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高麗芝で憧れの芝生のある庭を実現!手入れ方法や植え方など徹底解説

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最終更新日: 2024年03月27日

日本芝の一種である高麗芝は、日本の気候に適した最もポピュラーな芝生のひとつ。丈夫で育てやすいのが特徴で、全国のゴルフ場や庭で多くの人気を集めている芝生の品種です。

  • 憧れの芝生のある庭を実現したい
  • 手軽に手入れできる天然芝を探している
  • どちらかと言うと丈夫な芝生が好き

そんな方には高麗芝が断然おすすめです。この記事では高麗芝の特徴や育て方、手入れの方法を徹底解説。高麗芝を育てて、憧れの芝生に囲まれたガーデンニングライフを送ってみませんか?

高麗芝の特徴

高麗芝のゴルフ場

家庭の庭やゴルフ場でよく使われている、高麗芝の特徴を紹介します。景観を保ちやすいことや育てやすいことが、高麗芝の大きなメリットです。

高麗芝とは

植物名 高麗芝
科名 / 属名 イネ科 / シバ属
原産地 日本、台湾、中国
生育温度 25℃~35℃
特徴 耐暑性、耐陰性、耐乾性

芝の種類は日本芝と西洋芝の2つに大きく分けられます。日本芝を代表する芝の種類が高麗芝です。一般家庭の庭や公園・ゴルフ場などによく使われています。

高麗芝には次のような特徴があります。

  • 葉の密度が高く、きれいな芝生に仕上がる
  • 日本の高温多湿の環境に適している
  • 耐乾性があるため水切れを起こしにくい
  • 野芝に比べて葉が細い
  • 耐寒性は弱い

耐暑性に優れた高麗芝は、日本の夏の気候に適した芝です。乾燥に強く、水切れを起こしにくいため、管理がしやすいメリットがあります。

また野芝に比べ葉が比較的細い特徴を持ち、春から成長し始めてきれいな緑色を長期間キープできることから、景観を整えやすいことも特徴です。

ただし寒くなりすぎると枯れてしまう可能性があるため、東北以南での使用が望ましいとされています。北海道で一般的に使われている芝の種類は、冷涼な気候に向く西洋芝です。

高麗芝は育てやすい

日本芝の代表格である高麗芝は草丈の伸びが遅いことから、西洋芝に比べると管理にそれほど手間がかかりません。乾燥や病気にも強いため、育てやすいことがメリットです。

一方で西洋芝は比較的成長が早いため、頻繁に刈り込みを行わなければならず、管理に手間がかかることがデメリットです。

また秋になり成長が遅くなれば、手入れの手間も軽減されます。休眠期に入って成長が止まる冬季には、手入れする必要がほとんどないことも特徴です。

高麗芝は地上近くを横に伸びる「ほふく茎」と呼ばれる茎を持つ植物で、横に広がりやすい特性を持っています。定期的にメンテナンスすれば、きれいな状態を保てるでしょう。

ゴルフコースで採用される代表的な芝

高麗芝は多くのゴルフ場で採用されている芝で、ゴルフコースに向いたさまざまな特性を備えています。

  • 葉が硬くて丈夫
  • 芝の角度がしっかりと上を向く
  • メンテナンス性が高い

葉が硬くて丈夫なことから人に踏まれても傷みにくく、頻繁に補植する必要がありません。フェアウェイやグリーンの芝に使われ、ゴルフ場によってはラフにも敷かれています。

また芝の角度がしっかりと上を向いて成長することもメリットです。ゴルフボールを置いたときに、ボールが芝にしっかりと支えられ、地面から浮いた打ちやすい状態にできます。

