ミツモアメディア

人気の紫陽花の種類とは?定番から人気品種まで16種類を紹介

最終更新日: 2022年06月27日

紫陽花にはさまざまな品種があります。最近は従来のおとなしい印象を覆す華やかな種類も多々あり、部屋に彩を添えたり、プレゼントしたりするのにおすすめです。

この記事では定番はもちろん、人気の品種から最新の品種まで16種類の紫陽花を紹介します。

紫陽花は大きく分けて5種類!見分け方は?

紫陽花の品種は2000種以上ありますが、大きく5種類に分類できます。見分け方についても紹介します。

ガクアジサイ

ガクアジサイ
ガクアジサイ
名前 ガクアジサイ
学名 Hydrangea macropHylla Thunb. Ser. forma normalis
咲き方 ガク咲き
開花時期 5~7月

ガクアジサイは日本古来の紫陽花で、現在存在するさまざまな種類の紫陽花の原種です。

中央に複数の小さな粒のような両性花が咲き、その周りをガクが発達した飾り花が囲みます。他の種類に比べると飾り花や葉が大きく、葉に光沢があるのが特徴です。

紫陽花の飾り花は、時間の経過とともに色が移り変わっていく性質があります。最初は緑色をしていますが、徐々に白色に変化し、その後青かピンクに、最後に緑色になるのです。

途中、青色になるかピンクになるかは土壌の性質によって変わります。

潮風や乾燥だけでなく、寒さや暑さにも強いので育てやすい品種です。日本古来の花らしく和風の庭園によく映えるでしょう。

ヤマアジサイ(山紫陽花)

ヤマアジサイ
ヤマアジサイ
名前 ヤマアジサイ
学名 Hydrangea serrata
咲き方 ガク咲き
開花時期 5~7月

ヤマアジサイは、福島県から四国・九州地方にかけての太平洋側を中心に、日本で古くから自生する紫陽花です。

小さく可憐な花がつき、葉は薄くて小型、茎も細く、全体的に小ぶりで清楚な印象を受けます。

ガクアジサイと同様にガク咲きで、時間の経過とともに花の色が変化し、土壌の性質によっても色が変わります。

ヤマアジサイも寒さ・暑さに強く、育てやすい品種です。鉢植えで小さく育てることもできるので、さまざまな場所に飾って楽しめるでしょう。

ホンアジサイ(本紫陽花)

ホンアジサイ
ホンアジサイ
名前 ホンアジサイ
学名 Hydrangea macropHylla Thunb.
咲き方 テマリ咲き
開花時期 6~7月

ホンアジサイとガクアジサイの関係

「ホンアジサイ」は、ガクアジサイを園芸用に品種改良して作られたものです。

花房はテマリのような形をしています。私たちがイメージする紫陽花は、ホンアジサイのことです。

明らかになっていませんが、毒を含んでいるという報告もあるため、不用意に触らないでください。特に、ペットの散歩時は注意が必要です。

セイヨウアジサイ(西洋紫陽花)

セイヨウアジサイ
セイヨウアジサイ
名前 セイヨウアジサイ
学名 Hydrangea
咲き方 テマリ咲き

日本に自生していたガクアジサイが西洋で品種改良され、日本へ逆輸入されたものがセイヨウアジサイです。

別名はハイドランジアです。逆輸入後にさらに品種改良されたものもセイヨウアジサイに分類されます。

セイヨウアジサイの経路

花は大きめで手まり型に咲くものが多く、花色もさまざまです。種類は数百にも及ぶといわれています。春から初夏にかけて鉢植えで売られているのを見たことがある人も多いでしょう。

