引っ越しをすると、住所変更にともなって自家用車にもさまざまな変更が必要です。慣れ親しんだ車のナンバーを変えるのは気が進まないという方も多いかもしれませんね。
この記事では、ナンバープレートの変更にまつわるルールから、手続きの流れや費用、手続き代行についても解説します。
▽車関係の手続きについてまとめて知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
引っ越したら車のナンバープレート変更は必須?
引越しに伴い、ナンバープレートの変更をしなければならないのは、引越し前後の住所が異なる運輸支局の管轄だった場合です。
ただしナンバープレートを変更する必要はなくても、車検証の住所変更は必須であるため、混同しないようにしましょう。
ナンバーは希望すれば同じ数字を引き継げる
現在のナンバープレートの数字が気に入っていて、番号を変えたくないという場合はナンバーの希望を出すことができます。
777や8888など人気が高いナンバーは抽選対象希望番号と呼ばれ、抽選に当たらないと使えませんが、それ以外の数字であれば一般希望番号と言われます。
一般希望番号であれば希望するナンバーを申請し、交付手数料を支払います。支払い後は運輸支局などで変更手続きを行いましょう。およそ1週間ほどで交付されます。
地名表示は運輸支局の管轄エリアを指す
ナンバープレートには数字のほかにも、「大阪」や「横浜」、「世田谷」などの地名が記載されています。これはその車を管轄する運輸支局を指します。
運輸支局が管轄するエリアは複数の市区町村にまたがっていることが多いため、住所とナンバープレートの地名が一致しないことがあります。たとえば鎌倉市に住んでいても、管轄は横浜市にある神奈川運輸支局であるため、地名表示は横浜です。
引越し後のナンバープレート変更の流れ
ナンバープレートの変更そのものにややこしい手順はありませんが、必要な書類が多く何を用意したか忘れてしまいがちです。手続きの準備をする前に流れを把握しましょう。
手続きに必要なもの
ナンバープレートの変更に必要なものは、普通自動車と軽自動車で異なります。混同しないように注意しましょう。
以下は普通自動車のナンバープレート変更の際に必要なものです。
- 申請書
- 車検証(自動車検査証)
- 車庫証明書(自動車保管場所証明書)
- 住民票の写し(マイナンバーが記載されていないもの)
- 手数料納付書
- 自動車税申告書
軽自動車の場合は、以下の書類が必要です。
- 車検証(自動車検査証)
- 住民票の写し(マイナンバーが記載されていないもの)
- 自動車検査証記入申請書
- 軽自動車税申告書
代理人に手続きをしてもらう際には委任状や申請依頼書といった書類が必要になります。所有者の押印が必要であるため、あらかじめフォーマットをダウンロードしておき、必要事項を記入しておきましょう。
このほかナンバープレート発行のための手数料がかかります。現金を忘れずに持って行きましょう。
手続きをする場所は、普通自動車であれば管轄する運輸支局または陸運局、軽自動車であれば軽自動車検査協会です。
①車庫証明を取得する
車庫証明は警察署で申請をして発行してもらいます。発行されて受け取るまでに数日程度時間がかかるため、仕事が休みの日にナンバープレートの交換をするのであれば、事前の準備が必須です。
②車検証の住所変更をする
運輸支局等で申請書をはじめとした必要書類を提出します。普通自動車であれば、この際手数料分の収入印紙を購入し、納付書に貼り付けます。
交付された車検証を受け取った後、隣接する税事務所の窓口で対応する自動車税に関する申告書を記入します。記入後新しい車検証とともに提出すれば、車検証の住所変更は完了です。
③ナンバープレートを取り替える
新しいナンバープレートが交付されたら、自分でプレートを交換します。ナンバープレートは車の前後に1枚ずつあり、後ろ側のプレートのネジには封印と呼ばれるアルミ製のキャップのようなものがかぶせられています。
封印を取り付けられるのは陸運局の職員のみと法律で決まっていますが、封印を外すことは誰でもできます。軽自動車には封印がありません。
ナンバープレートのネジを外すときには、3番のプラスドライバーが必須です。十字穴のサイズが8mmのものです。これに加えて、封印を貫通させるためにプラスドライバー2番があるとスムーズに作業ができます。
アルミ製のナンバープレートの封印の真ん中にプラスドライバー2番の先端を合わせ、貫通させます。封印の中にあるボルトを3番プラスドライバーで外せばナンバープレートの交換ができます。
ボルトがサビている場合はドライバーよりも力を入れやすいレンチを利用します。10mmのメガネレンチなどが適しています。
車検証の住所変更をしないとどうなる?
