窯業系サイディングとは?
窯業系サイディングとは、セメントに繊維質を混ぜて、板状に形づくった外壁材です。
現在、日本で住宅外壁のシェア率を誇っており、戸建て住宅の約78.3%が使用しています。費用が安く、外壁材としての耐用年数も長いため、コストパフォーマンスに優れた外壁材として高い人気があります。
単価相場(㎡) | 3,500~5,000円 |
耐用年数 | 40年 |
メンテナンス周期 | 7~10年 |
失敗の少ないサイディング選びをしたい方におすすめ!
窯業系サイディングはコストパフォーマンスに優れているため、「良い外壁材を使いたいけど、費用は抑えたい」という方におすすめです。
「個性的な外壁材にしたい」という方でも、幅広いバリエーションの中から選択することができます。
窯業系サイディングのメリット
メリット |
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デザイン性が高く種類が豊富
窯業系サイディングの魅力のひとつが、重厚感のあるデザインです。リアルな風合いの外観は、高価でハイグレードな外壁材と比べても見劣りしません。
また、バリエーションが豊富で、石柄やタイル調やレンガ調・木目調・ライン柄・ベース柄など、様々な見た目の外壁が用意されています。
自然な印象にしたければ木目調に・高級感を出したければレンガ調にと、好みや周囲の環境に合わせてお気に入りの種類や色を選ぶことができます。
コストパフォーマンスが良い
窯業系サイディングは他の外壁材と比べると安価で、手が届きやすいのもメリットです。
外壁材自体の価格は金属系サイディングなら1㎡当たり4,000~6,000円、樹脂系サイディングであれば、1㎡当たり7,000~9,000円です。一方で窯業系サイディングの価格は、1㎡あたり3,500〜5,000円ほどです。
耐用年数も40年と長いため、コストパフォーマンスの良い商品といえます。
施工にかかる期間が短い
窯業系サイディングのリフォーム期間は24日~33日程度です。
あらかじめ工場で生産されたサイディングのパネルを使用するため、工期が大幅に削減できます。工期が短く収まると、人件費を抑えられて施工費用が安く済むのも魅力です。
耐震性に優れている
窯業系サイディングは、重さがモルタル外壁の1/2以下しかなく軽量なため、建物への負荷が少ないです。
また、地震があっても揺れを緩和させてくれるため、倒壊のリスクを軽減することができます。
耐火性に優れている
窯業系サイディングは耐火3~4等級に認められている製品が多く流通しています。「耐火3~4等級」は火災による熱をさえぎる時間が45分~60分ほどある外壁材に与えられる等級です。
窯業系サイディングのデメリット
デメリット |
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メンテナンス頻度が多い
外壁材の種類 | メンテナンス時期 |
窯業系サイディング | 7~8年 |
金属系サイディング | 10~15年 |
木質系サイディング | 8~12年 |
樹脂系サイディング | 10~20年 |
窯業系サイディングと他の外壁材のメンテナンス時期を比較すると、窯業系サイディングはメンテナンス頻度が多いことが分かります。
1回の塗装メンテナンスに80万~120万円ほどかかるため、初期費用は安いものの、メンテナンス費がかかる点はデメリットと言えるでしょう。
室温が高くなりやすい
窯業系サイディングは熱を蓄える性質を持っています。冬場は室内に暖かさをもたらしてくれますが、夏は室内を暑くしてしまいます。
遮熱効果や断熱効果のある塗料を使用すると、室内を暑すぎず、寒すぎない環境に整えることができます。
防水機能がない
窯業系サイディングは、防水機能がないため、塗装による防水加工を施す必要があります。塗膜が劣化して剥がれてしまうと、雨水の影響を直接受けてしまうのです。
定期的な塗装メンテナンスを行うことで、外壁材を守るようにしましょう。
窯業系サイディングのメンテナンス方法・費用相場
メンテナンス方法 | 費用相場 |
張り替え | 150万~230万円 |
カバー工法 | 130万~220万円 |
塗装 | 80万~150万円 |
【張り替え】150万~230万円
張り替えとは、既存の外壁材を処分して新しい外壁材を設置する工法です。既存の外壁材の劣化している部分をすべて解消することができるため、内側も外側も新しい状態になります。
