庭に芝生を張ると、雑草が生えにくくなったりお子様やペットが遊びやすくなったりと、良いことがたくさんあります。しっかりと事前に張り方を学んできれいなお庭を実現しましょう!
芝生を張るのに必要なものは?
張りたい芝の苗、水はけのよい砂、養分を含んだ土が必要です。そのほかに道具として、雑草を除くための草取り道具や除草剤、土を耕すクワ、地面をならすスコップやレーキがあるとよいでしょう。
芝生を張るのにかかる費用は?
芝生をDIYで張るときは1,500円~、プロに依頼する場合は3,000円~がだいたいの相場です。選ぶ芝の品種によっても変わりますし、外構業者によっても料金設定が異なるので、自分の張りたい芝を決めて見積もってみるとよいでしょう。
芝生を張るのに適した時期
芝生の庭を作るためには、種子から育てる方法と、すでに育った芝を切りそろえたシート状の「切り芝」を張る方法があります。
「芝生を張る」とは切り芝を土の上に敷く作業のことです。
芝生を張る時期は春と秋
芝生を張る時期は春と秋です。
とくに成長期に当たる春は、土の上に置いた芝生がしっかりと根付くので最適です。
梅雨に入れば土と芝生がずれて根付きにくいので、梅雨前に作業を終えておきます。
また春に芝を張ることで、梅雨の雨を利用し成長を促す効果も期待できます。
春に張れなかった人は、暑さが和らいだ秋でも作業は可能です。
しかし芝生の休眠期である冬に向けて成長が止まる時期でもあるので、春のようには根付きません。
失敗なく上手に張るためには、3~5月の春に作業するようにしましょう。
芝生を張る前の下地を準備
芝生は地面にそのまま張ってもうまく根付きません。農作物や花、庭木と同じように植物なので、耕して土壌の質を調節してあげる必要があるのです。
順を追って下地の準備を解説します。
用意するもの |
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手順 |
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①日当たりの良い場所を選ぶ
日当たりが悪い場所に張ると、芝生がうまく育ちません。1日に4~5時間は日に当たる場所に張るのが理想的です。
とはいえ、庭の日当たりがあまり良くない人もいますよね。その場合には日陰に強い品種を選んだり、日陰の原因となる木の枝を切ったり、工夫をしながら芝生が成長しやすい環境づくりをしましょう。
②雑草を取り除く
床土に雑草が生えている場合には、芝生を張る前にできるだけ取り除きます。
除草剤を使いたいときには散布後2週間ほどで分解されて、植物の植え付けをしてもよいタイプのものを選びましょう。
芝生も植物なので、除草剤の効果がなくなるまで待ってから芝張りをしましょう。
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③深さ20~30cmほど土を耕し、小石を取り除く
クワなどを使って、芝生を張りたいエリアを深さ20~30㎝ほど掘り起こして耕しましょう。
芝生は足で踏む場所に植えるものとはいえ、植物なのでガチガチに固まった地面の上ではうまく育ちません。
ガーデニングをするときと同じように、土壌をふかふかにして整えてあげる必要があります。
このとき、目立つ小石はついでに取り除いておきましょう。
④川砂、培養土を入れる
耕した土壌の上に、川砂などの水はけのよい砂を5cmほど敷きます。芝生をどれくらいの高さに張りたいか考えて逆算し、元々の土が多すぎる場合は取り除きましょう。
その上に養分を含み、保水性のある培養土を2cmほど入れます。
2層構造によって、芝生が成長するための水や養分を保ちつつ、水はけのよい土壌をつくることができます。
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⑤土を平らにならして踏み固める
芝生を植え付ける土を入れたら、スコップやレーキを使って平らにならします。
このとき、芝生の外側が低くなるようにゆるく傾斜をつけるのがコツです。これは芝生の上に水が溜まらないようにするためです。雨が降ったときなどに排水できないと、根腐れを起こしてしまうかもしれません。
平らになったら最後に土を締めて密度を高める「転圧」という作業を行います。
芝生用ローラーがあると理想ですが、足で踏み固めてもOKです。板を地面に置いて上から踏みつけると凸凹ができにくいですよ。
ここで凸凹ができると、あとでガタガタな芝生になってしまうので注意しましょう。
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芝生の張り方4パターン
土壌が準備できたら、いよいよ芝生を敷き詰めていきます。芝生にはさまざまな張り方があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
