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棺桶の値段と選ぶポイントを解説。葬儀社を通して買うのが一般的

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最終更新日: 2024年06月28日

棺桶は棺・柩(ひつぎ)、お棺(かん)とも言い、ご遺体を入れるための容器を指します。日本では火葬する際に棺桶にご遺体を入れる必要があるため、葬儀において必須です。

棺桶の購入費用は3万~100万円と幅広く、容器の素材により値段が変わります。一般的な棺桶の種類や値段、選び方について確認しましょう。

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この記事を監修した専門家

株式会社SAKURA 代表取締役/一級葬祭ディレクター
近藤 卓司

葬儀に使われる棺とは

窓際に置いてある棺

棺桶とはご遺体を納めるための箱のことです。棺・柩(ひつぎ)、お棺(かん)とも言い、基本的には意味は変わりません。

「棺桶」は昔は棺が桶状だったため、そのなごりで棺桶という言葉が用いられているとされます。また「棺・柩」は、厳密には「棺」はご遺体が中にない状態の箱を表し、「柩」はご遺体が納められている状態です。

ご遺体が納められている(納棺された)状態で棺がお棺になるとも言われています。

現代の日本における葬儀は火葬が一般的で、火葬場では棺桶にご遺体を入れないと受理されません。そのため、棺桶は葬儀の際に必ず必要なものと言えます。

棺の種類と費用相場

棺に手を合わせる人たち

棺は材質や作り方によって種類や費用相場が分かれます。4種類の棺についてそれぞれ確認しましょう。

棺の種類 費用相場
木棺 4万~100万円
布張棺 2万~30万円
エンバー棺 10万~40万円
エコ棺 5万~20万円

木を用いた「木棺」

「木棺」はその名の通り、木材で作られた棺のことです。一般的に用いられる棺における、代表的な存在で、棺といえばまず思い浮かべるのがこの種類でしょう。

使われる木材の種類はさまざまで、桐のものもあれば檜のものもあります。加工を施した木材が使われる場合もあり、ベニヤ板と芯材を貼り合わせたフラッシュ材などが一例です。

デザインはシンプルで飾り気のないものから、彫刻が施された煌びやかなものまであります。いずれの場合も木材特有の自然な雰囲気や、温もりを感じられるのが特徴です。シンプルなデザインであれば5万円程度ですが、細かな彫刻によって装飾された木棺は高額になるケースもあります。

布で巻かれた「布張棺」

棺の底面部以外の表面を布で覆い、貼り付けた棺桶が「布張棺」です。麻や木綿、絹と、さまざまな材質の布が使われます。

デザインの選択肢も幅広く、模様・柄のバリエーションだけでなく、色に関しても自由度が高いです。傾向として男性にはホワイトやブルー系、女性にはピンク系が選ばれやすいとされています。

色や装飾の幅が広いため、好みに合った棺を選択でき個性を出せる点や、布特有の柔らかさを演出できる点が布張棺の特徴です。

アクリル板で中を覆った「エンバー棺」

エンバーミングを施したご遺体を納めるための棺が「エンバー棺」です。エンバーミングとは、ご遺体から血を抜いて腐敗を防ぐための処置で、ご遺体を衛生的かつ外観が美しい状態で保存するために役立ちます。

エンバー棺の特徴は他の棺と蓋の部分が異なる点です。通常の棺は顔を見るために窓を開ける形式ですが、エンバー棺は窓の部分がアクリル板になっており、エンバーミングを施した故人の顔が確認しやすくなっています。

窓が大きく設計されているタイプが基本ですが、蓋の半分を取り外すタイプもあるため注意しましょう。

ダンボール等で作られる「エコ棺」

木材・合板ではなく、紙で作られた棺が「エコ棺」です。ダンボールや再生紙などを用いるパターンが多く、二酸化炭素の排出を抑えられるため、環境に優しいタイプの棺といえます。

また火葬の際に燃えやすく、時間の短縮が可能な点や、他の材質と比較して、そこまで堅牢性に差がない点も特徴です。

紙を用いるため布張棺のように、色やデザインの選択肢の幅が広いというメリットもあります。

棺桶の選び方

カタログを見て話し合う人たち

棺を選ぶ際は何を基準に選べばよいのでしょうか。選び方のポイントをサイズや価格の面から解説します。

サイズの選び方と目安

棺のサイズはさまざまですが、一般的には長辺が180cmほどのものが多いとされます。棺は尺という単位で表されるため、正確には180cmであれば6尺です。

ご遺体の身長よりも少し大きいサイズを選ぶという点が、サイズを選ぶポイントといえます。人体には死後硬直が起こり、それが原因で爪先部分の方が伸びるためです。10cmほどゆとりを持たせておけば問題ないでしょう。

価格に影響する素材やデザイン

棺の価格はピンからキリまであり、使う素材や棺のタイプ、また装飾の有無によっても価格は大きく変動します。

装飾がないシンプルなデザインで、合板製のものであれば、5万円以下で済むケースもあります。逆に細かく煌びやかな装飾を施し、高級な檜を素材に使用すれば、100万円以上かかる場合もあるでしょう。

安く抑えたい場合は檜などの高級素材を使わず、紙を使用したエコ棺や、装飾を抑えた木棺や布張棺がおすすめです。

葬儀社のカタログから選ぶのが基本

棺を選ぶ際には、基本的に葬儀社が持っているカタログから選ぶことになるでしょう。そのため葬儀社選びが重要といえます。

カタログを見て、あらかじめ決めておいた予算と照らし合わせて棺を決めるのが一般的です。さらにこだわって決めたい場合には、葬儀社と事前に打ち合わせをしてもよいでしょう。

そもそも葬儀屋をどう選べばよいのか分からないという人は、ミツモアを利用すれば、料金や口コミを比較した上で葬儀屋を選べます。複数の葬儀社から一括で見積もりを取ることができ、簡単に比較検討をすることが可能です。

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納得できる棺選びをしよう

棺に手を合わせる人

棺桶は普段の生活では目にする機会がなく、馴染みも薄いものです。そのためいざ棺桶が必要になったときに、分からない項目も多々出てくるでしょう。

棺桶に関する基本的な情報を押さえておくことで、慌てずに葬儀を滞りなく進められます。棺の種類や選び方について把握しておけば、いざというタイミングに備えられるでしょう。

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監修者:近藤 卓司

株式会社SAKURA 代表取締役
厚生労働省認定 一級葬祭ディレクター

1964年東京都生まれ、中央大学卒。大手互助会で大型葬儀や社葬、合同葬を担当。独自の音楽葬スタイルを研究し、世に広めるため家族葬専門葬儀社を経て株式会社 SAKURAへ転職。2012年代表取締役に就任後、音楽葬プランの立ち上げ、日本のおもてなしの原点である茶道の取り入れを含め、葬儀プランをすべて見直す。これまでに3,000名以上のお葬式を手掛ける、現役の一級葬祭ディレクター。

著書・監修

  • 『わたしの葬式心得』(幻冬舎) 2016/07/01発行

コメント
棺は故人が最後にお休みになられる場所とも言えます。棺を選ぶにあたっては、故人にふさわしい、祭壇に合った棺を選ぶ事も大切ですが、故人の体型に合わせたサイズの棺を葬儀社と相談しながら選ぶようにしましょう。
また、故人との最後のお別れは棺に納棺された状態で行われます。そのあたりも考慮に入れると良いでしょう。