テレビなどの「家電リサイクル法」に該当する家電を処分するためには、リサイクル券を用意する必要があります。
この記事では、家電リサイクル法に該当する家電を処分するための、具体的な料金や方法を解説していきます。状況によって処分方法が異なるので、ぜひ参考にしてください。
家電リサイクル法の対象は「テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機」の4つ
家電リサイクルの対象となるのは以下の家電4品目です。
- テレビ(ブラウン管、液晶、プラズマ)
- エアコン(室外機を含む)
- 冷蔵庫、冷凍庫
- 洗濯機、衣類乾燥機
これらの家電は特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)という法律によって、リサイクルが義務づけられています。そのため自治体が行っている粗大ゴミ収集では処分してもらうことができません。処分する際は「家電リサイクル券」を購入する必要があります。
家電リサイクル券の値段は処分する家電の品目やメーカーによって異なります。またどこでどのように処分するかによって購入方法も変わってくるので、順番に説明していきましょう。
「家電リサイクル券」とは?
家電リサイクル券とは、リサイクルの重要性が高い特定家庭用機器(テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機の4品目)を国が定める方法でリサイクルする際に必要となる券です。 廃棄物を減らし、まだ使える資源を有効活用するために2001年に家電リサイクル法が制定されました。
基本的に家電をリサイクルする場合は、依頼主がリサイクル費用を負担しなければいけません。
家電リサイクル料金はいくらかかる?
家電リサイクルをするための費用は「家電リサイクル券代」と「運搬費用」の2つです。料金は基本的に、消費者(捨てる人)が支払うと定められています。
なお家電リサイクル券代=リサイクル料と考えて良いでしょう。
それでは、それぞれの料金の相場を解説していきます。
「リサイクル料」は家電の大きさやメーカーによって異なる
「製造業者等が家電をリサイクルするための費用」がリサイクル料(=家電リサイクル券代)です。消費者はリサイクル券を購入し、業者に渡すことでリサイクル料を払う仕組みになっています。
【リサイクル料の目安一覧】
品目 | 料金 |
・エアコン(室外機を合わせた料金) | 990~2,000円 |
・テレビ(ブラウン管、15型以下) | 1,320~3,100円 |
・テレビ(ブラウン管、16型以上) | 2,420~3,700円 |
・テレビ(液晶・プラズマ、15型以下) | 1,870~3,100円 |
・テレビ(液晶・プラズマ、16型以上) | 2,970~3,700円 |
・冷蔵庫、冷凍庫(170リットル以下) | 3,740~5,200円 |
・冷蔵庫、冷凍庫(171リットル以上) | 4,730~5,600円 |
・洗濯機、衣類乾燥機 | 2,530~3,300円 |
主要メーカー(シャープ、パナソニック、日立、東芝、三菱)の家電リサイクル料金一覧は以下の通りです。
【主要メーカーの家電リサイクル料金表】
シャープ | パナソニック | 日立 | 東芝 | 三菱 | |
エアコン | 990円 | 990円 | 990円 | 990円 | 990円 |
液晶・プラズマ式 テレビ(小) |
1,870円 | 1,870円 | 1,870円 | 1,870円 | |
液晶・プラズマ式 テレビ(大) |
2,970円 | 2,970円 | 2,970円 | 2,970円 | |
冷蔵庫・ 冷凍庫(小) |
3,740円 | 3,740円 | 3,740円 | 3,740円 | 3,740円 |
冷蔵庫・ 冷凍庫(大) |
4,730円 | 4,730円 | 4,730円 | 4,730円 | 4,730円 |
洗濯機・ 衣類乾燥機 |
2,530円 | 2,530円 | 2,530円 | 2,530円 | 2,530円 |
