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防カビ塗料とは?外壁や室内のカビを防ぐために有効な塗装方法を知ろう

最終更新日: 2025年05月28日

防カビ塗料とは?

防カビ塗料とは防カビ剤・抗菌材が添加された塗料のことです。添加されている防カビ剤によって、有効なカビの種類は違います。またカビを除去する効果はないので、カビをキレイに取り除いてから塗布する必要があります。

防カビ塗料はどんな場所にオススメ?

防カビ塗料は日当たりの悪い北側の外壁や、湿気が多い地域の住宅の外壁にオススメです。室内に使用する場合も、カビが生えやすい住宅環境で使用することで壁紙の耐久性を上げる効果が得られます。

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防カビ塗料とは?

防カビ塗料

防カビ塗料とは、防カビ剤や抗菌材を添加した塗料のこと。

耐久性にかんしては普通の塗料と同じく「ウレタン系」や「アクリル系」など樹脂ごとに性能が変わります。塗装後の色を決めるのも、通常の塗料と同じく「顔料」です。

そのため防カビ塗料を分かりやすく言い換えると「通常の塗料に防カビ剤・抗菌材が加わったもの」ということになります。

外壁用も内壁用も販売されているので、カビを防ぎたいのが室内でも屋外でも対応可能です。外壁用の防カビ塗料の場合は、防藻剤も含まれているのが一般的で、湿気の多い地域や日陰になりやすい壁面に適しています。

「防カビ」の定義

JIS(日本産業規格)では3~5種類のカビに対して有効なものであれば「防カビ剤」として認められる仕組み。

実際に住居内に存在するカビは約60種類にもなるので、完全にカビを防ぐことは難しい場合もあります。

しかし関西ペイントが販売する「カビニゲール」という防カビ塗料のように、60種類ものカビに有効な超強力な製品もあります。

またアステックペイントから販売されている「アステック・プラスS」はなんと700種類のカビ・細菌・藻に有効です。

参考

カビニゲール | 関西ペイント

カビ・藻対策 | アステックペイント

添加材として販売されている防カビ剤もある

また添加剤として販売されている商品もあり、防カビ機能のない塗料に混ぜて使うことで、カビを防ぐ効果を得られます。

塗料を選ぶときは耐久性や色に着目して、添加材を選ぶときは防カビ性能の高さに着目してそれぞれ購入できるのがメリットです。

ちなみに防カビ添加剤は、水性塗料用と油性(溶剤系)塗料用とに分かれているので、購入するときには塗料との組み合わせを考慮しなくてはいけません。
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防カビ塗料は使った方がいい?

黒カビの生えた住宅外壁

基本的に国内販売されている塗料であれば、ある程度の防カビ性能が備わっているものが多いです。

そのため「湿気が多い地域」や「日当たりの悪い立地」でないと、そこまで気を遣う必要がないと感じる方もいるかもしれません。

しかし出来ることなら、屋内外を問わずカビや藻は発生させないほうがよいです。見栄えが悪いという側面ももちろんありますが、健康的なリスクや、住宅が短寿命化リスクがあります。

カビが生えやすい環境は?

カビ菌は幅広い場所で繁殖できます。気温は最低5℃以上、湿度60%以上あれば繁殖可能です。カビがもっとも繁殖しやすいのは、以下の条件がそろったとき。

  • 気温20~30℃前後
  • 湿度70~80%以上
  • ホコリや汚れなどの養分が豊富

カビ菌は空気中に常在しています。そのため適切な気温・湿度になるとカビが発生しはじめるのです。

カビは外壁にも内壁にも発生します。外壁の場合は日当たりが悪い面に発生しやすく、室内の場合だとクローゼットのなかや日当たりの悪い部屋の壁・天井などに発生することが多いです。

また川や湖、海などのそばの住宅や、日当たりの変化よって湿気がたまりやすい立地などはカビが生えやすくなります。

カビによる健康リスクって?

カビが発生すると、繁殖するために「胞子」という種を飛ばします。胞子を人間が吸い込むとアレルギー症状を引き起こし、せきや目のかゆみ、アレルギー性鼻炎などの原因に。

ひどい場合は発熱をともなう呼吸器系の症状につながることもあります。

防カビ剤や防カビ塗料を使ってカビの発生を防ぐことができれば、長期間にわたって快適な居住環境を保つことができるのがメリットです。

カビや藻によって住宅が短寿命化するのはなぜ?

