水回りは家の中で特に汚れやすい場所です。毎日掃除する負担を減らしたいと思うなら、コーティング加工することも一つの手段といえるでしょう。
コーティングにはどんな種類があるか、DIYの方法、また業者に依頼した場合のコスト面についても紹介します。
水回りコーティングのおこなうメリットは?
「コーティング」は樹脂などの被膜で覆って下地を保護する加工法です。
水回りは、使用頻度が高く、水垢・カビ・石鹸カス・皮脂・尿などの汚れが溜まりやすいですが、あらかじめコーティングしておくことで掃除の手間を省くことができます。
水回りをコーティングするメリット
水回りをコーティングするメリットは主に2つ。
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前者に関して、特に厄介な水垢とカビの発生が予防されます。水垢やカビは見た目が悪いだけでなく、なかなか掃除しにくいので、予防しておくに越したことはないでしょう。
後者に関して、汚れがついてしまったとしても、水拭きなどの簡単な掃除でそれを落とすことができます。
掃除の手間を無くしたい人や新築の家を購入した人は、ぜひ水回りのコーティングを行って、普段の掃除を楽にしましょう。
主な水回りコーティングの種類
「水回りコーティング」とひとくちにいっても、コーティング剤にはさまざまな種類があります。現在主流とされているものは「フッ素」「シリコン」「ガラス」です。
それぞれ耐用年数や施工および材料のコスト、効果などに差があります。まずは各特徴をよく知ることが大切です。
効果 | 耐用年数 | 価格 | |
フッ素コーティング | 防汚、撥水 | 1~2年 | 安価 |
シリコンコーティング | 防カビ、防汚、防キズ、撥水 | 3~5年 | 中価格帯 |
ガラスコーティング | 防汚、撥水、防キズ、防サビ、防臭、抗菌 | 5年 | 高価 |
汚れに強い「フッ素コーティング」
フッ素樹脂を被膜に用いるコーティング方法で「防汚コーティング」とも呼ばれます。フッ素は虫歯予防やフライパンの加工にも施される安全な素材です。
<効果>
防カビ効果は低いものの、水垢などの汚れ防止と撥水効果が期待できます。
<耐用年数>
手軽で簡単にできる反面、耐用年数は短めで1~2年です。物によっては数か月しか効果が持続せず、頻繁に塗布し直す必要がある場合もあります。
<他特徴>
他種類と比べて安価で施工も簡単である上、施工下地の素材も選びません。また、耐熱性が100度程度と低いためコンロ回りの施工には向きません。
カビを防げる「シリコンコーティング」
防カビ剤を含んだシリコン樹脂を被膜とする工法です。
<効果>
汚れ防止・撥水効果だけでなく、施工場所の素材が傷つきにくくなったり、カビの発生を防いだりという効果も期待できます。
<耐用年数>
耐用年数は3~5年とやや長めです。
<他特徴>
施工費用はフッ素より高く、ガラスより低い中間値的価格帯です。
デメリットは被膜に厚みがあるため、仕上がりに差が付きやすい点です。分厚い膜により見た目が悪くなったり、均一に塗るための技術が必要だったりすることは留意しましょう。
耐久性の高い「ガラスコーティング」
ガラス繊維を被膜とし、スマートウォッチや車にも使われるほど高品質な技術です。
<効果>
ごく薄い被膜でありながら、防汚や撥水・防キズをはじめ、防サビ・防臭・抗菌の効果も期待できます。
<耐用年数>
耐久性は3つのうち最も長めで、約5年もの期間で効果を維持できるでしょう。
<他特徴>
耐熱性に優れており、コンロの回りにも施工が可能です。
ただし、コストは比較的高めであること、施工の難易度が高く対応できる業者が限られることがデメリットとして挙げられます。
DIYと業者 おすすめは?
