可動棚は収納場所を増やしたい人におすすめの家具です。壁面全体を収納場所に変えたり、家具の上部にあるデッドスペースを有効活用したりできます。可動棚をDIYする方法や、失敗を防ぐために押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
可動棚のDIY方法
可動棚は置きたいものに合わせて棚板の位置を調整でき、限られた収納場所を有効活用できる家具です。空いているスペースや、置きたいもののサイズに合わせて設置できます。可動棚をDIYする方法をチェックしましょう。
可動棚の種類
稼働棚の種類を知ると、自分の部屋にぴったりなタイプが見えてきます。可動棚の種類には、主に「壁面持ち出しタイプ」「側面支持タイプ」の2つがあります。
壁面持ち出しタイプは棚を設置する背面の壁に、「2本以上の棚柱」を取り付ける方法です。長い棚板を使用する場合は、棚柱を増設してたわみを防ぎましょう。壁の広さに合わせて、比較的自由な大きさにできます。
側面支持タイプは両側面にある壁に棚柱を取り付ける方法で、「4本の棚柱」が必要です。棚板のサイズは左右の壁面の距離と、同じになります。横幅が広い可動棚を取り付けると、棚板がたわみやすいので注意しましょう。
どちらのタイプも木材が使われている壁や、下地がしっかりとした壁に取り付けます。
可動棚のDIYで必要な道具
可動棚をDIYする際に必要な材料は、棚柱(レール)・ダボ・棚受け(ブラケット)・棚板・ビス・ボードアンカーなどです。
ダボは棚板を置くときに必要な金具で、棚柱と対になっています。主に側面支持タイプで棚板を取り付ける際に使用し、必要な数は「棚の枚数×4個」です。
壁面持ち出しタイプの場合、棚柱に棚受けを固定します。どちらの場合も使用したい棚柱に、適合するパーツを選びましょう。ビスは棚柱を壁面に取り付けるために使います。
ボードアンカーは、下地の裏に柱がないときに必要です。ビスを留めるドライバーや、下地センサーなどの道具も用意しましょう。
電動ドライバーを用意すると、力が強くない人でも素早く壁面にビスを固定できるので、用意しておくのがおすすめです。下地センサーがあると、壁に当てるだけで簡単に下地の場所を探せます。
取り付け箇所に印をする
下地の位置を確認し、どこに取り付けるかを決めましょう。下地の位置が分からない場合、下地センサーを使用して探します。
取り付け位置を決めたら、下書き用の消せるペン・マスキングテープなどで印を付けましょう。水平器を使用すると、きれいに印を付けられます。
水平器は地面に対して、対象物が水平になっているかを測るために使用するものです。棚柱が曲がった状態で棚を取り付けてしまうと、棚全体がゆがんでしまいます。
水平器はホームセンターなどで購入してもよいですが、スマホアプリを使うと便利です。
棚柱を固定をする
取り付け位置が決まったら、印に合わせて棚柱を固定していきましょう。一番上にビスを留めてから一番下にもビスを打ち込み、その後残りを打ち込んでいくと、きれいな垂直にしやすくなります。
ビスは壁に対して、直角に打ち込みましょう。最初から電動ドライバーの強さを最強にしてしまうと、壁・ビスが破壊されてしまうことがあるので、少しずつ稼働させて様子を見ます。
棚柱の固定が不完全だと棚がゆがんだり、ものを置いたときに棚板が落下したりと危険なので、しっかり固定しましょう。
棚受けの取り付け、棚板の設置
棚柱が固定されたら、棚板が欲しい位置にダボ・棚受けを取り付けます。棚板に取り付け用の金具が付いているタイプなら、ダボを付ける必要はありません。棚板が必要な位置にはめて、固定しましょう。
使用する棚柱・棚板のタイプによって取り付け方が違うので、事前に確認することをおすすめします。
棚柱に番号が振ってあるものなら、同じ番号同士に器具を取り付ければよいので簡単です。左右で器具を取り付ける位置を間違えないように、注意しながら進めましょう。
収納したいものに合わせて棚板が設置できれば、完成です。
可動棚をDIYするときのポイント
