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ケンタッキーブルーグラスを育てるポイント。環境を整えるのが重要

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最終更新日: 2023年03月03日

寒い地域でよく育つケンタッキーブルーグラスは芝の一種です。どのような特徴を持つ芝で、育てるにはどのような管理が必要なのか見ていきましょう。

地域によるお手入れ時期の違いや、丈夫に育てるためのポイントも紹介します。

ケンタッキーブルーグラスの特徴

ケンタッキーブルーグラスとは
ケンタッキーブルーグラスを知ろう

育て方を詳しく見ていく前に、まずはケンタッキーブルーグラスの特徴をチェックしましょう。基本的な特徴を押さえることで、住んでいる地域に合っているか判断しやすくなります。

寒地型の西洋芝

ケンタッキーブルーグラスはアメリカを中心に、ゴルフコース・家庭・公園などで利用されている芝です。寒さに強い「寒地型」の西洋芝で、濃く美しい緑色の葉が霜の降りるころまで続きます。

寒い地域でも成長しやすく、冬に強く枯れにくいのが特徴です。一方、暑さには強くありません。暑さが厳しい季節や土地では、枯れてしまい夏越えできないこともあります。

踏圧にも強い

芝は地面を覆うように張るため、踏まれることが多くあります。踏まれて圧力がかかると品種によっては剥げてしまい、見た目の悪化につながることもあるでしょう。

ケンタッキーブルーグラスは踏まれる圧力である「踏圧」に強い特徴があります。踏まれたとしても比較的剥げにくく、美しい状態を維持しやすいでしょう。きれいにはえそろった芝生をキープしたい、と考えている場合に向いています。

ケンタッキーブルーグラスの育て方

ケンタッキーブルーグラスを育てる
ケンタッキーブルーグラスの育て方手順

寒い地域でも育てやすいケンタッキーブルーグラスは、具体的にどのような育て方をするとよいのでしょうか?土づくりや植え付けの仕方などを確認しましょう。

日光がよく当たる場所を好む

比較的寒い場所で育ちやすいケンタッキーブルーグラスですが、日陰では生育が悪くなってしまいます。半日陰でも育てることは可能ですが、美しいグリーンの葉にはなりづらいでしょう。

密集した美しい芝に育てるなら、日光がよく当たる場所に植え付けるのが最適です。最低でも「4時間以上」日光に当たる場所を選びましょう。加えて同じ4時間であれば、午後よりも午前中に多く日が当たる方がよいといわれています。

土づくり

土づくりのポイントは「水はけ」がよく「栄養豊富」な土壌であることです。種まきをしても苗を植え付けても、この2点を満たしていれば発芽・成長ともにスムーズに進みます。

芝の植え付けに使う土を「床土」といい、20~30cmは必要です。そこでまずは植える範囲をまんべんなく耕し、雑草や小石を取り除いていきます。

水はけの悪い粘土質の土壌であれば、小粒の軽石や川砂を混ぜ込み改善しましょう。1平米に対したい肥60l・有機石灰100gも加えます。

また水はけのよすぎる土壌では1平米にたい肥30l、水はけが適度な土壌なら1平米にたい肥10lをそれぞれ混ぜ込み、規定量の元肥もプラスします。芝用の専用土を床土にすると手軽です。

芝を植え付ける場合

苗を購入し植え付けるのは、真夏や真冬以外であれば基本的にいつでもできます。ただし育ちやすさを考慮するなら、成長期である気温「10~24度」になる直前くらいに植え付けると、傷みにくくスムーズです。

