下水の詰まりが自分で解消可能か分からない人は少なくありません。下水の詰まりの原因は主に3種類あり、自分でも予防が可能です。下水の仕組みを知ることも対策になります。下水の詰まりの直し方についても解説するので、見ていきましょう。
下水はどんな仕組み?
下水の詰まりの原因を知るには、まず下水はどんな仕組みで流れているかを、理解する必要があります。下水が詰まるとどんな影響があるかも、知っておきましょう。
下水には汚水・雑排水・雨水がある
下水は生活排水と雨水のことです。生活排水の中でも排泄物を含んだ汚水と、排泄物を含まない雑排水があり、それぞれ排水管を通って汚水桝に流れます。
汚水桝とは家庭内の排水管を通ってきた下水が合流する場所で、排水桝とも呼ばれる下水の合流地点です。排水桝ではゴミや汚物などの異物と水を分離させ、水だけを公共の下水管へ流します。
排水桝に異物がたまると、スムーズに水を流せません。この排水桝に異物がたまって水が流れない状態を、下水の詰まりと呼びます。
下水が詰まると生活に影響
下水が詰まると汚水が逆流したり、トイレや風呂が壊れる原因になったりなど、日常生活に影響を及ぼします。
汚水はゴミや汚物が含まれており、悪臭をともなうのが特徴です。雑菌を含んでいるため、病気の原因となることもあります。
汚水が溢れるのを防ぐために元栓を閉めると、キッチンやトイレなど水回りが使えなくなります。汚水を無理に流そうとしてさらに水を流すと、排水管が破裂して修理が必要となることもあり、日常生活への影響は避けられません。
マンションであれば下の階に汚水が漏れることも考えられ、その場合は賠償金を支払わなければならなくなるので注意が必要です。
下水が詰まる原因は大きく3種類
下水が詰まる原因は、水回り・自然災害や排水管まわりの環境・建物の構造が影響しています。どんな原因があるのか、順に見ていきましょう。
水回りの使い方
下水が詰まる原因は、トイレや風呂・洗面台・キッチン・洗濯機など、水回りの使い方に原因があることがほとんどです。
トイレではトイレットペーパーの流しすぎや、生理用品、食べ残しなど、異物を流すことが詰まりの原因となります。スマホやボールペンなどを誤って落としてしまい、詰まりを引き起こすこともあります。
風呂や洗面台では抜け毛や石けんカス、皮脂が下水の詰まりの主な原因です。特に髪の毛は詰まりを起こす1番の原因となります。石けんはぬめりをともなうため、後から流れた汚れも絡めてどんどん大きくなり、さらに詰まりの原因となっていくのです。
歯磨き粉のキャップ、アクセサリーなどの異物を誤って落とした場合も詰まりの原因となるので、注意しましょう。
キッチンは油汚れや食事の残りカス、洗剤のカスによって下水が詰まります。油はほかのゴミと一緒になり、下水を流れにくくさせます。掃除の際にブラシを落としたり、スプーンやフォークなどを落としたりして詰まることもあるので、使い方についても気を付けることが大切です。
洗濯機の詰まりは衣類から落ちた垢や泥、糸くずが詰まりの原因となります。
自然災害や排水管まわりの環境
下水の詰まりは生活排水だけでなく、雨や台風などの自然災害や排水管まわりの環境も原因です。
例えば大雨で大量の土が排水管に流れると、排水桝に土がたまって水が流れなくなります。地盤に影響が出るような台風や地震の場合、下水管の勾配が逆転して水が流れなくなったり逆流したりすることもあります。
また木の根も詰まりの原因の1つです。木の根が伸びて排水管を突き抜けながら成長し、下水を詰まらせてしまうのです。1カ所だけでなく複数箇所で発生することもあります。
建物の構造
排水管は勾配が付けられ水を流しやすくなっています。
マンションは各階の住戸の下水をまとめた後に、下の階へ下水を流します。そのため上から下に流れる勢いがあり、排水管に汚れがたまりにくく下水が詰まりにくいのが特徴です。
しかし戸建ては横方向の排水管が多くなっており、マンションよりも下水が流れにくくなっています。そのため下水の詰まりはマンションよりも、戸建ての方が起きやすい傾向です。排水管が緩やかな勾配になっているため下水の勢いが弱くなり、汚れがたまりやすくなるのです。
