芝刈り機を使用した方がよい場合は?
芝刈りをする範囲が広い場合は芝刈り機を使うとよいでしょう。芝生バリカンと比べて短時間で芝刈りをすることができます。
芝生バリカンを使用した方がよい場合は?
狭い範囲、細かい部分の芝刈りをする場合は芝生バリカンを使用するとよいでしょう。詳しくは記事内で解説しています。
芝刈りをする範囲が広い場合は芝刈り機を使うとよいでしょう。芝生バリカンと比べて短時間で芝刈りをすることができます。
狭い範囲、細かい部分の芝刈りをする場合は芝生バリカンを使用するとよいでしょう。詳しくは記事内で解説しています。
芝刈りについて基本的なことから知りたい方は、「芝刈り完全マニュアル」の記事をご覧ください。
芝を刈るときに使用する道具としては、芝刈り機や芝生バリカンがあります。
それらについて「いったいどう違うの?」という疑問を持つ人もいるでしょう。まずはそれぞれの特徴について解説します。
「芝刈り機」という言葉は、ほとんどの人が聞いたことがあるでしょう。使ったことはなくても、道具の名称として広く知られています。
鎌を手に体をかがめて行う草刈りは、とても重労働です。一部だけならともかく広い範囲を整備するとなると、体への負担も大きくかかります。
形状も進歩させてきた芝刈り機は、ベビーカーを押すように平常の姿勢で操作できるようになりました。
腰や膝(ひざ)への負荷もかけず、刈り取る手の疲労もないため、体力のない人でも楽に作業できるのです。
「芝生バリカン」という言葉にあまり耳馴染みがない人もいるでしょう。芝刈り機と同様に雑草を刈り取る道具ですが、芝生バリカンのほうが狭い場所での使用や細かい作業に向いているといえます。
その名の通り美容室や理容店で使用するバリカンをイメージすると、分かりやすいでしょう。ギザギザになった先端にハサミのような刃が設置され、電動で毛髪をカットするものです。
同じような原理で雑草を刈るのが、芝生バリカンです。
芝刈り機と芝生バリカンの選択にあたっては用途に合った機種を選ぶことが大切ですが、いずれも使ったことがない人にとっては、どちらにすべきか迷いが生じるものです。
そこでそれぞれの特性を踏まえつつ、選択基準を解説します。
範囲が広い場合は芝刈り機
対象範囲が広ければ、芝刈り機の使用がベターです。動力のタイプにもよりますが、狩り幅、刈り高の種類が豊富なモデルがそろっているため、効率的な作業を可能にする機種が選べます。
短時間で作業するには刈り刃の強度や刈り取るスピード、一度に刈り取れる量が重要です。そのいずれにおいても芝刈り機が有利といえます。
機種によっては50cm程の刈り幅を持つモデルもあり、短時間での作業をサポートしてくれるでしょう。
狭い範囲や細かい部分は芝生バリカン
あまり広い範囲ではなく限られた場所で使うなら、芝生バリカンの手軽さは大きな魅力といえます。気になった場所をその都度手入れするような場合にも、使いやすさの点で有効です。
美しい芝の状態をキープするには、丁寧な作業も必要でしょう。芝の背丈をそろえたり、庭の隅などで細かい作業をしたりするのにもあつらえ向きです。
草刈りに効果を発揮する芝刈り機には、さまざまな種類があります。作動させるための動力源や草をカットするための刈り刃、一度に刈り込める幅や高さなどの違いにより、多様なタイプがあるのです。
環境に合わせて最適なモデルを選ぶためにも、特徴を細かく理解しておくことが重要でしょう。
作動させるための動力としては「手動式」「電動式」「エンジン式」があります。個々の違いについて解説しましょう。
手動式 | 本体を人力で動かすと同時に刃が回転することで、草を刈る
動作音が静かで周囲を気にせず作業ができる |
電動式 | 手動よりも楽に作業ができる
コード式:家庭に設置されたコンセントとつなぐタイプ 充電式:バッテリーを充電して使うタイプ コード式は作業場所に制限がある 充電式は作動時間に制限がある |
エンジン式 | パワーが最も強い
広い範囲の作業を短時間でできる |
芝刈り機の刃は主に3種類あります。それぞれの特徴を抑えておきましょう。
ロータリー式 | 地面に対して水平に歯を回転させて、草を刈り取る