植え付け前は先に紹介した方法で土づくりをしますが、最後に地面を平らにならしておきましょう。その上に苗を並べていきます。

並べ方は隙間なく敷き詰める方法や、市松模様のように間隔をあける方法が代表的です。できるだけ早く一面に芝をはやすなら、敷き詰める方法が向いています。

最後にふるいを使い隙間にまんべんなく目土を入れれば完成です。むらができている場合には、ほうきを使って均等にならします。

種から育てる場合

ケンタッキーブルーグラスは種をまいても育てられます。適しているのは昼間の気温が「20度」くらいまで上がる季節です。早く発芽し順調に成長しやすいでしょう。

土づくりの方法や地面を平らにする点は苗の植え付けと同じです。種まきをするときには、まず土を1cmくらい掘ってからまいていきます。

芝の種はとても小さく、風で飛んでいってしまうほどです。全体に均一にまくためには、風の弱い日に種まきをしましょう。種の上に目土をかけるときにも、ふるいを使い薄く均一にかけることを心がけます。

光がないと発芽しない好光性種子のため、土のかけ過ぎに注意しましょう。水やりもじょうろや霧吹きで種が流れないよう気を付けながら行います。

地域別の注意点

ケンタッキーブルーグラスが向いている地域
ケンタッキーブルーグラスが育つ地域

寒さに強いケンタッキーブルーグラスは、寒冷地・中間地・暖地で育て方の注意点が異なります。基本の育て方とともに、地域ごとのポイントも押さえることが大切です。

寒冷地は寒さに気をつける

耐寒性に優れている品種ですが、寒冷地の冬には注意しなければいけません。ケンタッキーブルーグラスにとって寒冷地の夏は涼しく快適ですが、冬は寒さが厳し過ぎて越せない可能性があるからです。

そのため冬場は、防寒対策をしっかり施します。根を守ることが大切なので、防寒シートで覆うとよいでしょう。他の季節には掃除する枯れ葉ですが、寒冷地の冬は根の保護のために残しておく方法もあります。

また寒さの厳しい12~3月の間、芝は成長しません。それほど多くの水は必要ないため、水やりは自然の降水に任せます。

中間地は芝刈りや水やり、暖地は暑さ対策を

中間地の場合、管理の仕方次第では、ケンタッキーブルーグラスの青々とした葉を通年楽しめます。ポイントは「芝刈り」や「水やり」で行う夏越え対策です。

夏場に芝刈りを行うときには、根の温度が上がり過ぎないよう少し長めに刈り取ります。同時にたっぷりの水やりで、温度上昇を抑えましょう。ただし水のやり過ぎでダメージを与えないよう注意します。

暖地でも中間地と同じように暑さ対策が必要です。中間地より暑さの厳しい暖地では、対策をしなければ暑さで枯れてしまう可能性が高いでしょう。芝刈りと水やりを適切に行うことで、枯れるリスクを抑えられます。

芝刈りのタイミングも異なる

地域によって適切な芝刈りのタイミングが異なる点にも注意しましょう。寒冷地では12~3月の芝刈りは不要です。4~5月に入ると冬枯れの葉先を刈り落とすために、2.5~4cmの刈り高で月1~2回行います。

6~9月の成長期には月4~8回、気温が下がり始める10~11月は、成長速度に合わせて芝刈りの間隔をあけていきます。

中間地や暖地では12~1月は月1回ほど、4~5月は月3~6回が目安です。6~7月は暑さ対策のために刈り高を4~5cmにし、月4~8回行いましょう。ただし芝刈り機の刈り高の上限を超えないよう管理します。

8~9月は暑さで伸びが止まるため、芝刈りしなくてもOKです。10~11月の成長期は、夏のダメージを受けている可能性があるため、様子を見ながら芝刈りします。

病害虫対策もしっかりと

ケンタッキーブルーグラスの病害虫対策
ケンタッキーブルーグラスを病害虫から守る

土づくりをして丁寧に管理していても、病害虫の被害が出ると芝がダメージを受けてしまいます。ダメージを最小限にできるよう、病害虫対策を実施しましょう。

幼虫による食害を防ぐ

ケンタッキーブルーグラスは幼虫の食害を受ける可能性があります。根を食べるのはコガネムシの幼虫です。根を食べられてしまうと、養分を吸収できず成長が悪くなり枯れてしまいます。

