姫高麗芝とほかの芝の違いをご存じですか?芝には日本芝や西洋芝などの種類があり、姫高麗芝はその中でも特に美しい日本芝です。
美しさを保つためにはこまめな手入れが不可欠で、植え付けや整地も大切です。姫高麗芝の特徴と基本的な手入れ方法を紹介します。
芝生には種類がある
芝生と一口に言ってもいくつかの種類に分かれています。その芝がいつ日本に来たのかによって分かれ、またどの気温で育ちやすいかによっても分類されます。
姫高麗芝がどの種類に属しているのかも含め、それぞれの芝について紹介しましょう。
日本芝と西洋芝
芝の中で、元々国内にあったものを「日本芝」、あとから国内に入ってきたものを「西洋芝」と呼びます。それぞれの特徴として、気候への耐性が挙げられます。日本芝は暑さに強く、西洋芝は寒さに強いのが特徴です。
また、日本芝は冬になると枯れてしまいますが、西洋芝は季節を問わず緑の芝をキープできます。ただし、西洋芝は生育が早く、日本芝に比べて管理にも手間がかかるでしょう。
姫高麗芝はこの二つのうち、日本芝にカテゴライズされます。日本芝にはほかにも「野芝」「高麗芝」などがあります。
西洋芝の主な種類は、「ベントグラス」「ブルーグラス」「フェスク」などです。
暖地型と寒地型
芝は暖地型と寒地型にも分けられます。暖地型は暑さに耐性があり、寒地型は寒さに耐性を持っているのが特徴です。日本芝は暑さに強いので暖地型に属しますが、西洋芝はすべてが寒地型というわけではなく、両方のタイプが存在します。
暖地型は寒さに弱いので、北海道や東北などの寒い地域にはあまり適さない芝です。寒地型は気温が低くても枯れることはありませんが、気温が高すぎると枯れてしまいます。
姫高麗芝とはどんな芝?
日本芝と西洋芝、暖地型と寒地型の違いを理解できたら、いよいよ本題の姫高麗芝について知りましょう。
暖地型の日本芝である姫高麗芝は、どのような特徴を持っていて、名前の似た高麗芝との違いはどこにあるのかを説明します。
柔らかく密度の高い芝生を作れる
姫高麗芝は葉っぱが美しく、ほかの種類よりも柔らかい点が特徴です。また、芝が非常にきめ細かいので、観賞用やゴルフ場などに向いている性質があります。
また、病害虫に対してはあまり強くありません。湿度の管理に注意し、病害虫がつきにくい環境を整えることが重要です。特に水はけの悪さは悪影響を及ぼすので、注意しましょう。
生長が早く冬は茶色く枯れる
暖地型の芝なので、気温が高くても枯れにくい性質を持ちます。さらに姫高麗芝は、日陰でも枯れにくいため、場所選びの難易度は低めです。
ただしどんな環境でも枯れないわけではなく、気温が下がり10℃以下になると茶色に変色し、枯れてしまう恐れがあります。
高麗芝との違い
姫高麗芝と高麗芝は、名前が似ていますが別の種類です。最初に高麗芝が生まれ、品種改良によって姫高麗芝ができました。
二つの芝の違いは芝の硬さにあります。姫高麗芝は柔らかく、高麗芝は硬めの芝で、触ると針に似た感触があるのが特徴です。
そのほかの特徴としては、育つスピードなどが挙げられます。姫高麗芝は高麗芝よりも生長が早いので、より定期的な手入れが必要です。
基本のお手入れ方法
高麗芝は手入れの面では楽な方ですが、姫高麗芝はその逆で、手入れをまめに行う必要があります。
特に、いつ水を与えるのかや、雑草が生えてきたときどうするかなど、気をつけたいポイントが多いです。それらを一つ一つ解説していきます。
水やりの頻度や時間帯に注意
どのくらいのペースで水を与えるのがベストかという問題ですが、姫高麗芝に水を与えるときは、季節によって頻度が変わります。夏であれば毎日水やりした方がよいですが、春や秋は2~3日に1度のペースで大丈夫です。冬は基本的に水やりの必要がありません。
水やりのコツは、表面に撒くのではなく、土までじんわり染みこませるイメージで与えることです。表面に撒くだけでは、水が吸収されず流れてしまいます。
また、時間帯にも気を配りましょう。日が沈んでから水やりを行うと、芝が濡れている時間が長くなり、病害の危険が高まります。理想は、朝の8時頃までに行うことです。
こまめな芝刈りで美しい状態を保とう
芝生は定期的に芝刈りを行わないと、葉が伸びすぎてしまいます。そうなると根元の方に日が当たりにくくなり、生育不良を招く恐れが出てきます。また、見た目も悪く、美しい状態をキープするためにも芝刈りは必要です。
姫高麗芝は特に、芝刈りをこまめに行う必要があります。理由はほかの芝よりも育つスピードが早く、怠けているとみっともなく伸びてしまうためです。
芝刈りのタイミングは季節ごとに異なりますが、夏は特に育ちやすいシーズンです。週に1度くらいのペースを意識しましょう。芝生を刈るときは、根元に近い部分を刈りすぎないよう注意してください。
雑草の除去や施肥も忘れずに
芝生に雑草が生えてきた場合、繁殖させないために除去する必要があります。薬剤を使う方法と手で雑草を抜く方法があり、小さい子供などがいる家庭は手で抜く方がより安全です。