構造上の特徴から背の高い草にも対応できる 刃の取り換えや手入れも簡単にでき、取り扱いやすい |
リール式 | らせん状の刃がついたリールカッターと固定されたカッターの間に草を挟み込むことで草を刈り取る
芝を傷めることなくカットでき、刈った後の仕上がりがきれい 3種類の中では比較的高額 |
バリカン式 | ハサミのように両刃で草を挟み込んで刈り取る
壁際など細かい場所まで整備できる ハンディタイプとして販売されている商品も多く取り回しが楽ですが、刈り込み幅が狭いので広い範囲の作業には不向き |
一度に刈り込める横幅は、作業効率を考えるうえで非常に重要です。当然ながら刈り取れる幅が広いほど、広い面積を短時間で終えられます。
刈り込み幅 | |
手動式 | 20~30cm それ以上の幅のものは作業時の負荷が大きくなる |
電気式
エンジン式 |
多様な刈り込み幅
パワーのあるエンジン式では50cmクラスの大型もある |
刃の種類によっても刈れる幅に違いがあります。
などの幅の商品が多い傾向です。
可能な刈り込みの高さも、刈り刃のタイプによって異なります。
刈り込み可能な草の高さ | |
ロータリー式 | 10~70cm |
リール式 | 10~50cm |
バリカン式 | 10~25cm |
1mを超える丈の草を刈るなら、エンジンを動力源に持つロータリー式が最適です。持ち前のパワーと構造で、背の高さを気にせず作業できるでしょう。
具体的におすすめする草刈り機を紹介します。
商品を選ぶ際に参考にしてみてください。
水平に回転する8枚のロータリー刃でパワフルに草を刈り取ることができます。
刈り込み可能な草の高さを8段階まで変えられるのが特徴です。
刈り込み幅は23cmで程よく扱いやすいでしょう。
キャッチャーが後方についているため、壁際の近くまで刈ることができる、使い勝手の良い設計です。
女性でも扱いやすい軽量タイプという点が特徴といえるでしょう。
刈り込みの幅は手動式にちょうど良い20cmで、刈り込み可能な草の高さは4段階まで変更が可能です。
5枚の刃を搭載したリール式で、刈った後の仕上がりはきれいになります。
エンジン式ですが、始動が楽で女性や高齢者でも扱いやすいです。
医師や障害物に当たっても飛散・刃欠けを起こさないフリー刃を使用しています。
草を取り込むときに空気を横に逃がす仕組みなど、使い勝手や安全面にも優れているという特徴があります。
芝刈り機と比べてコンパクトな傾向にある芝生バリカンですが、丁寧な作業が行える点などで重宝します。
芝生バリカンを選ぶ際にも、チェックするべきポイントがいくつかあります。間違いのない機種選びのために、確認すべき要点を掘り下げていきましょう。
電動バリカンの動力源は一般家庭で使用している電気です。コンセントを通じて本体に電気を供給します。
使用にあたっては大きく以下のふたつの方法があります。
芝生バリカンは大きく分けて3種類の刈り刃があります。
それぞれの特徴を抑えておきましょう。
芝生用刈刃 | ギザギザな形状の刃が2枚重なる構造で、それぞれが左右に交差して芝生を挟み込み、切断します。
芝生バリカンにおける定番のもので安定した作業に定評があります。 |
剪定用刈刃 | 名称から分かるとおり、草刈りのみならず樹木の剪定にも使えます。草よりも太く硬めの枝にも対応する力を備えているのです。
両側に刃がある鋸(のこぎり)のように、細長い刃が左右に付いています。この刃が振動するように動いて、雑草や枝を切断するのです。 |
回転刃 | 素早くカットでき、切れ味が良いという点が強みです。左右に動く刃が多い中で、刃の回転によって対象を切断することで、シャープな切れ味を実現できます。
多くの刃の形状だと、例えば小石が詰まると動きが止まってしまいます。しかし回転刃であれば異物を弾くため、継続して作業が可能です。 |
芝生バリカンでは刈り込みの幅と高さにおいて、芝刈り機ほどのバリエーションは望めないといわざるを得ません。一定の範囲から選択する必要があります。