下水の詰まりの確かめ方
下水の詰まりには前兆となる現象があります。この前兆を放置しておくとどんどん下水が詰まっていき、流れなくなったり逆流を起こしたりします。下水の詰まりの確かめ方を解説するので、チェックしましょう。
下水が詰まるときの前兆は音
下水の詰まりが起きていると、水を止めたときに「ポコポコ」や「ボコッ」という音が聞こえます。この音は下水が詰まってきている前兆です。
下水が詰まると水がスムーズに流れず、排水管内の空気が押し上げられて「ポコポコ」や「ボコッ」という音が鳴ります。
詰まりのない状態なら、こうした音は聞こえないのが普通です。
放置するとどんどん詰まりが大きくなって、下水が逆流してくることも考えられるので、「ポコポコ」や「ボコッ」という音が聞こえた段階で、下水の詰まりが起きていることを疑いましょう。
詰まりの場所の特定方法
下水管は分流式と合流式の2つがあり、それぞれ詰まりの場所の特定方法が異なります。
分流式は汚水・雑排水・雨水をそれぞれ別に配管しているものです。トイレがうまく流れないならトイレが、キッチンの排水がうまくいかないならキッチンに原因があるなど、詰まりが発生しているところを見つけやすくなっています。
合流式は汚水・雑排水を途中でつなげているため、トイレとトイレ以外に分けて、どこが流れにくいかを順に特定します。トイレの流れが悪い場合はトイレが原因です。
トイレが問題なくキッチンや風呂が流れないときは、雑排水管のどこかが詰まっていると判断します。
下水の詰まりを自分で直す方法
下水の詰まりを自分で直すには、液体パイプクリーナー・真空式パイプクリーナー・ワイヤーブラシ・高圧洗浄機を利用する方法があります。どんなときに使えるかや、メリットデメリットを紹介します。
液体パイプクリーナーで汚れを落とす
軽度の詰まりには液体パイプクリーナーが使えます。下水の詰まりの解消には、濃度が2%以上のものを選びましょう。
- 排水口の蓋や部品を外す
- 液体パイプクリーナーを流し、一定時間放置する
- 水を流して洗い流す
液体パイプクリーナーは長く置けばよいものではありません。放置時間を守らないと液体が固まってさらに大きな詰まりとなることもあるので、注意しましょう。
使い方は簡単ですが、固くなった汚れや大きな汚れなど、長年放置された汚れは落とせないのがデメリットです。
真空式パイプクリーナーで汚れを吸い取る
軽度の油や野菜クズによる詰まり、ぬめりによる排水管の詰まりには、真空式パイプクリーナーがおすすめです。トイレットペーパーや便の詰まりにも使えます。
ラバーカップ(スッポン)よりも吸引力や圧力が強く、詰まりの原因の汚れを吸い取ります。
- 排水口の蓋や部品を外す
- レバーを押し付けて排水口に密着させたら、レバーを引く
- 詰まりが解消するまでレバーを押し引きする
しかし固形物や大量のトイレットペーパー、長年蓄積した汚れなど重度のものは落とせません。重度の汚れを取ろうと無理に使用すると、排水管を傷める恐れがあるので、注意しましょう。
ワイヤーブラシで汚れを取る
排水管の浅いところで詰まりが発生している場合は、ワイヤーブラシがおすすめです。排水管のサイズに合ったブラシを選びましょう。
- 排水口の蓋や部品を外す
- 排水管の壁に沿うように挿入する
- ブラシを回転させながら汚れを取る
ワイヤーブラシを引き上げる際に汚物が飛び散る恐れがあるので、汚れてもよいように、排水口まわりに新聞紙や養生シートを敷いてから始めましょう。
強度が低いと排水管内で曲がることもあるので、強度のある商品を選ぶようにします。汚れを奥に詰まらせることもあるので注意しましょう。
高圧洗浄機で汚れを洗い流す
高圧洗浄機は水を噴射して、排水管の汚れを落とすものです。業務用と家庭用があるので、自分で使用することもできます。
- 排水口の蓋や部品を外す
- 排水管内にホースを入れて水を噴射する
