スギナが雑草の中でも厄介な植物といわれる理由をご存じでしょうか?塩や石灰、熱湯などで駆除できるという説もありますが、安全かつ確実なのは除草剤による駆除です。正しい除草剤の使い方や選び方を覚えて、スギナをしっかり駆除しましょう。
庭や畑のスギナ対策で悩んでいませんか?
ガーデニングをしている中で、生い茂る雑草に悩まされることも多いでしょう。スギナは雑草の中でも特に場所を問わず生えてくる植物です。スギナの性質やなぜスギナは厄介なのか、解説します。
そもそもスギナってどんな植物?
スギナはトクサ科トクサ属の植物で、日本にあるトクサ科の中でも特に小さな植物です。春先に胞子茎を出し、その部分は「ツクシ」と呼ばれています。
ツクシが胞子を飛ばすことでスギナは繁殖します。また地下茎を伸ばすことでも繁殖が可能です。
高さはまちまちで1cmほどのものもあれば、50〜60cmまで成長するものもあります。沖縄を除き北から南まで幅広い地域で繁殖が可能です。
生命力の強いスギナは駆除が難しい
スギナの特徴は生命力が強く、繁殖しやすいという点です。畑や庭、果樹園などどこにでも生えてくるうえ、繁殖を防ぐことも難しく、その駆除のしにくさから「地獄草」と呼ばれることもあります。
胞子茎(ツクシ)は厄介な繁殖源ですが、地下に伸びた茎もまた強い繁殖力を発揮するのです。
地下茎は縦にも横にも伸び、仮に茎を切られても節からまた芽を出します。長さが数cmしか残っていなくても最終的には数mもの長さに育つ場合もあり、一見地上部分が育っていなくても、見えないところで成長しているのです。
スギナ駆除には除草剤を使うのが確実
生命力・繁殖力が非常に高いスギナを駆除するためには、どのような方法を用いればよいのでしょうか。除草剤を使った駆除が一般的ですが、どの除草剤を使えばよいか迷うかもしれません。
スギナ駆除に適した除草剤の選び方について解説します。
農薬登録された除草剤を選ぼう
除草剤は農薬登録がされているか否かで大別されます。農薬取締法に基づいて安全性が確保されているかどうかが登録の基準です。登録されたものは農産物に付着して口に入る場合も想定したうえで、害がないと判断されているので安心して使用できます。
農薬登録されていないものは安全面が担保されていないため、農耕地では使用できません。安価な製品にはこのタイプがあるので、購入するときは農薬登録の有無をしっかり確認することが大事です。
畑には農耕地用の除草剤を使う
畑で除草剤を使う際には、農薬登録された除草剤の中にも使ってはならないものがあるという点には気を付けなければいけません。
農薬登録された除草剤はさらに「農耕地用」と「非農耕地用」の2種類に分かれます。前者は登録内容を守ったうえで、畑・庭など人が植物を植えた場所で使用できるものです。後者は樹木が生えている公園や道路などに対して使用できるものを意味します。
つまり除草剤を家庭で使用する際は、以下の条件を満たしている必要があるのです。
- 農薬登録されたものである
- 農耕地用の除草剤である
この2点を遵守することを忘れずに除草剤を選びましょう。
芝生には選択性の除草剤を使う
芝生に除草剤を使う際は、芝生のタイプに適した除草剤を選ぶことが重要です。農薬登録されていたとしても、種類によっては使えない場合もあります。暖地型か寒地型か、また日本芝か西洋芝か、除草剤を使用する芝生の種類を確認しましょう。
例えばスギナの駆除によく使用される除草剤として「MCPP液剤」があります。MCPP液剤は日本芝に対しては使用可能ですが、西洋芝には使えないケースが多いのです。例外として西洋芝でも「ケンタッキーブルーグラス」には使用できます。
除草剤を使う際は服装や天候にも注意しましょう。できるだけ肌を隠せる服装が好ましいので、長袖の服を着るのはもちろん、帽子やマスクも着用するのがおすすめです。
天候は晴れの日が散布に適しています。さらには散布から数日は雨が降らないようなタイミングを選ぶと、効果がより発揮されます。雨が降ると除草剤の成分が流されてしまうためです。
無農薬で安全にスギナを駆除する方法
スギナの駆除には農薬を使用するのが一般的ですが、農薬に頼らずに駆除する方法もあります。駆除の方法を説明するので、できるだけ農薬は使いたくないという場合には参考にしてください。
道具を使って根から引き抜く
原始的な方法ではあるものの、根や茎の部分を抜いてスギナを繁殖させないという方法があります。
その際には「三角ホー」と呼ばれる道具を用います。小さなスコップのようなものが先端についた棒状の器具で、力を入れる必要なく使えるのが特徴です。
スギナが生えている箇所の土の表面を削るイメージで使いましょう。地面の中までは削らないため、地中にある根・茎は残りますが、こまめに作業することで繁殖を抑えることができます。
抜いた後は防草シートで予防しよう
除草作業の後に「防草シート」を敷設すれば、新しい雑草が生えてくるのを防げるのでスギナ繁殖の予防にもなります。
防草シートを敷く範囲によっては重労働となるため、負担が増えるというデメリットはあります。しかし日光をシートで遮ることができ、スギナの成長を予防するうえで効果的です。
防草シートを選ぶ際は、遮光性の高いものを購入しましょう。さらに水はけのよいシートを選ぶことで、水たまりを防ぐことができる点も忘れてはなりません。
見栄えが気になる場合は、防草シートの上に砂利などを敷くのもおすすめです。玉砂利を敷き詰めておけば、見た目にもおしゃれな空間を演出できるでしょう。
高品質なシートを選ぶことが大切
防草シートを選ぶ際にはその品質にも着目しましょう。安価なシートの場合、スギナが生地を突き破ってしまう恐れがあるため、生地がしっかりした品質の高いシートを選ぶことをおすすめします。
品質の高いシートといっても、数多くのシートの中からどれを選べばよいのかわからないかもしれません。素材は織物・不織布のどちらなのか、さらに目が粗いか・細かいかといった違いにより、防草シートの効果は変わります。
密度が高ければ高いほど雑草はシートを破りにくくなるため、一般的には不織布で硬めの素材がよいとされています。織物素材の場合には目が細かいものを選ぶとよいでしょう。
こんな方法は使える?