さらにメンテナンス性が高いため、管理に手間がかからないことも、ゴルフ場にとっては大きなメリットといえるでしょう。

高麗芝の種と価格

高麗芝に腰をおろしパソコンを操作する男性

高麗芝は発芽率が低いため種は販売されていません。そのため、植えたい場合は切り芝を購入して植え込みます。切り芝の価格相場をチェックしておきましょう。

種は売られていない

高麗芝は発芽率が低く、種から育てるのには向かないことから、種は売られていません。つまり、高麗芝を植える場合は切り芝を育てることを指します。

仮に高麗芝を種まきで育てようとしても、発芽率が低いために、販売されている切り芝のような状態にまで育てるのは相当な手間がかかります。

そのため高麗芝を植えたい際には、切り芝を購入するようにしましょう。あらかじめ高麗芝がシート状になっているマットタイプのものが、芝張りしやすくておすすめです。

切り芝の価格相場

切り芝1束の価格相場は約500~1,500円が目安です。ネット通販で購入する場合は、別途配送料がかかることもあるでしょう。

また芝生は1束単位で価格を設定するのが一般的です。ホームセンターやインターネット販売では1束9~10枚で販売されています。

一般的に販売されている切り芝の規格は、1枚が約37cm×約30cmです。縦と横に3枚ずつ、計9枚並べれば、面積は約1平方mになります。

もし多くの切り芝を植えたい場合は、10枚を1束にして売られているものを購入する方がお得です。価格は地域などにより差があるため、実際に購入するときはきちんと比較しましょう。

高麗芝と姫高麗芝の違い

高麗芝

高麗芝は日本芝の代表的な品種のひとつですが、品種改良された「姫高麗芝」も存在します。高麗芝と姫高麗芝の違いを比較し、自身の庭にぴったりの芝生がどちらなのか検討してみてはいかがでしょうか。

それぞれの特徴を比較

高麗芝と姫高麗芝の特徴を比較してみました。

共通点
  • 高温多湿に強い
  • 耐寒性は低い
  • 冬に休眠期に入る
高麗芝
  • 葉が丈夫で、踏みつけに強い
  • 病害虫に強い
  • 成長がゆっくりで手入れの頻度が少ない
姫高麗芝
  • 葉が柔らかく、踏みつけに弱い
  • 葉幅が細い
  • 葉色が鮮やかで密集性が高い
  • 成長が早く、こまめな手入れが必要

高麗芝の葉が丈夫で踏まれても枯れづらいのに対し、姫高麗芝は葉が柔らかく、踏まれるのには弱い傾向にあります。また葉幅も姫高麗芝のほうが細いのが特徴です。

丈夫さは高麗芝に軍配が上がりますが、姫高麗芝はその繊細さから生まれる柔らかな質感が魅力のひとつです。

おすすめの芝生はどっち?

高麗芝と姫高麗芝の特徴をふまえて、おすすめのシチュエーションをまとめました。

芝生の種類 こんな方におすすめ
高麗芝
  • 芝生の上を頻繁に行き来する方
  • 手入れの頻度を抑えたい方
姫高麗芝
  • 景観用として芝生を楽しみたい方
  • ふんわりと密な芝生を植えたい方

高麗芝は丈夫なため、芝生の上を頻繁に行き来するような方におすすめです。また手入れの頻度も姫高麗芝と比較して少ないため、芝生を初めて植える方でも安心して植えられます。

一方で姫高麗芝は、主に景観用として芝生を楽しみたい方におすすめです。こまめな芝刈りなど手入れの手間はかかってしまいますが、ふんわりとした芝生が生み出す景観は庭にさらなる彩りを与えてくれるでしょう。

次の記事では姫高麗芝について詳しく解説しています。「姫高麗芝を植えたい!」という方は是非参考にしてみてくださいね。

関連記事:姫高麗芝ってどんな芝?高麗芝との違いや基本の手入れ方法も解説|ミツモア

高麗芝の植え方

高麗芝

高麗芝を失敗なく育てるためには、次の2つのポイントを意識した植え込みが大切です。

  • 成長期の春に植え込む
  • 日当たりの良いところに植え込む

適切な植え込み時期や植え方を抑えれば、きれいな高麗芝を育てることにつながります。

芝張りの時期は4月下旬~6月上旬

発芽した高麗芝が成長し始める時期は晩春~初夏です。4月下旬から6月上旬が高麗芝を植える適期といえるでしょう。

梅雨入りの直前期に植えると、水はけが悪い場所では土の中に水がたまりやすくなり、芝が根付きにくくなってしまいます。

また芝が最も成長する夏季は乾燥しやすく、水分管理に手間がかかりやすいため、植え付け時期には向きません。成長が弱まる秋の植え付けも、十分な養分をため込められないことから、耐寒性が下がります。