このようにリサイクル料は家電の品目、大きさによって異なります。
メーカーのリサイクル料はメーカーのホームページで調べることでも可能です。
「運搬費用」は依頼する回収業者によって異なる
家電を処分するときは、運んでもらうための運搬費用もかかります。運搬費用はリサイクル料に含まれていないので、リサイクル料とは別に支払う必要があります。ただし家電を自分で指定取引所へ運ぶ場合は、運搬費用はかかりません。
金額は回収業者によって異なるので、依頼する業者に見積もりをしてもらう必要があります。相場は以下の通りです。
回収業者 | 金額 |
・家電量販店(買い替え時) | 550~1,650円 |
・家電量販店(回収のみ) | 2,750~6,000円 |
・自治体の指定業者に依頼 | 2,500円~ |
ソニーの55型テレビを処分する場合の費用例
ソニーの55型テレビを回収する場合の費用例を、以下の3パターンでご紹介します。
1.買い替えで家電量販店に引き取ってもらう場合
2,950円(リサイクル料)+1,650円(運搬費用)=4,600円
2.自治体が行っているリサイクル回収を利用する場合
2,950円(リサイクル料)+2,500円(運搬費用)=5,450円
3.自分でリサイクル券を購入して指定取引所へ持っていく場合
2,950円(リサイクル料)+0円(運搬費用)=2,950円
リサイクル料はいずれも変わらないので(2,950円)、それぞれの業者が設定する運搬費用で料金の差が生まれます。
家電のリサイクル・処分方法は主に3パターン
特定家電のリサイクルには、次の3つの方法があります。
・家電量販店にリサイクル料を払って回収してもらう
家電を買い替える場合は、新しい家電を購入する小売店に回収してもらうことが一般的です。また買い替えではなく、家電を処分するだけの場合でも小売店に回収を依頼できます。そして家電を購入した小売店でなくても、回収を依頼すると対応してもらえる場合があります。
・自分で家電リサイクル券を購入して持ち込む
購入した店が分からない、もしくは無くなっている場合におすすめの処分方法です。
あらかじめ料金郵便振込方式でリサイクル券を購入し、家電に貼り付けて指定取引所に持ち込むと引き取ってもらうことができます。
・不用品回収業者やリサイクルショップを利用する
自治体によりますが、リサイクル協同組合があったり回収業者を指定していたりする場合も少なくありません。また家電が使える状態であれば、不用品回収業者やリサイクルショップに買い取ってもらえることもあります。
家電リサイクル券を購入する方法は2パターン
家電リサイクル券を購入する方法は「料金販売店回収方式」と「料金郵便振込方式」の2パターンに分かれます。
「料金販売店回収方式」と「料金郵便振込方式」のどちらの方法でリサイクル券を購入するかは、家電を処分するときの条件によって異なります。具体的な状況ごとにリサイクル券の購入方法を解説していきます。
回収業者に料金を渡して家電リサイクル券を購入してもらう「料金販売店回収方式」
料金販売店回収方式は、回収を依頼する業者(家電量販店や自治体の指定業者)に料金を支払い、リサイクル券を代わりに購入してもらう方法です。基本的にはこちらで処分するのがおすすめです。
消費者(捨てる人)は自分で家電リサイクル券を用意しなくて良いケースが多いでしょう。料金販売店回収方式で家電を回収している小売店に依頼する場合は、リサイクル券の用意は小売店にお任せします。
ただし小売店が家電リサイクル券センターに加入していないなど、消費者がリサイクル券を用意しなければならないケースもあります。まずは問い合わせをしてみてください。
リサイクル券を郵便局で購入する「料金郵便振込方式」
料金郵便振込方式は、消費者が自分でリサイクル券を用意する方法です。リサイクル券は郵便局で購入でき、窓口かATMで料金を支払います。休日や時間外でもATMは利用できますが、窓口で振替払込受付証明書を交付してもらう必要があります。いずれにしても、窓口が開いている時間帯に郵便局に行かなければなりません。
①家電量販店にリサイクル料を払って回収してもらう
