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外壁コーキングの寿命は何年?劣化のサインと施行の種類・費用相場

最終更新日: 2024年06月28日

コーキングは外壁の目地や、サッシ回りなどの隙間を埋める充填剤です。外からの水や害虫を防ぐ役割を担っています。一方でコーキングの寿命はとても短く、小まめなメンテナンスが必要です。劣化のサインやコーキングの工法、工事費用について解説します。

コーキングはどこで使われている?

コーキングはシーリングとも呼ばれる外壁材の一つです。目につきにくいので、注意して見ないとなかなか変化に気づけません。

コーキングの役割と使われている場所

コーキングの役割は、おもに建物の防水性と耐候性を高めるこで、サッシの周りやサイディングボードの目地に使われています。

サイディングボードやALCパネルは、外壁材として最近の家屋によく使われている建材です。これらはとても硬いため、隙間なく張り付けてしまうと、気温変化の膨張で破損する恐れがあります。

外壁材の隙間に弾力性のあるコーキングを充填することで、柔軟性と防水性のある外壁が完成するのです。また地震の揺れを吸収できるので、家全体の緩衝材としての役割も果たしています。

外壁のコーキングの耐用年数は何年?

コーキングは常に外の厳しい環境にさらされているため、数年おきのメンテナンスが必要です。平均的なメンテナンス周期と、劣化の原因を解説します。

コーキングの耐用年数は意外に短い

コーキングが本来の機能を維持できるのは、5~10年といわれています。充填して間もないコーキングは、触るとゴムのように弾力がありますが、年月の経過とともに弾力性は失われ、硬化していきます。

原因は紫外線や気温の変化、雨、雪による劣化です。そのため日当たりの良し悪しや、地域ごとの気候によって、コーキングの劣化は進み具合が異なります。

そろそろ交換時期?劣化の見分け方

コーキングは劣化が始まると急速に状態が変化します。劣化の兆候を見逃さないようにしましょう。

ブリード現象

ブリード現象とはコーキングが黒っぽく変色する現象で、施工後1~2年経過すると現われます。

コーキングには「可塑剤(かそざい)」が含まれています。可塑剤はコーキングに柔らかさを与えるという役目があるのですが、表面に浮き出て周囲の塗料や汚れと反応し、変色しべたつきを伴うのが難点です。

ブリード現象は黒いシミができて、家の美観を損なうだけでなく、コーキングの劣化がを早め耐久性を下げます。ブリード現象を未然に防ぐには、ブリード現象防止剤を塗るかノンブリードタイプのコーキングを使用します。

硬化・肉痩せ

コーキングの弾力性が失われた劣化のサインは、硬化と肉痩せです。

紫外線や風雨にさらされ、収縮をくりかえすうちに、コーキングは弾力性を失い硬くなります。さらに油分や水分が抜けていき、コーキングの両はじに隙間ができるのが肉痩せです。

肉痩せが起きると目地に隙間ができるので、雨水が侵入しやすくなり、外壁にダメージを与えるようになります。早めのメンテナンスが必要な状態といえるでしょう。

ひび割れ・剥がれ

硬化・肉痩せからさらに劣化が進むと、コーキングにいくつものひび割れが見られるようになります。硬化しながらも環境の変化にさらされることで、コーキングがさらにやせ細り、目地との隙間も目立ち始めます。コーキングがほとんど機能していない状態のため外壁材の下地などへの影響も心配される状態です。

剥離

ひび割れが常態化し、コーキングが剥がれ落ちる「剥離」は最も深刻な状態です。コーキングに覆われていた外壁の下地が露出し、雨や雪が直接家に染み込むようになります。

そのままにしていると白アリが侵入したり、建物の内部が腐食したりと、家屋に深刻なダメージを与えます。一日も早い補修が必要です。

一緒に点検しておきたい外壁の状態

コーキングの点検とともに行っておきたいのが、サイディングボードやモルタルなどの、外壁材のコンディションチェックです。外壁材は寿命が30~40年といわれていますが、そこまで長持ちさせるには、定期的なメンテナンスを要します。