高麗芝の植付適期である春は、切り芝の売り切れに注意が必要です。旬を過ぎると病気になったり枯れたりしやすいため、手に入らず適期を過ぎた場合は、翌年の春まで待ちましょう。

植え付け場所で意識するべき3つのポイント

高麗芝の健康的な育成に必要なポイントは次の3点です。

  • 日当たりのよさ
  • 風通しのよさ
  • 水はけのよさ

日当たりや水はけが悪い場所では、葉や茎の成長が鈍くなったり、枯れやすくなったりします。

植える場所が決まっていないならできるだけ日当たりの良いところを選び、場所が決まっている場合は日当たりを確保できるように環境を整えましょう。

また水はけが悪い場所では、土中が過湿状態にならないような工夫が必要です。盛り土や暗きょなど、植える場所で簡易工事を行い、できるだけ水がたまらないようにしましょう。

植え付け方法は2種類

高麗芝を植える主な方法には次の2種類があります。

ベタ張り 切り芝を隙間なく敷き詰める方法
目地張り 切り芝の間に隙間を作り、並べていく方法

ベタ張りは植えたい場所の全面に切り芝を隙間なく敷き詰める方法です。切り芝を並べるだけですぐに芝生を楽しめますが、多くの切り芝を必要とするためコストがかかります。

一方、切り芝の間に3~5cm程度の隙間を作り、全体の約8割に切り芝を並べる方法が目地張りです。隙間には目土を入れる必要があり、芝が成長すると目土からも芝が出てきます。時間や手間はかかりますが、ベタ張りと比べてコストを抑えられることがメリットです。

どちらの方法でも、切り芝を並べるときは、目地をずらしながらタイル状に並べるのがポイントです。

次の記事では芝生の植え方を詳しく解説しています。芝張りを実施する際の参考にしてみてくださいね。

関連記事:芝生の植え方は下地が大事!必要な道具から転着方法まで解説|ミツモア

高麗芝の水やりをする時期と方法

庭園のスプリンクラー

高麗芝の水やりは季節によって調節を行うことが大切です。芝生の成長スピードに合わせた水やりを意識して、高麗芝の健康的な成長をサポートしましょう。

水やりは季節によって調節を

高麗芝の水やりは、季節によって適した頻度が異なります。

例えば、芝が成長し始める春や成長のスピードが遅くなる秋の水やりは、2~4日に1回が目安です。天候や芝の様子を見ながら調節しましょう。

また夏場は毎日水やりするのがおすすめです。猛暑日が続く時期など、すぐに乾燥してしまうような時期には、朝晩水やりを行うようにしましょう。

なお冬季は休眠状態になるため、水やりは必要ありません。

水やりの方法

高麗芝の水やりは芝の表面だけを湿らせるのではなく、土中に水がしっかりと染み込むまで水をかけ続けるのがポイントです。

狭い範囲の芝生に水やりする場合は、ホースに散水ノズルを付けて水やりすれば、手間もかかりにくいでしょう。

手作業なら芝生全体にまんべんなく水やりできるため、水がかかっていない場所ができにくいメリットもあります。

広範囲の水やりには家庭用スプリンクラーもおすすめ

30平方m以上あるような広い場所で水やりするケースでは、家庭用スプリンクラーを使うのがおすすめです。大幅な手間の軽減や時間の短縮につながります。

家庭用スプリンクラーにはさまざまな種類があり、中にはタイマー機能が付いている商品もあります。取り付け方法や散水タイプなども確認し、状況に合った商品を選びましょう。

