クジャクサボテンという植物をご存じでしょうか?月下美人と同じ分類の、白や赤などの花をつける多肉植物です。
美しい花を咲かせるためには、少しの工夫が必要です。上手に育てるための工夫や注意点について説明します。
クジャクサボテンとは?
クジャクサボテンは交配によって改良された植物です。
大ぶりの美しい花を咲かせるので、庭の主役になることでしょう。
植物名 | クジャクサボテン |
学名 | Epiphyllum Hybrid |
科名 / 属名 | サボテン科 |
原産地 | メキシコ南部~アルゼンチン |
開花期 | 5~6月 |
花の色 | 白・赤・ピンク・オレンジ・黄・紫など |
草丈 | 50~100cm |
育てやすさ | ふつう |
南米原産の多肉植物
クジャクサボテンの原産地は、メキシコ南部〜アルゼンチン辺りです。
常緑性の多年草で、原産地から推測できるように、園芸分類は熱帯・多肉植物とされています。
白・赤・ピンク・オレンジ・黄・紫などの美しい花を5〜6 月に咲かせます。
有名な月下美人もクジャクサボテンの仲間です。
クジャクサボテンの育て方
クジャクサボテンを育てる際には、いくつか注意する点があります。
美しい花を咲かせるためには日当たりや水やりの方法、害虫に気をつけるのがポイントです。
日当たりの良い場所で育てる
クジャクサボテンは日光を好むので、基本的には日当たりの良い場所で育てるのがコツです。
ただし日光に当てすぎると葉焼けが起きてしまいます。
春と秋のみ日当たりの良い場所に置いて、梅雨明けから9月の中頃までは半日陰に置きましょう。
クジャクサボテンは、日光だけではなく、気温にも影響される植物です。
夏の暑さで夏バテのようになり成長が抑えられてしまうこともあるので、正常な生育のためにも夏は強い日差しを避けて育てましょう。
季節ごとに水のやり方を変える
水を与えすぎると根腐れを起こすため、土が乾いていることを確認してから水を与えましょう。
花やつぼみに水が当たると傷んでしまいます。そのため水を根元に注ぐように与えるのがコツです。
冬の休眠期のクジャクサボテンは水をあまり必要としないので、気温が5℃以下になったら水を与えすぎないように管理します。
冬場の気温が高すぎた場合、夏場に休眠期を迎える可能性もあります。
夏に葉の成長が鈍くなった場合は、休眠している可能性を考えて水の量を調節してください。
2年に一度は植え替えをする
クジャクサボテンにとって良い生育環境を整えるためにも、2年に一度は植え替えを行いましょう。
クジャクサボテンの植え替えは、冬と夏を避けて行うことが推奨されています。
植え替えを行う際は、数日前から水やりを止めて、土を乾燥させてから行います。
伸びすぎた根や腐ってしまった根を切り落として、新しく用意した土に植え替えればOKです。
害虫の対策をしっかりと行う
クジャクサボテンには気をつける病気は特にありません。
しかし、害虫には注意する必要があります。クジャクサボテンにつく代表的な害虫がナメクジとカイガラムシです。
ナメクジは新芽や花を食べてしまうので、見つけ次第すぐに駆除しましょう。葉や茎に這ったような湿った跡がナメクジの痕跡です。
カイガラムシは、名前の通り貝殻のような見た目をした害虫です。
葉から養分を吸い取って、植物自体を枯らしてしまいます。カイガラムシには殺虫剤が効きづらいので、歯ブラシやヘラなどを用いて、手作業で擦り落として駆除する必要があります。
クジャクサボテンの花が咲かない理由は?
大切に育てていても、クジャクサボテンの花がうまく咲かないときもあります。
原因を突き止めて、クジャクサボテンの生育環境を整えましょう。
日光不足や水の与えすぎ
水を与えすぎると腐ってしまうので、水やりの量には注意が必要です。天候や湿度によって必要な水分量は変わるものです。
しっかり土が乾燥してから水を与えましょう。
クジャクサボテンは直射日光が苦手ですが、日光が不足しても花が咲かなくなってしまいます。季節に合わせて、日光の当て方を変えましょう。
剪定を適切に行なっていない
クジャクサボテンは成長しすぎると花付きや生育が悪くなってしまうので、剪定を行う必要があります。
伸びすぎてしまった茎は、基本的に冬の休眠期以外であれば剪定が可能です。
ただし良く成長した茎にのみ花が付くので、剪定のしすぎにはくれぐれも注意しましょう。
また7〜9月頃に新芽が多く出てきた場合、そちらに養分を取られてしまい花付きが悪くなってしまいます。
このような場合も剪定した方がよいでしょう。新芽を2〜3個程度残して、指で摘み取ります。
冬場の生育温度が高すぎる
クジャクサボテンが花を咲かせるには、休眠期が必須です。
冬の気温や室温が高すぎると、休眠期が訪れず、花を咲かせることができません。
適切な休眠期を迎えるために、9月末頃から徐々に水やりを控えて、12月末〜2月末には水やりを完全に止めましょう。
さらにクジャクサボテンの鉢を2〜5℃の場所に置くことで、休眠を促すことができます。
クジャクサボテンを上手に育てよう
クジャクサボテンの花を美しく咲かせるためには、日光や水やりの仕方など、注意するべき点が多くあります。
害虫が寄ってきてしまった場合には、適切かつ迅速に駆除を行い、花芽や葉を守る必要があります。
少し手間がかかる植物ですが、大ぶりの美しい花が咲いた姿は心を癒してくれることでしょう。
初心者でも手軽に育てられる植物を探している方には「宿根草」がおすすめですよ。