美しい芝生をつくるには定期的な芝刈りが欠かせません。そこで、きれいな芝刈りを実現できるのが芝刈り機の存在です。
芝刈り機には電動式やエンジン式のものもありますが、一般家庭の庭の大きさだと手動式芝刈り機の使用がおすすめです。
「手動式芝刈り機を本当に買うべきかどうか悩んでいる」「手動式と電動式どっちがいいの?」という方のために、手動式芝刈り機がおすすめのシチュエーションやメリット・デメリット、おすすめ商品や使い方などをたっぷりと紹介します。
芝刈りについて基本的なことから知りたい方は、「芝刈り完全マニュアル」の記事をご覧ください。
手動式芝刈り機は狭い庭に最適
手動式芝刈り機は「電動式」や「エンジン式」など他のタイプと比較して、狭い庭の芝刈りを行うのに最適です。しかし、本当に手動式芝刈り機を選ぶべきなのかどうか悩んでしまいますよね。
手動式芝刈り機はどのような方におすすめなのでしょうか?
手動式芝刈り機はこんな方におすすめ
手動式芝刈り機は次のいずれかの特徴にあてはまる方におすすめです。
- 芝刈りの作業範囲が3~10坪程度
- 芝刈りで騒音を立てたくない
- 芝刈り機を手頃な価格で探している
芝刈り機を選ぶ際の最大の判断基準は、芝刈りを行う範囲の広さです。一般的な3~10坪ほどの大きさの庭であれば、小回りの利きやすさや機器本体の重量を考えると、手動式のほうが使いやすいでしょう。
3坪以下の庭の場合は、ピンポイントに芝刈りできるバリカン式の芝刈り機もおすすめですよ。
芝刈り機は電動式の場合だと動作音が発生します。近隣住民が近い家にお住まいの方や、早朝の作業を実施したい方は、騒音の発生しない手動式芝刈り機がおすすめです。
また手動式芝刈り機は「電動式」や「エンジン式」のものと比べて、比較的安価で入手できるのもポイントのひとつ。
電動式は10,000円~30,000円前後の価格相場であるのに対し、手動式は5,000円~15,000円程度の価格帯で入手できます。
手動式芝刈り機のメリット・デメリット
手動式芝刈り機は操作のしやすさなどのメリットもある一方で、人力ならではのデメリットも存在します。
自身の使用環境と照らし合わせて、手動式芝刈り機を最大限に活用しましょう。
手動式芝刈り機のメリット
手動式芝刈り機ならではのメリットは以下のとおりです。
- 電動式・エンジン式の芝刈り機より軽いため操縦しやすい
- サイズもコンパクトで収納しやすい
- シンプルな構造なのでメンテナンスが簡単
- 駆動音が小さいので早朝でも安心して作業できる
- 電気代もガソリン代もかからないうえ、本体は比較的安価
電動式・エンジン式の芝刈り機は重く、使いやすさでは手動式芝刈り機に軍配が上がります。またシンプルな構造でメンテナンスが簡単なのも、芝刈りを定期的に行ううえでは大切なポイントです。
手動式芝刈り機のデメリット
手動式芝刈り機には軽くて操縦しやすいなどのメリットがありますが、いくつかのデメリットもあります。
- 芝刈り機を押す際の人力(車輪の回転による運動エネルギー)を動力とするので、芝庭の面積が大きかったり草丈が長かったりすると重労働で大変
- 刃の回転数は移動距離に依存するので、刈り上がりの美しさは電動式やガソリン式より劣る
- 刃の交換を想定しない製品が多く、刃がダメになったら本体ごと買い換えるのが基本
手動式芝刈り機は人力に依存して芝刈りを可能とするため、芝生の面積が大きい場合や草丈が長い場合には向きません。
また刈り上がりの美しさは電動式やガソリン式と比較すると、どうしても見劣りしてしまいます。
庭の広い面積に芝生を張っている方や、刈り上がりの美しさを重視している方は、電動式やエンジン式の購入を検討しましょう。