しかし、既存の外壁材を処分する分、費用も高額になりがちで150万~230万円ほどかかってしまいます。
【カバー工法】130万~220万円
カバー工法とは、既存の外壁材の上から新しい外壁材を設置する工法です。既存の外壁材の劣化している部分を残したまま施工するため、劣化を解消することは出来ません。
メリットは張り替えよりも費用と工期が短く済むことです。また、外壁が二重になることで断熱性や防音性を高めることができます。
【塗装】80万~150万円
塗装とは、もともと塗っていた塗膜が剥がれたり、色が褪せてきた場合に取られる工法です。外壁の劣化症状を直すためではなく、綺麗な状態を長く保つために使用されます。
塗装にかかる費用相場は80万~150万円ですが、使用する塗料の種類によって変わることが多いです。
注意したいのは安価な塗料を使っても、長期的に見たコストは高くなる可能性がある点です。材料費が安いウレタン・シリコンなどの塗料は耐用年数が短く、頻繁なメンテナンスが必要になります。
フッ素や無機塗料といった耐久性に優れた種類は、初期コストは高くついても安価な塗料より10年ほど長持ちするケースが多いのが特徴です。
どの塗料を使用するかは、業者と相談しながら選択するようにしましょう。
以下の関連記事では、外壁塗装の坪数ごとにかかる費用を詳しく紹介しています。塗装工事の各工程の内訳についても紹介しているので、参考にしてみてください。
窯業系サイディング外壁と他の外壁との違いを比較
外壁の種類 |
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窯業系サイディングと他の外壁はどのように違うのでしょうか?以下では、窯業系サイディングとの他の外壁との違いを比較しながら紹介していきます。
金属系サイディング
金属系サイディング | 窯業系サイディング | |
単価相場 | 4,000~6,000円 | 3,500~5,000円 |
メンテナンス頻度 | 10~15年 | 7~8年 |
金属系サイディングとはガルバリウム鋼板やアルミニウムなどの金属板を加工して出来た外壁材です。
重量が窯業系サイディングの1/4程度しかなく、建物への負荷が少ないため耐震性に優れています。断熱性や耐用年数においても金属系サイディングの方が優れています。
しかし、デザインのバリエーションの豊富さや費用面は窯業系サイディングの方が優れています。
樹脂系サイディング
樹脂系サイディング | 窯業系サイディング | |
単価相場(㎡) | 7,000~9,000円 | 3,500~5,000円 |
メンテナンス頻度 | 10~20年 | 7~8年 |
樹脂サイディングとは、塩化ビニール樹脂という成分を使用した外壁材です。
窯業系サイディングより優れている点は、耐久性や耐用年数です。メンテナンス頻度も窯業系サイディングと比べると少なく済みます。逆に、劣っている点は費用が高い点です。
日本におけるシェアは戸建て全体のうち1%しかなく、海外で人気のある外壁材です。
木質系サイディング
木質系サイディング | 窯業系サイディング | |
単価相場(㎡) | 6,000~8,000円 | 3,500~5,000円 |
メンテナンス頻度 | 7~10年 | 7~8年 |
木質サイディングは、木を外壁に使えるよう加工した外壁材です。
窯業系サイディングより優れている点は耐震性です。木材を使用しているため軽量で、建物への負荷が非常に少ないです。
逆に劣っている点は、デザイン性・耐火性・コスト面です。窯業系サイディングは木質系よりもデザインのバリエーションが豊富です。また、木で作られた木質系サイディングより燃えにくいです
耐用年数に大きな違いはないものの、値段は木質系サイディングの方がかかるため、コストパフォーマンスの面でも窯業系サイディングに劣っています。
窯業系サイディングのおすすめメーカー・商品
窯業系サイディングを販売する主要メーカーは3社あります。「ニチハ」と「ケイミュー」「旭トステム」です。以下でメーカーが出している人気の外壁材を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ニチハ|モエンエクセラード16
デザイン性にこだわりたい方は、「ニチハ」が展開している「モエンエクセラード」というシリーズがおすすめです。
