換気扇の汚れは、先延ばしにするほど落としにくくなるものです。換気扇を掃除しないことによるリスクや自分で掃除する方法、プロに依頼する場合の費用感などについて解説します。
半数以上が1年に1度も換気扇を掃除していない
換気扇は定期的に掃除するのが理想です。しかしつい先延ばしにしてしまう人も多いのではないでしょうか。レンジフードの製造・販売を手がける富士工業株式会社は、全国の20~70代の男女800人に対して「レンジフードの換気・掃除に関する調査」を行いました。
調査結果によると、1年の間に1度も換気扇の大掃除をしなかった人は、全体の50%以上でした。掃除をしなかった理由の第1位は「油汚れの掃除が面倒だから」です。この結果から、少なくない人が普段ほとんど換気扇を掃除していないことが分かります。
しかし、同社が30~70代の主婦を対象に行った別の調査では、60%以上がレンジフード内部の掃除を先延ばししたことによって、さらに掃除が大変になったと答えました。換気扇を定期的に掃除することの重要さが伝わりますね。
換気扇掃除をしないリスク
換気扇を掃除しないと、主に下の4つのようなリスクが生じてしまいます。
効率的に換気できなくなる
換気扇に汚れが付着したまま使っていると、換気機能が低下して、効率的に稼働しなくなることが考えられます。換気が不十分になると、臭いやホコリが室内に溜まりやすくなったり、湿気が多い場所ではカビや雑菌が繁殖しやすくなったりする可能性もあるでしょう。
またエアコンのフィルターが汚れたまま使っているのと同じ状態になるため、電気代が高くなることもあります。仮に風呂場の換気扇を24時間稼働させた場合、たとえ1日当たりの金額はわずかでも、長い目で見ると大きな出費となってしまうこともあるでしょう。
油汚れが拡散してしまう
キッチンの換気扇は、炒め物や揚げ物などの調理によって、油汚れが付きやすいのが特徴です。油汚れを放置したまま使っていると、油煙や臭いなどをうまく排出できず、室内に拡散される原因にもなってしまいます。
油の粒子は小さいので、肉眼では確認するのは不可能です。しかし拡散された油汚れは、キッチンから続いている部屋にも飛んでいき、カーテン・壁・家具などに付着します。
汚れが蓄積することで、室内全体に油っぽい臭いが付いたり、ホコリが付着して黒い油汚れになったりする場合もあるでしょう。またレンジフードに油汚れが付いていると、火災の原因になる可能性もあるので注意が必要です。
異音や故障の原因になる
換気扇に溜まった汚れが原因で、部品の劣化が早まることも考えられます。劣化によって部品が1つでも故障すると、換気扇そのものが動かなくなることも少なくありません。
キッチンの換気扇の場合、油汚れでファンがスムーズに回転しないと、動きが鈍くなったり異音や振動が起きることがあります。そのまま使い続けるとモーターに負荷がかかり、やがて限界を超えて動かなくなってしまうかもしれません。
故障した部品は交換が必要です。場合によっては換気扇ごと買い換えが必要になるケースもあり、大きな出費につながる可能性があります。
健康に影響を及ぼす可能性がある
掃除せずに使って効率よく換気できなくなると、室内の汚れた空気が排出されず、溜まってしまうことになります。その結果、シックハウス症候群のリスクが高まることも考えられます。
シックハウス症候群とは、空気中のダニやカビ、化学物質によって起こる症状のことです。シックハウス症候群を防ぐには、十分な換気や掃除によって、室内にダニやカビが浮遊しないようにする必要があります。
また換気不良のまま調理器具や暖房器具を使用していると、一酸化炭素中毒を引き起こす危険性もゼロではありません。健康に悪影響を及ぼさないためにも、定期的に換気扇を掃除することが大切です。
換気扇の汚れの原因
換気扇が汚れる原因は、設置されている場所によって異なります。換気扇の汚れの原因を、キッチン・風呂場・トイレなど場所別に見ていきましょう。
キッチン:油やタバコのヤニ
キッチンの換気扇汚れの主な原因は、調理中に発生する油です。特に揚げ物や焼き魚などの頻度が多いと、換気扇の汚れの度合いも高くなります。
換気扇に付着した油は冷えると固まり、時間とともに落としにくくなるのが特徴です。さらに空気中のホコリなどが付着すると、頑固なベタつき汚れとなってしまいます。
