家の外壁をレンガ調にしたいときにおすすめの外壁材が、「レンガ調サイディング」です。レンガ調サイディングの特徴や本物のレンガと比べたときのメリットとデメリット、メンテナンスの時期と費用目安を解説します。
レンガ調サイディングとは?
「レンガ調サイディング」とは、具体的にどのような外壁材なのでしょうか?「レンガ調タイル」との違いもチェックしておきましょう。
窯業系サイディングボードのひとつ
レンガ調サイディングは、天然木とセメントを混合後に高熱処理した「窯業(ようぎょう)系サイディングボード」のひとつです。建物の外壁に貼るパネルに、レンガのような加工が施されています。
窯業系のサイディングボードは軽量で施工がしやすい上に、耐震性・耐火性にも優れているのが特徴です。外壁材として日本の新築戸建住宅に最も多く施工されています。
またレンガ調だけでなく、石積や木目・タイル調などバリエーション豊かなデザインも魅力です。
レンガ調サイディングの見た目はかなり精巧ですが、本物のレンガと違って乾いた手触りがなく溝もあまり深くありません。
レンガ調タイルとの違い
「レンガ調タイル」はレンガにそっくりな風合いのタイルで、見ただけではレンガ調サイディングとの違いが分かりにくい外壁材です。本物のレンガと同じく粘土で作られており、硬質な素材感が特徴といえるでしょう。
レンガ調タイルはレンガと同程度の大きさをしています。施工方法はモルタルなどの壁に貼り付ける「湿式工法」と、ベースとなるサイディングに引っかけていく「乾式工法」の2種類です。どちらも1枚ずつ作業していくため時間と手間がかかります。
工数が多い分だけ施工費用が高くなるため、コストを抑えたい人には壁の大きさに合わせてカットするだけのレンガ調サイディングがおすすめです。
本物のレンガと比べたメリット
レンガ造りの風合いを持つレンガ調サイディングは、オシャレな外観で人気を集めています。本物のレンガにはないメリットがあるのも、注目される理由です。具体的にどのような強みがあるのでしょうか?
デザイン性に優れている
完成させた粘土などを素焼きにしたレンガは、自然な風合いを楽しめる素材です。しかし仕上がりによっては焼きムラが目立ってしまう場合もあり、部分的に浮いた印象になりかねません。
機械で仕上げるレンガ調サイディングは品質が安定していてムラがないため、統一感のあるデザインを楽しめます。
またアンティーク調やイギリス風・北欧風・赤レンガなど、デザインやカラーのバリエーションも豊富です。出回っている種類が少ない本物のレンガよりも、好みに合わせて自由に選択しやすいでしょう。
あえて種類の異なるデザインのパネルを組み合わせれば、より自然で温かみのある外観も演出できます。
工期や費用を抑えられる
レンガ造りの外壁はひとつひとつレンガを積み上げていく必要があり、短期間では完成しません。モルタルの乾燥にかかる時間も天候によっては遅くなるため、導入にはかなりの工期が必要になります。
手間や時間がかかれば当然費用がかさみますし、輸入品が多いレンガの材料費も決して安いものではありません。
ボードを貼り付けるだけのレンガ調サイディングであれば、7〜14日ほどでスムーズに施工できます。サイディングボード自体もレンガより安価なので、材料費と施工費小用を抑えられるのがメリットです。
リフォームがしやすい
頑丈に造られたレンガの外壁は部分的な補修をするのが難しいため、リフォームの際にもかなりの時間と費用を要します。その分だけ工事費用も高く付いてしまうケースが少なくありません。
またリフォームを依頼する業者によって、仕上がりに差が出てしまうのも難点です。施工者の技術が足りないと、期待通りの見た目に仕上がらない可能性もあります。
施工のしやすいレンガ調サイディングなら、リフォームにも時間と手間がかからず費用を安く抑えられるのがメリットです。工事ができる業者も本物のレンガと比べて多いため、気になったときにすぐ補修を頼めます。
カットしたボードを貼り付けるだけで完了するため、張り替える場合も施工者の技量に外観が左右される心配はありません。