外壁にカビや藻ができると、住宅の劣化が進みやすくなります。

外壁には塗装が施されていますが、塗膜にカビや藻が出来ているということは、その部分の防汚性が下がってしまっている状態です。

塗膜が劣化することによって耐水性も下がっている可能性が高く、そのまま放置していると建材に雨水などの水分が染みこみやすくなります。

このような劣化をなるべく長いあいだ防ぐために、防カビ性能の高い塗料を採用するのが有効です。
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防カビ塗装の費用は通常の外壁塗装よりも高くなる?

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上述した通り、大手メーカーの一般的なグレードの塗料であれば一定以上の防カビ成分は含まれています。それらを使用する場合は通常の費用と変わりません。

しかしより強力な防カビ添加剤を混ぜて施工する場合は、添加剤の値段がプラスされます。

材料費は防カビ剤15~20kg(1缶)につき6,000~15,000円程度です。1缶で約50㎡分の容量があり、平均的な住宅の外壁面積は120~150㎡程度です。

そのため約2~5万円ほどの材料費が上乗せとなる可能性があります。

関連記事:外壁塗装の費用相場は?単価&坪数でカンタンに計算してみよう! | ミツモア

バイオ洗浄を行う場合は別費用がかかる

通常の塗装を行う場合は、高圧洗浄機による水の噴射で汚れを落とします。しかしすでにカビや藻が生えている場合は、「バイオ洗浄」をおこなうことも。

バイオ洗浄とは、防カビ・殺菌効果のある薬剤を外壁に塗り、汚れを浮かせてから洗浄する方法です。

防カビ塗料は「カビを予防する力」はありますが、カビを退治する力はありません。そのため塗布するときにはカビを落としてから施工する必要があります。

バイオ洗浄を選択した場合は通常の高圧洗浄より150~200円/㎡ほど単価が上がります。

関連記事:外壁塗装でバイオ洗浄を選ぶメリット・デメリットは? | ミツモア

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防カビ塗料の塗装工程は?DIYは可能?

防カビ塗料を塗装するときは、一般的な塗装工程と変わりありません。ただしすでにカビが生えている場所に施工する場合は、カビの除去と下地調整が必要となります。

【防カビ塗料の塗装工程】

  1. 素地ごしらえ
    1. 素地の高圧洗浄
    2. カビがある場合は除去・漂白など
    3. 素地がダメージを受けている場合は補修
  2. 下地用の塗料に防カビ剤を混ぜて塗布して、乾燥させる
  3. 上塗り用の塗料に防カビ剤を混ぜて塗布して、2回塗り重ねる

ちなみに外壁に塗装する場合は、2階部分にも塗布するための足場を仮設したり、近隣に塗料や水分が飛ばないように飛散防止シートを設置したりする工程もあります。

また合計で3回の重ね塗りをしますが、それぞれ乾燥させてから上塗りする必要があり、最低でも1日以上開けなくてはいけません。

そのため外壁塗装の場合だと最低でも4~5日はかかります。

このように手間がかかる作業なので、防カビ塗料の塗装をDIYで行うのは基本的には非推奨です。素人による塗布だと塗りムラもできやすく、塗膜の性能が下がってしまう恐れもあります。
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外壁塗装で防カビ塗料を使う際の3つの注意点!

防カビ塗料を使う際に覚えておきたい注意点を3つ紹介します。

注意点①:防カビ塗料を使用してもカビが生えなくなるわけでない

前述の通り防カビ塗料を使用しても、塗料が対応していない種類のカビが生えてしまう可能性はあります。またカビ自体が耐性を持ってしまうことも考えられるので、過信しすぎないようにしましょう。

注意点②:既存のカビを殺せるわけではない

防カビ塗料は、既に生えているカビを殺せるわけではありません。既にカビが生えてしまっている外壁に関しては、バイオ洗浄や別途殺菌効果のある下地調整剤を塗るなどして、カビの根を絶っておく必要があります。