関連記事:芝生の正しい水やり方法を紹介!時期や正しい量、注意点についても|ミツモア

高麗芝の肥料をまく時期と注意点

高麗芝

高麗芝を元気な状態に保つためには、適切な肥料やりが重要です。適した時期や散布方法を抑えて、芝生の成長を促しましょう。

肥料をやる時期は春から秋

高麗芝の施肥は、成長期の春~秋にかけて定期的に実施することが大切です。

具体的なタイミングとしては、3月から1カ月おきに11月まで肥料をまくサイクルがおすすめです。ただし、夏季は肥料焼けを起こしやすいため、量を少なめにする必要があります。

高麗芝にまく肥料の種類は、植物の成長に重要な養分である窒素・リン酸・カリが均等に配合されているものを選びましょう。

関連記事:芝生の肥料のおすすめ商品9選!時期や選び方・撒き方のコツも紹介|ミツモア

肥料散布器の使用がおすすめ

高麗芝に肥料をまくときは、肥料散布器を使うのがおすすめです。肥料まきにかかる労力を大幅に軽減できる上、均一に肥料をまけます。

肥料の種類は、粉剤や粒剤など、肥料自体の形状によりさまざまなタイプがあります。肥料散布器を選ぶ際は、肥料の種類に合ったものを選ぶことが大事です。

また肥料散布器自体にも、手で持つハンディタイプや押しながらまけるロータリータイプなどの種類があります。使用する場所の広さや環境に合わせて、使いやすいタイプを探してみてくださいね。

肥料をまく際の注意点

高麗芝に肥料をまく際の注意点は以下のとおりです。

  • 正しい散布量を守る
  • 気温が高い日はできるだけ避ける
  • 液状タイプの場合は雨の日を避ける
  • 固形タイプの場合はまいた後に水やりをする
  • 芝生が弱っているときは肥料をまかない

肥料の効力・使う時期・適切な散布量は、肥料の種類によりさまざまです。肥料の袋に書いてある説明をよく読み、正しい使用方法でまくようにしましょう。

また天候や気温にも注意が必要です。気温が高いときに肥料をまくと肥料焼けを起こしやすくなります。液状タイプの肥料は水に流れやすいため、雨の日にはまかないようにしましょう。

さらに肥料焼けを防ぐためにも、固形肥料の場合はまいた後の水やりが必須です。雨が降る前に固形肥料をまけば、肥料が土に浸透しやすくなります。

ただし芝生が弱っているときに肥料をまくと、芝生を傷める可能性があります。芝生の様子を確認し、元気がないようなら肥料はまかないようにしましょう。

芝刈りで高麗芝を手入れする方法

芝刈り機で芝生を刈る様子

高麗芝を良好な状態に保ち続けるためには、定期的な芝刈りが欠かせません。芝刈りを行えば芝生の下まで日光が行き届くようになり、芝生の密度を向上させることにもつながります。

芝生は定期的な芝刈りが必要

高麗芝は定期的な草刈りが必要不可欠です。芝生が長く伸びてしまうと下の方まで太陽の光が当たらなくなり、芝生自体が弱りやすくなってしまいます。

また芝が長すぎると、芝刈りにも悪い影響を与えます。高刈りになってしまうため、表面をきれいにそろえにくくなるでしょう。

定期的な芝刈りを行えば芝の密度が増し、よりきれいな状態を保てるようになります。芝の手入れの中でも、芝刈りは最も重要な作業です。

芝刈りを行う時期

高麗芝は春から秋にかけて成長するため、5月ごろから10月ごろにかけて定期的に芝刈りを行う必要があります。

芝刈りの頻度は、維持したい芝の長さにより変わります。20mmなら週に1~2回、30mmなら月に3~4回の頻度になるでしょう。維持する芝の長さが短いほど、芝刈りの回数も多くなります。