手動式芝刈り機の選び方
手動式芝刈り機にはさまざまな製品があるため、どのような点に注目して選べばよいのか迷ってしまいますよね。
製品選びのうえで特に注意したいポイントは次の2点です。
- 刃のタイプ
- 刈高さ・刈幅
- 作業する場所の広さ
選び方のポイントを押さえて、自宅の庭にぴったりの芝刈り機を選びましょう。
刃のタイプで選ぶ
芝刈り機は刃のタイプで次の2種類に分類されます。
刃のタイプ | 特徴 |
リール式 |
|
ロータリー式 |
|
「リール式」は螺旋状の回転刃と固定刃で芝草を挟み込んでカットするタイプです。ハサミのようにカットするので、美しい刈り上がりが期待できます。ただし挟み込むという性質上、草丈が長いとカットは困難です。
「ロータリー式」は地面と水平に横回転するディスク状の刃でカットするタイプです。ナイフの刃を高速で当ててカットするような方式で、リール式より刈り上がりの美しさは劣ります。
草丈が長くても簡単にカットできることや、刃の交換が容易であることは利点です。ただし、手動式芝刈り機にはロータリー式の製品が少なく選択肢がほぼありません。
多くの手動式芝刈り機は車輪と回転刃が連動する構造です。手動式芝刈り機を選ぶならリール式が基本と考えましょう。
刈る芝の長さで選ぶ
手動式芝刈り機は製品によって刈高さ(刈込高さ)・刈幅というスペックが決まっています。
刈高さは何段階かに設定でき、設定した高さに芝草を刈り込むことができるのです。
芝草の種類・状態によって適切な刈高さが異なり、刈高さによって見た目や踏んだときの感触が変わります。刈高さの調節範囲はしっかりチェックしましょう。
刈幅は一度に刈り込める芝生の範囲です。刈幅が広いほど本体も大きく、価格は高額になる傾向があります。刈幅が広いほど芝庭の往復回数は減りますが、小回りは利きにくくなる点に注意しましょう。
作業する場所の広さ
芝刈り機を選ぶ基準のひとつに、作業する場所の広さがあります。刈り取る面積の違いによって、選ぶべき機種が変わってくるのです。
例えば住宅地にある一軒家で、庭が5坪程だとしましょう。その際にわざわざ充電式や電気式、ましてやエンジン式は必要ないといえます。
ある程度丁寧に作業しても、さほど長時間はかからず疲労も大きくはないでしょう。動力源を持たないためいつでも使え、かつ価格も手ごろな手動式で十分に対処できるのです。
30坪を超えると人の力だけでは厳しさが生じてきます。そのような環境では充電式や電気式がおすすめです。
100坪以上ともなると、エンジン式が最適でしょう。その広さに対応させるには、充電式では稼働時間に不安が残り、電気式ではコードが届かないという問題もあります。
おすすめの手動式芝刈り機5選
選び方を知っても、種類が多くてよりどりみどりの手動式芝刈り機。機器選びでお困りの方のために、コストパフォーマンスの高い手動芝刈り機5選を紹介します。
KINBOSHI(キンボシ株式会社)「ゴールデンスターナイスバーディーモアー GSB-2000NDX」
KINBOSHIの「ナイスバーディーモアーDX GSB-2000NDX」は、園芸用具・園芸機器の総合メーカーによる切れ味抜群の手動式芝刈り機です。
常に一定の力で回転刃と固定刃がすり合う特殊機構を採用しています。刃合わせ不要で均一に刈り込めるため、芝刈り初心者の方にもおすすめ。きれいな仕上がりが期待できる手動式芝刈り機です。
刈高さの調整はワンタッチ式で、軽量かつ小回りも利きます。芝庭の面積が小さいならこれ一台で十分な性能です。
HONKO(株式会社本宏製作所)「手動式芝刈り機 VR-300 Revo」