スギナの駆除にはほかにも色々な方法があるといわれています。しかしそのすべてが有効とは限りません。諸説ある中でどの方法が効果的なのか、またどの方法には効果がないのかを説明します。
石灰を撒く方法
石灰を撒くと土はアルカリ性へと変わります。スギナは酸性の土で育ちやすいという噂が広まったことにより、石灰を撒く方法が有効と考えられていました。
しかし実験によって、スギナは酸性でもアルカリ性でも充分に育つことが証明されました。そのため石灰を撒いて土をアルカリ性に変えても、除草効果は得られません。
また石灰に含まれるカルシウムがスギナの駆除に有効、という説もあったようです。こちらも同様に科学的な根拠に乏しいため、やはり石灰は有効な方法とはいえません。
熱湯をかける方法
スギナに熱湯をかけることでも、駆除が可能といわれます。スギナに限らず熱湯をかけると、植物は基本的に枯れます。そのためスギナを枯れさせること自体は可能です。
しかし熱湯はあくまで地表部分にしか影響を与えないため、地中の根や茎まで駆除するのは困難です。例外的にコンクリートの隙間から生えているスギナに対しては有効。しかし隙間の奥までお湯を行き渡らせないといけないため、多量の熱湯を必要とします。
それだけ火傷の危険性も増すことにつながるので、安全面を考慮すると、駆除には不向きな方法といえるでしょう。
塩を撒く方法
植物を枯れさせる方法として、塩を用いる方法もあります。これはスギナにも有効で、塩を撒いてから1週間もすれば、スギナが徐々に枯れていきます。
なるべく根元に近い部分へ塩を撒くことがポイントです。地中部分にまで浸透させる必要があるため、大量の塩を用意する必要があるのがデメリットといえます。
さらには土が塩を自然に分解できない点もデメリットです。塩の成分が土に残ることになるため、スギナ以外まで枯れさせてしまうリスクがあります。
また近くに田畑がある場合には、雨が降って塩が流れ出すことで被害が発生する恐れがある点にも注意が必要です。
肥料を与える方法
肥料を与えるという一見植物の生育を助ける行為が、スギナ駆除につながるという説もあります。スギナがやせた土地を好むからというのがその理由です。
肥料を与えることでほかの植物が育ちやすくなるため、相対的にスギナが減る可能性はあります。しかしあくまで相対的なものであり、確実な除草が保証されているわけではありません。
さらに肥料を与えることで土壌が豊かになるため、スギナ以外の雑草が生い茂ってくる可能性もあります。雑草の駆除を目的とした場合は、あまり有効な方法とはいえないでしょう。
スギナ駆除に使える除草剤3選
除草剤を使った方法がスギナ駆除には有効ですが、実際にどういった除草剤がよいのでしょう。おすすめのアイテムを3点紹介します。
日産化学「ラウンドアップマックスロードAL」
「ラウンドアップマックスロードAL」は土への吸収力の強さが特徴です。
散布した後に雨が降っても、しっかり効果が発揮されます。曇りの日や乾燥した日ももちろん効果が出るため、天候を気にせずに使用できる点がメリットです。また低温に強いといった特徴もあります。
土に浸透した成分が自然分解される特徴も、安心材料として挙げられるでしょう。
フマキラー「カダン 除草王 粒タイプ オールキラー」
「カダン 除草王 粒タイプ オールキラー」は粒タイプの除草剤なので、持続性が持ち味です。
液剤タイプとは異なり土そのものに作用するのが、粒タイプの特徴です。それゆえ広範囲にしっかりと効果が発揮します。駐車場などのようにほかに植物が生えていない場所に用いるのが適しているでしょう。
ほかの植物が近くに生えている場合、そちらまで枯れさせてしまうリスクがある点には注意です。
丸和バイオケミカル「芝生用除草剤 MCPP液剤」
茎や葉から成分が浸透していき根まで影響を及ぼすため、スギナにもしっかり効果が現れます。
天候に気を付ける必要があるという点は注意が必要ですが、高い効果をもたらしてくれる除草剤です。
除草のプロ探しはミツモアがおすすめ
スギナは生命力が高く厄介な雑草ですが、スギナの特性を知って正しい除草剤を選べば繁殖を抑えることができます。きれいに整えた自宅の庭がスギナで埋め尽くされてしまう前に、適切な処置を行い美しい景観を保ちましょう。
除草剤を使うのはハードルが高いと悩んでいる人は、プロに依頼するのもひとつの方法です。
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