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葬儀保険はどんな保険?メリット・デメリットや葬儀費用を安く抑える方法も紹介

最終更新日: 2024年02月07日

人生の終わりを飾る葬儀には、何かとお金がかかります。家族に負担をかけたくない思いから、葬儀保険への加入を検討している人もいるでしょう。葬儀保険のメリットやデメリット、知っておくと安心な、葬儀費用を抑える方法を紹介します。

一方葬儀保険は「少額短期保険」という保険のタイプで掛け捨てのため、解約返戻金がない点と、元本割れの可能性がある点はデメリットです。また保険会社が倒産したとき保障されない可能性もあります。” q2=”葬儀保険の保険料は?” a2=”葬儀保険は月々1,000~2,000円の商品が多いです。中には月額500円程度で入れるプランもあります。死亡時に下りる保険金額は、50万~200万円の商品が一般的です。”]

この記事を監修した専門家

ファイナンシャルプランナーCFP®認定者/相続診断士
宮﨑真紀子

葬儀保険とは

数珠と花が置いてある様子

葬儀保険の加入を検討している人が知っておきたい、基礎知識を解説します。

自分が亡くなったときの葬儀に備える保険

葬儀保険とは自分の葬儀にかかる費用を賄うための保険で、「少額短期保険」に分類される金融商品です。契約者が亡くなったときに、設定されている額の保険金が支払われます。

少額短期保険とは名前の通り、保険金額が少なく保険期間が短い保険です。保険金の上限は300万円で、1年更新の掛け捨て型となります。

葬儀保険を支払う仕組みは、以下の2タイプです。

  • 保険金定額タイプ:支払われる保険金の額が、死亡時の年齢にかかわらず一定。ただし支払う保険料は更新により上がる。
  • 保険料一定タイプ:月々支払う保険料が年齢にかかわらず一定。ただし年齢が上がるにつれて、支払われる保険金が下がる。

月々の出費をできるだけ抑えたいなら保険料一定タイプ、保険金の額を担保したいなら保険金定額タイプを選ぶと良いでしょう。

生命保険や貯蓄で不十分なケースの選択肢

葬儀保険は生命保険や貯蓄で葬儀費用をカバーできないときに活躍するでしょう。生命保険の場合、葬儀費用の支払期限までに、保険金が家族の手元へ届かない可能性があります。保険金を支払われるまでに、審査が必要になるためです。

故人の貯蓄が十分にある場合は、遺産分割協議前でも、契約者の死亡で凍結された口座からお金を引き出す方法も選べます。ただ除籍謄本をはじめとする書類の準備に時間がかかり、葬儀費用の支払いに間に合わない可能性があるでしょう。

葬儀保険なら、加入者の死亡が確認されたとき、複雑な審査もなく保険金が支払われます。葬儀費用の支払期限までに間に合うか、家族が気をもむ心配がありません。

葬儀保険のメリット

計算機を持って笑う女性

葬儀保険には一般の生命保険にはない、メリットが数多くあります。

保険金がすぐに支払われる

葬儀保険のメリットの中でも、特に注目したいのは「支払いのスピード」です。契約者が亡くなった事実を保険会社に伝えれば、すぐに保険金が支払われます。

生命保険の場合は保険金の支払いが妥当か判断する「審理」が必要で、実際に支払われるまでに時間がかかります。必要書類が保険会社に届いた翌日から支払いまで5営業日かかる場合が多く、状況によってはさらに遅れるケースも少なくありません。

一方の葬儀保険は、書類が保険会社に到着すれば、最短で翌営業日には保険金が支払われます。葬儀費用の支払期限までに保険が下りるかどうか、家族がハラハラしながら待たずに済むでしょう。

保険料が安い傾向がある

保険料が手頃なのも、葬儀保険のメリットといえるでしょう。支払われる保険金の額が一般の生命保険と比べて低く設定されている分、支払う保険料も安いです。

生命保険は一般的に月額1万~2万円支払いますが、葬儀保険は数千円で済むでしょう。月額1,000円以下の商品もあります。

葬儀保険は葬儀費用を工面するために用意された保険です。そのため多額の保険金が必要なく、比例して月々の保険料も安価に設定されています。月々の保険料が一定の「保険料一定タイプ」なら、トータルの保険料をさらに抑えられるでしょう。