デメリットも押さえておこう
デザイン性が高く施工費用が抑えられるレンガ調サイディングにも、デメリットがあります。外壁選びで失敗しないように弱みもしっかりチェックしておきましょう。窯業系サイディングならではのデメリットも紹介します。
小まめなメンテナンスが必要
ほとんど手がかからない本物のレンガと違って、レンガ調サイディングはボードのつなぎ目が弱いため小まめなメンテナンスが必要です。
長期間にわたって使っていると経年劣化によって外壁から白い粉が出たり、塗装が剥がれたりといった症状が現れます。劣化のサインを放置すると雨漏りやひび割れに発展する可能性もあるため、早めの対処が必要です。
レンガ調サイディングを導入した場合は、定期的に塗装やシーリング補修といったメンテナンスをおすすめします。施工時の費用だけでなく補修にかかるコストも考慮して、外壁を選びましょう。
蓄熱しやすい
レンガ調サイディングに限らず、原料にセメントを使った窯業系サイディングには熱を吸収しやすい性質があります。特に夏場は外壁の蓄熱に伴って室内の温度が上昇するため、エアコンの電気代が高く付いてしまう場合もあるでしょう。
外壁にレンガ調サイディングを導入するときには、リフォームであれば断熱・遮熱効果のある塗料を塗る・新築時には断熱材を入れるといった工夫が必要です。
防水機能が低い
防水機能の低さも窯業系サイディングのデメリットのひとつです。セメントの成分が雨を吸収するため、雨漏りや外壁の腐食が発生してしまうリスクがあります。
雨水の被害からサイディングボードを守るには、防水性に優れた塗料・シーリングを使ったコーティングが欠かせません。塗装は経年劣化によって剥がれていくため、定期的な塗り直しが必要です。
台風や豪雨が多い地域であれば、別の外壁材を使った方が無難な場合もあります。地域の天候も考慮して適したものを選びましょう。
メンテナンス時期と費用の目安
レンガ調サイディングには、シーリング補修や塗装などの定期的なメンテナンスが欠かせません。補修が必要な時期と費用の目安を解説します。
シーリングの劣化サインと補修時期
サイディングのつなぎ目を埋めるシーリングが劣化している場合、放置しておくと外壁の腐食を進行させてしまいます。7〜10年に1度のタイミングを目安に、メンテナンスを行いましょう。
またシーリングに次のようなサインが出たときも、その都度シーリング補修が必要です。
- ヒビが入っている
- 破断・剥離がある
- 隙間ができている
- カビが生えている
シーリング補修の費用相場は100,000〜300,000円ほどです。塗装メンテナンスも同時に行えば、足場の組み立てにかかる費用を1回分で抑えられるため、可能であればタイミングを合わせて依頼しましょう。
サイディングの塗装も10年ごとが目安
サイディング自体の塗装も経年とともに剥がれていき、カビや汚れが目立ったり変色したりと外観が悪化します。水が染み込みやすくなると外壁のヒビ割れや反り・腐食にもつながるため、定期的な塗り替えメンテナンスは欠かせません。
塗装に最適なタイミングは約10年に1度です。費用を割安にするためにもシーリング補修の時期に合わせて、一緒にメンテナンスを行うように調整しましょう。
サイディング塗装の費用相場は外壁の面積や塗料の種類によって異なりますが、800,000〜1,500,000円ほどが目安です。
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レンガ調サイディングで重厚な外観を
窯業系サイディングボードの1種であるレンガ調サイディングは、高級感のあるデザインや耐震性・耐火性・リフォームのしやすさなど、多くのメリットがある外壁材です。
本物のレンガと比べて施工にかかる工期が圧倒的に短く、導入費用もかなりリーズナブルに抑えられます。ただし定期的な塗装・シーリング補修などのメンテナンスが必要になるため、導入の際には適切なタイミングを把握しておきましょう。
外壁にレンガ調サイディングを取り入れて、レンガ調の重厚な外観を手軽に楽しんではいかがでしょうか。