これを怠るといくら防カビ成分の入った塗料を塗っても、再びカビが生えてきてしまう可能性があります。ただ塗ればいいというわけではない点に注意が必要です。

注意点③:防カビ成分はあくまで機能であって塗料の耐久性は樹脂によって決まる

防カビ成分が強いからといって塗料自体の耐久性が上がる訳ではありません。防カビはあくまで添加剤によるものなので、塗料本来の性能も考えるのを忘れないようにしましょう。

防カビ特化を謳っているから耐用年数も高いという訳ではなく、あくまで塗料の耐用年数は樹脂(シリコンやアクリルなど)で決まるということをしっかり覚えておきましょう。

塗料の効果を長く持たせたいなら、その分グレードの高い防カビ塗料を選ぶ必要があります。
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防カビ塗料の選び方

上述した通りJIS規格のテストによって判断されるのは、限られた数のカビに耐性があるかどうかです。一般的な建物から検出されるカビは57種類程あると言われ、それら全てのカビに対応していなくても防カビ成分としては認めらます。

したがって、単に防カビ成分入りと書いてある塗料を選べば良いという訳ではありません。

  • 可能な限り、多くの種類のカビや菌に対応している商品を選ぶ
  • 既存の外壁の状態に合わせて施工業者やメーカーに確認して選ぶ
  • 塗料自体のグレード(耐用年数)も考慮して選ぶ

といったように、より適切な製品を選択することが大事です。

また国内大手塗料メーカーである「日本ペイント」「関西ペイント」「エスケー化研」の3社に限っていえば、標準的に防カビや防藻の成分が含まれている製品が多いです。

そのためこれらのメーカーから選ぶのがおすすめ。塗料のグレードをしっかり確認しつつ、予算に合うものを選びましょう。

防カビ塗料・防カビ剤の成分は?

防カビ塗料の主成分となっているのは下記のようなものです。

  • イソチアゾリン系:シャンプーや化粧品、冷感タオル、工業製品向けの防腐剤等に使用される成分です。
  • アルコール系:手指の消毒スプレーや、清掃用の除菌シート等に使用される成分です
  • 銀系:Ag+というイオン名を引用した商品名で浴室の防カビ剤や殺菌シート等に使用されています。
  • ベンズイミダゾール系:主に寄生虫駆除や殺菌といった目的で農薬等の製品に使用されます。

これら防カビ成分は、カビの繁殖や生育を防ぐ効果があります。

DIYで塗装したい場合は1液水性がおすすめ

DIYで防カビ塗料の塗装を行う場合は「1液水性」の塗料を使用するようにしましょう。

硬化剤を混ぜ合わせたり、専用のシンナーで希釈したりする必要がない塗料なので簡単に塗装ができます。

おすすめの防カビ塗料:エスケー化研「バイオタイト#30」

エスケー化研の「バイオタイト#30」は大手塗料メーカーの中でも特に防カビ・防藻の機能を強化した上塗り塗料です。

  • 主要樹脂:ポリウレタン樹脂
  • 設計価格:2,850円/㎡ (下塗材込み)
  • 適用下地:コンクリート・セメントモルタル・ALCパネル・PC部材・スレート板・GRC板・押出成形セメント板・各種旧塗膜など
  • 期待耐用年数:8~10年

外壁の上塗り塗料になるので、外壁塗装で使用する際は下塗り材を塗ってから本製品で塗装するのが一般的な流れとなります。

またエスケー化研のカタログ上では、塗装面の殺菌処理を行った後に下地を調整し、「下塗り→主剤塗り→上塗り」の3工程で仕上げとすることが推奨されています。

下地調整剤には「SKKカビ除去剤#50」等の商品があり、全工程に殺菌や防カビ効果の高い製品を組み合わせることで、防カビ性能を高めた外壁塗装を行うことを目的としているようです。

おすすめの防カビ添加剤:株式会社アステックペイント「アステック・プラスS」

アステックペイントが販売している「アステックプラスシリーズ」は、塗料に混ぜる添加剤です。

そのため、この商品を単体で購入しても塗装ができるわけではありません。基本的には同メーカーの「超低汚染リファインシリーズ」という塗料との組み合わせを想定しているようです。

アステックプラスシリーズは、真菌(カビ)419種類、細菌226種類、藻類58種類もの菌の発生を防ぐことができます。これは通常の防カビ材と比べると圧倒的に多いと言えるでしょう。

費用に関してはメーカー非公開の為、依頼する施工業者に確認しましょう。
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