ペットが死んでしまったときは飼い主が埋葬方法を決めなければなりません。一般的には業者に依頼しますが、中には自分の手で行いたいと考える人もいるでしょう。ペットの火葬を自分でできるのかどうかや、一般家庭でも可能な埋葬方法について紹介します。
自分でペットを火葬してもいいの?
ペットが死んでしまったとき、自分で火葬したいと考える人もいるかもしれません。自宅でペットを火葬できるのかどうか確認しましょう。
火葬を自分でするのは違法
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」では、家庭で廃棄物を勝手に焼却してはならないと決まっています。ペットの遺体は法律上「廃棄物」に当たり、家庭で火葬することは認められていません。
「小動物なら簡単に焼けるのでは?」と思ってしまいがちですが、法律違反になるので、火葬をする際は自治体や業者に依頼しましょう。
違反すると5年以下の懲役、もしくは1,000万円以下の罰金刑、または両方に処されます。またペットの遺体を燃やすことで有毒ガス・臭いが発生し、近隣住民の迷惑になります。
ペットを火葬する方法
ペットの火葬を依頼する場所は大きく2つに分けられます。自治体と民間のペット葬儀社の特徴を見ていきましょう。
自治体に依頼する
多くの自治体ではペットの火葬を受け付けています。自治体によって必要な金額や、どのように火葬をするのかが異なり、費用は1,000円程度から数千円程度までさまざまです。
自治体ではほかのペットとともに火葬をする「合同火葬」の形式を採用しているケースが多く、遺骨の返却はされません。ただし一部の自治体では個別火葬に対応しています。
ペット専用の火葬炉がない自治体では、燃えるごみと一緒に焼却することもあります。悲しい思いをしないよう、どのような方法で火葬をするのか事前に確認しましょう。
また自治体に依頼する場合は、平日の限られた時間のみの受付となります。平日に仕事がある人は、利用したくても依頼が難しいことがある点に注意しましょう。
民間のペット葬儀社に依頼
民間のペット葬儀社は、自治体よりも費用がかかります。小動物・小型犬は1万円程度、大型犬は数万円の料金設定になっているケースが多いでしょう。ペットの体重や火葬の種類によって、料金が分かれています。
自治体とは違い、合同火葬・個別火葬などの種類を自由に選べることが特徴です。プランによっては遺骨を返却してもらえます。お骨上げから霊園への納骨まで可能な場合も多く、希望に合った葬儀を行える点がメリットです。
業者によっては「24時間365日受付」をしているケースもあり、日時の融通も利きます。ペットの遺体を回収して火葬する「訪問火葬」を実施している業者もあるので、葬儀場に行けない場合は利用するとよいでしょう。
ペットの火葬方法は3種類
ペットを火葬する方法は3種類に分けられ、それぞれ必要な費用も変わります。種類ごとの特徴や、費用の相場を見ていきましょう。
合同火葬
合同火葬は、ほかの家のペットの遺体とともに火葬をする形式のことです。小動物の場合は8,500円程度、5kg未満の猫・犬なら1万8,000円程度、15kg未満の中型犬なら2万8,000円程度と、大きさによって料金の目安が変わります。
大きさが増すにつれて、費用が増加していくのが一般的です。業者によって金額が異なるので、ホームページなどに掲載されている価格表をチェックしましょう。
なお合同火葬では、ほかのペットたちの骨と混ざってしまうので遺骨の返却はできません。火葬後は、業者と提携しているペット霊園の合同墓地に埋葬されるケースがほとんどです。
個別一任火葬
個別火葬から収骨まで、業者にお任せする方法が個別一任火葬です。業者に一任するので、飼い主は火葬に立ち会わず、遺骨を拾わなくてもよいのが特徴です。
悲しみが深く、ペットの死を受け入れられない状況にある人に向いています。費用は小動物の場合で1万5,000円程度、5kg未満の猫・犬なら2万2,000円程度、15kg未満の中型犬なら3万円程度が目安です。
個別で火葬するので、希望すれば遺骨を返却してもらうこともできます。自宅でしばらくの間安置したい場合は、業者に相談してみましょう。
個別立会火葬