HONKOの「VR-300 Revo」は、園芸用品や物流搬送機器の総合メーカーによる自動刃合わせ機構付きの手動芝刈り機です。常に一定の力で回転刃と固定刃がすり合う機構を採用し、刃合わせの手間がかかりません。
メーカー独自の切れ味抜群な6枚刃で1回転の刈り取り量が多く、刈りムラなくきれいに刈り取れます。刈幅は広めなので、往復回数を少なくできることも利点です。
ハンドルはネジで簡単に取り外せる折り畳み式で、使用後はコンパクトに収納できます。ただし、やや重量があるので、体力に自信のある方に向いているでしょう。
RYOBI(リョービ株式会社)「手動式芝刈機 HLM-3000」
RYOBIの「HLM-3000」は、電動工具・ガーデン機器・清掃機器の総合メーカーによる手動芝刈り機です。
刈幅は広めですが重量は比較的軽く、ある程度広い面積でも軽快に芝刈りができます。簡易研磨機能付きなので、使用中に刃が自動的に研磨されるのも利点です。
ただし、自動刃合わせ機構はなく、刃合わせの手間はかかります。低刈りにも高刈りにも対応できるので、機械の扱いが得意な人なら便利に使えるでしょう。
YAMAZEN(株式会社山善)「手押し芝刈り機 刈る刈るモア KKM-200」
「手押し芝刈り機 刈る刈るモア KKM-200」は、家庭機器の総合メーカーとして著名な株式会社山善による手動芝刈り機です。
工具不要で簡単に組み立てられるので、届いたその日から使いたい方に向いています。刃合わせは必要ですが、板バネ式を採用しており比較的楽です。
コンパクトなサイズ感で小回りが利き、操縦性が高いこともメリットといえるでしょう。低価格ながら必要な機能を備えており、手軽な手動芝刈り機を求めている方にもおすすめです。
バロネス「手動式芝刈り機 LM4D」
刃の品質もさることながら、刃合わせの調整にも高い技術を盛り込んでいます。リール式6枚刃を備え、見事な刈上がりを保証する芝刈り機です。
カバーの後部をオープンにすることで、刈り芝を後方に排出することもできます。西洋芝、日本芝を問わず使用可能です。
作業を楽に済ませたい人向け芝刈り機
芝刈りはとても労力のかかるものです。それだけにできるだけ楽に行いたいというニーズは高いといえます。
身体に負担を与えず、スムーズな作業をサポートしてくれる4機種について紹介しましょう。
WORKPRO「芝生バリカン」
芝生の面積が3坪以下の方や、芝刈り機による刈り残しが気になる方には、抜群の使い勝手を発揮してくれるでしょう。
またコードレスの充電式のため、コードが絡まったり引っかかったりする心配もありません。使用時間の目安も25分と十分で、電池残量が少なくなった際にはランプが点灯して知らせてくれる機能も。
3重の安全ロック機能を搭載しているため、お子さんがいるご家庭でも安心して使えます。
山善「電動芝生バリカン AC電源 (刈込幅60mm) (刈込高さ調整15-30mm) (延長コード10m付き)」
ツマミを調節することで、グラスフレームのポジションを移動させる仕組みです。この調整で、芝生の高さに合わせて作業できるようになります。
手元のスイッチで動作をオン・オフさせますが、安全ボタンによる始動・終了も可能です。機械の取り扱いに不安がある人でも、心配なく利用できるでしょう。
アイリスオーヤマ「電動芝刈り機 刈り込み幅200mm 3段階調節可能 G-200N」
園芸や農作業の機器は、無骨で無機質という印象があるかもしれません。パステルグリーンに彩られた本機は、おしゃれな庭にもぴったりなビジュアルです。
芝高に合わせて、3段階に調節可能です。そのため芝生の質やコンディションに合わせた作業ができます。