また芝刈りで芝の上方向への成長を抑え続けていると、芝は横に数を増やそうとします。これにより密度が高くなるため、じゅうたんのようなきれいな見た目にしやすくなるのです。

芝刈り時は軸刈りに注意を

植物には、活発な細胞分裂が行われる「生長点」と呼ばれる部分があります。生長点を切ってしまうと植物の生育が弱まるため、枯れてしまうこともあるでしょう。

芝の生長点は、葉と茎の境目付近にあります。緑と茶色で色が分かれている部分です。生長点より下で刈ることを「軸刈り」といい、芝刈りでは軸刈りしないように注意する必要があります。

1度伸びてしまった芝は生長点が上がってくるので、軸刈りしないように再び短くするのは困難です。

生長点を低い位置に抑えるためにも、定期的な芝刈りが大切です。加えて、肥料ムラにより一部分が長く伸びないようにすることも意識しましょう。

関連記事:芝刈り機のおすすめ商品10選!種類と選び方のポイントを紹介|ミツモア

サッチングで高麗芝を手入れする方法

サッチング

高麗芝の下部にサッチがたまってくると、さまざまな悪影響を及ぼします。サッチングの方法や注意点を押さえて、トラブルを未然に防ぎましょう。

サッチングとは

芝刈り後に落ちた葉や枯れ葉などが、芝生の下にたまってできた層を「サッチ」といいます。サッチを取り除く作業が「サッチング」です。

サッチをそのままにしておくと、次のような悪影響を芝生に及ぼします。

  • 病害虫や藻、コケが発生しやすくなる
  • 日光を遮るため生育に支障を及ぼす
  • 肥料が効きにくくなる
  • 芝生の景観を損なう

サッチを放置すると、芝生に病害虫・藻・コケが発生しやすくなります。また太陽の光をさえぎるため生育に悪影響を及ぼすことや、肥料が効きにくくなることもデメリットです。サッチは茶色っぽいことから、見た目も悪くなるでしょう。

このように、サッチは芝生にさまざまな悪影響を及ぼします。特にサッチがたまりやすい芝刈り後は、サッチングできちんと手入れすることが大事です。

サッチングを行う3つの方法

サッチングを行うには、次の3つの方法があります。

  • 手作業で道具を使う方法
  • 薬剤を使う方法
  • 専用の機械を使う方法

道具を使う方法ではレーキや熊手を使用し、手作業でサッチを芝生からかき出します。力を入れすぎると芝生を傷めてしまいやすく、注意が必要です。

また薬剤を使えば、まくだけでサッチを分解してくれるため、時間や手間を削減できるでしょう。サッチの分解に特化した薬剤が販売されています。

さらに機械を使う方法も効果的です。サッチングマシンと呼ばれる専用機械を使うことで、より簡単にサッチングできます。費用はかかりますが、近年は軽量で使いやすいタイプも増えています。

次の記事ではそれぞれのサッチングの方法をまとめています。あわせて参考にしてみてください。

関連記事:芝生のサッチングってどうやるの?必要な道具や手段について紹介|ミツモア

サッチングの注意点

頻繁にサッチングを行うと、芝生や土壌を傷付けやすくなり、生育に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため基本的に、年1回行っておけば十分です。

サッチングを行う時期は、春前から夏前が適しています。芝が成長する前にサッチングを行っておけば、サッチングにより芝がダメージを受けても、早く回復するでしょう。また冬場に発生した枯れ葉が春にたまりやすいことからも、この時期の実施がおすすめです。

どうしてもサッチが気になる場合は、軽めのサッチングを意識して行い、後は目土を入れて保護するとよいでしょう。

エアレーションで高麗芝を手入れする方法

高麗芝

高麗芝のメンテナンスでは、定期的なエアレーションの実施も大切です。エアレーションを行えば、地中の根まで新鮮な空気や水が届きやすくなります。

エアレーションとは

芝生のエアレーションとは、地表に穴を開けて、地中への水や空気の通りを良くすることです。

植物がしっかりと生育するには、新鮮な水や空気を根に送ってあげることが重要です。一般的な畑では、定期的に土壌を耕して水や空気を送れますが、芝生は1度植えたら耕せません。

