引越しをすると住所変更の手続きが必要になりますが、バイクの住所変更も忘れてはなりません。しかし初めてバイクの住所変更を行う場合、以下のようなお悩みを抱えている方も多いことでしょう。
「バイクの住所変更では、どのように手続きを進めたら良いの?」「申請に必要な書類は?窓口はどこ?」
そこで本記事では、バイクの住所変更に必要な書類や手続きの流れ、注意点などを詳しく解説します。引越し後に思わぬトラブルが生じないためにも、しっかりと理解して適切に届出の準備を進めましょう。
バイクの住所変更に必要な書類
まずはバイクの住所変更に必要な書類をチェックしておきましょう。バイクの住所変更では、排気量によって必要な書類や手続きの方法が異なります。
ここでは、排気量別に必要な書類をまとめています。
それぞれ見ていきましょう。
125cc以下(原付自転車)の場合に必要な書類
125cc以下のバイクは、同じ市区町村内での引越しする場合は、転居届を出すことで住所が自動的に変更されます。そのため、別途手続きの必要はありません。
市区町村をまたぐ引越しの場合は、以下の書類が住所変更に必要です。
- 廃車手続きが済んでいる場合:廃車申告受付書
- 廃車手続きが済んでいない場合:登録中のナンバープレートと標識交付証明書
- 印鑑
- 本人確認書類
126cc〜250cc(軽二輪自動車)の場合に必要な書類
排気量が126cc〜250ccのバイクは軽自動車扱いです。同じ市区町村内での引越しであっても、以下の書類が必要です。
- 軽自動車届出済証
- 住民票(証明後3ヶ月以内のもの)
- 所有者/使用者の印鑑(申請書に直接押印)
- 申請書(軽自動車届出済証返納届および軽自動車届出書)
- 自動車損害賠償責任保険証書(保険期間が残っているもの)
- 手数料(600円程度)
- 軽自動車税申告書(市区町村への申告書。手続きの窓口で入手可能)
自動車損害賠償責任保険証書も忘れずに用意しましょう。
251cc以上(小型二輪自動車)の場合に必要な書類
排気量が251cc以上の場合は小型二輪自動車扱いです。同じ市区町村内での引越しであっても、以下の書類が必要です。
- 申請書(運輸支局又は自動車検査登録事務所の窓口にて配付のほか、印刷して持参することも可能)
- 手数料納付書(窓口にて配付のほか、印刷して持参することも可能)
- 自動車検査証
- 住民票(証明後3ヶ月以内のもの)
251cc以上のバイクは小型二輪自動車として扱われるため、自動車検査証(車検証)が必要になります。また、手数料納付書も忘れずに用意しましょう。
バイクの住所変更の手続き
バイクの住所変更手続きは、排気量や引越し先の地域によって異なります。ここでは、それぞれのケースに分けて解説していきます。
125cc以下の場合の手続き
125cc以下のバイクの場合、市区町村が同じか異なるかで対応が変わってきます。それぞれのケースについて解説します。
同じ市区町村へ引っ越す場合は手続き不要
同じ市区町村内での引越しの場合、転居届を出すだけで住所が自動的に変更されます。そのため、バイクに関する特別な手続きは必要ありません。
違う市区町村へ引っ越す場合の手順
違う市区町村へ引っ越す場合、まずは現住所の役所で必要書類を揃えた上で、これまで使用していたナンバープレートを返納します。その後、廃車申告受付書を受け取り、新住所の役所に向かいましょう。
新住所の窓口に廃車申告受付書、印鑑、本人確認書類を持参し、手続きを済ませることで新しいナンバープレートを受け取れます。
なお、旧住所の役所に行けない場合でも、新住所の役所に登録中のナンバープレートと標識交付証明書を提出することで、廃車手続きを同時に行うことも可能です。時間に余裕がない場合は、この方法を利用するのも良いでしょう。
126cc以上の場合の手続き
126cc以上のバイクの場合、陸運支局の管轄によって手続きが異なります。
- 同じ陸運支局の管轄内に引っ越す場合
- 違う陸運支局の管轄内に引っ越す場合
それぞれ解説していきます。
同じ陸運支局の管轄内に引っ越す場合
126cc以上のバイクの住所変更で同じ陸運支局の管轄内に引っ越す場合、必要書類を持参して管轄内の陸運支局に行き、登録手続きをします。ただしこの場合、ナンバープレートの変更は必要ありません。
違う陸運支局の管轄内に引っ越す場合
必要書類とナンバープレートを揃えて新住所の管轄内の運輸局に向かい、登録手続きを行いましょう。必要書類は126cc〜250cc、251cc以上で異なるため、先に紹介した書類の項目を参考にしてください。
混んでいなければ即日で新しいナンバープレートが発行されますが、日によっては数日かかる場合もあります。日を開けずにバイクを使いたい場合は、年末年始や年度末などの繁忙期を避けるとよいでしょう。
バイクの住所変更は引越し後いつまでに行う?