搭載する回転刃の交換もラクラク行えます。ドライバー1本あれば簡単に作業でき、修理を依頼する必要もありません。
リョービ「電子芝刈機 リール式 LM-2810」
手動式の本機ですが、芝刈り時の無負荷回転数は毎分3,000回を誇り、高い性能がうかがえます。
刈高も5~50mmの間で設定可能です。各部が稼働する設計のため、使用していないときはコンパクトに変形させて収納できます。
マキタ「充電式芝刈機 MLM381DWBX」
刈幅は380mmと広く、作業効率を高めてくれます。刈高は20~75mmで調整でき、さまざまな質の芝に対応する設計です。
ハンドルは折り畳み式で、使用時以外は本体を小さくまとめておけます。チャイルドキーも装備しており安全面への配慮も十分です。
広い庭にも便利なエンジン式芝刈り機
郊外などでは広範囲にわたって芝生を植え、美しい景観を醸成している人もいます。そのような良好な状態を維持するには、こまめな手入れが欠かせません。
広い敷地でもパワフルな動きで確実に刈り取ってくれる、エンジン式の機種4タイプを見てみましょう。
ミナト「手押し式 エンジン芝刈り機 LMC-460KS」
149㏄という排気量は、パワフルかつスピーディーに、広範囲の芝を刈り取る力を備えています。
集草バッグの容量も70lと十分なサイズです。他の機種では困難だった広い敷地でも、効率的な作業を約束してくれるモデルです。
プラウ「エンジン式 芝刈り機 GC410」
世界でも有数のエンジンメーカーよる本機は、始動に手間取ることの多いスタート動作も難なく行えると評判です。
ボディーフレームにはスチールを採用しています。障害物や石の飛び跳ねによる損傷などから、本体をしっかりと守ってくれるのです。
マキタ「エンジン刈払機 MEM2101U」
とにかく軽量で作業しやすく、その上エンジン式なマシンで効率的に作業したいという人にうってつけの芝刈り機です。
2ストロークタイプのエンジンの排気量は21㏄と、必要にして十分な能力を備えています。Uハンドルも多くの人の体形に合うサイズで、左右に振る作業もしやすい設計です。
なんとも嬉しいのはわずか4kgと軽量な点です。扱いがとても楽なので、長時間の作業も可能にしてくれます。
芝刈りをする前に芝生の種類をチェック
芝刈りの効果を最大限に発揮するためにも、芝生の種類のチェックは欠かせません。
芝草にはさまざまな種類があり、生長の特徴や適した刈高さは異なります。暖地型芝と寒地型芝、日本芝と西洋芝の違いを把握しておきましょう。
暖地型芝と寒地型芝について
芝草の種類を季節性で見ると次の2種類に大別されます。
芝生の種類 | 特徴 |
暖地型芝 |
|
寒地型芝 |
|
暖地型芝は暑さに強く温暖な地域に向いた芝草で、冬場は休眠状態に入って地上部分が枯れるタイプです。地表を這うようにランナー(匍匐茎)を伸ばして繁殖するので、草丈が低く横方向に広がります。
寒地型芝は寒さに強く寒冷な地域に向いた芝草で、冬場も含めて一年中緑色を保ちます。株立ちで生長し、気温が下がる秋に大きく生長するのも特徴です。
関東以南は基本的に暖地型芝を使用し、関東以北や山地といった寒冷な土地は基本的に寒地型芝を使用します。日本産の日本芝は全て暖地型です。ヨーロッパ由来の西洋芝は主に寒地型で、暖地型のものもあります。
日本芝の種類
日本芝としてよく使われるのが次の3種類です。
- 野芝(ノシバ)
- 高麗芝(コウライシバ)
- 姫高麗芝(ヒメコウライシバ)
野芝(ノシバ)は日本芝の中では寒さに強く、生長が遅く手入れは楽です。育てやすい品種ですが、葉の密度は低く、見た目の美しさという点では他の日本芝に劣ります。