幅については16cm程のサイズがおすすめです。それ以上の幅を持つモデルもありますが、細かい作業がしにくくなります。そうすると結果的に、芝生バリカンの利点を損なうことになりかねません。メリットを生かすためにも、16cm程度がおすすめです。
刈り込みの高さは機種によって調節可能な場合もあります。10・20mmなど2段階の場合もあれば、15・20・25mmと3段階で設定できるものもあります。
対象範囲や使用場所に照らし合わせて、適した機種を選びましょう。
本体の形状も「スティックタイプ」と「ハンディタイプ」のふたつに大別されます。
柄の部分が長いスティックタイプのメリットは、立った状態で作業できることです。かがんでの作業は腰や膝に大きな負担をもたらします。
持ち手が長いため腰を下ろす必要がありません。体への負担を大いに軽減できる点で、人気の形式です。
ハンディタイプの利点は丁寧な作業ができることでしょう。細かい点にまで気を配って芝生を整備したい人には最適です。
美しい景観の芝生にするためには、高さが均等で、隅々まで手が行き届いた状態を維持する必要があります。完成度の高い除草には欠かせないアイテムです。
手に持って細かい作業を行う芝生バリカンは、できるだけ軽いモデルを選んだほうが使いやすいでしょう。
ハンディタイプを片手に作業していると、軽いと思っていたものでも、次第に重さを感じるようになるものです。ずっと手にしていると思いのほか、手や腕に負担がかかります。
ただし軽過ぎるタイプだと、動作の安定性が低く感じられる場合もあるでしょう。
各モデルを比較してみると、500gという軽量設計のものから2.0kg程度のものまでそろっています。ユーザーの体力や体形、作業時間などを考慮して選ぶとよいでしょう。
ひとつの用途だけでなく、いくつかの目的に合わせて使いたいという人もいます。アタッチメントが利用できるモデルを選べば、利用の幅を広げられるでしょう。
刈り刃を交換できれば「左右両側に刃が並ぶヘッドで太い草の除去や樹木の剪定をした後に、バリカンタイプの刈り刃で細かい作業をする」といった使い分けも可能です。
各商品を見てみると多様な使い方を可能にしてくれるものが存在します。付属品などもチェックして、便利な機種を選びましょう。
具体的におすすめする芝生バリカンを紹介します。
商品を選ぶ際に参考にしてみてください。
ハンディタイプでコンパクトなので細かい作業にはうってつけです。また、場所を取らないので置く場所にも困りません。10mの延長コードを使えば作業場所が制限されることもほとんどないでしょう。刈高調整が3段階でできるので芝生バリカンの中では、比較的高い草木の処理に対応している商品といえます。
アタッチメントがあるタイプのもので、芝生用の刃と剪定用の刃を付け替えることができます。バッテリーで作動するためコードが絡まって作業しにくかったり場所に縛られたりすることはありません。また、USBケーブルや市販のアダプターでの充電が可能であるところも魅力です。
安全装置が3段階で設計されており、ケガのリスクも下げられます。
「マジックトリマー 伸縮植木・庭木バリカン」の最大の特徴はその伸縮性と本体の軽さです。
1.7m~3mまで伸ばすことができ、背の高い草木を剪定するのに役立ちます。また、2.5kgという軽量は女性や高齢者でも扱いやすい重さです。
ヘッドの部分を180度回転させて角度を調節できるので、刃の角度を場所や対象に合われば楽な姿勢で作業を行うことができます。
道具を長く愛用するためにはメンテナンスが大切です。機器の手入れの仕方について解説します。
回転式を除いて、芝刈り機の刃は2枚を重ね合わせた構造です。ハサミのように刈り込むため、スムーズに刈るには刃合わせの調整を行う必要があります。
芝刈りを終えると土や刈り取った草で汚れた状態です。刈り刃は水洗いし、本体も機械部に水がかからないように注意しながら洗います。
刃の切れ味が鈍ってきたら、研磨して切れ具合を回復させましょう。機種によっては簡易研磨機能を備えているものもあるので、利用すると便利です。
晩秋を迎えオフシーズンになったら、しばらくは使用しません。刃に潤滑油などを塗り、錆びないようにして保管しておきます。
