自然素材の重曹がお風呂掃除に使えるだけではなく、入浴剤にもなることはご存知でしょうか。重曹は100均などで手軽に、しかも安く購入できます。
重曹を使って、日々の疲れを癒やして肌もきれいにするバスタイムと、汚れをすっきり落とした清潔なお風呂の両方を手に入れましょう。
重曹を入浴剤として利用すると美容効果バツグン!
入浴剤として重曹を使うと、さまざまな効果が得られます。湯ざわりのなめらかな、心地よいお湯にするだけではなく、体臭を取り除いたり、古い角質や皮脂汚れを落としたりしてくれます。
自然素材なので、使うのも安心です。ここでは重曹をお湯に溶かしたときの変化と、重曹風呂に浸かるメリットを解説します。
重曹は弱いアルカリ性
重曹は、正式名称を炭酸水素ナトリウムといいます。この重曹には次のような特徴があります。
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これらの特徴を活かして、皮脂・油汚れ落としとしてお風呂・キッチン掃除に使われたり、市販の入浴剤に配合されていたりするほか、料理用のベーキングパウダー、除湿・消臭剤などとして、身近で幅広く使われているのです。
お湯に重曹を入れると軟水化する
水には、マグネシウムとカルシウムの金属イオンが含まれています。この金属イオンが多く含まれているものは硬水、少ないものは軟水と呼ばれており、肌への刺激が少ないのは軟水の方です。
重曹には、水に含まれる2つの金属イオンの働きを弱める働きがあります。そのため入浴剤として重曹を使うと、お湯を軟水化させ、肌当たりのやわらかいお湯へと変えてくれるのです。
入浴剤としての効果1:体臭を取り除く
体の表面に溜まった皮脂汚れは、時間が経つと酸化して、酸っぱいにおいを発します。これが体臭の原因の一つです。弱アルカリ性の重曹には、酸性のにおいを中和して消臭する働きがあります。
そのため入浴剤として重曹を使うと、体臭を取り除いてくれるのです。特に体臭の気になりがちな夏場には、重曹風呂がおすすめです。
入浴剤としての効果2:垢を取り除く
肌細胞が古いものから新しいものへと生まれ変わるたびに、肌表面では不要な細胞が角質となって溜まっていきます。この角質に、皮膚から分泌された油分や水分などが混ざったものが垢です。
肌は弱酸性のため、弱アルカリ性の重曹は固くなった角質をやわらかくして垢と一緒に取り除き、肌をすべすべにしてくれるのです。
入浴剤としての効果3:ニキビ予防に効果あり
ニキビができる原因の一つが、毛穴に詰まる皮脂汚れです。この皮脂汚れは酸性のため、弱アルカリ性の重曹が汚れ落としに役立ちます。
重曹風呂に浸かると体の皮脂汚れを落とし、毛穴の詰まりによるニキビや肌荒れを防いでくれるのです。
入浴剤としての効果4:血行を良くする
水に重曹を入れると発生する炭酸ガス(二酸化炭素)には、血管を広げる働きがあります。そのため重曹風呂に浸かると、血行や新陳代謝がよくなるのです。
また重曹にクエン酸を加えると、炭酸ガスがより多く発生する炭酸入浴剤になります。重曹だけのお湯よりも血行がよくなり、体を温める効果が高まります。
クエン酸による疲労回復効果も期待できるため、よりリラックスした入浴を楽しめるのです。
重曹風呂の作り方と入り方を紹介
入浴剤として重曹を使うメリットがわかったら、早速重曹風呂を作ってみましょう。ここでは2通りの重曹風呂の簡単な作り方、直接重曹を投入する方法とバスボムを手作りして使う方法を解説します。
さらに、重曹風呂の正しい入り方のポイントについても解説します。
お湯200Lに重曹40g程度が最適
重曹風呂を作るのは簡単です。一般的な浴槽にお湯を張り(だいたい200L)、食用の重曹を大さじ3ほど(だいたい軽くひとつかみ)入れて、溶け残りがないようによく混ぜましょう。炭酸風呂にしたい場合は、さらに食用のクエン酸大さじ2ほどを加えます。
肌に触れるものなので、重曹もクエン酸もかならず食用のものを使いましょう。みかんやゆずの皮を入れたりアロマオイルを一滴垂らしたりすると、アレンジも楽しめます。
バスボムを作ってみよう
バスタイムをもっと楽しみたいなら、粉の入浴剤を固めたバスボムを作ってみましょう。炭酸風呂が手軽に楽しめます。好みで色付けしたり、香り付けしたりするのもおすすめです。
