壁と屋根の塗装を、別々でなく同時に行うというのも1つの選択肢です。壁と屋根を同時に塗装するメリットとデメリット、塗装費用の相場、塗装に適したタイミングについて解説します。また塗装費用を安く抑えるポイントと、業者の選び方についても紹介します。
壁と屋根を同時に塗装するメリット
壁と屋根を同時に塗装する主なメリットは、費用と手間を抑えられる点です。それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
費用が安くなる
壁にしろ屋根にしろ、高所の塗装を行うときに欠かせない工程が、作業をするための足場の設置です。
ほとんどの場合、壁と屋根の塗装費用には足場を設置する工事費用も含まれています。そのため壁と屋根の塗装を別々に依頼すると、それぞれに足場代がかかってしまい、料金が割高になるのです。
一方壁と屋根の塗装を同じタイミングで依頼した場合、作業は同じ足場を使って行われます。余計な足場代がかからず、別々に依頼した場合よりもお得に塗装を完了できるでしょう。
手間が少なくて済む
壁と屋根を同時に塗装すると得られるもう1つのメリットが、手間の削減です。
業者に塗装を依頼する場合には、業者探しから始まり、見積もりや塗料の相談、スケジュール調整などに多大な手間が必要です。下見の際に立ち会いが必要な場合や、繁忙期にはなかなか予約が取れないという場合もあるでしょう。
壁と屋根を別々に依頼する場合には、それらの手間を2回繰り返さなければならず、貴重な時間が奪われてしまうことになります。そのため少しでも時間と手間を減らしたければ、壁と屋根の塗装を同時に依頼できる業者を探しましょう。全ての手間が半分になり、時間も大幅に削減できます。
壁と屋根を同時に塗装するデメリット
壁と屋根の同時塗装は費用や時間・手間を削減できる一方、デメリットも存在するため注意が必要です。具体的なデメリットを見ていきましょう。
一度に支払う金額が高くなる
先述したように壁と屋根の同時塗装は、トータルで見ると、足場代にかかる費用の分だけ割安になります。しかし壁と屋根の両方の費用を支払わなければいけないため、当然ながら一度に支払う金額は高くなります。単純計算で倍の費用を一度に支払うのは、かなりの痛手かもしれません。
また予算に余裕がないときは、そもそも同時塗装という選択ができない可能性もあります。このように壁と屋根の同時塗装は、別々に塗装する場合よりも、ハードルが高くなる点がデメリットです。
工事の日数が長くなる
壁と屋根を別々に塗装する場合と比べて、工事の日数が長くなるのも、同時塗装のデメリットです。
工事には塗装以外にも、塗装箇所の高圧洗浄や下地処理・養生・査定など、さまざまな作業が存在します。同時塗装では、その作業を壁と屋根のそれぞれに行います。
日数は天候などによっても左右されますが、短くて1週間、場合によっては2週間程必要なケースもあるでしょう。その間は足場も設置されたままとなるため、窓から外が見えにくくストレスを感じるかもしれません。
とはいえ足場の設置を始めとするいくつかの作業は、同時に塗装する場合なら1回で済みます。壁と屋根を別々に塗装する場合の合計日数より、短く終わるため、それだけストレスが少ないという考え方もできるでしょう。
対応できる業者が限られる
壁の塗装と屋根の塗装では、施工に必要な技術がかなり異なります。そのため壁と屋根の塗装を同時に依頼する場合は、業者選びが難しいのもデメリットです。
特に屋根塗装は、凹凸や金具への対応に加え、屋根の種類に応じた施工が必要になる場合があり、壁塗装とは勝手が違います。壁塗装では評価が高い業者なのに、屋根塗装ではトラブルが発生してしまうといったケースも、少なくありません。
具体的には雨漏りやひび割れ、すぐに塗装が剥がれるといったトラブルがあります。また部屋の湿度が高くなってしまう事例もあります。
塗装を依頼する際は、壁と屋根の両方にしっかりと対応してくれる業者を選びましょう。
塗装費用の相場
壁と屋根は同時に塗装すると、費用面でお得になります。別々に塗装した場合と同時に塗装した場合で、具体的な費用の違いを解説していきます。
外壁塗装のみの場合
外壁塗装のみを依頼した場合、費用は塗装面積で決まるのが一般的です。