高麗芝(コウライシバ)は関東以南で最もよく使用されるポピュラーな日本芝です。葉の密度は野芝より高く、美しいターフを形成できます。
姫高麗芝(ヒメコウライシバ)は高麗芝の一種です。高麗芝の中では葉の密度が最も高く、柔らかく繊細な葉をつけます。見た目の美しさという点では非常に優秀ですが、生長が早いので上級者向きです。
西洋芝の種類
西洋芝は暖地型と寒地型で次のような品種が有名です。
暖地型の西洋芝
- バミューダグラス類
- ティフトン類
寒地型の西洋芝
- ベントグラス類
- ブルーグラス類
- フェスク類
バミューダグラス類・ティフトン類は葉の密度が高く色味も鮮やかな上、踏圧に強く、ゴルフ場や競技場によく使われます。一方で日陰に弱く、生長も早いので、一般家庭で育てるのには向きません。
ベントグラス類は寒さや低刈りに強く、緻密な芝生を形成します。ゴルフのグリーンによく利用される品種ですが、暑さ・乾燥・病害虫に弱いので、一般家庭には向きません。
ブルーグラス類は寒さや病害虫に強く、生長が遅い品種です。管理しやすいので寒地の一般家庭に向いています。
フェスク類は寒地型の中では暑さに強く、乾燥や日陰にも強い丈夫な品種です。寒地・暖地のさまざまな施設で利用されます。
手動式芝刈り機の使い方!上手に使うための3つのポイント
手動式芝刈り機の使い方のポイントを3つ紹介します。
芝刈りは芝草の特徴に合わせて適切な時期に実施しましょう。手動式芝刈り機で刈り込む方向や、一度に刈り込む長さの目安を把握しておくことも大切です。
芝刈りは芝生の種類に適した時期に行う
芝刈りは芝生の種類に適した時期に行いましょう。
芝草によって生長スピードが早い時期・遅い時期は異なります。生長が早い時期はこまめに芝刈りをしますが、生長が遅い時期は必要なら刈る程度で、休眠状態なら芝刈りの必要はありません。
芝刈りを行う時期
- 日本芝:5~10月ごろ
- 寒地型芝:3~11月ごろ
日本芝の生育適温は23〜25℃ほどです。冬場は休眠状態で春に芽吹き、5〜10月に生長します。暖地型西洋芝の生育適温は25〜30℃ほどです。同じく5〜10月が芝刈りのシーズンですが、夏場は特に生長します。
寒地型芝の生育適温は16〜24℃ほどです。冬場はほぼ生長せず、3〜11月に生長します。冬場も枯れずに緑色を保ちますが、高温多湿に弱いので、夏枯れを起こすケースもあります。
刈る方向は縦と横の二方向から
手動芝刈り機で芝庭を往復する際、一方向から刈ると葉の流れが偏ってしまい、きれいな仕上がりになりません。
南北方向に刈ったら1週間後は東西方向に刈るなど、刈り込む方向も含めて計画的に芝刈りをしましょう。
また刈り残しができてしまうと、芝草の生長だけでなく見た目にもよくないので、刈幅を1/3程度は重ねて往復するのがおすすめです。
長くなった芝生を一気に刈ると枯れる原因に
芝草は定期的に芝刈りをすることで、横方向に伸びて緻密なターフを形成します。しかし、刈り過ぎると逆に芝草を傷めてしまうことに注意しましょう。
芝草は茶色い軸(茎)の上に緑色の葉が伸びます。茎と葉の境界に当たる部分が成長点です。成長点の下を刈り込む「軸刈り」をしてしまうと、光合成ができなくなって枯れやすくなります。
長くなった芝草を一気に刈り込むと軸刈りのリスクが高いので、草丈は3cm程度を目安にして定期的に刈り、一度に刈る長さは上部1/3程度に抑えましょう。
安全に芝刈り機を使うポイント
それぞれに自分に見合った芝刈り機を選んだら、いよいよ使用する段階です。手にした機種で芝生の手入れをしていきましょう。
作業するにあたって最も大切なことは、危険を排除して行うことです。ケガや事故は避けなければなりません。