バリカンの刃の切れ味が悪くなったら、やすりで削ることで切れ具合の回復が可能です。機種ごとのやり方は異なるので、説明書を参考に行いましょう。
それでも切れ味が鈍い場合は、刃の交換が必要かもしれません。替え刃を購入できる機種も多いので、確認してみましょう。
使用後は泥や草が刃の間に詰まったり、本体に付着していたりするものです。柔らかいブラシなどで刃の間の異物を取り、汚れを拭き取っておきましょう。
「自然と育つものだから芝はそのまま生やしておいていいのでは?」と考える人もいるかもしれません。
草刈りにはどのような意味があるのでしょうか。その必要性や行う時期について見てみましょう。
「密度が高く絨毯(じゅうたん)を広げたような美しい光景」のような芝生を目指している人は多いでしょう。
芝には背が伸びていく過程で刈られ、上への成長を抑えられると、芽の数を増やそうとする性質があります。高く成長できない分、数を増やそうとする防衛本能によるものです。
芽の数が増えるとそれだけ密度が高くなります。その結果ぎっしりと草が詰まった、良好な状態が生まれるのです。それゆえ、芝刈りによってきれいな芝へと仕上げられるのです。
芝生を伸ばしっぱなしにすると、密度を高められないばかりでなく、害虫を寄せつける要因にもつながります。
さらに「軸刈り」のリスクも招きかねません。茎を刈ってしまい葉がなくなるもので、それにより光合成ができなくなり、体力が低下してしまいます。それにより健康で美しい色や姿が失われてしまうのです。
芝刈りは4~11月にかけて定期的に行うのが望ましいです。
春は希望の長さの3~5割増しの長さになった頃に、芝刈りをスタートするとよいでしょう。まだ成長がゆるやかな時期は月2~3回でかまいませんが、伸びが早くなったら週に1回くらいのペースにします。
意識を向けておくべき場所は際の部分です。成長が早い際は伸びが遅い場所と同じ時期に刈ると、軸刈りになる場合があります。そのため際の部分だけを刈ることも大切です。
定期的な芝刈りに合わせて丹念に手入れをすれば、よりきれいな状態につながります。
知っておきたいメンテナンスの方法について紹介しましょう。
こまめに手入れできるなら、日本芝の場合だと刈り高は2〜3cmが適当です。あまり時間を確保できないならば、3〜5cmと高めにしておきます。
張っている種類が西洋芝であれば、日本芝よりもやや高めの刈り高にするとよいでしょう。暑さに弱い性質があるため、芝を少し伸ばすことで日光を遮る効果を高められます。
芝を美しく育てるためには手入れの頻度にバラつきを生まず、定期的に作業することが重要です。
春先と夏では芝の背の伸び方は違います。春の感覚のままで夏場などに「思い立ったときにやろう」と考えていると、成長し過ぎてしまっていることもあるのです。
すると成長抑制による芽数の増加を促せない、軸刈りのリスクが高まる、といった弊害が生じます。そのため定期的なメンテナンスが求められるのです。
エアレーションとは芝生に穴をあける作業を指します。土に穴をあけることで、よい芝を育てるために必要な通気性や透水性を維持し、悪化している場合には改善させるためのメンテナンスです。
エアレーションには熊手を使用します。靴底に金具が付いたローンスパイクも便利なアイテムです。
熊手の爪やスパイクの金具を用いて、5~10cmの穴を同じく5~10cm間隔であけていきます。あけた穴には目土を入れて養生しましょう。
サッチングとは熊手を使って枯れ葉を取り除く作業のことです。刈った芝や枯れた葉は放置しておかずに、きちんと取り除かなければなりません。
放置しておくと病害虫の棲み家となり、病気や感染症の原因となってしまいます。芝生に健康被害が及びかねません。
日光を遮り成長を阻(はば)んでしまう可能性もあります。健康に成長を促進させるためにも、サッチングは大切な作業です。
サッチングによって土が見えた部分にも、目土で養生すると効果的です。
芝刈りといっても作業する広さも違えば目的もいろいろなため、用途に適した製品選びが重要です。
作業用の道具としてふたつに大別される芝刈り機と芝生バリカンですが、それぞれに多様な種類があります。自分の使い方をしっかり把握して、最適なモデルを選びましょう。