引越しにより住所が変わった場合、基本的には転入届とともに住所変更が必要です。
バイクの住所変更手続きには原則15日以内という期限が定められているため、忘れてしまわないよう注意しましょう。転入届と合わせて、早めに準備して手続きを済ませることをおすすめします。
引越し時にバイクの住所変更手続きを忘れるとどうなる?
バイクの住所変更手続きを忘れてしまうと、様々なトラブルに巻き込まれる可能性があります。ここでは、具体的にどのような問題が発生する可能性があるのか見ていきましょう。
罰金を科されることがある
道路運送車両法では、住所変更後15日以内に登録変更を行うことが義務付けられています。この規定に違反すると、最大50万円の罰金が科される可能性があります。特に管轄の陸運局が変わる場合は、迅速な対応を心がけましょう。
自動車税を滞納する恐れがある
住所変更手続きを行わないと、自動車税の納付書が新しい住所に届かないことから、税金の滞納につながる恐れがあります。これにより延滞金が発生したり、車検が受けられなくなったりする可能性があるため、トラブルを避けるためにも住所変更は必須です。
保険金を受け取れない可能性がある
住所変更していなくても基本的に保険金は支払われますが、受け取りのための手続きが煩雑になる可能性があります。また、任意保険の場合は契約内容の変更を通知する義務があるため、これを怠ると保険金が支払われない可能性もゼロではありません。
また、自賠責保険の住所をそのままにしていると更新案内が届かず更新を忘れてしまい、期限切れになるリスクもあります。
万が一のときに保険金を滞りなく受け取るためにも、引越し後の住所変更手続きは早めに済ませておきましょう。
バイクの住所変更手続きが間に合わない場合の対処法
以下では、バイクの住所変更手続きが間に合わない場合の対処法について解説します。時間がない、忙しいなどの理由でバイクの引越し手続きをできない場合は、以下の方法を検討してみましょう。
それぞれ解説していきます。
代理人に依頼する
自分で変更手続きをすることが難しい場合、代理人に依頼することも可能です。
代理人に手続きを依頼する際は委任状を用意しておく必要があるため、早めに準備を済ませておきましょう。委任状には委任者の情報に加えて、受任者の情報や自動車登録番号などを記載します。窓口での配布のほか、Webでダウンロードしたものを印刷して持ち込むことも可能です。窓口では代理人の本人確認書類も必要となるため、依頼の際に伝えておきましょう。
行政書士に依頼する
代理人に頼むことが難しい場合、バイクの住所変更手続きの代行サービスを利用するのも一つの方法です。全国対応の業者も多く、名義変更や住所変更といった手続きを代行依頼できます。役所の営業時間に縛られることもなく、自分の時間を有効に使える点がメリットです。
代行料金は業者によって異なるため、事前に複数の業者で見積もりを取ることをおすすめします。
バイクを住所変更するときのポイント
バイクの住所変更をする際に、押さえておくべきポイントがいくつかあります。ここでは、そのポイントについて解説します。
排気量に関わらず車庫証明は必要ない
バイクの場合は自動車とは異なり、排気量に関係なく車庫証明は不要です。車庫証明とは、自動車の保管場所についての証明書類です。
バイクは自動車に比べて小型であり、駐車スペースの確保が比較的容易であるほか、自動車の保管場所の確保等に関する法律は主に四輪車を対象としています。そのため、125cc以下でも250ccを超えるバイクであっても、排気量に関わらず車庫証明は一律で不要となっています。
運転免許証や保険の住所変更も一緒に行う
引越しに伴う手続きは、バイクの住所変更だけではありません。併せて、以下の手続きも忘れずに行うようにしましょう。
- 運転免許証の住所変更:運転免許試験場や運転免許更新センター、警察署などで変更可能
- 任意保険と自賠責保険の住所変更:保険会社に連絡(ウェブサイトで可能な場合もあり)
- クレジットカード/銀行/携帯電話の住所変更:各サービス会社に連絡(ウェブサイトで可能な場合もあり)
これらの手続きはいずれ必要になるものなので、一括して行うことで抜け漏れを防ぎましょう。また、まとめて変更することで一連の申請をスムーズに済ませられます。
引越し費用の目安を把握しよう
これから引越しの予定がある場合は、バイクの住所変更の手続きと並行して、引越し全体の費用についても把握しておくことが大切です。引越しの費用は人数や距離によって大きく変わってきます。詳しい費用の目安については、以下の記事をご覧ください。
また、おおよその費用を知りたい方には、ミツモアの引越し費用のシミュレーションが便利です。「引越し月」「世帯人数」「輸送距離」の情報を入力するだけで、簡単に概算の見積もりを把握できるので、引越し費用が気になる方は以下のシミュレーションもチェックしてみてください。
バイクの排気量に合わせて適切な手続きをしよう
バイクの住所変更の手続きは、排気量によって必要な書類が異なります。125cc以下、126cc〜250cc、251cc以上のそれぞれのケースに当てはめて確認しましょう。また、引越し先の市区町村や陸運支局の管轄によっても必要な手続きは異なります。
手続きを自分で済ませることが難しい場合には、代理人や行政書士を利用することも可能です。どうしても時間が取れないという場合には、これらの方法も検討してみましょう。
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