家庭用を持っていれば、詰まりが気になったときにいつでも使用可能です。しかし高圧洗浄機は扱いが難しく、安価なものは勢いがないため、汚れを取り切れないことがあります。
下水の詰まりを業者に依頼する場合
軽度の詰まりは自分で解消することもできますが、長年たまった汚れは業者でしか取り切れません。下水の詰まりを業者に依頼する場合の費用や手順を解説します。
業者に依頼した場合の費用相場
下水の詰まりを業者に依頼する場合、キッチンは8,000~1万2,000円が相場です。トイレや洗面台、風呂は軽度なら4,000~8,000円ですが、詰まりがひどくローポンプを使うと追加で1万円程度かかります。
洗濯機は軽度なら8,000~1万2,000円程度、ポンプを使う場合は6,000~1万2,000円程度が追加で必要です。
いずれの場合も大きな汚れや詰まりが重度の場合は高圧洗浄機を使用することになり、3~5万円程度かかります。
下水の詰まりを業者に依頼する場合の費用には、調査料や出張料、作業料など追加料金がかかります。取り替えが必要な場合は、部品代も必要です。
業者に依頼する手順
下水の詰まりを業者に依頼するときは、複数社で見積もりをするのがポイントです。料金がほかと比べて高い場合もそうですが、安い業者にも注意が必要です。見積もり料金を安くして、追加料金を多めに取る業者もいるので注意しましょう。
業者を選ぶ際は水道局の認可を受けた指定工事業者を選び、自社で工事を行う業者にすると費用を安く抑えられます。1年以上のアフターフォローが付いている業者もあるので、アフターケアを含めた料金で考えるのがよいでしょう。
ミツモアでは地域の業者を見つけられ、実際に依頼した人の口コミをチェックできます。ぜひミツモアのサイトをチェックして、詰まりを直す専門家に作業を依頼しましょう。
自宅でできる下水の詰まり予防
自宅でできる下水の詰まり予防について、室内でできる対策と屋外でできる対策に分けて紹介します。普段から使い方や環境を整え、詰まりを予防していきましょう。
室内でできる対策
キッチンでできる下水の詰まり対策には、油を流さないことや食べ残しが流れないよう、網目の細かなネットを付けることなどがあります。「少しくらいなら大丈夫」と油断すると、どんどん詰まりが大きくなっていくので、注意しましょう。
トイレの詰まり対策はトイレットペーパーを1度に大量に流さないことや、異物を流さないことがあります。ティッシュペーパーは水に溶けにくいので、トイレでは使用しないようにしましょう。
風呂や洗面所は髪の毛が流れないようにヘアキャッチを付けたり、定期的にぬめりを取ったりすることで予防ができます。網目の細かいキャッチを使うのがおすすめです。
週に1回は掃除するなど、普段から汚れがたまらないようにすることも大切です。固形物を落とすことも詰まりの原因となるので、誤って落とさないよう、使い方にも気を付けましょう。
屋外でできる対策
屋外で下水の詰まりを予防するには、土や落ち葉、ゴミなどが排水桝に入らないように気を付けます。土や落ち葉などは、髪の毛の詰まりと比べても取りにくいので、普段から排水口まわりの掃除をしておくのを忘れないようにしましょう。
蓋や排水管が壊れていると、大量の土やゴミが管内に入り込むこともあります。そのため定期的に蓋や排水管が壊れていないか、確認することも必要です。
下水を詰まらせない対策をしよう
下水の詰まりの原因には、水まわりの使い方や屋外の環境、建物の構造が関係しますが、普段から気を使うことで詰まり対策が可能です。汚れがたまる前に液体パイプクリーナーやワイヤーブラシなどを使って、ケアしておくのがおすすめです。
「ポコポコ」「ボコッ」という音は詰まりの前兆なので、音が聞こえたときはすぐに対処しましょう。
普段の手入れは自分でも可能ですが、重度の詰まりは業者でないと解消できません。ミツモアでは下水の詰まりのプロに相談可能なので、複数社見積もりを取って業者を選びましょう。
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