安全に使用するためのポイントについて解説します。
周囲に人がいないことを確認
作動させるときは周囲に人がいないことを確認してからにしましょう。思わぬ事故を招いてしまう恐れがあります。
各機種とも安全に配慮した設計になっていますが、それでも機械を扱う場合には慎重さが求められるのです。
芝を刈っているときに、高速で刃を回転させていると、刈られた芝の一部が飛散することもあります。それが目に入ったり身体を傷つけたりする原因にもなりかねません。
リスクをできるだけ軽減させるために、他の人とは15m以上離れて使用するように心がけたいものです。
キックバックに注意
芝刈り機を使用するときは、刃が付いている部分を右から左へと動かすことが基本です。右側からはじめて左に刈ったら、巻き込ませずに右に戻し、再度左へと刈っていきます。これは刃を左回転させていることで必要となる手順です。
本来であれば、右利きの人が多い点を踏まえれば、右回転にした方が作業しやすいといえます。しかし安全上の配慮から、左回転にしているのです。
なぜかというと、右回転の刃が右側の障害物に接触してしまうと、刃と障害物との摩擦によって本体が刃の回転方向に向かって滑り出します。そして、その勢いはとても大きく、本体の暴走を制御できなくなる危険性が高くなるのです。この不適切な動きを「キックバック」といいます。
キックバックは芝刈り機の事故の中でも特に注意が必要です。作業する際の向きや方向については、しっかりと基本を守って行いましょう。
適切なメンテナンスを行う
機械や道具全般にいえることですが、芝刈り機を安全にいつまでも使用するには、適切なメンテナンスを忘れないようにしましょう。
シャフトと刃をつなぐ部分に「ギヤケース」があります。刃に動力を伝える機構ですが、摩耗を防止するために、定期的にグリスを充填することが大切です。
刃の点検も欠かさず行いましょう。切れが悪くなるだけでなく、作業時の負荷が増し振動が大きくなることもあります。切れ味があまりにも鈍いようなら交換が必要です。
適切な燃料を使用することも肝心です。ガソリンやスタンドで調合してもらう燃料でよい場合もあれば、その機種専用の燃料が指定されているケースもあります。
そのときに「ガソリンでも動くから平気だろう」と安易に考えて、不適な燃料を投下してしまうと事故や故障を誘発しかねないため、注意しましょう。
手動式芝刈り機の手入れ方法
手動式芝刈り機は使用前に刃合わせをして、使用後は水洗い・天日干しをし、切れ味が悪くなれば簡易研磨をします。刃合わせや簡易研磨を自動的に行える製品もあるので、購入時に確認するとよいでしょう。
芝刈り前は刃合わせの調整を
手動式芝刈りを使用する前には「刃合わせ」の調整を実施しましょう。
芝生を刈り残しなく均一にカットするには、芝刈り前に回転刃・固定刃のすき間調整が必要です。このすき間調整を刃合わせと呼びます。刃合わせの方法は製品によって異なり、自動刃合わせ機構付きのものもあります。
一般的な手動式芝刈り機は、回転刃と固定刃で芝草を挟み込むリール式です。刃のすき間が空き過ぎていたり不均一だったりすると、一度の往復で芝生をきれいに刈れないなんてことも。
刃合わせがうまくできているかどうかをチェックするには、2枚に重ねた新聞紙を切ってみるのがおすすめです。
芝刈り後は刃部分を水洗いできれいに
芝刈り後には刃に刈りカスや水滴がついた状態です。この状態で放置すると次回以降の切れ味が悪くなってしまうので、使用後は毎回水洗いをしましょう。
