雪がよく積もる地域で通常のカーポートを利用している場合、耐雪カーポートにリフォームすることで雪下ろしの頻度を減らすことができるでしょう。
耐雪カーポートにリフォームする際の選定ポイントや費用相場を紹介します。
雪国に心強い「耐雪カーポート」とは
カーポートは雨や雪、強い日差しから車を守るためにつくられる、柱と屋根でできた簡易的な車庫です。
なかでも雪は積もるとかなりの重さになるので、降雪量の多い地域では、大量の積雪にも耐えられる「耐雪カーポート」が主流です。
耐雪カーポートのつくりや、どのような種類があるのかを紹介します。
積雪に耐えられるカーポート
普通のカーポートには、大量の積雪に耐えられる性能はありません。具体的には、雪が約20cm積もると雪下ろしをしなければならない商品が多いです。
北海道や東北・北陸といった積雪が多い地域では、通常のカーポートだと数時間の降雪で限界に達し、破損してしまう可能性が高いでしょう。
耐雪カーポートは約50cm〜2mの積雪に耐えられるつくりになっています。積雪が多い地域ほど、cmで表される「耐積雪量」の大きい種類を選ぶと良いです。
雪がよく積もる地域に住んでいる人は、耐雪カーポートへのリフォームを検討しましょう。普通のカーポートより値は張りますが、雪の重みで屋根が抜けたり車が破損したりするとかえって出費が大きくなる可能性もあります。
耐雪カーポートの種類
耐雪カーポートにもさまざまな種類があります。耐久性を決めるのは、おもに「屋根の形状」と「素材」、「柱の本数」です。
屋根の形状はフラットなタイプとギザギザの「折れ板」タイプの2種類です。折れ板タイプの方が耐久性が高くなります。
フラットタイプの屋根には、透明で衝撃に強いプラスチック素材である「ポリカーボネート」が使われることが多いです。対して折れ板タイプには、強度の高い金属素材の「ガルバリウム鋼板」が使われます。
また、柱の数は多いほど強度が上がります。積雪量の多い地域では、雪の荷重に耐えられるよう4本柱以上にするとよいでしょう。
耐雪カーポートを選ぶときの確認ポイント
雪国に対応できるカーポートを選ぶとき、注目したいのはやはり「どの程度の積雪に耐えられるか」です。所有している車の台数に対応する幅も、必ず確認しておきましょう。
雪下ろしの目安になる「耐積雪量」
カーポートの「耐積雪量」は名前の通り、どの程度の積雪まで雪下ろしをしなくても耐えられるかを示す数値です。製品情報にcm単位で表示されています。
豪雪地帯に対応できる耐積雪強度は約100~200cmです。ちなみに通常のカーポートの耐積雪量は20~50cm程度です。
年間で最も積雪量の多い時期に合わせましょう。北海道、東北、北陸地域の場合は150cmまたは200cmのものを選ぶと安心です。雪が降る地域でもそこまで積雪量が多くないなら、50〜100cmでも十分かもしれません。
もう1点気にしなければならないのは、雪の質によって同じ体積でも重さが変わることです。
カタログに記載されている耐積雪量は、新雪の重さで計算されています。積み重なり圧縮された締雪や、一度溶けて固まった粗目雪は比重が重くなるのです。締雪は新雪の約6割・粗目雪は約4割で雪下ろしが必要になると考えましょう。
耐久性を左右する「支持タイプ」
耐積雪量が20cmを超える耐雪カーポートでも、片側にしか柱のない「片支持タイプ」・両側に柱のある「両支持タイプ」の2種類があります。一般的なカーポートは多くが片支持タイプです。
片支持タイプでも、片側に2本ではなく3本の柱を設けて屋根を支える製品もあります。通常の2本柱タイプよりは積雪に耐えられるつくりです。
ただし片支持タイプには耐積雪量50cmまでの製品が多く、北海道で雪の多い地域や東北・北陸の豪雪地帯では雪の重みに耐えきれません。積雪量の多い地域に対応できるのは、必然的に両支持タイプになります。
柱の数が多ければ多いほど耐久性は高まるため、頑丈なカーポートが欲しいなら両支持タイプで6本か8本の柱がある種類を選びましょう。
支持柱が多いと出入りが多少不便にはなりますが、雪国でカーポートを設置するときは、積雪に負けない耐久性が最も重要です。
カーポートの幅で決まる「駐車台数」
複数台の車を駐車したいのであれば、カーポートの幅が広いものを選ばなければなりません。カーポートは耐雪性能にかかわらず、1〜4台に対応した製品が売られています。
耐雪性能と所有している車の台数、どちらにも対応できるカーポートを探しましょう。メーカーやシリーズによっては台数タイプが限られている場合もあるため、停めたい車の台数に対応しているかまず確認しておくとよいです。