ガクアジサイやヤマアジサイのような在来種と違い、寒さに弱いため、庭に植える際は注意が必要です。冬の寒さが厳しい地域では、鉢植えのまま育てるのが無難です。

アメリカノリノキ

アメリカノリノキ
アメリカノリノキ
名前 アメリカノリノキ
学名 Hydrangea arborescens
咲き方 テマリ咲き
開花時期 6~7月

「アメリカノリノキ」は、北アメリカ東部が原産地の紫陽花です。

大きな花房をつけるのが特徴で、存在感があります。花の色は、白やピンクが多いです。

▽アメリカノリノキについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

関連記事:アメリカノリノキはアメリカ出身のアジサイの仲間!人気品種や育て方も解説|ミツモア

紫陽花の咲き方や色の違い

アジサイの一輪挿し

咲き方は主に3通り

紫陽花の咲き方は、「テマリ咲き」「ガク咲き」「八重咲き」の3通りあります。飾り花であるガクのつき方で分類されます。

咲き方①:テマリ咲き

紫陽花のテマリ咲き
テマリ咲き

「テマリ咲き」はガクが手まりのように半球状に咲いている紫陽花のことです。

咲き方②:ガク咲き

紫陽花のガク咲き
ガク咲き

「ガク咲き」は両性花の周りをガクがまるで額縁のように囲んで咲いています。

咲き方③:八重咲き

紫陽花の八重咲き
八重咲き

「八重咲き」はガクが重なるようについており、1つひとつの塊にボリュームがあります。「ピラミッド咲き」と呼ぶこともあります。

紫陽花の色は土壌の酸性度で変化する

紫陽花とpHの関係

紫陽花の花の色は、土壌の酸性度によって変化します。土壌が酸性(~pH5)であれば青色に咲き、アルカリ性(pH6~)であればピンク色に咲きます。

土壌が弱酸性の日本では、青い色の紫陽花が多いです。紫陽花の根は、酸性に溶けやすいアルミニウムを吸収します。アルミニウムを吸収することでpHは酸性に傾き、青色の花が咲くのです。

紫陽花の人気品種4選

紫陽花にはたくさんの種類があり、その特徴や与える印象はさまざまです。ここではプレゼントにぴったりの、華やかな人気品種を4つ紹介します。

テマリテマリ

テマリテマリ
テマリテマリ
名前 テマリテマリ
学名 Hydrangea macropHylla f.hortensia “Temari temari”
咲き方 八重咲き
開花時期 6~7月

「テマリテマリ」は、手まり型をしたセイヨウアジサイです。

花の色は土壌のpH値によって変わり、ピンクと青があります。近年、メディアで取り上げられることも増え、さらに人気上昇中の品種です。

中央に両性花はなく、ガクだけの紫陽花です。1つひとつのガクは目立ちませんが、八重咲きのため集まって丸い形になると、とても華やかでかわいらしい印象を与えます。

コンペイトウ

コンペイトウ
コンペイトウ
名前 コンペイトウ
学名 Hydrangea macropHylla
咲き方 八重咲き
開花時期 6月

「コンペイトウ」は、白い縁取りのあるガクが特徴です。ガクの色は青とピンクの2種類あり、育てる土壌のpH値によって変わります。

はっきりした色味の周りに白い縁取りがあるガクは、小さく可憐な印象です。しかし、ガクが集まると鮮やかな色味が目を引きます。

日光に当てて育てれば、花の色がよりはっきり際立つでしょう。夏の強い日差しは苦手なので、夏の間は直射日光を避けて管理します。

春~開花する6月の間も、日光を当てるのは午前中だけにするなど、当てすぎないよう注意してください。

管理のしやすさを重視するなら、鉢植えで育てるのがおすすめです。和風の庭園や和室によく似合います。

万華鏡

万華鏡
万華鏡
名前 万華鏡
学名 Hydrangea L.
開花時期 6~7月

「万華鏡」はガクの色味が中心部から縁にかけて、美しいグラデーションになっているのが特徴です。

名前の由来も、ガクのきらびやかな色味からきています。2012年に流通するようになった新品種です。

その年の国内の新品種から優れた品種を選ぶ「ジャパンフラワーセレクション」の鉢植部門で、最優秀賞である「フラワー・オブ・ザ・イヤー」を獲得しました。

受賞をきっかけに一気に知名度が上がり、人気品種となったのです。

カシワバアジサイ(柏葉紫陽花)