ただし残り湯を洗濯に使いたい場合は、色付けしてはいけません。また香り付けする場合は、早めに使い切ってしまいましょう。徐々に香りが薄くなってしまうため、せっかくの心地よい香りを楽しめなくなってしまいます。
【用意するもの】
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【作り方】
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重曹風呂の入り方1:入浴は週1~2回程度にとどめる
弱アルカリ性の重曹風呂に毎日入ると、弱酸性の肌がアルカリ性に傾いてしまいます。そうすると肌表面に細菌が繁殖しやすい状態になってしまい、体臭がキツくなる恐れがあるのです。
また本来必要であるはずの肌表面の油分まで落としてしまい、肌が荒れてしまう原因にもなります。毎日重曹風呂に入ることは避け、自分の体質に合うかどうかを確かめながら、週1~2回ほどにとどめでおきましょう。
重曹風呂の入り方2:浴室から出る前に重曹の成分をしっかり洗い流す
重曹は肌に残りやすいため、浴室から出る前に、シャワーでしっかり洗い流さないといけません。もしも肌に重曹が残ってしまうと、肌がアルカリ性に傾いてしまったり、必要以上に肌表面の油分や角質を取り除いてしまったりします。
その結果、肌荒れを起こしたり、乾燥しやすくなったりしてしまうのです。
アトピーの人は入らない方がいい!重曹風呂の注意点
重曹風呂は作り方や入り方を守ると、さまざまなメリットを得られます。しかしデメリットや注意点があることも、忘れてはいけません。
アトピーや敏感肌・乾燥肌の人はもちろん、肌が丈夫な人も気を付けなければいけないことがあります。重曹風呂を作る前に、かならずチェックしましょう。
アトピー性皮膚炎や敏感肌は特に注意!肌を痛める入り方
弱アルカリ性の重曹風呂には皮脂や角質を落とす効果があるため、入浴後は肌が乾燥しやすい状態になってしまいます。重曹風呂に入る頻度が高いほど、肌に重曹が残っているほど、肌の乾燥状態は悪くなってしまいます。
このような状態を避けるためには、次の2点が重要です。
- 重曹風呂には毎日入らず、肌のようすを見ながら週1~2回ほどにとどめておく。
- 肌に重曹が残らないよう、入浴後はシャワーでしっかり洗い流す。
肌が丈夫な方であっても、異変を感じたら、かならず医師の判断を仰ぐことをおすすめします。特にアトピー性皮膚炎や敏感肌・乾燥肌の方にとって、重曹風呂は刺激が強いです。肌の乾燥状態がより悪化してしまうのを防ぐため、重曹風呂の入浴は避けましょう。
重曹を入れすぎない
弱アルカリ性の重曹は適量以上を入れると、お湯の性質が強いアルカリ性へと近づいていきます。その結果、皮脂や角質を落とす力が強くなり、肌荒れや乾燥を引き起こしてしまいます。
肌への悪影響の原因になってしまうため、重曹は入れすぎず、かならず重曹風呂の作り方に記載している適量を守りましょう。
追い焚きしたい場合はメーカーに問い合わせを
自然素材の重曹を使った重曹風呂には、金属を傷めにくく、浴槽を長持ちさせられるという利点があります。ただしすべての金属を傷めにくいというわけではなく、銅だけは痛めてしまうのです。
風呂釜の配管などには銅が使われている場合があり、追い焚きをすると重曹の溶けたお湯が銅に触れてしまい、徐々に風呂釜を痛める可能性があります。
重曹風呂で追い焚きをしたい場合は、メーカーに確認することをおすすめします。
重曹を使ってお風呂を掃除しよう
重曹が使えるのは、入浴剤としてだけではありません。重曹はお風呂の皮脂汚れ落としにも、効果を発揮します。重曹風呂の残り湯や重曹ペーストなどを使って、お風呂掃除にも重曹を使いましょう。
浴槽や床・壁など、お風呂全体の掃除方法を解説します。
重曹は酸性の汚れに強い
汚れ落としの基本は汚れを中和して落とすことです。
- アルカリ性の汚れ(水垢・石けんカスなど)は、酸性洗剤(クエン酸など)で落とす。
- 酸性の汚れ(皮脂・油など)は、アルカリ性洗剤(重曹など)で落とす。
重曹はお風呂に溜まりやすい皮脂汚れを落とすのに適しており、次のようなメリットがあります。
- 自然素材で安全性が高い。(入浴剤だけではなく、ベーキングパウダーとして料理にも使われている)
- 泡立たないため、洗い流すのにたくさんの水を使わなくて済む。
- 粒子がとても細かく、研磨効果がある。
