直接伝わってしまうという点もデメリットのひとつといえるでしょう。

トタン外壁の耐用年数やメンテナンス方法!外壁の劣化サインも紹介

倉庫壁面のトタンにペンキを塗る職人

トタン外壁の耐用年数や、メンテナンス周期の目安などは下記の通りです。

トタン外壁の耐用年数 10~20年ほど
メンテナンス方法 外壁塗装、外壁張り替え
塗装の周期 10年前後を目安に

トタン外壁は定期的な塗装などを行いメンテナンスする必要があります。表中では「10年前後を目安に」と記述していますが、実際はトタン外壁の状態によってタイミングはさまざまです。

具体的にメンテナンス時期が近いことを知らせるサインは以下の通り。

  • チョーキング現象の発生・塗装の変色・はがれなどが見られる
  • トタンに錆が発生している
  • 錆の侵食が進み、穴が開いてしまっている

それぞれ解説します。

劣化サイン① チョーキング現象の発生・塗装の変色・はがれなどが見られる

チョーキング現象とは、外壁に触った際に白い粉が手に付着する現象のことです。

主に紫外線によって塗料の成分が分解され劣化した結果、粉状になった顔料が表面に出てくることにより起こります。

チョーキング現象が見られる場合、すでに塗膜が劣化しており撥水(はっすい)機能が失われてきていると考えてよいでしょう。

そのまま放置するとトタンの表面が水にさらされることになり、最終的には錆の発生につながってしまいます。

チョーキングの有無に関わらず、下記のようなケースも塗膜が劣化しているサインです。

  • 塗装の色があせてきた
  • 塗膜が少し浮いてきた
  • 塗膜がはがれている部分がある

上記症状が見られる場合は早期に塗装を検討した方がよいでしょう。

劣化サイン② トタンに錆が発生している

錆が発生しているということは、下記のようなケースが考えられます。

  • 塗装による塗膜が劣化している
  • 部分的に付いた傷などから錆が発生した

錆が発生している場合は錆を削り取り、上から塗装を行って修繕します。

部分的な小傷で発生したサビであれば部分補修で問題ありませんが、全体的に錆が見られる場合はすぐに塗装を行うようにしましょう。

劣化サイン③ 錆の侵食が進み、穴が開いてしまっている

錆を放置し続けた結果、穴が開いてしまうと塗装では対応できません。外壁材自体の交換が必要になります。

その場合塗装以上の費用が発生してしまうため、錆が出始めたらすぐに塗装を行うのが賢明でしょう。

しかし外壁用の建材も日々進化しています。

将来的にさらに安価で高性能な外壁材が生産される可能性もあるでしょう。そのような外壁材の登場を期待して、張り替え前提でギリギリまで放置するという方法もひとつの選択肢といえるでしょう。

トタン外壁にかかる費用やメンテナンスコスト

トタン屋根の上でくつろぐ野良猫

トタン外壁の設置費用相場や、メンテナンス費用相場は下記の通りです。

トタン外壁材の費用相場 700~3,000円 /㎡ ※1
トタン外壁の張り替え費用相場 1,500円~/㎡
トタン外壁の塗装費用相場 60万~170万円 ※2 

※1:商品によって変動します。

※2:30坪程度の戸建てと仮定した場合。ただし状況によって大きく変動します。

トタン外壁の導入・メンテナンスに関しては、ざっくり見て上記のようなコストが必要になってきます。

導入という点で見れば、他の外壁材に比べてトタンの施工単価が安いことは間違いありません。

しかし塗装に関しては他の外壁材と同じ施工方法になるため、使用する塗料の質や依頼した業者の単価、既存の外壁の状態などにより料金は変動します。

つまりメンテナンスについては、トタン外壁を選んだからといって安価になるわけではないことを覚えておきましょう。

家の壁などにトタン外壁を採用すべき?どういった人や建物におすすめ?

トタン外壁の赤い建物と足場

結論からいうと一般住宅にトタン外壁を導入するのはあまりおすすめできません。とくに新築住宅でトタン外壁を採用するということはまずないでしょう。

なぜならトタン外壁に代わるガルバリウム鋼板という上位互換の外壁材が、現在の金属外壁材の主流となっているからです。

トタンとガルバリウム鋼板の比較は下記表の通りです。

トタン ガルバリウム鋼板
作りの違い 薄い鋼板に亜鉛メッキをかけたもの 薄い鋼板にアルミニウム・亜鉛・シリコンでメッキをかけたもの
耐用年数 約10~20年 約20~30年
遮音・遮熱性 低い 断熱・遮音材が一体化した商品を使用すれば高い
価格 安価 トタンと比べると高価

上記の通り、ガルバリウム鋼板はトタンの上位互換ともいえる素材です。

金属外壁を生産しているメーカーも、基本的にはガルバリウム鋼板の商品をメインに販売しています。純粋な亜鉛メッキのトタンは使用される機会が極端に少なくなりました。

しかし上述した通りトタンは安価で汎用性の高い外壁材であるため、使い所がなくなったわけではありません。下記のような場合はガルバリウム鋼板ではなくトタンを利用することをおすすめします。

おすすめな人① 極力費用を抑えて外壁の張り替えを行いたい人

  • 外壁がボロボロ、ただ大きなお金をかけてリフォームしてまで長く住む予定はない
  • そろそろ建て替えも検討しているため、あまり外壁メンテナンスに費用をかけたくない

外壁の張り替えが必要なほど劣化しているが「費用がもったいない」「お金がない」といった事情がある方は、トタン外壁の導入を検討してもよいのではないでしょうか。

おすすめな人② 住宅ではなく小屋や物置などの外壁を綺麗にしたい人

住宅の外壁ではなく小屋や物置などであれば、トタンはうってつけの素材といえるでしょう。安価で施工できる上に、ある程度の耐用年数も期待できます。

他にもコンクリートブロックでできた塀にトタンを設置して、おしゃれな見た目にするといったリフォームも可能。

住宅ではなく外構や施設などに使用するのであれば、トタン外壁はまだまだ現役といえます。

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