浴室乾燥機は本当に必要なのか気になりますよね。「具体的な使い方や電気代などを知って判断したい」という方も多いのではないでしょうか。
浴室乾燥機を導入することで、洗濯物を部屋干しできるといったメリットが得られます。しかしその分電気代などのコストが必要になりますよね。
そのため浴室乾燥機を導入するかは、ご自身の生活スタイルなどを踏まえて見極めなければいけません。
この記事では浴室乾燥機の用途や「どんなタイミングでどのように使うのか」を解説。費用についても説明するので「自分の家に本当に必要かどうか」を考えてみてください。
浴室乾燥機の主な機能や用途・上手な使い方
浴室乾燥機といえば一般的に衣類の乾燥に使うものというイメージがありますが、それ以外にもいろんな用途があります。
「浴室乾燥機って本当にいるのかな?必要性がよく分からない」という方に向けて、まずは浴室乾燥機の機能とその効果を簡易的にまとめてみました。確認してみてください。
浴室乾燥機の主な機能と効果
主な機能 | 効果 |
乾燥機能 | 浴室内で簡易的に衣類が乾かせる |
浴室暖房機能 | 冬場の寒い時期に浴室内を温めておける |
涼風機能 | 夏場など浴室内の温度が高い場合に、涼しい風で快適に入浴できる |
浴室換気乾燥機能 | 浴室内の空気を循環させて湿度を落とし、乾燥させることでカビの発生等を抑制する |
24時間換気機能 | 気密性が高い住宅の、居室内の空気を入れ替えられる |
ミストサウナ機能 | 一部の製品に限定されるが、お湯を霧状に噴射し浴室内をサウナ化できる |
それでは「浴室乾燥機の機能を使えば、こんなことができる!」という上手な使い方の例を解説していきたいと思います。
使い方① 浴室乾燥機を使えば洗濯物の外干しの手間が省ける
一般的に浴室乾燥機といえば、換気扇と違い「衣類を浴室内で乾燥できる」というのが最大のメリットですよね。
浴室乾燥機で洗濯物を乾かすのにかかる時間を下記表にまとめてみましたので、参考にしてみてください。
電気式浴室乾燥機の場合
洗濯物5kgを100Vの製品で乾かした場合 | 約2時間45分 |
洗濯物5kgを200Vの製品で乾かした場合 | 約1時間45分 |
ガス式浴室乾燥機の場合
洗濯物5kgを乾かした場合 | 約1時間45分 |
浴室乾燥機には電気式とガス温水式の2種類が存在しており、一般的にはガス温水式のパワーの方が強いといわれています。
もちろん設置する製品自体のグレードや浴室の広さなどによって、乾燥時間は変わってきます。しかし少量の洗濯物を手早く乾かしたいという方にとって便利な機能であることは間違いありません。
使い方② 浴室乾燥機を使って洗濯物の花粉症対策ができる
浴室乾燥機は浴室内で洗濯物を乾かすことができるため、外干しと違って花粉や黄砂が付着する心配がありません。
花粉や黄砂が舞う春の季節には大いに役立つ機能といえるでしょう。
さらに下記のような空気清浄機能が搭載されている製品であれば、花粉を抑制する効果があるので衣類を乾かしながら花粉の対策もできます。
- Panasonicの製品であれば独自技術「ナノイー」
- RinnaiやMAXの製品であれば「プラズマクラスター」
花粉症対策をしたいと考えている人に、浴室乾燥機の導入はプラスアルファになること間違いなしといえるでしょう。
使い方③ 浴室乾燥機を使えばヒートショック現象の対策ができる
浴室乾燥機の使い方の1つに「暖房機能」があります。暖房機能で事前に浴室を温めておけば、寒暖差に起因するヒートショック現象への対策ができます。
ヒートショック現象とは、冬場の寒い浴室から暖かい湯船につかるなどの急激な温度変化によって血圧が急変化し、心臓や血管の疾患を起こしてしまう現象のこと。
このヒートショック現象が原因で、高齢者の方が入浴中に死亡してしまう事故が毎年多発しています。
ご家族に高齢の方や基礎疾患をお持ちの方がいらっしゃる場合は、大切な家族を守るために価値のある機能といえるでしょう。
使い方④ 浴室乾燥機を使って衣類の脱臭ができる
上述した「プラズマクラスター」「ナノイー」といった空気清浄機能が付いている製品であれば、
- タバコ臭
- ペット臭
- 料理臭
- 汗臭
- 生ゴミ臭
上記のような衣類に付いた生活臭を脱臭することが可能です。
また一部の製品に限定されますが、ミストサウナ機能を利用した衣類脱臭ができる製品も存在しています。
飲み会の席で付いたタバコの臭いや、焼き肉の臭いなどを素早く落としたい時に重宝する機能といえるでしょう。
浴室乾燥機を使うことのデメリットや注意点はある?
