ミツモアメディア

灯油ストーブは換気しないとダメ?換気せずにいると命の危険も!

最終更新日: 2024年06月28日

部屋を暖めるためにはエアコンや電気ストーブのほかに、灯油ストーブを使う手段があります。灯油ストーブには多くの魅力がある一方で、換気を怠ると危険な場合があることを知っておきましょう。灯油ストーブの概要や、使用上の注意点を紹介します。

灯油ストーブ(石油ストーブ)の仕組み

灯油ストーブは主に電気を必要としないので、災害時などにとても重宝される点が特徴です。灯油ストーブの仕組みやメリットを紹介します。

灯油を燃料として部屋を暖める

灯油ストーブとはその名の通り、灯油を燃料としたストーブのことです。ただし灯油自体を燃やすのではありません。灯油が気化したガスを燃焼させ、そのエネルギーで部屋を暖めてくれるのです。

電気ストーブのように電気の熱だけの製品よりも、実際にモノを燃焼させることでより周囲を暖めてくれます。

灯油ストーブには2つの種類があります。対流式と反射式です。

対流式はストーブの中に燃焼筒と呼ばれるものが入っており、この中で火が燃え上がり周囲に熱を放出します。部屋の真ん中に置くことで、部屋全体を暖めてくれるストーブです。

反射式は熱を前面に出すタイプで、一般的に部屋の隅に置きます。燃焼筒の奥に反射板があり、熱を前に向ける仕組みです。パワーは対流式と同程度で、部屋全体を暖めてくれます。

災害時にも使えるなどのメリットも

災害時に停電した場合、電気ストーブやエアコンは使えません。灯油ストーブは灯油があれば使用できるので、緊急時にはかなり便利なアイテムになるでしょう。

また電源を意識しないで済むため、コンセントの近くに置くなど場所を考慮しなくてよいのもメリットのひとつです。災害時に野外で野宿しなければならない場合でも、最低限の暖は取れるでしょう。

運転音はしないため眠りにくい状況でもストーブが睡眠を妨害することはありません。

ヤカンを置けばお湯が沸くので、ガスや電気がなくてもカップラーメンなどの非常食が食べられるでしょう。加湿器としての役割も果たせます。

換気しないとどうなる?

灯油ストーブを使用する際は必ず換気が必要です。これを怠ると体に重要な影響を及ぼしてしまいます。換気せずに使用した場合にどうなるか、灯油ストーブの注意点を紹介します。

一酸化炭素中毒を起こす可能性

灯油ストーブは気化したガスが不完全燃焼すると、一酸化炭素を発生させてしまいます。不完全燃焼となる原因は、酸素不足によるものです。

燃焼させるには酸素が必要になりますが、密閉した場所だと酸素がほとんど使われてしまいます。

適度に換気して酸素を供給しないと、一酸化炭素中毒になる危険があります。

一酸化炭素は臭いも色もないので、発生しても気づかない場合が多いでしょう。換気をせずに灯油ストーブを使うのは非常に危険な行為です。

めまい・頭痛などの中毒症状

一酸化炭素が体に与える影響はめまいや頭痛、吐き気などです。ひどい場合は意識を失い、命を落とす危険もあるでしょう。具体的には以下の表のように、症状が進んでいきます。

空気中の一酸化炭素(CO)濃度と中毒症状(作業環境測定便覧より)

CO(%) 呼吸時間および症状
0.02% 2~3時間内に軽い頭痛
0.16% 20分で頭痛、めまい、吐き気、2時間で失神
0.32% 5~10分で頭痛、めまい、30分で致死
1.28% 1~3分で死亡
参考記事:一酸化炭素(CO)中毒に注意!|一般社団法人 日本ガス石油機器工業会(JGKA)

一酸化炭素は人体にとって、かなり強い毒になります。少しでも吸い込んでしまうと、知らない間に中毒になってしまうこともあり危険です。

中毒になっていると気づいた時は、外に出るかすぐに換気をしましょう。

一酸化炭素の発生を未然に防ぐためにも、こまめに換気しながら灯油ストーブを利用することが大切です。

知っておきたい!効果的な換気方法

換気が必要だからといって、窓を開けてばかりいると部屋は暖まりません。換気の回数の目安や、換気方法を紹介します。

換気頻度は1時間に2回が目安

灯油ストーブを使用する際は、1時間に2回程度は換気をしましょう。窓を開ける時間はストーブの燃焼率や部屋の広さによりますが、およそ1~2分程度は開けておいて下さい。

この回数や時間はあくまでも目安となるため、こまめに換気しましょう。少しでも気分が悪くなったりめまいがしたりする場合は迷わず迷わず外に出るか、窓をたくさん開けて下さい。

