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芝生シートは人工芝と天然芝どちらにする?選び方や導入方法を解説

最終更新日: 2023年03月03日

芝生シートは手軽に自宅の庭に芝生を導入できる便利なアイテムです。大きく分けると人工芝と天然芝の2種類があります。どちらを選べば良いのか迷ってしまう人もいるでしょう。人工芝と天然芝の特徴とともに、それぞれの導入方法について紹介します。

芝生シートの種類

芝生

芝生シートは大きく分類すると「人工芝」と「天然芝」の2種類です。それぞれどのような特徴があるのでしょうか?ここでは人工芝と天然芝の特徴について、分かりやすく解説します。

人工芝の特徴

人工芝とはポリエチレンやナイロンなどの「合成樹脂」で作られた人工植物のことです。芝部分のパイルと基盤の下地で構成されています。販売されている商品は、草丈や形状などの種類が豊富です。1年を通して緑の芝生が楽しめます。

人工植物のため、水やりや施肥など植物に対する手入れの不要な点が最大の特徴でしょう。汚れが付着したら、水で洗い流すだけでOKです。

土はもちろん天然芝が張れない日当たりの悪い場所やコンクリートの上など、敷く場所を問いません。

最近の人工芝の中には、合成樹脂でありながら天然芝のような触り心地で、数種類の色を混ぜて見た目にもこだわった「リアル天然芝」と呼ばれる商品もあります。

購入価格は天然芝よりも高価な反面、設置後の整備コストはほとんど掛かりません。耐久性は商品や設置場所によって変わりますが、7~10年が目安です。

天然芝の特徴

天然芝は植物の「芝草」を使う芝生のことです。1種類の芝草を使う以外に、数種類の芝を混ぜて作るケースもあります。日当たりと水はけの良い場所でないと成長しません。

芝生を育てる作業や、季節ごとに変化する様子を楽しめる点が魅力です。芝には成長期と休眠期があります。成長期の春から夏にかけては美しい緑に、休眠期に入る秋から冬にかけては茶色へと変化します。

人工芝よりも安く購入できますが、季節に応じた水やりや施肥、除草など手入れが必要です。しっかりとした手入れをすれば10年以上持ちます。

芝生シートの選び方、メリットとデメリット

芝生

人工芝と天然芝のどちらを選べば良いのでしょうか?芝生を作った後に後悔しないように、それぞれのメリットとデメリットを理解してから購入しましょう。

ここでは芝生シートの選び方のポイントと、それぞれのメリットとデメリットについて解説します。

人工芝はタイプと長さ、素材で選ぶ

人工芝のタイプは以下の2種類です。

  • ロール: ロール状に巻かれたもの。広いスペースに便利
  • ジョイント:パネル式のはめ込むタイプ。狭い場所に便利

ロールタイプは重くて作業が大変ですが、一気に作業可能です。1ピースごとで軽量なジョイントタイプは、作業性が高い反面、つなぎ目が目立ちやすいのが難点といえます。

長さの種類は以下の2タイプです。

  • ショートパイル:草丈1cm以下。内部に熱がこもりにくい
  • ロングパイル:草丈2cm以上。クッション性が高い

ショートパイルは寝転んだり、パターゴルフを楽しんだりしたい人にぴったりです。ロングパイルは転んでもけがをしにくく、子どもがいる家庭に向いています。

人工芝は安価な「ポリプロピレン製」と、耐久性の高い「ポリエチレン製」があります。予算や耐久性によって選ぶのもひとつの方法です。

天然芝は芝生の種類で選ぶ

天然芝は人工芝ほど商品の種類は豊富にありません。天然芝は大きく分けると「西洋芝」と「日本芝」の2種類あります。耐寒性に優れた西洋芝では、ケンタッキーブルーグラス・フェスク・バミューダグラスが有名です。

日本は南北に広がっており、北海道や関東、九州などエリアによっても気候が異なるため、自分が住んでいるエリアの気候に合った品種を選びましょう。

北海道から東北北部では西洋芝のケンタッキーブルーグラスやフェスクが適しています。東北南部から本州の標高1,000m以上の場所では、西洋芝のほか、日本芝の野芝が比較的寒さに強くておすすめです。

関東以南のエリアには西洋芝のバミューダグラスのほか、日本芝の野芝・高麗芝・姫高麗芝が向いています。

人工芝シートの敷き方

人工芝シート

人工芝を業者に依頼する場合には、芝購入の費用だけでなく施工費用が掛かります。人工芝は初心者でも簡単に敷けるので、ぜひDIYをしてみましょう。ここでは人工芝の敷き方を手順ごとに解説します。