刃の部分に水をかけて汚れを落とし、天日干しにして自然乾燥させます。芝刈りのシーズン中にサビ止めスプレーを使うと、液剤が芝草に付着して枯れる原因になります。サビ止めは芝刈りのシーズン後に利用しましょう。
切れ味が悪くなったら刀研ぎを
芝刈り後の手入れに気をつけていても、刃は使うほどに切れ味が悪くなっていきます。刃合わせをしても切れ味が悪いなと感じたら、刃の簡易研磨をしましょう。
研磨機能がある芝刈り機なら、使用中に自動的に研磨できます。研磨機能がなければ研ぎ石を使うか、替え刃に付け替えましょう。
芝刈りと一緒に知っておきたい芝生の手入れ
芝刈りの他に、水やり・施肥・除草は芝生の手入れの基本です。美しい芝生に仕上げるために、芝刈り以外の手入れ方法も把握しておきましょう。
水やりは季節に適したやり方で
美しいターフを形成するための基本は、適切な芝刈りと水やりです。芝草が生長する期間は、季節に合った頻度で水やりをしましょう。
春や秋は晴れた日が続くなら2〜3日に一度程度です。夏は毎日水やりをします。夏場の日中は水分が蒸発しやすいので、涼しい朝方に水やりをして乾燥対策しましょう。
暖地型芝が休眠期に入る冬場は水やりの必要はありません。寒地型芝に関しては、乾燥の状態をみて冬場も水やりが必要です。
水やりは芝生の表面に水をかけるのではなく、土中まで浸透するのに十分な量をまくことが大切です。土中まで水が浸透することで根付きがよくなります。
肥料は春から秋ごろに施す
芝草が栄養を必要とするのは主に春から秋にかけてです。芝生は一面に密生した状態なので、ムラなく育てるには適度な施肥を要します。
窒素・リン酸・カリウムがバランスよく配合された肥料を選びましょう。肥料は取扱説明書をよく読んで、規定量を守って均一に散布することが大切です。
適切な施肥をすることで、密度の高い鮮やかな芝生に育ち、病害虫・乾燥に強くなります。根付きがよくなるので雑草対策にも効果的です。
暖地型芝は3〜8月にかけて月1回程度、寒地型芝は3〜6月と9月〜12月にかけて月1回程度を目安に施肥しましょう。夏場は肥料焼けを起こしやすいので、日差しの強い日中を避けます。
定期的な除草も忘れずに
芝生の密度が高くなるまでは、雑草が混ざってしまうこともあります。雑草は土壌から芝草の栄養を奪う上、日陰を作って病害虫の原因にもなります。
雑草が生え広がると最終的に芝生を植え直すことになるので、定期的な除草は大切です。芝草の生長のシーズンは雑草も育ちやすいため、雑草を見つけたら確実に除草しましょう。
雑草を放置していると繁殖するので、手で根から引き抜くことが基本です。芝刈りと同時に刈るだけだと根が残る上、芝刈り機の刃を傷める原因にもなります。
手動式芝刈り機で芝生を手入れしよう
美しい芝生を育てるには定期的な芝刈りが必要です。面積の小さい芝庭なら、軽く操縦性の高い手動式芝刈り機が向いています。
製品を選ぶ際には「刃のタイプ」「刈高さ(刈込高さ)」「刈幅」といったポイントに注意する他、重量や大きさなどの扱いやすさも考慮しましょう。
庭の芝刈りは楽しみながら負担なく芝刈りできることも大切です。できるだけ日常的に使いやすい製品を選んで、美しい刈り上がりの芝庭を手に入れましょう。
芝刈りのプロ探しはミツモアがおすすめ
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ぜひミツモアを利用してみてはいかがでしょうか。
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チャットで見積内容の相談ができる
気になった業者とはチャットで相談することができます。チャットなら時間や場所を気にせずに相談ができるので忙しい人にもぴったりです。