寒地型芝生の場合はベタ張りが一般的です。暖地型芝生の場合はベタ張り、目地張り、市松張りなどの方法で張ります。
張り方 | メリット | デメリット |
ベタ張り |
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目地張り |
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市松張り |
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すじ張り |
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すき間なく全面に張る「ベタ張り」
「ベタ張り」とはスペースを作らずに、庭にぎっしりと敷き詰める方法です。平張りや全面張りとも呼ばれます。
作業の際には、目地が十字にならないように上下の列で半分ずつ、ずらしながら敷いていくことがポイントです。
小さな面積に芝生を張る人やすぐに芝生を完成させたい人におすすめです。
少しずつすき間を空けて張る「目地張り」
「目地張り」はベタ張りと似ている張り方ですが、芝生のスペースを3~5cmほど空けてレンガ材のように張る方法です。
目地張りをした直後は芝生の苗間にスペースができますが、春に日当たりの良い場所に張れば、秋には成長して目立たなくなります。
費用を押さえながら作業コストも下げたい人におすすめです。
1枚おきに張る「市松張り」
「市松張り」は1枚おきに芝生を張る方法です。その名のとおり、張った直後の見た目は市松模様になります。
春に芝生を張った場合、順調に生育すれば冬前には全面が芝生で覆われるでしょう。
ただ、全面芝になるまで時間がかかるので、その間こまめに雑草処理をしなければなりません。
費用を抑えたい人や手間をかけられる余裕がある人におすすめです。
傾斜地でも張れる「すじ張り」
幅を5~10㎝にカットした芝マットを横一列に並べていく方法です。列と列のあいだには5~10㎝のすき間ができるように並べていきます。
芝をカットしなくても問題はありませんが、斜面に張る場合はずり落ちてこないよう竹串などで固定しておくとよいでしょう。
「すじ張り」は、芝を張りたい場所が傾斜している人におすすめです。
ダメな張り方「十文字張り」
芝生張りでやってはいけない方法は、図のように目地を十文字にクロスして張る「十文字張り」です。
目地を一直線にしてしまうと、目地に沿って雨水が流れやすくなってしまいます。目土が一緒に流れて、芝生の剥がれる原因になります。
芝生を張るときは必ず、目地が十文字にならないように、上下の列でずらしながら張るようにしましょう。
芝生を張っただけでは、きれいな芝生は育ちません。
張ったばかりの芝生は乾燥しやすいので、乾燥対策をする必要があります。
ここでは芝生を張った後に行う、目土(めつち)・圧着・水やりの方法について紹介します。
根が張るまでの期間は?
芝生を張ってから根が張るまでには2週間~1か月ほどかかります。しっかり根付くまでは、芝の上を歩かないこと、水を切らさないことに注意しましょう。
芝張り後にやること①:目土(めつち)
目土とは芝生の上にかぶせる粒のそろった細かい土や砂のことです。目土は以下の手順で行いましょう。
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苗のあいだに目土をすることで、苗同士が一体化して根付きやすくなります。
また目土は保水効果が高く、芝生の乾燥を防いでくれます。
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芝張り後にやること②:圧着する
ローラーや板を使って芝の上から圧力をかけることで、根付き早くすることができます。これを「圧着」といいます。
道具がない場合は足で踏みつけても大丈夫です。しかしその場合は苗と地面が密着するように、端から隈なく踏んでいきましょう。表面を確実に平らにしたい場合は、均一に圧力をかけられる圧着ローラーなどを使うとよいでしょう。
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芝張り後にやること③:水やり
張った直後の芝生は根付いておらず、成長に必要な水分を吸水できない状態です。そのため乾燥しやすくなっています。目土をかぶせたら、たっぷりと水やりしましょう。
最初の2週間は根に水が届くように、苗の側面から水が溢れるくらい与えてください。
水やりの時間帯は気温が高くなる前の午前中が最適です。
根付いてきたら、春秋など過ごしやすい時期には週に1~2回たっぷりと水やりします。
夏の暑い時期には毎日の水やりが必要です。また猛暑日には朝夕の2回与えましょう。
最初から真っ平にはならない!
