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つつじとさつきの違いは?特徴や見分け方、育て方について紹介

最終更新日: 2021年04月23日

つつじとさつきは一見とてもよく似ています。しかし詳しく見ていくと、意外と異なるポイントが多いことがわかるはずです。違いを知ったうえで、どちらを育てたいか検討しましょう。

育て方は似ているので、花や葉の色など好みを踏まえて選ぶのがおすすめです。

つつじとさつきの特徴

つつじとさつきの違い
つつじとさつきは何が違う?

つつじとさつきはいずれもツツジ科ツツジ属の植物です。開花時期は少しずれるものの、見た目はよく似ています。それぞれの特徴について見てみましょう。

つつじの特徴

つつじは落葉性の樹木で、日本でも古くから栽培されている植物です。花の奥に蜜があるので、子どもの頃に吸って遊んだ記憶がある人も多いのではないでしょうか。

注意すべきなのはレンゲツツジで、この種の蜜には猛毒が含まれています。庭木として育てられているケースもあるので、特に小さい子どもやペットがいる場合には注意が必要です。

つつじは4〜5月頃に花を咲かせます。

さつきの特徴

サツキは常緑性の低木で、江戸時代から品種改良が続けられてきたという歴史を持っています。盆栽に使われる木として、高い人気を誇る植物です。

花の大きさも大きなものから小きなものまでさまざまで、品種によっては八重咲きの花を楽しめるでしょう。旧暦の5月である「皐月」に花を咲かせることから、「さつき」と呼ばれるようになったといわれています。

その名の通り、さつきの開花時期は5〜6月です。

つつじとさつきの品種の違い

つつじとさつきの品種の違い
つつじとさつきの品種を知ろう

実は、さつきもつつじの一種です。江戸時代頃から区別され始めたといわれています。古くから身近な花ではありますが、生活の中で果たしてくれる役割も異なっているのです。品種としての違いについて知っておきましょう。

さつきはつつじの一種

さつきは「さつきつつじ」とも呼ばれるくらいなので、実はつつじの一種です。昔はさつきとつつじは区別されていませんでしたが、江戸時代から区別されるようになったといわれています。

さつきの方が剪定をしやすく移植も容易だという特徴があるので、園芸用の木として人気になったのが始まりでした。そのためさつきは盆栽として人気がある一方で、つつじは庭木や街路樹として植えられる傾向にあります。

つつじとさつきはどう見分ける?

つつじとさつきの見分け方
つつじとさつきはどこで見分ける?

外見は瓜二つであるつつじとさつきですが、よく観察すると異なるポイントが多々あります。花や葉の大きさ、開花時期などを知っていれば、簡単に見分けられるでしょう。見分けるポイントについて具体的に知っておくと便利です。

開花時期が異なる

つつじとさつきは開花時期が異なります。4〜5月にかけて咲くのがつつじで、5〜6月にかけて開花するのがさつきです。これを覚えていれば、4月に満開で咲いているのはつつじで、6月でもまだ咲いているのはさつきだと見分けられるでしょう。

5月はどちらも咲いている時期ですが、満開に近く美しいのがさつきで、やや終わりかけなのがつつじです。満開の時期が微妙にずれるので、そこで見分けるとよいでしょう。

花の大きさや咲き方が異なる

つつじとさつきは花の大きさが異なります。つつじの方が大きく約6cm前後であるのに対し、さつきはそれに比べてひと回りほど小さく、約4cm前後です。咲き方も異なります。

つつじが一斉につぼみを開花させるのに対して、さつきは1週間くらいかけながら徐々に開花してくいくのです。株を見たときにつぼみがまだ半数くらい残っているようであれば、それはさつきだと見分けられます。

つつじの方が品種改良が行われているため、色のバリエーションはピンク・赤紫・白・赤・混ざったものなど豊富にそろいます。一方のさつきは朱赤である場合が多いでしょう。

葉の大きさや感触が異なる

葉の大きさと感触を比べることでも、容易に見分けられます。つつじの葉はやわらかく光沢があり、長さが約5cmくらいの大きさです。

一方でさつきの葉は硬くて光沢があり、大きさはつつじの葉のおよそ半分くらいと考えましょう。大きさからも一目瞭然ですが、触ってみることでより一層違いが明確になります。

つつじの葉には裏に毛が生えているので、手触りがふわふわとしています。さつきの葉はツルツルと硬い感触になるはずです。

木の高さが異なる

つつじとさつきでは樹高も異なります。いずれも比較的低木ではありますが、つつじは剪定せずに育てると5m程度のサイズまで大きくなる場合があります。これに対してさつきは1m以上に育つことはありません。

このため街路樹などとして植えられているものには、つつじが多いのです。一方で盆栽の木としてさつきが古くから親しまれてきたのは、小ぶりに育つという特徴が背景にあるといえるでしょう。

つつじとさつきの育て方

つつじとさつきを育てる
つつじとさつきはどうやって育てるのか

つつじとさつきは同じ科に属する植物であるため、育て方や手入れ方法は似ています。肥料の与え方や、剪定、増やし方などについて知っておきましょう。一通り押さえておくとどちらを育てる場合にも応用できます。

