この記事ではマンションのベランダでも安心の、水を流さない掃除方法や、ご近所に迷惑をかけないために注意するべきポイントなどを徹底解説します。
マンションでもベランダ掃除は必要?
マンションや賃貸では、ベランダは「共有部分」とされています。建物の廊下などと同じ扱いです。
そのためベランダ部分は、ある程度の制約を受けます。マンションの規約や消防法に従って、芝生やイス・テーブルなどを敷くことができないケースが多いです。
しかし実際には、部屋のベランダを使用するのは住人だけですよね。そのため「共用部分ではあるけれど、室内と同じ扱いをする」ことによって入居者の「専用使用権」が認められています。
つまり部屋のベランダを使用するときには、「掃除などの管理を入居者がおこなってさえいれば、ベランダを好きに使ってもよい」というのが原則なのです。
ベランダの汚れは不衛生なものが多い
ベランダにつきやすい汚れのなかでも、鳥のフンには注意が必要です。鳥インフルエンザや鳥アレルギーなどの原因物質や、雑菌などが発生する可能性があるのです。
フンが乾燥することで、細かいチリとなって空中に舞って、人間が吸い込んでしまうことがあります。
また水回りやドレン(排水口)にできやすいカビにも注意。ホコリやゴミが養分となり、水気や湿気でカビが発生します。カビは胞子を飛ばすので、それを吸い込むことでアレルギーや喘息などの原因となることも。
これらの不衛生な状況を作らないためにも、ベランダを定期的に掃除しておきましょう!
ベランダを掃除しないとトラブルにつながるかも
マンションや賃貸でベランダを掃除していないと、思わぬトラブルにつながる可能性があります。
- 排水溝が詰まって、階下に水漏れする
- ベランダの床(防水層)が劣化して、原状回復費用が高くなる
- ゴミなどで足場がなくなって、マンションの利用規約に違反してしまう
おもに上記のようなトラブルが考えられます。マンションや賃貸であっても、ベランダは定期的に掃除しましょう。
「自分で掃除するのは面倒くさい」という方は、クリーニング業者に依頼するのもひとつの手段です。ミツモアなら「ベランダの広さ」などを入力するだけで、簡単かつ無料で見積もりをお届けできるのでぜひお試しください。
ベランダ掃除の基本的な手順
マンションでベランダ掃除をするときは、水を大量に流すのを避けるのが無難です。
- 規約で明記されているケースがある
- 隣の部屋のベランダまで汚してしまう
- 階下に水を垂らしてしまう
マンションの規約では、あらかじめベランダに大量の水を流すことを禁じられているケースがあります。
もし規約がないとしても、隣の部屋や階下を水浸しにしてしまうとご近所トラブルになりかねません。ちなみに水濡れ被害を与えてしまった場合、損害賠償が発生することもあります。
そのため水や洗剤を使う場合は、部分的に少しずつ水を流すようにするのがポイントです。高圧洗浄機などの使用は、もちろん避けた方がよいでしょう。
【手順1】ベランダの不用品の片付け
まずはベランダにある不要なものを片付けます。鉢植えやガーデニング用品など、掃除の邪魔になりそうなものを室内に片づけておきましょう。
【手順2】ホウキを使ってゴミ集め
次にホウキを使って、枯れ葉や土のかたまりなど大きなゴミを掃きましょう。ベランダが狭い場合は、小さめのホウキを用意しておくと掃除がしやすくなります。
【手順3.】濡らした雑巾または新聞紙でゴミを拭き取る
掃き掃除をしても、砂ぼこりや小さいホコリなどは残っています。雑巾や新聞紙を濡らして、拭き取っていきましょう。
掃き掃除の前に、濡れた新聞紙をこまかくちぎって、ベランダ全体に敷いておくのもオススメです。新聞紙がホコリや砂を吸着してくれるので、ホウキとチリトリでいっきに回収できます
【手順4】ブラシで床をこする
砂ぼこりやホコリなどを落とすことができたら、洗剤を使って床をブラシ洗いしていきましょう。
排気ガスや黒ずみ汚れが目立つ場合は、重曹などのアルカリ性洗剤がオススメです。排気ガスの油分や黒ずみは酸性なので、中和することができます。