特に狭い場所で使用する際は、気をつけましょう。目安の回数や時間通りだから大丈夫と考えると、一酸化炭素中毒になってしまう恐れがあります。

また寒いからといって、すぐには閉めないようにしましょう。空気が循環する前に閉めると効果が薄れてしまいます。

参考記事:石油ストーブの安全な使い方|一般社団法人 日本ガス石油機器工業会(JGKA)

2カ所以上開けて空気を流す

窓を2カ所以上開けると空気がよく循環し、効率良く換気ができます。

できる限り対面や対角になる窓を開けると、換気効果がアップするでしょう。同じ方角にある窓をやみくもに開けても空気が流れにくく、大きな効果は期待できません。

対面や対角線上に窓がない場合は、窓の高低差が利用できないか検討して下さい。暖かい空気は下から上に流れる性質がありますので、これを利用してみましょう。

窓がひとつしかない場合でも、横にスライドするタイプの窓なら窓を真ん中に寄せて、両端を開けるようにすると風の通り道が2か所になるので効果的です。

また風向きを考慮して、空気が入ってくる側の窓は小さく、出ていく側の窓は大きく開けるとたくさんの空気を入れ替えられます。

換気扇に頼り過ぎないよう注意

2003年に改正された建築基準法により、基本的に住宅には24時間換気するシステムを設けるよう義務づけられました。

このシステムにより常に換気されている部屋であれば、およそ2時間で室内の空気を入れ換えられるとされており、とても便利なシステムです。

またキッチンの換気扇を使って換気している方も少なくないでしょう。しかしこれらの換気器具は手入れをしていないと、部屋の空気がきちんと循環できない場合があります。

24時間換気システムや換気扇だけに頼ると、事故につながる可能性もあります。窓を開ける換気法と併用して、しっかり換気をしましょう。

灯油ストーブを安全に使用する方法3選

灯油ストーブの使用方法を間違うと、取り返しのつかないことになるケースも理解しておきましょう。灯油ストーブを安全に利用するポイントを紹介します。

1,一酸化炭素チェッカーを活用する

一酸化炭素は目に見えない無味無臭の気体です。可視化するために、一酸化炭素チェッカーを使用するのもよいでしょう。

一酸化炭素チェッカーは電池で動く電化製品です。コンセントを意識しないで済むため、あらゆる場所に設置しやすくなっています。

天井や壁に設置し、一酸化炭素を検知すると警報がなる仕組みです。これを使用すれば一酸化炭素の発生に、いち早く気づけるでしょう。

安いものだと2,000円程度から販売されているので、気軽に購入できます。身体の異変に気づく前に察知できる可能性もあるため、灯油ストーブを利用する際はおすすめのアイテムです。

2,換気扇を掃除する

24時間換気システムやキッチンの換気扇を回すことは、一酸化炭素中毒を避けるために有効ですが、フィルターが目詰まりしていては効果が薄れてしまいます。

そのため定期的な換気扇の掃除をおすすめします。メンテナンスの頻度は、1カ月に1回が理想的です。あまり掃除しないで放置しておくと、モーターの故障につながる可能性もあります。

特にいつもとは違う異音を聞いたら、換気扇のフィルターを見てみましょう。ホコリなどでフィルターが汚れているかもしれません。プロペラに油が付着している場合もあります。

3,頑固な換気扇汚れはプロに依頼

換気扇を長く掃除していないとホコリやゴミだけでなく、油が固まったものまで付着している可能性があります。

このような頑固な汚れは自力で清掃するのが難しいため、プロに依頼するとよいでしょう。業者選びはいくつか見積りを取って比較すると、高額な値段で依頼してしまうことがほとんどありません。

ミツモアを利用すれば一括依頼で複数の業者から見積りを集められます。その中から一つの業者を選択すればよいだけなので、発注しない業者に対して断りの連絡をする必要もありません。

業者選びにミツモアを利用するのも、ひとつの手段です。

灯油ストーブ使用時はこまめに換気しよう!

灯油ストーブには電気が必要ないことなど、さまざまなメリットがあります。特に災害などの緊急事態では停電の影響を受けないため、灯油さえあればどこでも暖を確保できるでしょう。

ただし密閉した場所で灯油ストーブを使い続けると、一酸化中毒になる可能性があります。そのため定期的に窓を開けて、換気しましょう。

換気は対面や対角線にある窓を開けるなど、通気性がよくなるように工夫すると効果的です。

またそのように窓が設置されていない場合は、換気扇と併用しましょう。換気扇と換気扇から離れた場所にある窓を開けることで空気が循環します。

その際に換気扇が汚れていては稼働はしているものの空気供給は止まっているという状態になり得ます。換気扇クリーニングを定期的に行うことが大事です。

ミツモアで換気扇クリーニングの依頼をしよう!

換気扇のクリーニングを検討されている場合は、ミツモアで頼んでみましょう!質問に答えるだけで簡単に依頼が可能ですよ。

ミツモアで換気扇クリーニングを依頼する