屋根の面積が駐車場の広さに収まらなければ、リフォームで加工することもできます。車がはみ出さないよう、愛車の幅や長さと前後左右のスペースを計算して、余裕のある商品を選ぶのがポイントです。
耐雪カーポートのリフォームにかかる費用
耐雪カーポートをリフォームする際は、カーポートの広さによって費用が異なります。本体の価格だけなく駐車場の状況によって、設置費用が変わってくる点にも注意しましょう。
1台向けのカーポート
車1台用の耐雪カーポートを設置する場合、本体と工事費の合計は20~30万円が相場です。耐積雪量が20cmまでのカーポートに比べ、費用は高くなります。
より耐久性の高い製品だと60万円ほどかかるものもあり、場合によっては通常の2台用カーポートよりも値段が高くなる可能性があります。
複数台向けのカーポート
2台用の耐雪カーポートを設置するのにかかる費用は、本体+工事費でおよそ30~70万円程度です。性能のよいものを選ぶと、100万円を超えることもあります。
ちなみに耐雪でない通常の2台用カーポートだと約20~40万円、3台用になると40万円以上が相場です。
性能を追求するとどんどん価格は上がるので、性能と予算のゆずれないラインを決めておくと良いでしょう。
既存のカーポートを交換するなら撤去費用もかかることに注意
現在あるカーポートから丸ごと耐雪カーポートに変えるなら、撤去費用も考えなければなりません。1台用カーポートの撤去費用は約2~3万円、2台以上になると約3~5万円かかると考えましょう。
柱が埋まっている基礎の撤去まで含めると、さらに費用は高くなります。基礎を1カ所撤去する費用相場は、約7,000~8,000円です。
例えば2台用カーポートと4本の柱の基礎を撤去する場合は、最低でもカーポート撤去代30,000円と基礎撤去代4カ所×7,000円=28,000円を合計した「約58,000円」がプラスされます。
カーポート本体の処分代も必要になるため、予算には余裕を持たせなければなりません。ただし既存のカーポートがアルミ製であれば、金属スクラップにするため無償で処分してもらえる場合もあります。
カーポートのリフォームを依頼する準備
カーポートを建てたりリフォームしたりする際は、事前に確認するポイントがあります。安心して耐雪カーポートを設置するためにも、業者に頼む前に必要な準備を押さえておきましょう。
建築基準法を確認しておく
設置費用を抑えたいからといって、DIYでカーポートの設置しようと考える人もいるかもしれません。しかし屋根と柱を備えているカーポートは、耐雪性能があってもなくても建築物としてみなされます。
建築物を新たに建てるときは、建築基準法に基づいて「建築確認申請」をしなければなりません。設置する場所が防火地域や準防火地域ではなく、床面積が10㎡未満なら申請は不要ですが、素人が全て確認するのは骨が折れるでしょう。
また土地に建物を建てる際は、あらかじめ定められた建ぺい率内で建てなければなりません。「建ぺい率」とは土地の面積に対する建物面積の割合です。
家の面積とカーポートの面積を合わせたものが、建ぺい率内に収まる必要があります。勝手に設置して法律を犯さないためにも、建築確認申請も含めて業者に依頼した方が安心です。
業者を決める前に相見積もりを行う
耐雪カーポートを設置したいなら業者の力が必要です。新築の家に設置するのであればハウスメーカーにまとめて頼んでしまう手もありますが、リフォームの場合は自分で外構業者を探すのがおすすめです。
よりよいサービスとリーズナブルな価格を求めるのであれば、複数の業者から見積もりを取って比較しましょう。複数の見積もりを見比べることで、相場の金額とかけ離れていないか、見積書に不要な項目や不可解な点がないかをチェックできます。
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耐雪カーポートへのリフォームで安全な冬を
耐雪カーポートには通常のカーポートと比べ、高い耐雪性能を持ちます。雪が多く積もっても定められた耐積雪量に収まっていれば、簡単に破損する恐れはありません。
ただしカタログ値は新雪の重量で計算されているため、住んでいる地域の積雪量より若干数値が高めの種類を選んだ方が安心です。柱の本数や駐車台数も確認して、安心して冬を過ごせる耐雪カーポートを探しましょう。
雪の重みに耐えられるカーポートは、通常の製品よりも価格が高めです。複数台の車を止める・既存のカーポートを撤去する場合は、さらに設置費用が上がります。
できるだけリーズナブルな価格で耐雪カーポートを設置するためにも、複数の業者の見積もりを比較して依頼先を選びましょう。
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