重曹を使う場合は、「水100mlに対して重曹小さじ1杯」の割合でかき混ぜましょう。
重曹以外だと、ウタマロクリーナーなどの住居用中性洗剤が便利です。もしくは台所で使っている中性~アルカリ性の洗剤でも問題ありません。
【手順5】手すり・室外機・物干しざおは水拭き
ベランダの手すりやエアコンの室外機、物干しざおも忘れずに掃除しましょう。雑巾を使って水拭きするだけでキレイになります。
ベランダに常設しているものには、ベランダの床と同じくらい砂ぼこりや土汚れが溜まっているはずです。
エアコンの室外機にホコリが溜まると、運転効率が悪くなることがあるので、掃除することで節電にもつながります。
また物干しざおが汚れていると、洗濯物を干すときにホコリが舞ってしまうことも。きちんと掃除して気持ちよく使いましょう。
【手順6】排水溝・ドレン管の掃除
ベランダ掃除でもっとも重要なのが、排水溝やドレン管(排水口)です。
ベランダの端に溝(みぞ)がついている場合は、雨水などがそこを通ってドレン管まで流れます。そのため湿気が残りやすく、コケやカビが発生しやすい場所です。排水溝は、床と一緒にデッキブラシでこすって掃除しましょう。
またドレン管(排水口)には、ベランダにあった落ち葉や砂ぼこり、土などが雨で流れていきます。これらが詰まりを起こすと、水があふれるなどして近隣住民に被害を与えてしまうことも。
ドレン管は細かい隙間が多いので、掃除するときは歯ブラシを使うのがオススメ。
また重曹の粉を振りかけてからクエン酸スプレー(水100mlに大してクエン酸小さじ1/2杯)を吹きかけると、発泡して汚れを浮かすことができるのでより綺麗になります。
【汚れ別】マンションでも安心!水を流さずカンタンお手入れ
ここまではベランダ掃除の基本的な掃除方法を紹介してきました。しかし「定期的にしっかり掃除するのは骨が折れる」と感じる方も多いでしょう。
そこでここからは、水を使わなくてもできるベランダ掃除の方法を、汚れ別に紹介します。とくにマンションの方にオススメの方法ですが、隣家との距離が近い方も参考にしてみてください。
砂ぼこりや土などの汚れ
ベランダに溜まる汚れでもっとも多いのが、砂ぼこりや土などの付着です。実際には砂や土だけでなく、花粉や細かい葉なども混ざっています。
これらの細かいゴミは、掃き掃除だと舞い上がってしまい、あまり効果的に掃除することができません。
そこでオススメなのが新聞紙です。新聞紙の原料は「パルプ」と言って、繊維が細かいのが特徴。拭き残しになりにくいのです。
新聞紙を濡らして、手すりや床全体を拭いていきましょう。
排水溝・ドレン管まわり
雨水が流れる排水溝やドレン管まわりは、落ち葉から砂ぼこりまで、大小さまざまなゴミ・汚れが溜まっていきます。
まずはゴム手袋かホウキを使って、大きなゴミをポリ袋などに集めてしまいましょう。
排水溝もドレン管も、基本的には濡れ雑巾で水拭きするだけでOKです。コケなどのこびりついた汚れがある場合は、濡らした歯ブラシでこすってから水拭きしましょう。
排ガスや黒ずみ汚れ
排ガスや黒ずみ汚れを掃除するなら、重曹やセスキ炭酸ソーダなどのアルカリ性洗剤がピッタリです。
- 水100ml:重曹小さじ1
- 水500ml:セスキ炭酸ソーダ小さじ1
上記の分量で粉末を溶かすか、もしくは既製品の「セスキ水」を使いましょう。これらの洗剤をスプレーして、水拭きでしっかり拭き取るだけでカンタンに汚れが落ちます。
洗剤残りが気になる場合は、はじめに水をたっぷり含ませた雑巾で流すように拭き、次に固く絞ってから2度拭きするのがよいでしょう。
コケ
ベランダの壁際や手すりの裏などには、コケが生えることがあります。どうしても夕方に陰ができてしまい、湿気が溜まりやすくなるためです。
コケをカンタンに落とすなら、「カビキラー」など市販のカビ取り剤をスプレーして、歯ブラシなどでこすりましょう。そのあとは水拭きでしっかり洗剤を拭き取ります。