下地に防草対策をする

下地作りは芝生をきれいに仕上げるための大切な作業です。コンクリートの上に人工芝を敷く場合には、ほこりやゴミなどを除去するだけで下地は完成します。

庭の土に敷く際には、以下の手順で下地を作りましょう。

  1. 石と砂利を取り除く
  2. 雑草を根から抜く
  3. 足で土を平らに踏み固めて整地する
  4. 整地した土の上に、人工芝用の防草シートを敷く
  5. 防草シートのまわりを1m間隔で、ハンマーと固定ピンを使って固定する
  6. 余分なシートをカットする

防草シートは日光を遮断して雑草の発生を防ぐ役割があります。通常の防草シートでは、人工芝を敷いたときに破れてしまう可能性があるので、人工芝専用のものを選ぶようにしましょう。

人工芝シートを同じ向きに広げる

人工芝シートを広げる際のポイントは、パイルの向きをそろえる点です。パイルが同じ方向を向くことで、より自然な芝生が作れます。庭を眺める位置(家の窓など)にパイルが向くようにすると、色合いもきれいに見えておすすめです。シートを広げる手順は以下のとおりです。

  1. 防草シートの上に芝生シートを広げる
  2. 1の芝生シートとパイルの向きをそろえて、つなぎ目部分に養生テープを入れる
  3. 隙間ができないように並べて広げる
  4. 養生テープを取り除く

養生テープを使用すると、つなぎ目部分のパイルを巻き込まずにきれいに敷けます。

余った部分をカットして固定する

余った部分をカットして、固定をすれば完成です。作業は以下の手順で行いましょう。

  1. 芝生シート裏側にカットラインを引く
  2. カットラインに沿ってカッターを使って切り取る
  3. 敷き詰めた芝生シートのジョイントラインがまっすぐになっていることを確認する
  4. 人工芝用固定ピンで周囲を30~50cm間隔で固定する
  5. つなぎ目部分は人工芝用両面テープで人工芝と防草シートを貼り付けてから、両方の芝生シートが刺さるようにピンで固定する

排水溝や植木などの細かい部分をカットする場合には、少しずつ切り込みを入れていくと、きれいに仕上がります。ほうきやデッキブラシなどがあればブラッシングして芝を立たせ、完成です。

人工芝をきれいに保つためのポイント

人工芝

人工芝は水やりや施肥などの手入れは必要ありません。日頃の少しの手入れや使用方法に注意するだけで、より耐久性がアップします。ここでは人工芝をきれいに保つためのポイントを2点紹介しましょう。

日頃の手入れ

人工芝は日々の手入れが人工芝の耐久年数に大きく影響を与えます。定期的に掃除をしましょう。

屋外に敷いた場合には、落ち葉や土ぼこりなどがパイル間にたまっています。そのまま放置しているとクッション性が悪くなり、排水用穴が目詰まりを起こしてしまうので注意が必要です。

また芝生は寝転んだり踏み付けたりすることで、パイルが寝てしまいます。ほうきで掃けばゴミの除去と一緒にパイルを立たせる効果もあるため、定期的に行いましょう。

ジュースや食べ物の汚れは変色や着色汚れの原因になるので、すぐに水で洗い流します。小さなゴミは掃除機が便利です。

重いものを長時間置かない

芝生にプランターやガーデンチェアなどを置く場合は、長時間置いてはいけません。合成樹脂のパイルは寝た状態のまま長い間圧迫されてしまうと、戻らなくってしまうからです。

重いものは定期的に場所を移動させて、長時間パイルが寝た状態にならないように注意しましょう。また移動した際には、その部分のパイルをほうきなどで立たせておきます。

天然芝シートの張り方

芝張り

天然芝シートを張る前に、まずは日当たりの良い場所を確保しましょう。芝の種類にもよりますが、ほとんどの品種が1日でも最低5時間は日光に当てないと、上手に育ちません。

ここでは天然芝シートの張り方と注意点について解説します。

下地の整地

天然芝シートの下地を整地しましょう。天然芝は下地の水はけが悪いと、病気や害虫が発生しやすくなります。人工芝のときと同様に、きれいに仕上げるためには必要な作業です。

水はけが悪い土壌では、砂を使って排水性を高めましょう。下地の整地する手順は以下のとおりです。

  1. 土壌を深さ7cmほど掘る
  2. 堀った部分の土を平らにする
  3. 深さ4cmほどまで砂を入れる
  4. スコップなどで砂を平らにして、水をまく
  5. 培養土をかぶせる
  6. 足で踏み固めて整地する

培養土を入れることで、保水性が高まります。でこぼことした下地は、雨が降ると水たまりができやすくなるので、必ず平らに整地しましょう。

天然芝の張り方の種類

天然芝の張り方の種類は、以下の3種類です。

  • ベタ張り(平張り):天然芝シートを隙間なく張る方法。上列のシートと半分ずれるように下列を張っていく
  • 市松張り:天然芝シートの左右を、シート1枚分離して張る方法。上列の空いたスペースに芝生シートがくるように、下列も同様にスペースを離して張る
  • 目地張り:3~5cm隙間を離して、ベタ張りと同様にずらして配置する