また換気扇の下でタバコを吸う習慣があると、ヤニ汚れも付いてしまうので注意が必要です。加えてタバコの臭いも染みついてしまうため、不快な臭いの原因にもなるでしょう。
風呂場:カビやホコリ
風呂場の換気扇汚れの主な原因は、カビやホコリです。空気中に漂っているホコリやちりを吸い込むため、換気扇カバーやファンの表面に汚れが溜まりやすくなります。汚れが蓄積するとカバーの吸い込み口が塞がれて、換気ができない状態になってしまいます。
また風呂場は湿気が多く、カビが発生しやすい場所です。換気扇に付着した汚れを栄養にして、カビが繁殖してしまうケースも少なくありません。
浴室乾燥機を使っていると高温多湿になりやすいため、さらにカビの発生率が高くなります。換気扇にカビが発生すると、換気のたびにカビを舞い散らせてしまう可能性もあるので、注意しましょう。
トイレ:繊維くずやホコリ
トイレの換気扇汚れの主な原因は、主に繊維くずやホコリです。トイレットペーパーを使うと、細かいくずが舞い上がります。換気扇に吸い込まれた繊維のくずが蓄積されて、汚れになっていくのです。
トイレマットや衣服などから出る繊維やホコリも、換気扇汚れの原因につながります。キッチンの換気扇は掃除していても、トイレの換気扇はほとんど掃除したことがない、という人も多いかもしれません。
しかし効率的に換気ができないと臭いがこもる原因にもなるので、定期的な掃除が必要です。ホコリの付着を防ぎたいときは、トイレマットの使用を控えるという方法もあります。
換気扇を掃除する手順
換気扇の汚れを放置しておくと、さまざまな弊害が発生するので、定期的に掃除することが大切です。
換気扇にはプロペラ式やレンジフードなどの種類がありますが、部品を取り外した後の基本的な掃除方法は同じです。
- 換気扇の電源を切り、コンセントからプラグを抜く
- 説明書に従って、ファンを取り外す
- 60℃程度のお湯1Lに、重曹またはセスキ炭酸ソーダ大さじ3杯を溶かし、外した部品を1~2時間つけ置きする
- 水100mLに小さじ1杯の重曹を溶かした重曹水で、換気扇本体を拭き掃除する
- つけ置きが終わったら、スポンジやブラシなどでこすり洗いし、お湯ですすいで水気を切る
- 部品が完全に乾いたら、元通りに取り付ける
プロペラ式は比較的簡単に分解できます。レンジフードも難易度は高いですが、自分で掃除をすることは可能です。掃除の手順について詳しくは、以下の記事もご覧ください。
理想的な掃除頻度は3カ月に1回
換気扇を効果的に使うには、3カ月に1回の頻度で掃除するのが理想です。定期的に掃除することで、換気扇から嫌な臭いが発生するのを防いだり、手入れがラクになったりといったメリットがあります。
しかし、レンジフード内部などの手が届きにくい場所の汚れは、いくら定期的に掃除しても落とし切れずに残りがちです。また風呂場などの湿気が多い場所の換気扇には、知らないうちにカビが発生していることもあります。
そのため1年に1度は、プロにクリーニングしてもらうのがおすすめです。プロのクリーニングで汚れをリセットしてから、自分で定期的に掃除するとよいでしょう。
プロに換気扇のクリーニングを依頼する費用相場
長年換気扇を掃除していないときや、自分で分解できない場合は、プロのクリーニングに依頼するのがおすすめです。専用の業務用洗剤や道具を使って掃除してくれるので、自分では落としきれない汚れも落とせるメリットがあります。換気扇の分解や組み立てを自分でする手間もかかりません。
換気扇のクリーニング費用の相場は7,500~1万5,000円です。換気扇の種類によって、費用は異なります。
- プロペラタイプ:7,500~1万2,000円
- レンジフードタイプ:9,900~1万5,000円
また風呂場の換気扇クリーニングの費用相場は、1万~2万円です。単体で請け負う業者もありますが、お風呂クリーニングのオプションとして行うケースもあります。
換気扇はプロの手も借りて定期的に掃除しよう
換気扇を1年以上掃除したことがない人は、意外に多数いることが分かりました。しかし汚れを放置するとさまざまな弊害もあるため、定期的に掃除することが大切です。自分で分解して洗うこともできますが、難しいときは1度プロの手で徹底的に汚れを落としてもらうのもよいでしょう。
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