死亡時に受け取りたい保険金の額を、自由に設定できる葬儀保険も多いです。保険金を必要最低限に設定すれば、月々の負担を大きく減らせます。

高齢者や持病がある人でも加入しやすい

死亡リスクの高い人が加入しやすいのも、葬儀保険のメリットです。生命保険は高齢になると、保障が打ち切られたり、加入を断られたりするケースがあります。

一方で葬儀保険は、申し込める年齢の上限が高く設定されているので、高齢者でも加入しやすいです。満89歳まで契約できる商品や、満99歳まで保障される商品もあります。

また病気を患っている人でも入りやすいです。加入に当たって医師の診査が必要ない商品が多く、簡単な告知のみで加入できます。

葬儀保険のデメリット

悩む喪服姿の女性

葬儀に備えておきたい人にとってメリットが多い葬儀保険にも、デメリットはあります。マイナスの面もしっかり理解して、葬儀保険に加入すべきかどうかを判断しましょう。

元本割れのリスクがある

葬儀保険のデメリットは、元本割れを起こす可能性がある点です。元本割れとは支払った保険料よりも、受け取る保険金の額が少なくなる現象を指します。

葬儀保険は1年更新の、掛け捨てタイプの保険です。受け取る保険金の設定額が少なかったり、加入期間が長くなりすぎたりすると、元本割れを起こして損をしてしまいます。

葬儀保険への加入を検討するときは、現在の年齢や葬儀保険で賄いたい金額をよく吟味しましょう。状況によっては保険料の分を貯蓄に回す方が、賢明な場合もあります。

加入してすぐだと保険金が支払われない

加入から保険金を受け取れる権利を得るまでタイムラグがあるのも、葬儀保険に加入するときに注意したいポイントです。保険商品には「責任開始日」が設定されています。責任開始日とは契約した保険の、保障がスタートする日です。

保険契約では保険金の支払い対象となる事象が発生しても、責任開始日よりも前の出来事に対しては保障を受けられません。葬儀保険に加入しても、責任開始日に到達する前に契約者が亡くなってしまえば、保険金を受け取れないのです。

葬儀保険を契約するときは、責任開始日を念頭に置いた上で、加入時期を検討しましょう。

保険会社が破綻しても保護されない

葬儀保険を扱う保険会社が倒産したとき、保護が受けられない可能性も、葬儀保険のデメリットです。葬儀保険を販売している保険会社(少額短期保険業者)は、「保険契約者保護機構」の対象外となっています。

保険契約者保護機構とは保険会社が破綻したとき、契約者を守る組織です。少額短期保険を取り扱う保険会社は、機構加入の対象外なので、契約者は保護されません。

ただ少額短期保険業者として、金融庁に登録されている保険業者は、法務局に供託金を納める義務を負っています。しかし破綻時に、必ず契約者が保護されるとは限りません。

葬儀保険を契約する際は、セーフティネットがない事実を考慮し、信頼に足る会社の商品を選びましょう。

葬儀費用を安く抑えるには

札束の上に人形が置いてある

葬儀保険で万全の備えをしていても、葬儀費用が高額になれば足が出てしまう可能性があります。残された家族に負担をかけたくないと思っているのであれば、葬儀の希望について話し合ったり、葬儀社に事前相談したりすると安心です。

葬儀の内容をシンプルにする

参列者を限定しない「一般葬」ではなく、小規模に執り行う「家族葬」や、お通夜を行わない「一日葬」にすれば葬儀にかかる費用を節約できます

家族葬とは参列者を家族や親しい間柄の人に限定した葬儀プランです。参列者が少なければ大きな会場を用意する必要がないため、式場の使用料を安く抑えられます。

通常お通夜、葬儀・告別式で2日間執り行うところ、お通夜を行わず告別式のみで見送るプランが一日葬です。2日間式場を押さえなくて済むため、葬儀費用が安く済む可能性があります。ただし利用は1日のみでも、2日間分の費用がかかる式場もあるため注意が必要です。

シンプルな葬儀を挙げてほしいという意向があるなら、しっかり家族に伝えておきましょう。

市民葬や区民葬を利用する

市民葬・区民葬とは、自治体と葬儀社が連携して行う葬儀で、格安の定額料金で葬儀が挙げられる仕組みです。故人もしくは喪主が市民葬・区民葬を行っている自治体に住んでいれば利用できます。

市民葬・区民葬の特徴は、相場よりも安価に葬儀を挙げられる点です。ただ定額なのは基本となるメニューのみなので、豪華な葬儀を望めば、市民葬や区民葬でも高額になるケースがあります。

葬儀費用で家族に負担をかけたくない場合は、事前に市民葬や区民葬についても調べておくのがおすすめです。

複数社で葬儀の見積もりを取る

葬儀の価格は葬儀社によって幅があります。葬儀費用を低価格に抑えたいなら、複数の葬儀社に相見積もりを取ると良いでしょう

複数社から見積もりを取れば、故人の希望を実現するための相場が分かり、納得がいく価格の葬儀社を選べるようになります。

葬儀の見積もりを取るなら、ミツモアがおすすめです。最大5件の見積もりを一括で取り寄せられるため、時間に余裕がないときでも葬儀社を比較しやすいでしょう。

お近くの葬儀屋・葬儀社を探す

葬儀の費用をどうしても捻出できない方は、以下の記事も参考にしてみてください。

葬儀保険を賢く活用して不安を解消しよう

説明している女性

葬儀保険は、自分が亡くなったときの葬儀費用を工面するために加入する保険です。保険金の支払いがスムーズだったり、高齢でも加入しやすかったりといった特徴があり、残された家族の負担を減らせます。

ただ場合によっては一般的な生命保険や貯蓄の方が、葬儀費用の準備に向いているケースもあるでしょう。葬儀保険のメリットとデメリットを知った上で、自分に必要な商品か判断するのが賢明です。

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監修者:宮﨑真紀子

ファイナンシャルプランナーCFP®認定者/相続診断士

コメント
「お葬式代くらいは残したい」の気持ちを叶えるのが葬儀保険です。この保険は資金だけでなく、その気持ちも遺族に伝えることができます。自分がどのような葬儀を望んでいるのかを伝えておくと、更に安心だと思います。その上で、準備の方法を考えてみてはいかがでしょうか。