個別立会火葬は最後までペットに寄り添って、旅立ちを見送ってあげたい人におすすめな方法です。出棺や火葬に立ち会い、遺骨を拾ってあげられます。
ペット霊園への納骨までがセットになっていることもあり、人間の葬儀とできるだけ近い形で行えます。
費用は火葬方法の中で最も高く、小動物の場合で1万7,000円程度、5kg未満の猫・犬なら2万4,000円程度、15kg未満の中型犬なら3万3,000円程度が目安です。
費用・時間をかけて、手厚く供養してあげたいときに適しています。
自分でできる埋葬方法①【土葬】
火葬以外の方法でペットを埋葬することも可能です。自分でできる方法として、まずは土葬について見ていきましょう。
私有地での土葬は合法
ペットを自宅で火葬にするのは違法でも、私有地に土葬することは可能です。金魚・ザリガニなどの小さなペットを、庭に埋めた経験を持つ人も多いでしょう。
火葬と違い費用がかからず、自分の手で埋葬できる点がメリットです。燃料を使う必要もないため、環境にも優しい方法だといえます。
ただし私有地以外の山林などに埋めると「不法投棄」となってしまうので、必ず自分の土地に埋めましょう。
また体の大きなペットほど、深い穴を掘って埋めなければなりません。それなりの広さがある土地でないと、きちんとした形で土葬するのは難しいでしょう。
土葬の注意点
私有地にペットの遺体を土葬する際は、腐敗臭がもれ出たり、野生動物に掘り返されたりしないよう注意しましょう。大雨が降ったときなどに流れ出ないように、1m以上の深さの穴にしっかりと埋めます。
また私有地ならどこでもよいわけではありません。衛生上の問題が起きないよう、井戸・川などの水源が近くにない場所に埋めることが必須です。
またペットの遺体が土に還るまでには、長い年月が必要です。引っ越しなどの予定がある場合は管理し続けられなくなる恐れがあります。
次の入居者が何かのきっかけで遺体・遺骨を見つけ、トラブルに発展する可能性もあるので、土葬する前によく考えてから実行しましょう。
自分でできる埋葬方法②【プランター葬】
「自分の手で埋葬をしたいけれど、広い土地がない」という場合は、プランター葬を検討してみましょう。プランター葬について、特徴や注意点を紹介します。
プランター葬とは?
プランター葬とは、植物栽培用のプランターにペットの遺体を埋葬する方法です。深さのあるプランターに、園芸用土・腐葉土を使用して埋めましょう。
熱帯魚・小型の爬虫類・ハムスターなど体の小さなペットに適した方法で、広い土地・庭がなくても埋葬してあげられます。集合住宅に住んでいる場合でも、プランターを置くスペースさえ確保できれば埋葬可能です。
プランター葬にはいつまでもペットの近くにいてあげられるといったメリットがあります。植物を植えれば、季節を通じてペットの存在を身近に感じることもできるでしょう。
庭に埋める場合とは違い、引っ越しの際はプランターごと持ち運べる点も利点だといえます。
プランター葬の注意点
プランター葬には注意点もあります。プランターは広い土地に埋める場合とは違い、土の量・土に住む微生物の数が少ないので、うまく遺体が分解されないケースもあるのです。
骨にならずにミイラ化してしまって悲しい思いをすることもあります。腐敗臭が出たり、虫が湧いたりすることもあり、衛生上のトラブルが起こることも少なくありません。
そのため30cm以上の深さがあるプランターにできるだけたくさんの土を入れることが大事です。
日当たり・風通しのよい場所で管理し、鉢底石を入れて水はけをよくするといった工夫をするとよいでしょう。
ペットを火葬するなら業者への委託が必要
ペットを火葬するには、自治体か民間業者に依頼する必要があります。火葬方法や見送り方を選びたいのであれば民間業者を選びましょう。ペットの火葬業者を選ぶ際は、相見積もりを取るのがおすすめです。
1カ所から見積もりを取るだけでは、相場よりも高いかどうかを判断できません。複数の業者に見積もりを依頼すれば、何にどれだけ費用が必要なのかを客観的に判断できます。より安く、サービスが手厚い業者に依頼しましょう。
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