結論を先に述べると、車検証の住所変更をしないことで得られるメリットは一切ありません。車検証の住所変更手続きは面倒と思われがちですが、住所変更しないことで発生するデメリットの方が数倍面倒と言えます。実際にどのようなデメリットがあるのかをチェックしましょう。
法令違反として罰金刑を処されることがある
車検証の住所変更は道路運送車両法で義務付けられています。刑罰も定められており、引越しから15日以内に住所の変更をしなかった場合、50万円の罰金が課せられます。手続きを忘れたからといってすぐに刑に処されるわけではありませんが、余計な手間や出費のことを考えると住所変更はなるべく早く手続きした方が良いです。
納税やリコール情報などの重要な案内が届かない
自動車税のお知らせやリコール情報などは、車検証に登録してある住所に届きます。必要な情報を期限内に受け取ることができずに手続きや納付が遅れてしまった場合、猶予してもらえるとは限りません。些細な理由で大きな出費が発生するような事態を防ぐためにも、車検証の住所変更は早めに、着実に行いましょう。
盗難や事故時の対応が遅れる
車検証に限った話ではありませんが、何かを証明するための文書に記載されていることが正しくなければ、証明書としての効力を十分に発揮できません。
自動車の盗難や事故に遭ったとき、車検証の住所が異なると自動車の正当な所有者や使用者であるのかを確認しなければならなくなるため、手続きの手間や負担が増えてしまいます。盗難や事故に遭ったときはただでさえ心身がまいってしまうものです。万が一の際に余計な負担が増えないよう、住所変更手続きは確実に行いましょう。
売却時に必要書類が増える
車検証記載の住所と現住所が異なる状態で車を売却すると、車検証記載の住所から現住所に移ったことを証明する書類が必要になります。
車検証記載の住所から直接現住所に引っ越しているのであれば、住民票で証明ができます。しかし別の住所を経由してから現住所に引っ越している場合は、戸籍の附票が必要になります。これは本籍地でしか取得できないため、住民票を提出するよりも取得に手間がかかります。
車検証の住所変更をオンラインでできるワンストップサービス(OSS)
自動車を所有するためには様々な手続きと税金・手数料の納付が必要です。今までは紙の書類を用いて、関係する役所や施設に行かないと手続きができませんでした。これらの手続きや金銭の納付をオンライン上で一括して行うサービスがワンストップサービス(OSS)です。
ワンストップサービスは原則として24時間365日利用できます。引越しではなにかと忙しいものですが、空いた時間で手続きができるのは嬉しいポイントといえるでしょう。
普通自動車も軽自動車もワンストップサービスがありますが、それぞれで受付機関が異なるためご注意ください。
OSSを利用するとナンバープレートの交換猶予期間ができる
2022(令和4年)年4月1日から、自動車の所有者自身がマイナンバーカードを用いて引越しに伴う住所変更を、ワンストップサービスで行った場合、ナンバープレートの交換期限を次回車検まで猶予する特例の運用が始まりました。次の車検時に一緒にナンバープレートを交換しても問題ありません。
手続きの内容は以下の通りです。
- ワンストップサービスで車検証の住所変更(変更登録)手続きを行う
- 新旧車検証の郵送による交換
- 新しいナンバープレートの交付を受ける
車検証の原本がないと自動車の運転ができないため、古い車検証を郵送で交換している最中に自動車の運転をしないように注意してください。
複数回引っ越して住所変更を忘れていたら?
今まで何回か引越ししていたにも関わらず、車検証の住所変更をしていなかった場合は戸籍の附票が必要になります。
たとえばA市→B市→C市と引越し、車検証の住所はA市だが現住所はC市という場合、C市で取得した住民票では、B市から引っ越してきたことは証明できても、A市からB市に引っ越したことは証明できません。
そこで本籍地に行って戸籍の附票を取得します。戸籍の附票には今まで引っ越した住所が全て記載されています。
引越しのたびに本籍地も異動させるなど、頻繁に変更している場合には、今まで本籍地とした自治体すべてで戸籍の附票を取り寄せる必要があります。また本籍地が遠方の場合は取得しに行く手間がかかる点には注意が必要です。
車検証の住所変更手続きは行政書士による代行も可能
引越しを何度も繰り返したり、頻繁に車を買い替えたりするわけでもなければ、車検証の住所変更手続きに慣れているという人はまれでしょう。書類不備で何度も再提出をしなければならなかったり、役所へ出向いて必要書類を取得したりする手間を考えると代行を依頼したいと考えるかもしれません。
車検証の住所変更手続きの代行依頼は行政書士に出しましょう。行政書士は役所に提出する書類作成のプロです。素人が知識がない状態で書類を作成し、提出するよりもスムーズに手続きが終わります。
手続きの代行とは別に書類取得の実費を計上するところもあれば、すべて込みの料金を提示する行政書士事務所もある点に注意が必要です。依頼を考えている場合は費用がどの程度かかるのか必ず確認し、複数の行政書士の代行費用を比較することが大切です。
ミツモアでは自動車関係の手続きに対応している行政書士の見積もりもできます。
引越し手続きは全体像を把握して抜け漏れなく済ませよう
引越し時は車の手続き以外にもやるべきことが多くあります。以下の記事では全体像をまとめているので、手続き漏れがないようにチェックしておきましょう。
必要な手続きとあわせて引越し業者探しも忘れずに行いましょう。ミツモアには地域密着型を含む中小引越し業者が多く登録しており、大手業者に依頼するときよりもずっと安い料金を提示している業者もあります。
ユーザーからの口コミも充実しており、それぞれの事業者の安さ以外の魅力も分かります。「知らない業者に依頼するのはなんだか不安」と思われる方も、他の利用者からの評判を確かめられるので安心です。