住宅の形状によっても異なるものの、塗装面積は住宅の「延床面積×1.2㎡」がおおよその目安です。塗装費用は塗料や、壁の劣化状況などの条件でも変動しますが、塗装面積40㎡ごとに20万~35万円が相場になります。
例えば一般的な30坪の住宅であれば延床面積は約100㎡なので、塗装面積は約120㎡です。そのため60万~100万円が塗装費用の相場になるでしょう。
代表的な塗料は、耐久年数が長い順にフッ素、シリコン、ウレタン、アクリルがあり、耐久年数に比例して費用も高くなります。
屋根塗装のみの場合
屋根の塗装費用も、屋根面積や塗料の種類、劣化状況などに応じて決まるのが一般的です。またストレート屋根の場合には、縁切り作業の費用がプラスでかかります。
屋根面積は住宅の坪数だけでなく、勾配や形状などによっても大きく変動します。30坪であれば55~100㎡、50坪であれば90~165㎡が目安です。
屋根の塗装面積ごとの費用は、壁塗装と同じく40㎡で20万~35万円が相場になります。そのため30坪であれば28万~88万円、50坪であれば45万~145万円がおおよその相場です。
壁と屋根を同時に塗装する場合
壁と屋根を同時に塗装する場合には、上記の費用から、1回分の足場代や材料の運搬費用などを差し引いた額が相場になります。
足場代は坪数などによって変動し、設置であれば8万~30万円が1回分の相場です。
例えば30坪の住宅であれば、壁と屋根を同時塗装した場合の費用相場は80万~158万円になるでしょう。別々に塗装を依頼するとトータルで88万~188万円になるため、かなりの割安といえます。
外壁塗装の相場
800,000円
標準相場
537,700円
リーズナブル
1,174,800円
プレミアム
塗装を行うタイミングとは
壁や屋根の塗装は、どのタイミングで行うかも重要です。経年劣化の目安と、塗装を行うのに適した時期を解説します。
経年劣化の目安
雨から壁や屋根を守るためには、防水性能のある塗料の塗装が欠かせません。カビや紫外線、風などの被害を軽減して、住宅の耐久性を高める上でも塗装は重要です。
経年劣化により、それらの機能が失われたときが、塗装を行うタイミングです。前回の塗装から5~7年、長くても10年程の間隔が再塗装の1つの目安になるでしょう。それ以外にも触れたときに白い粉が付く、塗料が膨れたり剥がれたりしているといったサインも、劣化の兆候です。
また汚れや色あせが目立つ場合に、景観を保つために塗装を行うケースもあります。壁や屋根の色味を変えれば、フレッシュな気持ちで過ごせるでしょう。
塗装を行うのに適した時期
壁や屋根の塗装を行うのに、最も適した時期は春または秋頃です。
前提として塗料は日照時間が長く、乾燥していると乾きやすく、作業がスムーズに進められます。逆に日照時間が短く、積雪や霜などの影響を受けやすい冬や、雨が多く湿度が高い梅雨の時期は不向きです。
また日照時間が長い夏は塗料の乾きは早いものの、塗料の臭いが気になりやすいというデメリットがあります。夕立が多く、作業が中断しやすいのも難点です。
その点気温も湿度も安定しやすい春や秋は、塗料が乾きやすく塗装に向いている時期といえます。できるだけ施工にかかる時間を短くしたいのであれば、春や秋を選んで塗装を依頼しましょう。
塗装費用を安く抑えるコツ
壁と屋根の塗装を同時に依頼する以外にも、塗装費用を安く抑えるコツがいくつかあります。代表的な3つのコツを紹介します。
助成金・補助金・火災保険を活用
住宅のリフォームを行う際に、助成金や補助金を用意している自治体は少なくありません。うまく活用すれば費用の一部を負担してもらって、お得に塗装を行えるでしょう。
制度が適用される条件や具体的な金額は、自治体ごとにさまざまです。まずはホームページや問い合わせ窓口で、確認してみましょう。
また台風や大雨・落雷・雪・雹などの被害を受けて、塗装が必要になった場合には、火災保険が適用される可能性もあります。火災保険の詳しい適用範囲は、住宅の保険証書で確認できます。
制度の適用範囲や申請方法がよく分からないときは、それらの情報に詳しい業者を見つけるのも一案です。制度をうまく使って、お得に塗装ができる方法をアドバイスしてくれるでしょう。
閑散期を選ぶ
あえて閑散期の冬や梅雨の時期に塗装を依頼するのも、費用を安く抑えるコツの1つです。
