水回りは水垢やカビなどの汚れが付着しやすい場所なので、掃除が大変だと感じている人も多いでしょう。掃除の負担を軽減し、きれいな状態を保つには、汚れに合った落とし方を知っておくのがポイントです。水回りを掃除するコツを、場所ごとに解説します。
水回り掃除で最低限そろえておくべき洗剤は4つ
水回りを掃除する道具はたくさん販売されていますが、どれを買うのがベストか迷ってしまいますよね。キッチン・洗面台・浴室などの場所ごとに洗剤やグッズを買うとなると、お金もかかりますし管理が大変です。
水回りの掃除に共通で使える、最低限そろえておきたい4種類の洗剤を紹介します。
なお、トイレ掃除に効果的な洗剤は他の水回りと異なるので、今から紹介する4つとは別で用意しましょう。
場所別の掃除方法の章では、これらの洗剤で汚れが落ちなかったときに試したい、各場所特有の汚れに特化した掃除グッズも紹介しています。
中性洗剤
まず用意しておきたいのは「中性洗剤」です。一般的な食器用洗剤や浴室用洗剤は、この中性洗剤に当てはまります。洗浄力がものすごく強いわけではありませんが、幅広い汚れに対応可能で、日常的な掃除に適した洗剤です。
使用する場所ごとにさまざまな商品名で売られていますが、どれも主な成分は「界面活性剤」であり、用途別に香りやテクスチャー、界面活性剤の濃度が調整されています。
自己責任にはなりますが、成分が大体同じであれば浴室用の中性洗剤をキッチンの掃除に使うことも可能です。
よくわからないけれど洗剤を1つにまとめたいという方は、複数の場所に使用できるとうたっている製品を用意すると良いでしょう。
ウタマロクリーナー(東邦)
ウタマロクリーナーはSNSなどでもよく話題になっている、汎用性の高い泡タイプの中性洗剤です。キッチン、お風呂、トイレなどさまざまな場所に使えることを売りにしており、洗剤を増やしたくない方におすすめです。
クリームクレンザー
クリームクレンザーは、中性洗剤の成分に、汚れを削って落とす研磨剤が含まれた製品です。こびりついた水垢や皮脂汚れに効果があります。
研磨剤よりもやわらかい素材に対して使うと傷が残ってしまうので、クレンザーの注意書きをよく読み、使っても問題ないかどうか確認しましょう。
なお、ナチュラルクリーニングの代表格である重曹を少なめの水で伸ばした「重曹ペースト」も、クリームクレンザーと同じような使い方ができます。
ジフ(ユニリーバ)
ユニリーバ社の「ジフ」は、研磨剤の含有率が約20%と少なめで、傷がつきにくくさまざまな素材に対して使えるクリームクレンザーです。
キッチンのシンク、蛇口、洗面台、鏡、お風呂の浴槽・床など、水回りの多くの場所に使えます。ただし素材によっては傷がついてしまうので、取扱説明書を確認し、目立たない場所で試してから使用しましょう。
塩素系漂白剤
水回りに発生しやすい黒カビは、初期であれば中性洗剤でも落とせますが、時間が経つと根を張ってしまい、なかなか落ちません。カビを分解できる塩素系漂白剤を使うのがおすすめです。
主に泡タイプと液体タイプがありますが、液体タイプは主につけ置きに適しており、浴室の壁や床のカビや、排水口のふちなどには使えません。濃度は液体タイプよりも薄いですが、泡タイプのほうが幅広く使えます。
なお塩素系漂白剤は、水回りの掃除でよく使われるクエン酸などの酸性の洗剤とは絶対に混ぜてはいけません。
カビキラー(ジョンソン)
キッチン・シンク掃除の手順・コツ
キッチンを掃除するときは以下のように洗剤を使い分けましょう。
部位 | 適した洗剤 |
---|---|
シンク | 中性洗剤、クレンザー |
蛇口 | 中性洗剤、クレンザー |
排水口 | 液体パイプクリーナー |
ガスコンロ | 中性洗剤、クレンザー |
