アボカドを健康に育てるためには剪定が必要です。しかし具体的にどのようなタイミングで剪定するのがよいのでしょうか?剪定に適した時期や剪定方法などアボカド剪定のコツを中心に、アボカドを育てる基本的なポイントを紹介します。


アボカドの剪定時期は1~2月と3~5月
アボカドの剪定は3~5月をメインに、必要に応じて1月~2月中旬にも行います。
3~5月:増えすぎた枝を減らし、樹形を整える
3~5月には、春になって伸びすぎたり増えすぎたりした枝、生育の悪い枝などを間引く剪定をします。木の内部の日当たりと風通しを確保することで樹木の生育を促し、果実がよく実るようになるでしょう。
1月~2月中旬:不要な枝を間引く
生長が緩やかになっている1月~2月中旬にも、ダメージを抑えてアボカドを剪定することができます。ただし寒さにあまり強くないため、枯れた枝や重なり合った枝など、明らかに不要な枝を減らすだけにとどめましょう。
アボカドの剪定方法
アボカドの剪定には「摘芯」と「透かし剪定」という目的の異なる2種類があり、それぞれ切る枝が違います。
摘芯の方法
アボカドが30~40cmの高さに育った段階で、頂点の新芽を切り取る「摘芯」を行います。
摘芯をすると、縦方向への生長を遅らせ、横方向への枝分かれがうながされます。
透かし剪定の方法
内部の風通しや日当たりを確保するために行う剪定が、透かし剪定です。
以下のような不要な枝をつけ根から切り落とし、枝の数を減らします。
- 枯れた枝
- 細くて元気がない枝
- 内向きや下向きに伸びている枝
- 他の枝と絡まっている枝
不要な枝を一通り切り落としたら、木全体のバランスを見ながら、混み合った部分を間引いて枝の数を減らしていきます。具体的なバランスのとり方は以下が目安です。
- 主幹から四方にバランスよく枝が広がった状態にする
- 枝と枝の間隔をどこから見てもなるべく均等にする
「遠くから眺めたときに、枝の密度が均等になっているか」を確認しながら進めましょう。
アボカドを剪定する目的
茂り過ぎた枝葉を取り除き、風通しや日当たりを確保するのが剪定の役割です。これは病害虫対策としても役立ちます。
木がダメージを受けるのを避けるために、適宜剪定することが大切です。
害虫対策としての剪定
枝葉が混み合っている木は虫にとって隠れる場所が多くあり、居心地がよいものです。アボカドを剪定せずに育てていると、葉にイモムシなどの害虫が付くことがあります。
イモムシはアボカドの葉を食害するため、見つけたら取り除かなければいけません。また単に食害されるだけでなく、害虫をきっかけとしてアボカドが病気にかかることもあるのです。
適度に枝を剪定することで、害虫を寄せ付けない環境を作ってあげましょう。
病気対策としての剪定
生育旺盛なアボカドですが、剪定せずにいると内部の風通しが悪くなり「炭そ病」という病気の原因になります。
葉に黒褐色の斑点ができ、どんどん広がって葉が枯れてしまう病気です。葉がなければ光合成ができないため、養分を生み出すことができません。
観葉植物としてアボカドを育てている場合、葉が枯れて減ってしまうと見た目にも悪いため、早期に発見して対処することが大切です。
アボカドのお手入れのコツ
剪定の他にもアボカドを育てるために大切なポイントがあります。環境・水やり・肥料などのポイントを押さえ、適切なお手入れを行いましょう。
育成環境
中南米原産のアボカドは、日当たりがよく乾燥した暖かい場所を好みます。
そのためプランターで育てるなら日がよく当たる、風通しのよい場所に置きましょう。ただし風通しがよくても北風が強い場所は向いていません。
また寒さに弱いため、秋冬の寒い季節には室内での管理が向いています。プランターごと室内に取り込み、日当たりがよい場所に置きましょう。
水やりのタイミング
水やりは「2~3日に1回程度」で十分です。土の表面をチェックし乾いていたら、鉢底から水が出てくるくらいたっぷり水やりします。
ただし春から秋にかけての生育期は水切れを起こしやすい時期のため、乾燥し過ぎないよう注意しましょう。水やりをしたばかりでも、葉が元気なくしおれた様子をしているときには、水切れしている可能性があります。
冬になり成長スピードが遅くなる時期には、生育期ほど水を必要としません。水やりの頻度を抑えることで、根が腐るのを防げます。
肥料
生育期の春から秋にかけて、アボカドはどんどん成長します。そのため窒素・リン酸・カリウムが同じ割合か、リン酸が少し多めの緩効性化成肥料を置き肥し規定量与えましょう。
また即効性のある液体肥料は、アボカドの状態を見て利用するか決定します。花付きがよく開花が多いときは、その分多くの養分を必要とするため、液体肥料を併用するのがおすすめです。
植え付け方
アボカドの植え付けに適しているのは「5~6月」ごろです。植え付ける株をそのままの大きさで楽しむ場合には、枝葉を半分ほどに整理し、根に付いた土も約1/3取り除き、新しい土を加えて植え込みます。
成長させたいなら、1~2回りくらい大きなプランターを用意して植え替えましょう。土は水はけのよい酸性を好みます。赤玉土と腐葉土を7:3で配合し作ってもよいですし、市販の観葉植物用の土でも栽培可能です。
さらに大きく育てたいなら庭に植え付ける方法もあります。地植えをするときには、2週間ほど前に腐葉土を約3割混ぜ込みます。植え付け後は支柱を添えて支えにすると、まっすぐ茎が伸びていきやすいでしょう。
アボカドを増やすには?