芝生マットはものによって育ち方が違ったり、根の厚さが違ったりします。そのため芝張りをした直後にガタガタになってしまうのは仕方がないことです。
低くなっているところに目土を入れて埋めていくと、回数を重ねるごとにだんだんと平らで美しい芝になります。
業者に芝生を張ってもらう場合の費用は?DIYと比較
芝生を自分で張るのには、時間も手間もかかります。忙しくて時間がない、きれいにできる自信がないという人は、業者に依頼して張ってもらうのもおすすめです。
以下に、業者に依頼する場合の相場をまとめてみました。(芝生の種類については芝生の種類をご覧ください)
芝生1㎡あたりの作業費用 | |
日本芝 (すぐに張れる場合) |
約2,000円 |
日本芝 (整地が必要な場合) |
約4,000円 |
西洋芝 (すぐに張れる場合) |
約3,800円 |
西洋芝 (整地が必要な場合) |
約7,000円 |
西洋芝の方が芝生の値段も作業費も高い傾向がありますが、西洋芝は冬でも枯れることなく美しい緑を保ってくれます。
ただ、業者に依頼しようとしてもどれくらいの料金が相場なのかは1社から見積もりを取っただけではわからないですよね。そんなときは、複数の業者から一括見積もりを取ると費用を上手に抑えることができます。
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芝生をDIYで張った場合にかかる費用
芝生をDIYで張る場合、芝の品種にもよりますが、だいたい1㎡あたり1,500~3,000円が相場といわれています。
広い範囲ほど自分で張った方がお得にはなりますが、作業も重労働です。
張る作業も含めて芝生を楽しみたい、少しでも安く張りたいという方はDIY、芝生のお庭はほしいけど芝張り作業に自信がない、時間がないという方はプロに依頼するのがよいでしょう。
芝生をきれいに保つ日頃の手入れ
芝生をきれいに保つためには、日頃の手入れが欠かせません。ここでは芝刈りと肥料の時期・除草のやり方について解説します。
芝刈り
芝生を放置していると見た目が悪くなります。草丈2〜3cmを維持するように、日頃から芝刈りで調節しましょう。
一気に短くするのではなく、まずは長めに残して刈り、数日経ってから再び刈り込むように、段階に分けて作業することもポイントです。
ただし芝生を張った直後に、芝刈りをしてはいけません。十分な水分と養分の吸収ができておらず、ダメージを与えると枯れてしまう危険性があるからです。しっかりと根付くのを待ちましょう。
張ってから時間が経っている芝生は、2~3週間に1回を目安に刈り込みをします。
なお休眠期の冬は必要ありません。
関連記事:手動式芝刈り機は狭い庭に最適!メリット・デメリットやおすすめ商品も紹介|ミツモア |
関連記事:芝刈り機と芝生バリカンは何が違う?種類や特徴について解説|ミツモア |
関連記事:芝刈りにハサミを使うメリットは?上手な選び方やおすすめ商品も|ミツモア |
肥料
肥料は芝生の生育期に与えてあげるのが基本です。
- 暖地型芝生:3~11月のあいだ、1か月おき
- 寒地型芝生:3~5月・9~11月のあいだ、1か月に1回
を目安に施肥をしましょう。冬のあいだは肥料を与えなくても大丈夫です。
▽芝生の肥料に関する詳しい解説はこちら
雑草の除草
芝生をきれいに保つためには、除草も大事な作業のひとつです。
除草のタイミングは芝刈りの前と、雑草を発見したときです。
除草は、基本手作業で行います。芝刈りで除草もできると思われがちですが、芝刈りは基本的に芝を刈るための道具です。雑草の固い茎を切ると、刃が痛んで切れ味が悪くなってしまうのでやめましょう。