しっかり汚れを落としたいときのキッチン掃除の方法を、順を追って解説します。
1. シンク・蛇口を中性洗剤またはクレンザーで磨く
シンクや蛇口はスポンジに中性洗剤をつけて磨くのが基本的な掃除方法です。ただし蛇口の根元やシンクには、中性洗剤で落としきれない白っぽい水垢がこびりついていることがあります。その場合はクリームクレンザーを使いましょう。
汚れを落としたい部分にクレンザーを出し、ラップを丸めてこすりましょう。ラップだけだとやりづらい場合は、スポンジにラップを巻きつけたり、使い捨てのビニール手袋をして手でこすったりしてもよいです。
2. 排水口に塩素系漂白剤を吹きかける
排水口のゴミ受けは、まず溜まった食材カスを捨てたあと、中性洗剤で軽く洗いましょう。
ゴミやすぐに落ちる汚れを取り除いた後、塩素系漂白剤をふきかけて30秒ほど置き、流水で30秒以上かけて洗い流します。ぬめりが気になる場合は、5分ほど置くと良いです。
ゴミや汚れが残った状態で塩素系漂白剤を使うと、効果が薄まってしまうので注意しましょう。
浴室の掃除の手順・コツ
浴室を掃除するときは以下のように洗剤を使い分けましょう。
部位 | 適した洗剤 |
---|---|
天井 | 中性洗剤 |
壁 | 中性洗剤、塩素系漂白剤 |
床 | 中性洗剤、クレンザー、塩素系漂白剤 |
浴槽 | 中性洗剤、クレンザー |
鏡 | 中性洗剤、クレンザー |
排水口 | 液体パイプクリーナー |
お風呂をしっかり掃除したいときの方法を、手順を追って説明します。
1. 黒カビを塩素系漂白剤でパックする
浴室が濡れた状態だと塩素系漂白剤の効果が薄まってしまうので、まとめて掃除したい場合、最初に黒カビ除去からやりましょう。
浴室の壁のタイル目地や、浴槽のエプロンとの間、排水口のふちなど、黒カビが生えている部分に泡タイプの塩素系漂白剤をふきかけます。
そのままだと泡が流れて消えてしまうので、キッチンペーパーとラップでパックし、30分ほど置きましょう。シャワーで洗い流すだけだと黒カビがはがれ落ちないことがあるので、パックを外してからブラシやスポンジでこすると良いです。
なお、中性洗剤やクリームクレンザーは塩素系漂白剤と混ざっても問題ないので、他の掃除を並行して進めても大丈夫です。クエン酸など酸性の洗剤を使いたい場合は、絶対に同時に使用しないでください。
2. 天井・壁を中性洗剤で拭く
フロアワイパーにドライシートを付け、中性洗剤を吹きかけて天井から壁にかけて拭き掃除をします。
天井にカビが生えている場合、カビキラーなどの塩素系漂白剤を使いたくなるかもしれませんが、垂れてきて目に入ったり顔や手にかかったりすると危ないので、極力避けましょう。
天井はつるっとした素材であることが多く、ポツポツとした黒カビ程度であれば、中性洗剤でも落とせます。
3. 鏡の水垢をクレンザーで磨く
鏡は中性洗剤またはクレンザーを使ってスポンジで磨きましょう。
普段からこまめに掃除をしていて汚れがこびりついていない場合は、中性洗剤でも十分です。
しつこいうろこ汚れは中性洗剤で落とせないことが多いので、クレンザーをつけて磨きます。スポンジにラップを巻きつけて、研磨剤がスポンジに入り込まないようにしましょう。
鏡の水垢落としに特化した掃除グッズ
しつこい水垢は、クレンザーで磨いてもうっすらと残ってしまうことがあります。また、磨いた後にクレンザーの成分をきれいに拭き取る必要があるので、面倒に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
水垢・うろこ落としに特化した掃除グッズもあるので、完璧に落としたい場合は用意すると良いでしょう。