薬剤を使う場合は、芝生を張った次の年からが望ましいでしょう。薬剤が芝生の生育に影響を及ぼすのを避けるためです。
芝刈り機で雑草を除去するのは控えましょう。雑草は芝生と比べて硬いため、芝刈り機の刃を傷める恐れがあります。
施肥については、月に1度くらいのペースで与えます。液体のものより化成肥料がおすすめです。窒素やリン酸、カリが混ざったものを使うとよいでしょう。
ただし、真夏は肥料焼けを防ぐため、肥料ではなく活力剤(肥料よりも成分が薄いもの)が好ましいです。
姫高麗芝を庭に敷いてみよう
実際に姫高麗芝を敷くときは、ただ漠然と敷くのではなく、整地と呼ばれる下準備が必要です。また、並べ方にもコツがあります。目土の必要性の話と併せて、それらを説明していきます。
まずは整地をする
芝生を庭に並べる前に、土を平らにならす「整地」を行いましょう。庭の土に起伏があると、雨が降ったときなどに水たまりができてしまう恐れがあるのです。
道具はレーキ(T字型のならし道具)を用いると、ならしやすくなります。このとき、石を取り除いておくのを忘れないようにしましょう。
春に芝を敷く場合、庭の手入れが少ない冬の間に整地をしておくと、春になったときにスムーズに作業が行えるのでおすすめです。
芝生を並べる
姫高麗芝は暖地型の芝なので、種を撒くよりも、育った状態の芝をタイル状に並べていくやり方がおすすめです。庭が広くても手軽に並べられるというメリットもあります。
暖地型の芝を並べるときは、「目地張り」「平張り」「市松張り」などの張り方があり、一般的なのは一定間隔を空けて並べる「目地張り」です。
3cmほど空けて並べるのがおすすめですが、このとき左右の列と切れ目をそろえて十字に並べるのは避けましょう。雨が降ったときに、土が流れてしまいます。レンガを積むときのような間隔の空け方が理想です。
平張りは間隔を空けず、びっしりと地面を埋める張り方です。張る枚数が増えるためコストはかかりますが、目地張りよりも雑草が生えにくいメリットがあります。
必要に応じて目土をする
芝生の隙間に砂や土を入れることを目土(めつち)と呼びます。目土を行うことで、芝は芽や根の生長が促されます。また、苗の乾燥も防いでくれるでしょう。姫高麗芝も芝の密度が足りていないと感じた場合は、目土をするタイミングかもしれません。
散布機を使うと、目土は効率よく行えます。目土の塩梅ですが、葉っぱの先端まで埋めてしまわないように砂や土を入れましょう。
目土以外にも、定期的な管理をすることで芝生はよい状態が長持ちします。雨の降らない日が続くようなら水をしっかり与える、雑草を抜く際、敷いた芝生がずれないようにするなど気を配ります。芝がしっかり根付くまでの養生期間は、なるべく踏まないように心がけましょう。
姫高麗芝についての疑問あれこれ
姫高麗芝の手入れをする際の基本は説明した通りですが、植え付け時期や種のこと、日当たりとの関係など、気になる点がまだ残っています。それらの疑問を一つ一つ見ていきましょう。
日陰でも育てられる?
芝の種類によって、日陰でも育てられるかどうかは変わります。姫高麗芝の場合、日陰には強い方なので、1日のうち5~6時間ほど日が当たれば枯れることはないでしょう。
日陰になる時間帯が多いときは、風通しをよくすることで環境がよくなります。風通しがよいと二酸化炭素を吸収しやすくなり、光合成が行いやすくなるためです。逆に日陰ばかりの場所で風通しも悪いと、病害に遭いやすくなるので注意しましょう。
最適な植え付け時期は?
芝を張る際、時期を選ぶことも大切です。姫高麗芝を植え付けるなら、寒さのピークを越えてからにしましょう。具体的には3~6月、または初秋あたりです。その中でも特に、4月・5月がおすすめです。
姫高麗芝は15℃以上で育ち始めます。特に25~35℃が育ちやすいといわれているので、季節にすると4月や5月が適しています。反対に真夏や真冬は避けた方がよいでしょう。
種は販売されている?値段は?
姫高麗芝自体は種を作りますが、発芽率が低いという特徴があります。そのため販売はされておらず、市場にはまず出回っていません。種が販売されているのは日本芝なら野芝、あとは西洋芝の何種類かです。
姫高麗芝を育てたい場合は、種ではなく切り芝を購入する方法を取ります。9~10枚ワンセットで販売されているパターンが多く、価格は安価なものであればワンセット500円ほどで購入できます。ホームセンターのほか、オンラインショップでも購入可能なため、サイズを比較して自分の庭に合った切り芝を選びましょう。
美しい姫高麗芝で緑の庭を目指そう
姫高麗芝は、生長が早くまめな手入れが必要です。水やりや整地のほか、雑草の除去や施肥など、やることも多くあります。しかしその分、美しい緑で庭を彩ってくれる芝です。
ほかの芝生との違いや基本的な手入れ方法を覚え、姫高麗芝を敷いてみてはいかがでしょうか。
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