以下のような症状があった場合は、コーキングと一緒にメンテナンスをおすすめします

  • チョーキング現象
  • サビ
  • コケ・カビ
  • 割れ
  • 塗膜の剥がれ

チョーキング現象とは外壁を手のひらで触ったときに、チョークが付いたように白い粉が付く現象で、塗料の劣化が起きているサインです。塗膜が剥がれると外壁材が早く傷み、ひび割れや腐食の原因となります。コーキングの補修とともに、外壁のメンテナンスを行うことで、足場を組む手間が減り経済的です。

関連記事:外壁塗装が劣化しているサインは?主な症状とメンテナンス費用を解説|ミツモア

コーキングの種類と工法の違い

コーキングを張替える際に知っておいてほしい、コーキングの種類と工法の違いを見ていきましょう。

コーキングの種類

コーキングはおもに4種に分類されます。

  • ウレタン系
  • アクリル系
  • シリコン系
  • 変成シリコン系

ウレタン系は耐久性の高さが特徴ですが、ホコリを吸着しやすく、紫外線に弱いなどの弱点があります。屋外で使用する際は保護のための塗装が必要です。

アクリル系は価格が比較的安価なコーキングです。耐候性・耐久性が低いため、屋外には不向きとされています。

シリコン系は耐候性・耐水性・耐熱性にすぐれ、比較的安価なことから、屋外の外壁用に使われることの多いコーキングです。変成シリコン系はウレタン樹脂を原料としており、さまざまな用途に使えるコーキングです。

関連記事:コーキング材の特徴や種類を解説!補修の注意点もチェックして|ミツモア

コーキングの増し打ち

増し打ちとはいまあるコーキングの上から、新しいコーキングを充填する工法です。柔軟性を失ってしまったコーキングの機能は戻らないので、メンテナンス費用は抑えられるものの、施工後の寿命は2~5年と短くなります。ただし増し打ちが適している箇所もあります。

たとえば窓やドア周りは雨漏りの可能性が高い部分です。コーキングを交換する際に外壁の奥にある防水紙を誤って切ってしまうと、雨漏りの原因になるため、コーキングの交換よりも増し打ちをした方が良いです。

またALCパネルはほかのサイディングボードよりも厚みがあるため、目地も深くなっています。十分な量のコーキングを充填できるので、増し打ちに適した外壁材といえるでしょう。

コーキングの打ち替え

コーキングをすべて剥がしてから、新しいコーキングを充填するのが打ち替え工法です。打ち替えはコーキングのメンテナンスとして一般的な方法で、打ち替え後のコーキングの耐用年数は7~10年、長くて12~15年になります。

増し打ちに比べると工事費用はかかりますが、コーキングの寿命や家屋の保護を考えると経済的かもしれません。

コーキング補修工事の費用相場

コーキング工事の二つの工法である、増し打ちと打ち替えの費用の目安、足場の費用を一覧にまとめて紹介します。

増し打ちと打ち替えそれぞれの費用

増し打ち 打ち替え
500~900円/1m 900~1,200円/1m
足場の工賃:150,000~200,000円

コーキングの工事費用は、充填する距離m(メートル)で考えるのが一般的です。一般的な広さの2階建て家屋は、180mほどのコーキングが使われています。コーキングの費用は、工法だけではなく、コーキングの種類によって単価に違いがあります。

材料費や足場の費用以外に、古くなったコーキングの処理費用も必要です。

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外壁のコーキングはプロに依頼しよう

セルフチェックを定期的に行い、全体的に劣化のサインが出始めたときは、早めのメンテナンスをおすすめします。コーキングはちょっとした部分の補修であればDIYを考えてしまう人もいるかもしれませんが、おすすめはできません。

なぜなら、劣化や老朽化が原因の場合、修復箇所以外が劣化している可能性も高く、他のコーキングについても点検や修理が必要となるからです。また知識が技術がない素人が修理する場合、不十分な措置によって劣化を早めたり、劣化が進んでしまい建物全体がダメージを受けてしまうことも考えられます。

コーキングに関する知識や技術を持ち合わせていない場合、専門業者に任せた方が安心できますし、後のリスク回避にもつながります。

大切な家のメンテナンスは、信頼できるプロを見つけることから始めましょう。

ミツモアならコーキング作業を依頼できる業者を見つけられます。簡単な質問に答えるだけで、最大5社の業者から見積もりが届くため、手間なく相見積もりが取れますよ。

外壁塗装の相場

800,000

標準相場

537,700

リーズナブル

1,174,800

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