雑草は繁殖力が強く、種子を飛ばしてあっという間に広がります。もし芝生に雑草が生えているのを発見したら、種子を飛ばす前に抜き取りましょう。
芝生の種類
芝生にもいろいろな種類があります。大きく分けて、暑さに強い「日本芝」と寒さに強い「西洋芝」があります。一般的に日本芝は手入れが簡単で、西洋芝は手入れが難しい品種が多いです。
特徴と品種例 | |
日本芝 |
<品種例>
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西洋芝 |
<品種例>
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日本芝(暖地型)
関東より西に住んでいる人におすすめです。冬には休眠期に入るため、茶色く枯れます。
野芝
日本でも広く自生している、芝の密度が粗い品種です。寒さや乾燥、病害虫に強く、生育が遅いので比較的手入れが簡単です。公園やゴルフ場のラフによく使用されています。
高麗芝
もっともポピュラーな品種で、家庭園芸用としてよく使用されています。密度も細かく、適切な手入れをすれば美しく綺麗な芝生になります。東北より南の地方の気候に適した夏芝です。
西洋芝(寒地型・暖地型)
西洋芝には寒地型と暖地型があり、冬にも緑色の芝生が楽しめます。西洋芝は日本芝よりも刈り込みが多く必要で、メンテナンスに時間がかかります。寒地型の芝生は北海道や東北に住んでいる人におすすめです。
ベントグラス類
見た目が繊細で美しく、ゴルフ場のグリーンによく使用されています。
刈り込みには強いですが、乾燥や暑さ、踏みつけに弱く、病害虫に注意が必要です。
ブルーグラス類
世界で最も広く栽培されている品種です。
踏みつけや害虫には強いですが、ベントグラス類と同じように乾燥や暑さには弱いです。
ライグラス類
冬にもきれいな緑色を保つ、牧草用の芝生です。
寒さに強く、踏みつけによわいのが特徴です。成長が早く寿命が短いので、家庭園芸で使用されることはあまりありません。
フェスク類
乾燥と日陰に強く、寒地型と暖地型の両方の性質を持っています。
競技場など幅広い用途で使用されています。
ベランダにも使える人工芝
ベランダを緑の芝生にしたいという場合は、人工芝を敷きましょう。人工芝は、水はけのよいものを選ぶことが重要です。
ここでは簡単に人工芝の敷き方を解説します。
用意するもの |
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上記のものが準備できたら、次のような手順で緑にしたい部分に芝を敷いていきます。
1.敷く部分をほうきで掃いてゴミをとる
ゴミがあると両面テープの接着が悪くなってしまいます。 |
2.人工芝を仮置きしてみて、ハサミでサイズを調整する
芝目が同じ方向になるように注意しながら置き方を決めましょう。 |
3.床に人工芝用両面テープを貼り、上から人工芝をのせる
丸めたまま床に置いて少しずつ貼っていくときれいにできます。 |
4.デッキブラシで芝目を立たせる |
もちろん人工芝はベランダだけでなく庭に使用することもできます。
下が土の庭に敷く場合は、整地や雑草対策が必要です。詳しくは以下の記事をご覧ください。
関連記事:人工芝の正しい敷き方とは?DIYの方法やつなぎ目のポイントを紹介|ミツモア |
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