こちらは浴室の鏡のうろこ落としに特化した製品です。うろこ落としパッドと研磨剤がセットになっており、パッドでおおまかにうろこ汚れを落とした後、細かい汚れ残りを研磨剤で磨きます。
4. 浴槽の皮脂汚れをクレンザーでこすり洗い
浴槽は中性洗剤とスポンジで洗うのが基本の掃除方法ですが、皮脂の汚れでザラザラしている場合は、スポンジにクリームクレンザーをつけてやさしくこすり洗いします。
最も一般的なFRP(ガラス繊維強化プラスチック)浴槽には、クレンザーを使っても問題ありません。しつこい皮脂汚れに対しては、住宅設備メーカーもクレンザーを使った掃除をおすすめしています。
ただし、クレンザーを使い続けると傷がついてしまう恐れがあるので、常用はしないように注意喚起されています。
5. 床の黒ずみをクレンザーでこすり洗い
浴室の床の黒ずみは、石鹸カスや皮脂など複合的な汚れであることが多いです。中性洗剤で落とせない場合は、クレンザーとラップを巻いたスポンジで磨きましょう。
床はザラザラした素材であることが多く、ラップが破れてしまいやすいので、何重かに巻いておくことをおすすめします。
洗面台の掃除の手順・コツ
洗面台を掃除するときは以下のように洗剤を使い分けましょう。
部位 | 適した洗剤 |
---|---|
洗面ボウル | 中性洗剤、クレンザー |
鏡 | 中性洗剤、クレンザー |
排水口 | 液体パイプクリーナー |
1. 洗面ボウル・蛇口をクレンザーで磨く
洗面ボウルや蛇口は、中性洗剤やクレンザーで磨きます。
ただし使われている素材によっては傷がついてしまうので、目立たないところで試してから全体を掃除しましょう。
メラミンスポンジも汚れ落としに効果的
メラミンスポンジは、クレンザーと同じように洗面ボウルの水垢や黄ばみ落としに使えます。洗剤を使う必要がないので、洗い流すのもラクです。
ただし素材によっては傷を付けてしまう恐れがあるので、目立たない場所で確認してから使いましょう。
メラミンスポンジを水で湿らせ、洗面ボウル全体をこすります。黒い汚れが出てくるので、水で洗い流しましょう。
2. 鏡を拭き掃除する
洗面台の鏡は、水または中性洗剤で拭き掃除をします。
浴室と比べて水垢がこびりつきにくいですが、取れない汚れがある場合はクレンザーを使いましょう。
トイレ掃除の手順・コツ
最初に紹介したアイテムのうち、中性洗剤はトイレ掃除にも使いやすい洗剤です。ただし汚れの性質などを考えると、他はトイレ掃除用のアイテムをそろえたほうが便利でしょう。
部位 | 適した洗剤 |
---|---|
壁、床 | トイレ掃除用ウェットシート |
便器、便座 | トイレ掃除用ウェットシート、中性洗剤 |
便器の内部 | 中性洗剤、酸性洗剤 |
トイレの掃除方法を順を追って解説します。
1. トイレ掃除用ウェットティッシュで拭き掃除
壁、床、ドアノブ、便器のふた、便座などは、トイレ掃除用に販売されているウェットシートで拭き掃除をするのがラクです。なければ中性洗剤とやわらかいタオルや布を使っても問題ありません。トイレの個室内を、上から順に拭いていきます。
トイレのアンモニア臭は、便座を上げた部分の汚れや壁にしみついた臭いが原因です。拭き掃除はこまめに行いましょう。
2. 便器の内部を酸性洗剤でこすり洗い
便器の内部は、そこまで汚れていなければ中性洗剤でも十分に掃除できます。スポンジやブラシを繰り返し使いたくない場合は、使い捨ての流せるブラシを使うのもおすすめです。
尿石や黄ばみがこびりついている場合は、トイレ用の酸性洗剤を使いましょう。尿石などはアルカリ性の汚れなので、酸性の洗剤が効果的です。ただし、便器に大理石や金属が使われている場合は酸性洗剤を使ってはいけません。