コーティングの施工には、「DIY」と「業者に依頼する」という二つの選択肢があります。
それぞれのメリット・デメリットを知りお互いに比較しながら検討することが大切です。それぞれ価格面・施工の難易度などを詳しく見てみましょう。
DIY | 業者 | |
メリット |
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デメリット |
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安価でできるDIY
DIYでは施工の人件費をカットできるため、やはり価格面でのメリットが大きいといえます。
近年はホームセンターやamazonなどで「塗るだけ」「スプレーするだけ」の手軽なコーティング剤も出回っており、数千円の材料費のみで手軽に施工が可能。もちろん水弾きなどの効果も期待できます。
また、業者に自分の予定を左右されたり、他人が家に出入りすることに煩わされたりすることもありません。
一方、デメリットとして、使用する道具がいいものでなかったり、施工に失敗したりして十分な効果を上げられない可能性があります。
効果の高い業者
質の高い仕上がりが期待できる点が、業者の大きな利点です。
専門的な知識・技術を持つ職人だけでなく、塗料や工具に関しても質が高い業務用レベルのものを使うことも理由の一つでしょう。
加えて、防カビ・抗菌などを追加できる業者もあり、より高い効果が期待できます。さらにアフターサービスがしっかりしている業者であれば、施工後のトラブルにも無償で対応してくれるでしょう。
耐久性の高さも相まって、長い目で見るとコスパが高いともいえます。
デメリットとしては、よい業者を探したりやりとりしたりする手間がかかること、悪徳業者に騙されるリスクなどが考えられます。
水回りコーティングの気になる疑問
最後は、水回りコーティングに関する疑問について3つまとめました。
DIYと業者に依頼する場合で、特に気になる事柄をそれぞれ1つずつ、そして施工後に気を付けたいポイントについても解説します。
DIYの手順
DIYでコーティングを施工するための一般的な手順は次の通りです。
【施工の手順】
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1. 施工する場所をきれいにする
汚れが残らないよう、メラミンスポンジなどを用いてきれいに掃除します。ここで十分にきれいにできていないと、汚れの上からコーティングされてしまい、汚れが取れなくなりますので気を付けましょう。
次に、コーティング剤をダマやムラにならないよう、薄く伸ばしながらていねいに塗っていきます。このとき、同じ箇所に何度も塗り重ねてしまうと凹凸ができてしまうため注意しましょう。
最後の乾燥は、ある程度時間が必要です。途中で水を流したり手を触れたりしないよう注意し、外出前や就寝前に施工するとよいでしょう。
乾燥に必要な時間など、製品によって多少異なることがあります。説明書をしっかり読んでから取り掛かるようにしましょう。
業者に依頼するときの相場
業者に依頼する場合は「やはり費用が1番の心配事」という人は多いでしょう。
もちろん各業者、施工場所の広さ・資材のグレードなどにもよりますが、ここでは一般的な相場の目安を紹介します。新築か中古物件かでも変わるでしょう。
種類別では、一般的な浴室だと、フッ素1~2万円、シリコン3~4万円、ガラス6万円以上がおおよその相場です。
場所別で見ると、フッ素でキッチン・トイレなど1カ所の施工で8,000~2万円、キッチンは1万5,000~2万5,000円が目安です。
また、浴室・キッチン・トイレ・洗面所など4~5カ所のセットパッケージだと3~6万円前後でしょう。複数箇所を同時に依頼すると、多少割引になる場合が多いです。
コーティング後のメンテナンス
「コーティングさえすれば、あとはどれだけ汚しても大丈夫」というわけでは決してなく、施工後も日々のメンテナンスはやはり必要です。また、こまめな手入れはコーティングの効果を長く維持することにもつながります。
<メンテナンス例>
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せっかくの加工を傷めることないように、施工後のメンテナンス方法についてもしっかりと把握しておきましょう。
水回りコーティングで掃除がらくらく
水回りをコーティングすると、汚れにくくなったり汚れてもサッと拭くだけで落とせたりする効果が期待できます。
施工後もメンテナンスは必要です。しかしコーティングの種類によっては防汚・撥水のほか防カビ・防臭・抗菌なども促すため、毎日の掃除の手間や時間はグッと軽減されるでしょう。
どのコーティング剤を使うか、DIYか業者に依頼するかなど複数の選択肢があるため、ニーズや予算に合わせて選ぶことをおすすめします。
水回りクリーニングはプロの業者に依頼しよう
水回りのコーティングを自分でする場合、汚れを落とすことが先決です。しかし、水回りは頑固な汚れがこびりつきやすく、ひどく汚れてしまっている場合もしばしば。
そんな方は、水回りのクリーニングをプロの業者に依頼してみてはいかがでしょうか。
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水回りをピカピカにして、コーティングを実現しましょう!