浴室乾燥機の使用はメリットだけではなく、デメリットもあります。これから浴室乾燥機の導入や使用を検討されている方は、下記のような点に注意してください。
デメリット① 浴室乾燥機を使用すると電気代やガス代が高くなる
電気式の浴室乾燥機であれば電気代が必要となり、ガス温水式の浴室乾燥機であれば電気代+ガス代が必要となります。
浴室乾燥機を使用することで電気代がいくらぐらい高くなるのでしょうか?具体例とあわせて解説するので参考にしてみてください。
電気式の浴室乾燥機を衣類の乾燥だけに使用した場合のコスト目安
電気式の浴室乾燥機の電気代
(100Vの製品) |
約35円/時間 |
5kgの洗濯物の乾燥時間 | 約3時間 |
1回あたりの電気代 | 約105円 |
使用頻度 | 毎日(30日) |
月額合計(目安) | 約3,150円 |
※製品によって異なるのであくまでも参考です。
電気式の浴室乾燥機を使用している場合は、使用時間に応じて通常よりも多くの電気代がかかります。もちろん乾燥機能だけではなく通常換気や暖房機能等も多用するようであれば、さらに費用がかかってきます。
ガス式の浴室乾燥機を衣類の乾燥だけに使用した場合のコストの目安
ガス式の浴室乾燥機のコスト | 約36円/時間(ガス代+電気代) |
5kgの洗濯物の乾燥時間 | 約1時間45分 |
1回あたりのコスト | 約64円 |
使用頻度 | 毎日(30日) |
月額単純合計 | 約1,920円 |
※製品や地域で費用が異なるのであくまでも参考です。
ガス温水式の電力は機器を動かすためのものであり、電気式ほど電気代がかかるわけではありません。あくまでメインはガスです。
上記の例ではあくまで衣類の乾燥だけの使用ですが、浴室全体の乾燥を毎日行う場合は使用時間が増えます。そのためさらに料金がかかるでしょう。
日常生活の光熱費にこれらの費用が上乗せされるというのは、デメリットの1つであるといえます。
デメリット② 浴室乾燥では洗濯物を干せる量に限界がある
洗濯物を干す場合は、浴室内のランドリーパイプを使う場合がほとんどだと思います。
しかし大量の洗濯物を隙間なくランドリーパイプに干した場合、乾ききるまでに時間がかかってしまいます。一度に乾燥させられる量はそこまで多くありません。
洗濯物の量が多い場合は複数回に分けて干すなど余計な手間がかかってしまうため、これもデメリットといえるでしょう。
デメリット③ 乾燥機能の使用中はお風呂に入れない
当たり前のことですが、浴室乾燥機を使うタイミングでお風呂に入ることはできません。
また入浴直後に衣類を乾燥したい場合は、浴室内の湿度が上がっているため乾燥まで時間がかかることも。
いつでも使用できるのが利点ではありますが、入浴の時間帯に左右されるという点はデメリットになるでしょう。
浴室乾燥機がおすすめな人の特徴を3つ紹介
ここまで浴室乾燥機のメリット、デメリットについて解説してきました。その結果を踏まえて、浴室乾燥機の導入をおすすめできるのは下記のような人になります。
- 外干しする時間がない、または外干しを面倒に感じる人
- 浴室を常に清潔に保ちたい人
- 花粉防止や防犯のため、外干しをしたくない人
以上のような方で、かつコスト面などのデメリットを許容できるなら浴室乾燥機を導入する価値があるでしょう。
浴室乾燥機を使用すると電気代やランニングコストはいくらになる?
浴室乾燥機がおすすめということを理解できたとしても、気になるのはコスト面ですよね。
浴室乾燥機の1カ月の利用料金は上記で具体例とともに解説しましたが、単純な衣類乾燥という点で見ると他の方法よりも高いのでしょうか?
浴室乾燥機以外の選択肢として考えられる
- ドラム式洗濯乾燥機
- 衣類乾燥除湿器
上記2つを例に挙げて下記表に結果をまとめてみたので、確認してください。
使用機器 | 1回当たりのコスト | 月額のランニングコスト(30日) |
電気式浴室乾燥機 | 約52.5円 | 約3,150円 |
ガス式浴室乾燥機 | 約64円 | 約1,920円 |
衣類乾燥除湿機 | 約26円 | 約780円 |
ドラム式洗濯乾燥機 | 約38円 | 約1,140円 |
※5kg相当の洗濯物を乾燥させることを想定した費用目安です。
使用機器によって対応している洗濯物の量が違うため一概にはいえませんが、浴室乾燥機は他の選択肢と比べて少し割高な印象です。
ただ衣類の乾燥という1点に注目した比較なので、その他の便利な機能を加味した上で自分にとって妥当か否かを判断するとよいでしょう。
浴室乾燥機の電気代やランニングコストを少しでも抑えるためには?