そこで、地表に穴を開けてエアレーションを行い、芝生の根に新鮮な水や空気が届きやすい環境をつくります。

芝生を良い状態に保ち続けるためには、定期的なメンテナンスとしてエアレーションを施すことが重要です。

エアレーションを行う時期

高麗芝のエアレーションを行うのに適した時期は春と秋です。冬は芝の成長が止まっているため、エアレーションを行っても効果がありません。関東周辺の場合、3月中頃~6月と、9月が適期です。

また夏場に地面へ穴を開けると、穴から空気が入り込んで根が乾燥しやすくなり、芝に深刻なダメージを与えてしまう恐れがあります。

一般的に、エアレーションの頻度は、春に2回と秋に1回行うのがよいとされています。少なくとも、生育が活発化する前の春に年1回は行っておきましょう。

エアレーションの方法

エアレーションの方法は下記の通りです。
  1. 芝刈りを行う
  2. 穴開け器を使って穴を開ける
  3. 抜いた土を集める
  4. 目土をまく
  5. 目砂をすり込む
  6. たっぷりと水やりをする

最初に芝刈りを行い、穴を開けやすくしておきます。軽くサッチングをしておくのもおすすめです。

穴を開けるときは穴開け器を使うのが一般的です。間隔が狭いほど、また穴が深いほど、エアレーションの効果は高まります。

穴の間隔は5~7cmを目安にし、狭くしたい場合は穴が重ならないように注意しましょう。深さは約10cmが目安ですが、15cmほどの深さで開けられれば、より効果が高まります。

穴を開け終わったら、抜いた土をトンボやほうきなどで集めましょう。根の乾燥を防ぐために目土をまき、すり込みブラシを使って目砂を穴にすり込みます。

最後に目砂が地中へと埋まりやすいように、たっぷりと水やりをすれば完了です。

高麗芝につく害虫と対策

枯れた高麗芝

高麗芝が害虫に食い荒らされると、広範囲にわたって枯れてしまう恐れもあります。早期に発見し、適切に処理することが大切です。

高麗芝を食い荒らす害虫たち

高麗芝に発生する害虫には、次のような種類があります。

  • スジキリヨトウ
  • シバツトガ
  • タマナヤガ
  • コガネムシ

スジキリヨトウとシバツトガは、年に3~5回発生し、冬以外の時期に被害を及ぼす害虫です。どちらも幼虫期に食害をもたらします。

またタマナヤガはネキリムシとも呼ばれる害虫です。幼虫期に早春から晩秋にかけて被害を及ぼします。

ドウガネブイブイなどのコガネムシ類は、幼虫期に芝生の根にダメージを与え、夏季に乾燥害をもたらします。

なお、ナメクジやアリも芝生に発生しやすい生き物ですが、芝生に直接的な害は与えません。ただし、不快害虫として嫌われる傾向にあるため、場合によっては対策が必要です。

害虫被害は早期発見が大事

高麗芝に発生した害虫を放置しておくと大量に繁殖し、広範囲にダメージを及ぼす恐れがあります。早期発見を心がけ、次のようなサインが現れた際には注意しましょう。

  • 水や肥料を与えているのにまだらに枯れている
  • 地面にいつの間にか穴が空いている
  • 芝生を引っ張ると簡単に抜ける
  • 芝生周辺に頻繁に鳥が来る

水や肥料をまんべんなく与えているにもかかわらず、まだらに枯れている状態なら、食害を受けている可能性があります。

また地面に穴が開いている場合は、コガネムシが卵を産み付けていないか確認しましょう。芝生に違和感がある場所は、引っ張って簡単に抜けるようなら、害虫から食害を受けている可能性が高いです。