春や秋などの塗装を行うのに適した時期は依頼が多く、業者にとっては繁忙期にあたります。人手が足りないため予約が取りにくくなるだけでなく、費用も割高に設定されるのが一般的です。
一方冬や梅雨の時期は依頼数が大幅に減るため、人手が余っている場合がほとんどです。そのため費用も繁忙期と比べて、割安になっているケースが少なくありません。
塗料が乾きにくい時期のため、工期が長引く可能性はあるものの、スケジュールの都合が付きやすいのもメリットです。特に湿度の低い冬は、天候によってはスムーズに施工が終わる可能性もあるでしょう。
劣化がひどくなる前に依頼する
壁や屋根の劣化がひどい場合には、塗装前に屋根の差し替えや棟板金の交換、壁のモルタル補修、張り替えなどの補修が必要です。補修費用は劣化状態がひどければひどいほど、高くなります。場合によっては、補修の費用が塗装の費用を上回ってしまうケースもあるでしょう。
そのため塗装は、塗料の効果が薄れてしまい、壁や屋根がダメージを受ける前に行うのがおすすめです。塗装の頻度は高くなるものの、結果として費用を安く抑えられます。
業者を選ぶときのポイント
トラブルを避けるためにも、施工費の安さだけでなく、技術力があり対応が丁寧な業者を選ぶようにしたいものです。業者を選ぶときに見るべき具体的なポイントや、安くて信頼できる業者の探し方を解説します。
安くて信頼できる業者の特徴
信頼できる業者を選ぶためには、値段に加えて過去の利用者の口コミを確認しましょう。壁塗装では評判がよくても、屋根塗装の技術力はイマイチという業者は少なくありません。
壁と屋根の両方を一度に依頼したい場合は、壁塗装に加えて、屋根塗装の評価が高いかどうかをしっかりチェックしましょう。
また業者の施工範囲に、自宅住所が含まれているかの確認も重要です。施工範囲外だと出張費が追加でかかるケースもあるため、基本的には地元の業者を選ぶことがポイントになります。
途中経過の写真を渡すサービスを用意している業者も、品質が高く信頼できる可能性が高いでしょう。塗料メーカーの保証が付いているかどうかも、重要な判断材料です。
安くても注意すべき業者の特徴
相場と比べて費用が高すぎる業者はもちろん、費用が安すぎる業者にも警戒が必要です。
塗料の仕入れ単価は業者間で大きな差がないはずなので、低品質な塗料が使われている可能性も考えられます。重要な前工程で手抜きをしており、すぐに塗料が剥がれてしまうケースもあるでしょう。
対応が雑な業者も、トラブルに発展する可能性があるため避けるべきです。例えば見積もりの際に、屋根に登らずに費用を提示してくる業者は注意が必要です。施工の段階になってから、「補修が必要になった」と追加費用を請求される可能性も、ゼロではありません。
時間をかけて状態をチェックした上で、詳しい内訳が記載された見積もりを提出してくれる業者であれば、安心して依頼ができるでしょう。
業者選びには相見積もりがおすすめ
安くて信頼できる業者を探すなら、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」がおすすめです。費用やサービス・保証内容・口コミなどを比較した上で、最適な業者を選択できるでしょう。
しかしいくつもの業者のホームページを、1社ずつチェックしていくのは手間がかかります。そこで便利なのが、一括見積もりサイトの「ミツモア」です。最短1分で最大5社の見積もりを取れるため、相見積もりの手間と時間を大幅に軽減できます。
また豊富な口コミも確認でき、優良な業者をスムーズに見つけられるでしょう。もちろん利用は全て無料です。
壁と屋根の塗装費用を安く抑えよう
壁と屋根は一度に塗装すると、1回分の費用こそ高くなるものの、トータルの費用や手間を大幅に削減できます。8万~30万円程費用が変わってくるため、可能であれば同時の塗装を検討しましょう。
より費用を抑えるなら、助成金・補助金・火災保険を活用したり、あえて閑散期の冬や梅雨の時期に依頼したりするのも一案です。また壁や屋根の劣化がひどいほど補修費用がかかるため、5~7年を目安に塗装するのがおすすめです。
時間や手間をかけずに安くて信頼できる業者を探すなら、ミツモアを利用して相見積もりを取ってみるのがよいでしょう。複数の業者の費用や口コミ、サービス内容を比較できます。