ベタ張りは使用枚数が1番多くてコストはかかりますが、雑草除去の手間があまりかかりません。

市松張りは使用枚数が最も少なく、コストが抑えられます。ただし芝が成長して隙間が埋まるまで、雑草除去の手入れが必要です。

目地張りはベタ張りの約2/3の使用枚数で済みます。空いたスペースが狭いため、埋まるまでの時間もあまり掛かりません。

NGな張り方

芝生張りでは目地が十文字になる「十文字張り」はNGです。目地が十字になるように張ると、縦横それぞれの目地が一直線になります。雨水が目地に沿って流れやすくなると同時に、目土も一緒に流れてしまいます。

前述したようにレンガ状になるベタ張りや目地張りは、それぞれのシートの接面が大きくなるため、土中や土上の茎が成長するにつれて絡み合って、シートがはがれにくくなります。

十字張りでせっかく張った芝が無駄にならないように注意しましょう。

天然芝を張ったら目土と水やりを

天然芝を張ったら目土をしましょう。目土とは芝生の上にかぶせる土のことで、シート同士を接着させる役割があります。

目地と芝生シートの表面に土をかぶせて、ほうきでなじませるように広げましょう。最後に芝シートの上に板を置き、踏み固めれば終了です。

目土をしたら、たっぷりと水やりをします。根付くまでの期間、天然芝は成長に必要な水分や養分をまだ吸収できない状態です。水切れを起こさないように、こまめに水やりをしてあげましょう。

天然芝をきれいに保つためのポイント

芝生の上のホース

天然芝の芝生を維持するためには、日々の管理や手入れが重要です。しかし手間をかけた分、長期間きれいな芝生を楽しめる点も、天然芝の魅力のひとつでしょう。

ここでは天然芝をきれいに保つためのポイントを3点紹介します。

芝刈りで芝の長さを管理

天然芝には成長期と休眠期があります。成長期の春から夏にかけては、どんどんと葉が伸びるので、定期的な芝刈りが必要です。芝生の設置場所にもよりますが、草丈2〜3cmを目安に、成長期は1~4週間に1回は行いましょう。

芝刈り機には手動・電動があります。芝生の面積が広い場合には、定期的に自動で芝刈りができるものもおすすめです。狭い範囲の芝刈りならば、あまり大きな芝刈り機は必要ありません。

芝刈りの注意点は「成長点を切らないこと」です。成長点を切ってしまうと、芝の成長が止まってしまいます。長く伸びすぎた場合には、一度で短くするのではなく、数回に分けて少しずつ短くしていきましょう。

エアレーションで成長を促進

芝生の下の土壌に穴を開けて、土壌の通気性や排水性が改善する作業を「エアレーション」と呼びます。芝生の老化を防ぐための更新作業です。

一般的な芝生のエアレーションでは、穴を開けた土壌の中に新しい土壌として「砂」を入れます。

エアレーションは芝生の成長期に行いましょう。成長スピードや土壌の状態によっても頻度は異なります。目安は1年に1~2回です。

マイナスドライバーもしくは専用の穴開け器を使って穴を開けます。土を抜き取ってから新しい砂を入れると、より高い更新効果が得られるのでおすすめです。作業後は根が乾燥しないようにすぐに目土をしましょう。

雑草を駆除する

防草シートを敷いても、残念ながら雑草は生えてきます。休眠期の施肥を控え、芝生が密になるように育てれば、ある程度雑草が生えにくくなります。また夏芝と冬芝を育てることで、1年を通して密な芝生を維持する方法も有効です。

雑草をそのまま放置すると芝生の成長を阻害します。種子を飛ばして繁殖を拡大させるため、見つけ次第に手作業で根から抜き取ることが必要です。

万が一手作業では追いつかないほどに雑草が繁殖してしまったら、除草剤の使用がおすすめです。

芝生用の除草剤は、芝を枯らさずに雑草のみ枯死するので安心して使えます。ただしすべての雑草を除去できるわけではありません。事前に生えている雑草の品種を調べてから、効果のある除草剤を選びます。

芝生シートを使ってすてきな緑の庭にしよう

芝生

芝生シートを使えば、初心者でも簡単にすてきな緑の庭が作れます。人工芝は天然芝と比べて、面倒な手入れの必要がありません。ただし定期的な掃除や重いものを長時間置かないなどの管理をすることで、より長持ちします。

天然芝は人工芝よりも安価に購入でき、しっかりと管理すれば人工芝よりも長く使用可能です。ただし芝刈りや施肥など、維持コストがかかります。

それぞれの芝生シートの特徴を理解したうえで購入して、すてきな芝生の庭を楽しみましょう。

関連記事:芝生の上手な張り方!適した時期から張り方の種類、手入れ方法も紹介|ミツモア

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