家電を買い替える場合は、新しく購入する店に回収してもらう
家電を買い替える場合は、新しい家電を購入する小売店に回収してもらうことが一般的です。小売店には家電の買い替え時に古い家電を引き取る義務があるので、新しく家電を購入するときは回収も同時に依頼できます。
このパターンは料金販売店回収方式です。自分でリサイクル券を用意する必要がなく運搬費用も比較的安いので、家電の買い替え時にはおすすめの方法です。
近くの家電量販店に回収してもらう
家電を購入した小売店でなくても、回収を依頼すると対応してもらえる場合があります。ただし小売店には自らが販売した商品以外は引き取る義務がありません。小売店によっては依頼しても断られる場合もあるため、回収を行っているかあらかじめ確認する必要があります。この方法は料金販売店回収方式となります。
家電を処分するだけの場合は、購入した店に回収してもらう
買い替えではなく、家電を処分するだけの場合でも小売店に回収を依頼できます。なぜなら小売店には、自分が販売した家電を引き取る義務があるからです。
このパターンも料金販売店回収方式になります。自分でリサイクル券を用意する必要はありませんが、多くの小売店では買い替え時よりも運搬費用を高く設定しています。料金を確認してから依頼した方がいいでしょう。
②自分で家電リサイクル券を購入して持ち込む
購入した店が分からない、もしくは無くなっている場合は以下の方法で処分できます。
自分で指定取引所に持っていく
指定取引所は全国にあり、近くの取引所の住所や電話番号は家電リサイクル券センターのホームページから確認できます。あらかじめ料金郵便振込方式でリサイクル券を購入し、家電に貼り付けて指定取引所に持ち込むと引き取ってもらえますよ。
また家電量販店や回収業者に依頼できる場合でも、消費者が自ら「指定取引所」に持ち込むことも可能です。運搬費用がかからないので「自分で家電を運ぶことが可能で、処分費用を抑えたい」という人にはおすすめです。
③不用品回収業者やリサイクルショップを利用する
自治体が指定する回収業者を利用する
自治体によりますが、リサイクル協同組合があったり回収業者を指定していたりする場合も少なくありません。自治体の提携業者を利用する場合のリサイクル券の購入方法は、基本的に料金販売店回収方式です。詳しくはお住まいの自治体に確認するようにしてください。
不用品回収業者やリサイクルショップに回収してもらうor買い取ってもらう
家電がまだ使える状態であれば、不用品回収業者やリサイクルショップに買い取ってもらえることも。処分しないのでリサイクル券を購入する必要はなく、まだ新しい家電であれば買い取ってもらえる可能性があります。
リサイクル料を払わずに処分する方法として、まだ使える家電はリユースすることもおすすめです。
「リユース品(中古品)」の対象になる家電の目安は以下の通りです。
①使用期間が7年以内(地域によっては10年以内)の製品 |
②外観に著しい破損や汚れがない |
③外観から機能上不可欠な部品の欠損がない(または修理可能である) |
④リコール対象に該当せず、安全性が保たれている製品 |
リユースショップによる買取
リユースショップ(リサイクルショップ)に買い取ってもらうには、「店頭」「自宅」「宅配便」の3つの方法があります。
【店頭】
買い取ってもらいたい製品をショップの店頭に持ち込み、査定を受けて買い取ってもらう。
【自宅】
リユースショップのスタッフに自宅まで来てもらい、査定を受けて買い取ってもらう。
出張買取に条件がつく場合もあるが(例:家具家電が5品目以上など)、自宅まで来てもらえる。
【宅配便】
売りたいものを箱詰めして着払いで送り、査定を受けて買い取ってもらう。
査定結果はメール等で確認して、それに納得すれば買取金額が口座に振り込まれる。
フリマアプリ(メルカリ・ジモティーなど)に出品
フリマアプリで家電を出品し、うまく買い手を見つけるコツは、「商品説明を詳しく記載する」「商品がはっきりとわかる写真を使う」「適正な出品価格をつける」の3つです。