必要な材料や手順さえ合っていれば、可動棚を作るのはそれほど難しくはありません。しかし取り付ける壁の選定を間違えると、失敗してしまうこともあります。可動棚をDIYするときに、押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
壁選びや配置が重要
可動棚の位置を決めるときは、下地の確認をしっかりと行いましょう。下地がない壁に可動棚を取り付けようとすると、耐久性の問題が発生し、崩壊・落下などのリスクが高まります。
石膏ボードに可動棚を取り付けたいときは、石膏ボード専用の器具を用意しないと壁が割れる心配があり、安全に使用できません。
また使いやすさを考えた設置場所を見つけるのも、重要なポイントです。「何をどのような配置で置きたいのか」を考えてから取り付けないと、使いづらいものが完成してしまいます。
可動棚は取り付けた後でも棚板の位置を変えられはするものの、何を収納したいかを考えてから材料をそろえることは大事です。
何も決めずに作業を始めてしまうと、棚板の枚数が足りなくなったり、効率よく荷物を置けなかったりと無駄が生じます。
棚板の寸法をしっかり測る
寸法を測らずに設置してしまうと棚板が入らず、最初からやり直しになってしまいます。棚柱の設置場所を決めたら、メジャーを使って必要な棚板の長さを計測しましょう。
その後に必要な材料を購入すれば、棚板の寸法が合わない事態に陥ることはありません。棚板の長さを間違えると、固定した棚柱を外してやり直すことになり、壁に余計な穴が増えてしまいます。
また棚柱を固定する位置自体を間違えると、棚板の長さも合わない状態になります。位置を決めたら消えるペン・マスキングテープなどで印を付け、印の通りに配置することが重要です。
耐荷重を確認する
可動棚の材料を選ぶ際、置きたいものに合う耐荷重を備えているかを確認することも大事です。棚柱・棚受けによって、設定されている耐荷重が違うので注意しましょう。
置きたいものに見合っていない材料を選んでしまうと、落下の原因になります。最悪の場合、壁ごとはがれ落ちてくることもあるでしょう。
設定されている耐荷重は、購入前に確認するのがおすすめです。
可動棚の設置は業者に依頼できる?
可動棚をDIYする自信がない場合、業者に頼むことはできるのでしょうか?業者に頼むメリットや、費用について見ていきましょう。
業者に依頼するメリット
業者に頼めば、安全性の高い可動棚を設置できます。DIYで可動棚を付ける場合、自分で道具の用意をしなければなりません。DIYの知識がない人は、失敗する可能性が高いといえます。
またDIY初心者は、ドライバー・ビスなどの扱いに慣れるまでに、時間がかかることも少なくありません。正しい材料を選べたとしても、技術的な問題で耐久性に劣る可動棚になってしまうことも考えられます。
業者に依頼すれば、素人には難しい壁の補強・設置場所に合った材料選びを、プロならではの目線で行ってくれます。多少の料金はかかっても、見栄えがよく、安全なものを使用したい人におすすめです。
業者に依頼した場合の費用の相場
業者に依頼する場合、可動棚のサイズ・設置場所によって、費用が異なるのが一般的です。サイズが大きく設置場所が広いほど、多くの費用がかかります。
業者によっても費用はまちまちなので、見積もりを依頼しましょう。小規模なものなら、1万円以下でできる場合もあります。
ただし複数の業者に見積もりを依頼しないと、相場よりも高い費用がかかってしまう可能性があります。ミツモアなら簡単に複数業者から相見積もりを取れるので、ぜひ利用してみましょう。
可動棚を設置して収納を増やそう
可動棚をDIYするときは、設置場所・材料選びに注意しましょう。取り付け位置によって、必要な材料は変わります。購入する前に設置場所を計測して、必要な寸法の棚柱・棚板を割り出しておくことが大事です。
DIYに慣れている人なら、必要なものさえそろえれば、比較的簡単に設置できます。自信がない人は業者に頼むと、安全で使いやすい可動棚を作ってもらえます。
収納したい場所・ものに合った収納スペースを作って、暮らしやすい環境を手に入れましょう。