カシワバアジサイ
カシワバアジサイ
名前 カシワバアジサイ
学名 Hydrangea quercifolia
咲き方 八重咲き
開花時期 5~7月

カシワバアジサイは、白いガクが集まって円錐形に咲きます。一番の特徴は、葉の大きさと形です。葉は20cm前後と非常に大きく、形は柏餅に使われる柏の葉に似ています。

カシワバアジサイの葉
カシワバアジサイの葉

珍しい色の紫陽花4選

紫陽花の色は青やピンクだけではありません。ここからは珍しい色の花が咲く品種を4つ見ていきましょう。白や濃い紫などユニークな花色の紫陽花は、プレゼントにもぴったりです。

アナベル

アナベル
アナベル
名前 アナベル
学名 Hydrangea arborescens cv. Annabelle
開花時期 6月

アメリカノリノキを園芸用に品種改良したものが「アナベル」です。

アジサイの関係図

アナベルは、花の色の変化を楽しめる珍しい品種です。咲き始めはライムグリーン、花が咲き誇る頃には白、花が咲いた後も切らずに放っておくと再び緑になります。

手まり型でボリュームがあるため、白い花が満開になったときの美しさは一見の価値がありますよ。

手入れがしやすいのも人気の理由です。一般的な紫陽花は、花が咲き終わった頃に剪定する必要がありますが、アナベルは冬になってから剪定しても大丈夫です。

次の春には新芽が出てきて、夏になると再びきれいな白い花を咲かせてくれるでしょう。

ディープパープル

ディープパープル
ディープパープル
名前 ディープパープル
学名 Celosia argentea.
咲き方 テマリ咲き
開花時期 7~9月

その名のとおり、深い紫色の花が特徴的なのが「ディープパープル」です。独特の紫の色味はとても印象的で、目を引きます。時間の経過とともに変化する花の色を楽しめるアンティークカラーの紫陽花です。

デンマークのスクロール社が開発した品種で、それぞれの枝にたくさんの花をつけます。株いっぱいに咲き誇る紫色の紫陽花のインパクトは抜群でしょう。

日光にも強く、真夏の直射日光さえ避ければ、室内はもちろん屋外でも育てられます。枝がしっかりしているので倒れにくく、ガクも丈夫なため、変化していく花色を長く楽しめるでしょう。

カメレオン

カメレオン
カメレオン
名前 カメレオン
学名 Hydrangea
咲き方 八重咲き
開花時期 5~7月

「カメレオン」は、ハイドランジア・アジサイとも呼ばれます。徐々に移り行く色を楽しめるため、近年人気急上昇中の秋色紫陽花です。

ピンク系のカメレオンの花は、最初はかわいらしい淡いピンク色ですが、徐々に明るい黄緑色に変わっていき、最後は重厚感のあるチェリーレッドに変化します。一株でさまざまな雰囲気を味わえるのが魅力です。

しっかりとした枝に花をつけるので、折れることはほとんどなく、特別な手入れも不要です。とはいえ、チェリーレッドになるまで花を楽しみたい場合は、日当たりに気をつける必要があります。

花が咲き始めたら、直射日光の当たらない明るい場所に置き、最後まで色の変化を鑑賞しましょう。

マジカルレボリューション

マジカルレボリューション
マジカルレボリューション
名前 マジカルレボリューション
学名 Hydrangea macropHylla
咲き方 テマリ咲き
開花時期 6~10月