フリマアプリには商品の状態を記載する欄があります。この文面をより丁寧に記載することにより、購入者に出品する物の良さを伝えることが可能です。
また出品時には購入者との後々のトラブルを避けるためにも、はっきりと商品の状態がわかる写真を使いましょう。
出品価格が高すぎるとなかなか売れません。実際に売れている同じブランドや似ている物の価格を参考にして金額設定をするとよいでしょう。
またフリマアプリでは送料も考慮して価格設定することが大切です。価格設定が安すぎると売却益よりも送料の方が高くなってしまうということもあります。
家電リサイクルをするときの注意点を6つご紹介
家電リサイクルを行うときの注意点を6つご紹介します。注意点を知らないだけで損をしてしまったり、家電の引き渡しができなかったりする可能性もあるので、ぜひ参考にしてください。
①区分コードがある
不用になったテレビを処分するにも、種類や大きさによって区分コードが割り振られています。
テレビの種類 | 区分コード |
---|---|
15型以下 ブラウン管 |
21番 |
16型以上 ブラウン管 |
22番 |
15型以下 液晶・プラズマテレビ |
51番 |
16型以上 液晶・プラズマテレビ |
52番 |
②テレビの大きさを確認
テレビの大きさを知るには、テレビ前面のパネル部に表示されている型番か、裏側に刻印されている定格表示の型番で知ることができます。
TH-「15」FR5や「21」ZS18、C「25」M90など型番で見ると最初の2桁の数字が、テレビの大きさを表していることが多いです。
③リサイクル券は貼る位置が決められている
リサイクル券は、管理表の機能と製造業者へのリサイクル料金の支払いを円滑に行えるように作られたシステムです。
ブラウン管は右側面上部、液晶・プラズマテレビは背面左上部に、それぞれリサイクル券を貼る位置が定められています。
④無許可業者には依頼しない!高額請求されることも
不用品回収業者に依頼するときは、無許可業者を選ばないように注意しましょう。無許可業者に家電を引き渡してしまうと、次のような危険があります。
- 山奥などに不法投棄され、環境破壊につながる
- トラックに積み込んだ後に高額な請求をされる
回収業者を選ぶときのポイントは、回収業者に「一般廃棄物処理業許可」という許可があるかどうかです。「産業廃棄物処理業許可」と書いてある業者は、工場や企業の廃棄物の回収はできますが一般家庭の家電を回収することはできません。
環境と自分の身を守るために、必ず回収業者が「一般廃棄物処理業許可」を持っているか確認してから依頼しましょう。
⑤家電の取り外し、玄関前までの搬出は運搬料に含まれない
運搬費用には、家電を取り外したり玄関前まで運んだりといったサービスは含まれていないことがあります。玄関前に置いてある家電しか引き取れないという業者に依頼した場合は、あらかじめ家電を取り外して玄関前まで運んでおく必要があります。
小さなテレビなどは問題なく運べるとしても、大型の冷蔵庫や洗濯機は大人が複数人いないと運べません。エアコンや室外機は自分で取り外しができないという人も多いでしょう。あらかじめ回収業者に行ってもらえる範囲を確認しておくと安心です。
⑥リサイクル券の控えは必ず受け取り、保管しておく
リサイクル券は消費者が家電を適切な方法でリサイクルに出した証明なので、控えは必ず受け取って保管しましょう。
リサイクル券には13桁のお問い合わせ番号が記載されています。家電リサイクル券センターのホームページ(排出者向け引き取り確認)にお問い合わせ番号を入力すると、自分の家電がリサイクルされているか確認できます。
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③見積もり料金と口コミを比較して選べる
各事業者の見積もり料金はもちろん、過去にその業者に仕事を依頼したユーザーからの口コミ評価も確認できます。
「相場より金額が高すぎたり安すぎたりしないか」「悪い口コミが集まっていないか」など、複数の観点で事業者を比べられますよ。
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