もしくは熱湯をかけるのも効果的です。やかんいっぱいの水を沸騰させて、コケが気になる場所にかけると、高温でコケが死滅します。
ただし熱湯が跳ねかえったり、やかんが肌に触れたりしやすく、火傷のリスクがあるのであまりオススメはしません。
鳥のフン
前述のように、鳥のフンは病原菌を保持していることがあります。掃除で取り除くときには、吸い込んだり素手で触れたりしないように注意してください。
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上記の手順で、鳥のフンの除去・殺菌をすることができます。
賃貸やマンションでトラブルを防ぐために
ベランダはマンションの共有部なので、近隣住民に迷惑をかけないことが大切です。掃除をする前に、次の4点をしっかりと確認しておきましょう。
組合組織の規則を確認する
入居時に受け取っている、管理組合の規則が載っている書類をまずは確認しましょう。ベランダが共有部であることや、避難経路として使われるため邪魔になる物を置かないことなど、細かく記載されていますよね。
特に「防水処理が施されていない」旨の記載がある場合は、水を流してお掃除することを禁止している項目があるはずです。水漏れトラブル回避のため「水は禁止」としている場合が案外多いのです。
隣や下階の状況を確認する
水の他にも気を付けなければならない点が「ほこり」と「音」です。
ベランダは外にあるので、お掃除の際にほうきで掃けば土ぼこりが舞い上がります。お隣さんや下の階のベランダで布団や洗濯物が干されていないか、必ず確認をしましょう。また高圧洗浄機を使う場合はかなり大きい機械音が出るため、時間帯に気を付けなければなりません。
事前にご近所へ「今日は何時ごろベランダ掃除をします」と連絡を入れておくと、トラブルになりにくいので安心できますね。
排水溝を確認する
隣同士で排水溝を共有している場合は、水を撒くとお隣のベランダにも水が流れてしまう可能性があります。また強い水圧で汚れを落とす高圧洗浄機も同様に水を大量に使用するため、お隣に迷惑を掛けるおそれがあります。高圧洗浄機を使用する際は事前に管理組合に確認した方がよいでしょう。
排水溝の観点からも、大量に水を使うお掃除法は避けた方がトラブルになりにくいです。規則で水を使って良いことになっていても、必要以上に使用しない方が無難でしょう。
ベランダ掃除は曇りの日に実行する
掃除はカラッと晴れた日に風通しを良くしてするイメージがありますが、ベランダ掃除に適したお天気は逆です。湿度が高い曇りの日に掃除すれば、ほこりの舞い上がりを防ぐことができます。
ご近所への影響が出にくいよう、ベランダ掃除は湿度が高い曇りや小雨の日を選び、風がないことを確認して実行しましょう。
【ちなみに】ベランダに鳥や蜂の巣がある場合は?
ベランダ掃除をしているときに、鳥の巣・蜂の巣を見つけたときはどうすればよいのでしょうか?
基本的には入居者が対処
ベランダは共有部という扱いでありながらも、管理責任は入居者側にあります。そのため鳥の巣・蜂の巣ともに、自分でしかるべき対処をしなくてはいけません。
しかし対処とは言っても、自分自身で巣を撤去するのは避けましょう。
蜂の巣の駆除は、いわずもがな危険度が高いため、駆除業者に連絡を取ってください。
また鳥の巣は、すでに卵やヒナがいる場合、勝手に撤去すると法律違反に当たってしまいます。卵やヒナがいる鳥の巣を撤去するには市町村の許可が必要なので、まずは役所に連絡しましょう。
鳥の巣が作りはじめの段階だったり、すでに巣立った後だったりする場合は、自分で撤去しても問題ありません。しかし鳥の巣にはダニや雑菌が多いので、こちらの場合も駆除業者に連絡するようにしましょう。
ベランダの頑固な汚れはプロに相談しよう
自分でベランダの掃除をしてみたものの、思いのほか頑固な汚れでどうしても取れない場合は、プロのクリーニング業者にベランダ掃除を依頼しましょう。
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