浴室乾燥機のランニングコストを抑えるためには、少しでも短い時間で衣類や浴室を乾燥させることが大事です。
浴室乾燥機の上手な使い方と、短時間で乾燥させるコツは
- 浴室を極力乾燥させた状態で衣類を干す
- 衣類の間隔を空けて干す
- 浴室乾燥機のフィルターをこまめに清掃しておく
です。それぞれ解説します。
コストを抑える方法① 浴室を極力乾燥させた状態で衣類を干す
当たり前ではありますが、浴室の湿度が低いほど衣類は早く乾きます。
仮に入浴して間もない状態で衣類や浴室の乾燥をするのであれば
- 残り湯があれば蓋をして蒸気を出さないようにする
- 壁面に付いた水滴等はできるだけ拭き取る
上記のように、浴室内の湿度を極力下げた状態で乾燥を開始しましょう。
コストを抑える方法② 衣類の間隔を空けて干す
衣類を隙間なく大量に干してしまうと、その分乾燥にかかる時間が増えてしまいます。
- 可能な限り衣類同士の隙間を空けて干す
- ランドリーパイプを追加で設置して、干す場所を増やす
上記のような方法を使えば、効率よく乾燥させることができます。
コストを抑える方法③ 浴室乾燥機のフィルターをこまめに清掃しておく
浴室乾燥機のフィルターはエアコン等と同じで、放っておくとどんどんほこりがたまり目詰まりしてしまいます。
そしてほこりがたまりすぎると、乾燥能力にも悪影響を及ぼします。フィルターはこまめに掃除をし、常に浴室乾燥機のパフォーマンスが高い状態で使用するようにしましょう。
浴室乾燥機を導入する際に必要な費用はいくら?
ここまで浴室乾燥機の特徴について解説しましたが、実際に導入するといくらぐらい費用がかかるのでしょうか。「電気式浴室乾燥機」を導入する際の費用相場をご紹介します。
浴室に既に換気扇もしくは浴室乾燥機が付いている場合
施工費 | 費用相場:約2万7,000~3万5,000円 |
本体代 | 費用相場:約4万5,000~7万円
※製品のグレードによって変動 |
総計 | 約7万2,000〜10万5,000円 |
浴室に換気扇や浴室乾燥機が付いているが、取り付けたい製品の大きさと合わない場合
施工費 | 費用相場:約2万7,000~3万5,000円 |
---|---|
天井開口費 | 費用相場:約1万~3万円 |
本体代 | 費用相場:約4万5,000~7万円
※製品のグレードによって変動 |
総計 | 約8万2,000~13万5,000円 |
浴室内にすでに換気扇・浴室乾燥機が設置されている場合は、工事不要で単純な交換作業になることが多いため、費用を抑えることができます。
逆に取り付ける商品と既存の開口部の大きさが合わないような場合は、開口工事が必要になる可能性があります。
なお「自分の家に浴室乾燥機を導入する場合はいくらになるのか把握したい」「なるべく安く依頼したい」という場合は、ぜひミツモアの無料見積もり比較を利用してみてください。
ミツモアはあなたの地域や求めるサービス内容を入力するだけで、複数の業者からおおまかな見積もりを提案してもらえるサービスです。
- 複数社から依頼内容に沿った見積もりの提案をしてもらえる
- 工事業者にチャットで質問ができるため、状況を伝えて最適な見積もりをもらえる
このような特徴があるため、あなたにピッタリの業者が見つかるはずですよ。ミツモアは無料なのでぜひ一度試してみてください。
浴室乾燥機の導入が難しいケース
以下のような場合は浴室乾燥機の導入が難しい、もしくは高額になってしまうことがあります。
ケース① ガス式乾燥機を新規で導入したい
一般的にガス式乾燥機は新築時に導入されることがほとんど。後付けの場合は複雑な工事が必要で、熱源機付きの給湯器の交換も行います。
ガス式乾燥機を新規で導入する場合、現場の状況によって違うもののかなり高額な工事になる可能性があります。中には対応していない業者もあるので、工事を依頼する際は事前に対応可能か確認しておきましょう。
ケース② 古い浴室で換気設備が何も付いていない、もしくはタイル張りの在来浴室の場合
この場合も乾燥機を取り付ける電源やダクトの敷設など、複雑な工事を行う必要があります。高額になる可能性が高く、対応してくれる業者の数も少なくなるでしょう。
ただ実際に工事が可能か確認するためにも、一度業者に連絡を取ってみるのが確実です。
ぜひミツモアを活用し「自分の家で浴室乾燥機を導入する場合はいくらになるのか」を確認してみてください。