「マジカルレボリューション」は、花の色が中心にかけて濃くなっています。幻想的な印象を与えるセイヨウアジサイの1種です。

他の品種と比べて耐寒性や耐暑性、耐病性に強いため、初心者のでも育てやすいでしょう。

押さえておきたい新品種3選

品種改良によって既にさまざまな品種がある紫陽花ですが、さらに新しい品種も登場しています。中でも、今注目の品種を3つ紹介します。

ラグランジア ブライダルシャワー

ラグランジアブライダルシャワー
ラグランジア ブライダルシャワー
名前 ラグランジア ブライダルシャワー
咲き方 八重咲き
開花時期 5~6月

一見、紫陽花らしくない洗練された見た目と、他の紫陽花よりも格段に育てやすいことで世界を驚かせた日本生まれの新品種が「ラグランジア ブライダルシャワー」です。

一般的な紫陽花は枝の先にだけ花をつけますが、ラグランジア ブライダルシャワーは、側芽も含めて枝についた全ての芽が開花します。

従来の紫陽花に比べて、約6倍もの数の花が咲くラグジュアリーな品種です。

花の色は時間の経過とともに変化し、ライムグリーンから白、最後には薄ピンクに変わります。

また、従来の紫陽花よりも葉が小さく、葉が乾きにくいのもポイントです。水やりが少なくて済むため、紫陽花を育てるのが初めての人でもチャレンジしやすいでしょう。

「フラワー・オブ・ザ・イヤー2019-2020」を受賞した、今大注目の品種です。

エンジェルリング

エンジェルリング
エンジェルリング
名前 エンジェルリング
咲き方 八重咲き
開花時期 6月

「エンジェルリング」は2020年に栃木で誕生し、2021年より市場で本格販売されている新品種です。

人気のある赤紫色に、白い縁取りのある花が特徴です。八重咲きでボリュームがあるうえ、鮮やかな赤紫色が白の縁取りによってさらに際立つので、華やかな存在感があります。

プリンセスリング

プリンセスリング
プリンセスリング
名前 プリンセスリング
咲き方 八重咲き
開花時期 6月

「プリンセスリング」も、エンジェルリングと同様、2020年に栃木で改良された品種です。

エンジェルリングと見た目が似ていますが、プリンセスリングの方が花や白い縁取り部分が大きく、迫力があります。

家で植え替えるなら土壌の種類に気を付けよう

土を手ですくう

紫陽花の色は土壌の種類に影響されます。家で植え替えるなら、植え替える土壌のpH値に気をつけましょう。

買ったときの色を保つ方法

買ったときの花色を保つには、土壌のpHを保つことが大事です。

青色の紫陽花 酸性の土壌
ピンクの紫陽花 中性~アルカリ性の土壌

青い紫陽花を育てるのに土壌を酸性にしたい場合は、鹿沼土やピートモスといった酸性の素材を加えましょう。

ピンクの紫陽花を育てる場合は、赤玉土や腐葉土を混ぜて作った土に苦土石灰を加えてアルカリ性の土壌にします。

苦土石灰の代わりに、薄皮を取り除いた卵の殻を乾燥させて砕いたものを混ぜても構いません。

手軽にpH値を調整したいなら、市販されている紫陽花用の培養土を使うのもおすすめです。花の色別に適切なpH値に調整されているため、美しい花色を維持できるでしょう。

pHの違う土壌に植えると色が濁る

購入した苗の土壌とpH値が大きく異なる土壌に植え替えると、花の色が濁るので注意してください。

ピンクの紫陽花を青色にしたいからと、酸性の土壌に植えても、青色になることはなく、濁った紫色になります。

品種によっては、土壌のpH値を変えても色が変わらない品種もあります。

種類を知ればより一層紫陽花を楽しめる

紫陽花

紫陽花にはさまざまな種類があり、毎年のように新品種が登場しています。その種類と特徴を知ることで、自分の求めるイメージや気分に合ったお気に入りの一株が選べるでしょう。

また紫陽花は、上手に管理すれば次の年も花を咲かせてくれるのが魅力です。ぜひ自分のお気に入りの品種を見つけて、素敵な花色を楽しみましょう。

関連記事:アジサイ(紫陽花)の育て方の基本!植え替えや剪定、代表的な種類も解説|ミツモア