石柄やレンガ・タイル・木目などを精密に模した外観のサイディングが、バリエーション豊かに取りそろえられています。洋風・和風はもちろん、建物に合わせて自然な風合いを目指せるでしょう。
また薄い水の膜を作り雨水で汚れを落とす「マイクロガード」機能によって、外壁をきれいな状態に保てるのもうれしいポイントです。
ケイミュー|レジェール
機能面を重視して窯業系サイディングを選びたい方は、断熱性や遮音性・親水性に優れた「ケイミュー」の外壁材がおすすめです。
特に光触媒の「レジェール」というシリーズは、独自技術によって汚れや藻が付着しにくく作られています。軽量なパネルは耐震性も抜群です。凹凸のあるデザインは、2017年にグッドデザイン賞を受賞しました。
同じく光触媒で汚れを自然に落とす機能が付いた「光セラ」シリーズも展開されています。
旭トステム|AT‐WALL
フッ素樹脂でコーティングされた「旭トステム」の窯業系サイディング「AT-WALL」は、メンテナンスの負担を最小限に抑えたい人にイチオシです。
耐久性や耐候性が高いため、頻繁に塗料の塗り替えを行う必要はありません。またコーキング材を使わない独自の工法によりシーリング補修も不要で、メンテナンスの手間・費用を大幅に削減できます。
また不燃材料として認定されるほどの防火性能は、万が一火事が発生したときにも頼りになるでしょう。
アスベストが使用されている窯業系サイディングの見分け方は?
アスベストは現在、使用が禁止されている鉱物です。昔の戸建てに使われることが多かったものの、新しく建てる住宅でアスベストが使用されることはありません。
では、既に建ててしまった住宅でアスベストが含まれているかどうかはどうやって見分けるのでしょうか?
最も手っ取り早く見分ける方法は、2,006年以前に建てられた家かどうかです。2,006年に法改正でアスベストを含む建材の使用が禁止されたため、2006年以降に建てられた住宅でアスベストが使われていることはありません。しかし、2006年以前に建てられた家ではアスベストを含んでいる可能性があります。
他にも、外壁の特徴からアスベストが使用されているかを見分ける方法がありますが、実際に判断することは難しいです。
正確な診断は必ず業者に依頼するようにしましょう。自分で勝手に判断してしまうと、費用が多くかかってしまったり、無駄な工程が増えてしまったりします。
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サイディング外壁をメンテナンスするタイミング
外壁材の種類 | メンテナンス時期 |
窯業系サイディング | 7~8年 |
金属系サイディング | 10~15年 |
木質系サイディング | 8~12年 |
樹脂系サイディング | 10~20年 |
窯業系サイディングのメンテナンスを行う周期は、7~10年ごとが目安です。この時期を過ぎてしまうと、雨風や紫外線によって表面の塗料が剥がれてきます。また、パネルやコーキングが劣化したサイディングを補修せずにいると、雨漏りや外壁の腐食を招くこともあります。
劣化を放置すると大規模な補修が必要になるため、定期的にメンテナンスを行いましょう。メンテナンスの内容は外壁塗料の塗り替えかシーリング(コーキング)補修、または両方です。
メンテナンスが必要な劣化症状
メンテナンスが必要な劣化症状 |
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サイディングの施工や前回のメンテナンスから7年が過ぎていなくても、外壁の劣化症状が出ている場合はメンテナンスが必要です。
指先で触ったとき白い粉が付く現象は「チョーキング」と呼ばれ、サイディングが吸水しやすくなっている状態を示しています。早めに塗料の塗り替えを行いましょう。
水をかけたら色が濃くなる・表面にカビやコケが繁殖しているといった症状が出たときも、再塗装の検討をおすすめします。
コーキングの劣化サインは、ひび割れや縮み・剥がれなどです。雨や紫外線の影響を受けて緩衝材の機能が低下している状態のため、シーリング補修を行いましょう。
以下の関連記事では、劣化症状への対処法や放置するリスクについて詳しく紹介しています。参考にしてみてください。
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