他にも頻繁に鳥が来るようになっているケースでは、エサとしての害虫を目当てに来ている可能性があります。芝生をカッターで切り、卵や幼虫がいないか剥がして確認するのもひとつの方法です。

害虫の対処方法

高麗芝に発生した害虫の対処方法には次のような方法があります。

  • 農薬を使用する
  • エアレーションを施して土壌を改善する
  • 苦土の入った肥料を使用する
  • 忌避剤を使用する
  • 照明をLED電球に変える

農薬を散布しても問題ない環境であれば、害虫駆除に農薬を使うのがおすすめです。地中にいる幼虫も、地表に出てくれば農薬で死滅させられるでしょう。

農薬を使いたくない場合は、エアレーションなどを施し、土壌改善に努める必要があります。健康な芝生には害虫がわきにくいため、土壌促進剤などを投入するのもおすすめです。

また芝生をより元気にするためには、光合成の促進も有効です。苦土などを肥料として使えば、光合成の効果が高められる可能性があります。

他にも、害虫が嫌がる忌避剤を使用したり、照明を害虫が集まりにくくなるLED電球に変えたりするなど、さまざまな方法を試してみましょう。

高麗芝がかかる病気と対策

高麗芝

栄養が偏ったり環境が悪くなったりすると、高麗芝が病気にかかる可能性があります。主な病気の種類と、対処法・予防法を覚えておきましょう。

高麗芝がかかる病気の種類

高麗芝がかかる病気の種類は次の通りです。

  • さび病
  • 赤焼病
  • 雪腐病

初夏と秋にかかりやすい病気が「さび病」です。感染する芝生の種類により、病菌の種類も異なります。放置しておくと枯死してしまうこともあるでしょう。

また高温多湿の環境で発生しやすい病気が「赤焼病(あかやけびょう)」です。梅雨明けから9月上旬ごろに発生しやすく、1度かかると1~2日で芝生が全滅してしまう恐れがあります。

さらに雪が積もる環境では「雪腐病(ゆきぐされびょう)」にも注意が必要です。この病気にかかると、葉や茎が腐ったような状態になります。近年は積雪がない地域でも発生が確認されています。

病気の対処方法

赤焼病と雪腐病は、高麗芝がかかる病気の中でも症状が深刻です。これらの発生原因である「ピシウム菌」の増殖を防ぐことで、被害の拡大を防げます。

ピシウム病害などに効果を発揮する殺菌剤が、一般家庭用にも販売されています。菌を死滅させたり繁殖を防いだりできるため、使用することで一定の効果を得られるでしょう。

ただし菌が薬剤に慣れてくると、同じ薬剤では効かなくなることもあります。そのため、効果が異なる複数の薬剤を使い分けることも重要です。

病気の予防方法

芝生も人間と同様、健康であるほど病気にかかりにくくなります。高麗芝の病気を予防する最も効果的な方法は、より健康な状態を維持し続けることです。

水やり・肥料やり・芝刈り・エアレーションを正しく行っていれば、芝生のストレスが減り、病気に強い丈夫な芝に育ちます。

しかし人間が手入れをおろそかにすると、芝も弱っていき、病気にかかりやすくなるでしょう。芝生の健康維持に必要な一つ一つの手入れを、定期的に行っていくことが大事です。

高麗芝を育てて素敵な庭にしよう

高麗芝

高麗芝を植えるためには、切り芝を購入する必要があります。日当たりの良い場所へ春に植えるのがポイントです。

また水やりと肥料やりは、時期と頻度に気をつけましょう。芝刈りは定期的に行い、芝が伸びすぎないようにしなければなりません。サッチングやエアレーションも、芝生を良い状態に保つための重要な手入れです。

害虫や病気にも注意しながら、日頃のメンテナンスをきちんと行い、高麗芝できれいな庭を造りましょう。

関連記事:芝生の上手な張り方!適した時期から張り方の種類、手入れ方法も紹介|ミツモア

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