重曹はお風呂掃除だけではなく、キッチンの油落としや靴箱の除湿・消臭剤などにも幅広く使えるため、持っておくと便利です。
浴槽はつけ置き洗い
重曹風呂の残り湯は、そのまま使ってつけ置き洗いがおすすめです。浴槽はもちろん、お風呂で使っている小物(洗面器や風呂用イス・子どもの風呂用おもちゃなど)も一緒につけ置きして、汚れを落とせます。
もちろん残り湯につけておくだけなので、手間がかからず、誰でも簡単・ラクにお風呂掃除ができます。
【掃除の仕方】
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床や壁の掃除にはペースト状にした重曹を
天井や壁・床など、お風呂の広い面の掃除には、重曹ペーストがおすすめです。粉末の重曹をペースト状にすることで、液だれしにくく、汚れに付着しやすくなります。
【重曹ペーストの作り方】
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【掃除の仕方】
※キズ付く恐れがあるので、強くこすりすぎないように注意する。 ※やわらかい素材(ゴムパッキンなど)はキズ付きやすいので、重曹は使わない方がよい。 |
カビはごしごし洗わない
お風呂にいつの間にかできてしまっているカビ。そもそもなぜお風呂にカビが発生してしまうのでしょうか。カビが発生する条件から見ていきましょう。
- 温度20~30℃
- 湿度65%以上
- 栄養分(皮脂・水垢などの)
- 酸素
お風呂はこれらの条件を満たしやすく、カビが繁殖しやすい場所なのです。カビは汚れではなく菌の一種です。そのため菌糸という根のようなものを素材の奥側に伸ばしながら、どんどん増殖していきます。
ゴムパッキンのようなやわらかい素材ほど奥まで菌糸をのばすため、表面をこすっても菌糸を除去できません。むしろこすることで、表面のカビが他の場所にまで広がってしまったり、こすってできた細かいキズにカビが入り込んでしまったりしてしまいます。
このカビを除去するには、カビ取り剤などを使って、こすらずに落とすことが重要です。
(1)重曹とクエン酸を使用した方法
アルカリ性の重曹と酸性のクエン酸を使った方法です。カビ取り剤や漂白剤よりも洗浄力は弱いものの、次のようなメリットがあります。
- においがなく、環境にも体にもやさしい(手で触れられる・口に入っても大丈夫)
- 重曹とクエン酸を混ぜて発生する炭酸ガスで、洗浄効果アップ
重曹は重曹ペーストに、クエン酸はクエン酸スプレーにしてから使います。
【重曹ペーストの作り方】
<水1:重曹2~3>の割合で混ぜる。 ※ペースト状になるよう、水を少しずつ加えていく。 |
【クエン酸スプレーの作り方】
スプレーボトルに<水200mL+クエン酸小さじ1>を入れて、よく混ぜる。 |
【掃除の仕方】
※カビを取りたい部分の水分を拭き取る、または乾燥している状態で、掃除をはじめる。 |
(2)重曹と酸素系漂白剤を使用した方法
カビ取りに高い効果を発揮するのは、カビ取り剤や漂白剤(塩素系・酸素系)です。この中でできはじめのカビやあまりひどくないカビに向いている酸素系漂白剤は、重曹と一緒に使えます。
重曹と酸素系漂白剤を合わせたカビ取りペーストには、次のようなメリットがあります。
- 液垂れしにくくなり、カビに密着しやすくなる
- 酸素系漂白剤も重曹もアルカリ性なので、合わせることで洗浄効果がアップ
使用する酸素系漂白剤は、合成界面活性剤入りのものは使えません。かならず過炭酸ナトリウム100%のものを用意しましょう。
【カビ取りペーストの作り方】
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【掃除の仕方】
※カビを取りたい部分の水分を拭き取る、または乾燥している状態で、掃除をはじめる。 |
排水口
お風呂の排水口には、酸性の皮脂汚れも、アルカリ性の水垢・石けんカス汚れも溜まっています。そのため酸性汚れを落とす重曹と、アルカリ性汚れを落とすクエン酸を混ぜて使います。
酸性とアルカリ性両方の汚れを一度で落とせるだけではなく、重曹とクエン酸を混ぜることで発生する泡が汚れを浮き上がらせて、落ちやすくしてくれるのです。
【掃除の仕方】
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