フチ裏にぐるっと1周、洗剤をかけます。洗剤に表示されている時間に従って数分放置し、柄付きのブラシでこすって水を流しましょう。フチ裏は水が流れにくい場所なので、ブラシでこすりながら流すのがポイントです。
便器の奥はこすらず落とす洗浄剤を使うとラク
便器の奥は、ブラシを水が溜まっている部分に突っ込んで掃除しなければならないので、抵抗感があるかもしれません。
タブレット状や粉状になっていて、水たまりに落とすと発泡する洗浄剤を使うのもおすすめです。
多くの製品は 30分から数時間放置する必要があるので、出かける前や寝る前に洗浄剤を入れておくのがおすすめです。
3.タンク内にタンク用洗浄剤を入れて洗浄
タンクの中にカビが発生すると便器内も汚れるので、月に1回程度の頻度で掃除しておくのがおすすめです。タンク内の掃除は、タンクを開けずにつけ置き洗いする方法と、ふたを開けて中をこすり洗いする方法の2つがあります。
タンクを開けずに掃除する場合は、手洗い器の穴からタンク用洗浄剤を入れるだけでOKです。洗剤を入れて2~6時間放置したら、水を流してください。定期的に掃除するなら、この方法でよいでしょう。
カビが発生してしまったら、タンクを開けて掃除します。まず止水栓を閉め、水を流してタンク内の水を抜きましょう。ふたを開けて、トイレ用洗剤をかけ、スポンジでこすり洗いします。
タンク内には細かいパーツなどがたくさんあるので、掃除する際は、破損しないように注意しましょう。
しつこい水回りの汚れにはプロのクリーニングがおすすめ
放置してしまって頑固な汚れになってしまった場合は、業者に掃除を依頼するのもおすすめです。業者選びのポイントと、水回り掃除の費用の目安を紹介します。
水回りクリーニング業者選びのポイント
水回り掃除の業者を決める際には、複数の業者を比較することが大切です。比較する際は、以下のポイントに着目するとよいでしょう。
- 水回りの掃除が得意な業者か
- どこまで掃除してくれるのか
- キャンセル料はいつから発生するか
- 損害保険に入っているか
業者によって得意な分野が異なるため、水回りの掃除に力を入れている業者に依頼しましょう。また同じ作業でも、業者によってはオプションになっていることもあります。事前にチェックしておきましょう。
併せて、キャンセル料はいつから発生するかも要チェックです。急な予定変更などがあった場合を考えて、無料でキャンセルできる期間を確認しておくとよいでしょう。
さらに、業者が損害保険に入っているかどうかも重要です。保険に加入している業者なら、万が一破損などのトラブルがあったときも補償してもらえるので安心です。
水回りクリーニングの費用相場
水回りのクリーニングは掃除する場所によって、以下のように費用が異なります。
場所 | 費用 |
---|---|
洗面所 | 7,000~1万円 |
キッチン | 15,000~25,000円 |
トイレ | 8,000~1万円 |
お風呂場 | 14,000~17,000円 |
費用が安すぎる業者の場合、汚れの度合いなどによって料金が加算され、結果的に高額になるケースもあるので注意しましょう。洗面所とキッチンなど数カ所依頼したい場合は、セットパックを利用すると費用を抑えられます。
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水回りは毎日使う場所なので、水垢やカビなどの汚れが付きやすいのが特徴です。自分では掃除しきれないような頑固な汚れは、業者に依頼してリセットしてもらいましょう。
業者を探す時は、それぞれから見積もりを取る「相見積もり」をしましょう。料金やサービス内容を比較して、自分に合った優良な業者を探すことができます。
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