引っ越しをするとき、市区町村に届け出ている印鑑登録はどうすれば良いんだろうと疑問に思われる方はいませんか?


結論からお伝えすると、引っ越し先によって手続きが必要かかどうかが変わります。
- 同じ市区町村内の引っ越し:印鑑登録の手続きは不要
- 違う市区町村への引っ越し:印鑑登録の廃止・登録手続きが必要
詳しい手続きの方法や、単身赴任、結婚といった引っ越しの状況別に注意すべき点をまとめました。
【同じ市区町村内の引っ越し】印鑑登録の変更は不要だが注意点も
旧居と新居が同じ市区町村内の場合は、印鑑登録の手続きをする必要はありません。
自治体の役所に転居届を提出すると、自動的に印鑑登録の住所も変更されます。
住所変更日より後に印鑑証明書を提出しなければならないときは、新居の住所が記載された印鑑証明書を新たに取得する必要があります。引っ越し後すぐに使う用事があるときは注意しましょう。
政令指定都市の場合、同市内でも異なる区に転居するときは手続きしなければならない可能性があります。お住まいの自治体のホームページや窓口で確認しておくと安心です。
【異なる市区町村への引っ越し】印鑑登録の住所変更の方法
異なる市区町村に引っ越す場合は、印鑑登録の手続きをしなければなりません。
正確には、「旧居の自治体での印鑑登録の廃止」と「新居の自治体での印鑑登録」が必要です。
印鑑登録は自治体ごとに管理されており、自治体間で自動的に登録の移転はされません。住民票を異なる市区町村に移す場合、新居のある市区町村で新たに登録する必要があります。
引っ越し前の市区町村でやること
引っ越し前の市区町村で届け出ていた印鑑登録は、転出届の提出にともない自動的に廃止されることが多いです。この場合、引越し前の役所では特に印鑑登録関係の手続きをする必要がありません。
手元に残った印鑑登録証(印鑑カード)は役所窓口に返却するか、自分ではさみを入れて破棄してください。
ただし自治体によっては別で廃止手続きをしなければならないことがあります。あらかじめ住んでいる市区町村のホームページや窓口で確認しておくと安心でしょう。
印鑑登録の廃止手続きの方法
廃止手続きは郵送不可で、役所に足を運ぶ必要があります。転出届の提出と同じタイミングで行えば二度手間になりません。
手続き場所 |
転出する市区町村の役所 |
必要なもの |
代理人が申請する場合
|
手続き期限 |
特になし |
郵送手続き |
不可 |
仕事などで手続きの時間が取れない場合には、代理人を立てても構いません。
引っ越し先の市区町村でやること
引っ越したら、新居のある市区町村の役所で新たに印鑑登録を行いましょう。
転入届の提出と同時に行えば、何度も役所に足を運ばずに済みます。
手続き場所 |
転入先の市区町村の役所 |
必要なもの |
代理人が申請する場合
|
手続き期限 |
特になし(手続きするまで印鑑登録がない状態) |
郵送手続き |
不可 |
本人確認書類が顔写真付きのものでない場合や、代理人による申請の場合は、即日登録ができません。
後から本人か代理人が役所に行き、本人が自署した「回答書」を提出する必要があります。
登録できる印鑑の条件
実印として登録できる印鑑の要件をあらためてお伝えします。この規定に反していると、申請を受け付けてもらえません。
引っ越し前に登録していたものと異なる印鑑を新調する場合、購入前に確認しましょう。
大きさ |
1辺8mmの正方形より大きく、1辺25mmの正方形より大きいもの |
素材 |
変形したり、すり切れたりしにくいもの (例:ゴム、プラスチックなどはNG) |
文字 |
住民基本台帳記載の「姓だけ」「名だけ」「姓名」「姓名の一部」 ※自治体によって異なる可能性あり |
その他の条件 |
|
三文判のような大量生産の印鑑でも条件を満たせば登録できますが、かんたんに入手できるので悪用されるおそれがあります。なるべく複雑な印影の印鑑を実印用に作成することをおすすめします。
住民票の異動をしない引っ越しの場合は?
引っ越しを行った場合、原則として住所が変わった日から14日以内に住民票の異動手続きを行う必要があります。ただし進学や単身赴任による一時的な引っ越しで、住民票は元の住所のままということもあるかもしれません。
その場合、印鑑登録もそのまま元の住所のある市区町村での登録になります。住民票のある自治体でしか、印鑑登録ができないからです。
印鑑証明書を取得したい場合も、登録のある自治体へ出向かなくてはなりません。ただし登録の自治体がコンビニ交付に対応していれば、マイナンバーカードを使って全国のコンビニで取得できます。
結婚して姓が変わった場合の印鑑登録の注意点
結婚と同時に引っ越しをする場合、これまでの印鑑登録はどうすれば良いのでしょうか?
まとめると以下の通りです。
同じ市区町村内の引っ越し |
登録している印鑑の文字によって継続して有効なことがある |
異なる市区町村への引っ越し |
住所変更(廃止・新規登録)が必要 |
登録している印鑑の文字によっては継続して有効
登録の印鑑は、住民票に記載の姓名と一致していなければなりません。
つまり結婚で姓が変わったことにより、登録の印鑑に彫られている姓と異なってしまったら、印鑑登録は自動的に失効します。
ただし登録している印鑑の文字が名のみの場合は、住民票の姓名との不一致はないので、継続して有効です。
変更前の姓名 | 山田花子 | 山田花子 | 山田花子 |
変更後の姓名 | 佐藤花子 | 佐藤花子 | 佐藤花子 |
登録の印鑑 | 山田 | 山田花子 | 花子 |
印鑑登録の有効性 | 無効 | 無効 | 有効 |
【おさらい】印鑑登録の意味と使う場面
市区町村に印鑑を登録すること
「印鑑登録」とは住居のある市区町村に、持っている印鑑を登録する手続きです。登録した印鑑は実印として使えるようになります。
15歳以上の意思能力がある人なら誰でも印鑑登録が可能で、登録できる印鑑は1人につき1個までです。
印鑑登録の手続きが終わると、印鑑が実印であることを証明する書類である「印鑑登録証明書」を取得できるようになります。実印を求められる場面で一緒に提出しなければならないことが多いです。
印鑑登録した実印が必要になる場面
人生において実印が必要になるのは、たとえば以下のような場面です。
- 不動産(住宅、土地)や自動車を購入するときの売買契約
- 住宅ローンの申込
- 遺産相続などの手続き
- 会社設立の手続き
自分の名義で不動産や自動車の取引をする人や、会社の取締役になっている人は、実印を押さなければならない機会があります。
引っ越したときは忘れず印鑑登録の手続きを行いましょう。
引っ越しでは印鑑登録の手続きも忘れずに
引っ越し先の住所が旧居の市区町村と異なる場合には、実印を使い続けるために手続きが必要になります。まずは旧居の役所で印鑑登録を廃止する手順があるため、引っ越し前に手続き漏れがないように注意しましょう。
手続き自体は必要なものを市区町村の窓口に持っていくだけと簡単です。忙しくて時間が取れない場合には、代理人を立てても構いません。
引っ越しの前後はやることが多く印鑑登録の住所変更を忘れがちです。転出届や転入届といった他の手続きとセットで考えて、スケジュールを立てて動くとスムーズに引っ越しが終わります。
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