手入れ方法

つつじとさつきはいずれもツツジ科ツツジ属のため、基本的は手入れ方法は同じです。どちらも日当たりの良い場所を好むので、庭木として育てる際には、日当たりを確保できる場所を選んで植えましょう。

いずれも根が細いため水やりはたっぷりとするのが、上手に育てるポイントです。低い位置にも花を付けますが、水やりをする際には花びらにかからないように注意しましょう。

肥料のやり方は少し異なります。つつじは花が終わった後と、秋・冬のタイミングに粒状の肥料を株の周囲に撒きましょう。さつきは開花後から夏まで、月に1回は粒状の肥料を必要とします。

剪定方法

つつじもさつきも、剪定は花が終わったらすぐに行うのが重要です。遅くなってしまうと新芽が出始めてしまうため、そこまで切り落とすことになってしまいます。結果的に翌年の花付きが悪くなってしまうのです。

どちらを育てる場合にも開花後1カ月の間に剪定を行うべき、とイメージしておくとよいでしょう。刈り込みはいずれも3cmほどを目安にします。枝が増えやすいので、古くなっていたり、枯れたりしている枝は積極的に間引いて刈り込みを行いましょう。

増やす方法

増やす際にはどちらも挿し木がおすすめです。約10cmほどに切ってから1時間ほど水揚げをして、挿し木用の土に挿しましょう。

花の色や模様は挿し木用に切った枝と同じものになるため、柄や色、模様がきれいに出ており、ここと同じ花を増やしたいと思った箇所を選ぶのが大切です。

しっかりと根付くまでは日陰で管理をし、乾燥しないように水やりを行いましょう。成長剤を使うのもおすすめです。

つつじとさつきの管理で気を付けること

つつじとさつきの管理方法
つつじとさつきを適切に管理しよう

つつじとさつきは病害虫の被害もよく似ています。特に「もち病」はどちらもかかりやすいので、注意が必要です。症状の特徴が明確なので、見つけ次第すぐに対処しましょう。

つつじの害虫と病気

つつじには「ツツジグンバイムシ」という虫がつきます。発生時期は4〜10月頃です。葉の汁を吸うので葉がカサカサになってしまい、見た目だけではなく生育にも悪影響が出てしまうでしょう。

「ハダニ」などにも要注意です。注意すべき病気としては、「もち病」や「うどんこ病」が知られています。もち病とは葉に白いもちのような斑点が出る症状が見られる病気です。

うどんこ病にかかると葉の裏に白い粉が出て、時間が経つと全体的に黒っぽくなる症状が見られます。いずれも放置すると翌年の花付きに影響するなど、成長の妨げになるので、見つけたら早急に取り除くか薬剤を撒くなどの対策をしましょう。

さつきの害虫と病気

さつきの害虫としては「ベニモンアオリンガ」に要注意です。花が咲かなくなる原因の一つにもなってしまいます。「シンクイムシ」とも呼ばれている通り、花や葉の芽の中に入り込んで芯を食べるのが特徴です。

見つけたらすぐに取り除きつつ、7〜10月頃にかけて薬剤を散布すると翌年の被害を抑えられるでしょう。病気としてはつつじと同様、もち病になる可能性があります。

雨が多いなど日照不足の天候が続くと発生しやすいので、日々の手入れの中でよく観察しましょう。放置しておくと腐って枯れてしまうため、早めの駆除が必要です。

ほかにもあるツツジ類の植物

ほかにもあるツツジ類の植物

つつじとさつき以外のツツジ科の植物を紹介します。シャクナゲもアザレアもとても華やかで美しい花を咲かせるのが特徴です。ツツジ科をそろえて庭に咲かせるのもおすすめなので、比較検討してみましょう。

シャクナゲ

シャクナゲはつつじにとても近い種類の植物です。花が大きく美しく、見応えがあるので「花木の女王」と呼ばれることもあります。

枝の先に大きく房状の花を咲かせるので、とても華やかな印象です。葉には毒があるので取り扱いには注意しましょう。常緑なので落葉することなく、その光沢と厚みのある葉は冬の寒さにも耐えられます。

アザレア

アザレアは「西洋つつじ」とも呼ばれています。花びらがフリルのようになっており、とてもゴージャスで華やかな印象を与える花です。八重咲きでボリュームを感じさせる咲き方が美しく、人気があります。

花色にもバリエーションがあり、白・赤・ピンク・紫などを楽しめる上、発色が明るめなので、見ていると気分が華やぐでしょう。観賞用として人気なので、鉢植えで育てられることも多いです。

つつじとさつきを見分けて楽しい園芸を

つつじとさつきを見分けて楽しい園芸を

つつじとさつきは似て非なる植物です。一見とても似ていますが、花や葉の大きさや質感など、よく見ると違う点も多いことがわかります。

盆栽なども楽しみたい場合にはさつきがおすすめで、花のボリュームや色のバリエーションを楽しみたい場合にはつつじを選ぶとよいでしょう。

育て方や病害虫に関する注意ポイントも似ているので、どちらも育てる場合には、さほど手をかけずに、開花時期をずらして花を楽しむこともできます。

シャクナゲやアザレアなども同じツツジ科の植物なので、気になる場合は選択肢を広げて検討してみるのもおすすめです。

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