栽培しているアボカドを気に入ったなら、簡単に増やすことも可能です。代表的な増やし方2種類を紹介します。
挿し木で増やす
アボカドを増やす1つ目の方法は「挿し木」です。アボカドの枝を切り取り新しい株として育てるため、種から栽培するよりも早く成長します。
まずは挿し木するための枝を用意し、先端3枚くらいを残して葉を取り除き「挿し穂」を作ります。1~2時間水に浸けてから、土に挿したっぷり水を与えましょう。
根が出るまでは乾燥に注意しながら管理し、発根したら植え付けます。挿し穂を作るときには挿し木用に枝を用意してもよいですし、剪定した枝を使うことも可能です。
新たな種を用意する
2つ目は「種」から増やす方法です。発芽まで1カ月ほど時間はかかりますが、比較的簡単に育てられます。気温が20度くらいある5~8月に始めると、芽が出やすいでしょう。
種はスーパーで販売されているアボカドの中に入っているものを使えばOKです。アボカドを食べたら種をきれいに洗い、下記の手順で育てます。
- 表面の薄皮をはがす
- 鉢に鉢底石と赤玉土を入れ、とがった方を上にして種を植える ※種は半分くらい土から出しておく
- 水やりをしながら明るい室内で栽培する
水耕栽培で育てることも可能です。薄皮をはがした種の下半分が水に浸かるように容器へセットすれば、徐々に根が出てきます。
剪定をして害虫や病気から守ろう
生育旺盛でどんどん育つアボカドを管理するときには剪定が重要です。茂り過ぎた枝葉をそのままにしていると、内部の風通しや日当たりが悪くなり、アボカドの好む環境ではなくなります。
その結果アボカドが病害虫の被害に遭いやすくなるのです。そこで冬や3~5月には、不要な枝を切り取る「透かし剪定」を実施しましょう。好みの樹高で育てられるよう、生長点をカットする「摘芯」も行います。
定期的な剪定と適切なお手入れを実施し、病害虫に負けない健康なアボカドを育てましょう。
アボカドの剪定はプロに依頼するのもおすすめ
「自分でうまく剪定する自信がない」「忙しくて定期的に剪定する時間がとれない」という方は、植木屋や庭師と呼ばれる剪定のプロに依頼するのもおすすめです。
庭木の剪定料金相場
単価制で依頼した場合、一般的な庭木の剪定料金の相場は以下の通りです。
庭木の高さ | 1本あたりの料金相場 | 剪定ゴミの回収料金 |
---|---|---|
1m以下 | 950~1,200円 | 950~1,200円 |
1~2m以下 | 1,900~2,400円 | 950~1,200円 |
2~3m以下 | 2,900~3,600円 | 950~1,200円 |
3~4m以下 | 4,200~5,400円 | 1,400~1,800円 |
4~5m以下 | 5,700~7,200円 | 1,900~2,400円 |
5~6m以下 | 8,600~10,800円 | 2,900~3,600円 |
6~7m以下 | 12,400~15,600円 | 3,800~4,800円 |
7~8m以下 | 16,200~20,400円 | 5,000~6,000円 |
※ミツモアの過去3年間(2022年1月1日~2024年12月31日)の見積もり依頼データから算出
庭木の剪定をプロに依頼する流れ
庭木の剪定をプロに依頼するには、まず自宅に訪問してくれる近くの庭師を探す必要があります。
「ミツモア」では、地域で活躍する植木屋・庭師をかんたんに見つけられます。
「依頼内容」「希望の日程」「作業場所」などの質問に答えると、最大5社から自動であなたにカスタマイズされた見積もりが届きます。
見積もりの料金や口コミ評価を比較して、気になる庭師に剪定を依頼してみましょう。正式な依頼前に、チャットで疑問点を相談することもできます。
自動の見積もりをもらうだけなら無料でできるので、自宅の庭木の剪定料金を確認してみてはいかがでしょうか?