大量発生すると樹木を枯らすこともあるほどの害をもたらすため、管理のときに見かけたらすぐに取り除きましょう。

またネキリムシの幼虫も、地際の茎を食べ芝に食害をもたらします。昼間は土の中にもぐってしまいますが、食害のあった周辺を数cm掘り返すと見つけられるはずです。

コガネムシの幼虫同様、見つけたら取り除くのが正解です。害虫に効果的な薬剤を使用し、食害を防ぐ方法もあります。

さび病に注意

4~10月は「さび病」が発生する可能性があるため注意が必要です。葉の表面に最初は白く小さな斑点ができます。すると次第に斑点が盛り上がり、褐色のいぼ状に変化します。

いぼ状になった部分は最終的に表皮が破れ、中からさびのような赤褐色の粉末が飛び散るのです。予防のためには発生時期に合わせて薬剤を使用するとよいでしょう。

またさび病は、被害を受けた葉に付いたまま越冬する性質があります。悪くなった葉を刈り取ったら、焼却して発生源をなくすことも有効な対策です。

病気にかかりにくい環境を整えるには?

病気にかかりにくい環境を整えるには、まず芝の耐病性を高めます。そのために有効なのがたんぱく質の合成を活発化することです。

日当たり・肥料・水やり・農薬などの要因でたんぱく質の合成は阻害されるため、できるだけ取り除きます。病原菌が芝の内部へ入り込みにくくなるよう、クチクラ層という葉の表層を強くすることも大切です。

また土壌環境の改良も欠かせません。土壌は通気性が悪化すると病原菌が繁殖しやすくなります。枯れ葉が積もらないよう小まめに掃除することや、地面に穴をあけ空気を届けるエアレーションで、通気性を改善しましょう。

1年を通した地域別の管理方法

ケンタッキーブルーグラスの管理方法
ケンタッキーブルーグラスを長持ちさせよう

同じケンタッキーブルーグラスを育てていても、気候の違う地域では季節ごとの適切なお手入れが異なります。エアレーションや張り替え補修を行うときには、自分の住む地域に合わせた管理を行うことが大切です。

エアレーションの時期

ケンタッキーブルーグラスをはじめとする寒地型の芝は、地温が5~25度くらいまでがエアレーションに適しています。特に成長期に合わせてエアレーションを実施すると効果的です。

寒冷地では暖かくなり芝が伸び始めるのは「6~7月」です。この時期に合わせ、エアレーションで土壌の通気性を改善します。

中間地や暖地では、「3月中旬~梅雨入り前」と「9月中旬~10月」が成長期にあたり、エアレーションに向いています。ただし夏のダメージが残っている場合や秋に種をまいた場合は、秋のエアレーションは控えた方がよいでしょう。

張り替え補修の時期

枯れたり剥げたりして芝の見栄えが悪くなったら、張り替え補修で整えると美しい状態に戻ります。張り方は植え付けと同様です。

寒冷地では「6~9月前半」までの間に実施しましょう。夏場の気温が30度を超えるような地域は、8月の暑い時期は避けた方が無難です。9月後半に入ると寒くなるまでの期間が短く、芝が十分に育たない可能性があります。

温暖地や暖地では「9月下旬~10月」が張り替え適期です。その他に「4~5月」にも実施できます。

地域の環境に合わせた育て方をしよう

ケンタッキーブルーグラスを適切な環境で育てる
生育に合った環境で育てよう

寒冷地でも育てやすいケンタッキーブルーグラスは、地域によっては1年中青々とした葉をキープできる芝の品種です。踏圧にも強いため美しい状態をキープしやすいでしょう。

ただし地域ごとに適切な管理方法が異なる点に注意が必要です。気温や地温に合わせ、適切にお手入れをすることにより、きれいなグリーンで地面を覆えます。

また病害虫にも注意しましょう。コガネムシやネキリムシの幼虫を見かけたら取り除きます。さび病が発生したら刈り取って焼却、もしくは薬剤散布による予防を実施しましょう。

品種の特徴と地域の環境に合わせ、適切に育てることが大切です。

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