業務の流れを自動化するワークフローシステム。紙ベースの申請や承認プロセスを電子化することで、さまざまなメリットが得られます。
この記事ではワークフローシステムの導入がもたらす5つのメリットをわかりやすく解説します。
ワークフローシステム導入の5つのメリット
ワークフローシステムの導入には以下のメリットがあります。
- 申請・承認の手間削減
- 決裁までのスピード向上
- ワークフローにおけるミス削減
- 内部統制の強化
- データに基づく意思決定のサポート
申請・承認の手間削減
ワークフローシステムを導入すると、申請や承認の手間を大きく削減できます。
従来の紙やメールをベースにした申請・承認プロセスは手間がかかり、多くの時間も必要です。ワークフローシステムなら、申請書のテンプレートをシステム上で事前に設定し、必要な情報を入力するだけで簡単に申請できるようになります。承認者もシステム上で申請内容をひと目で確認して、ボタンひとつで承認できます。
また仮に拠点をまたいでの申請や承認が必要になる場合でも、申請書の印刷や郵送は必要ありません。システムに設定された承認ルートを通じて、申請内容に合った承認者のもとへ自動でリレーされていきます。仮に承認が通らず差し戻しがあっても、システムを通じて完結します。
決裁までのスピード向上
ワークフローシステムを活用すれば決裁までのスピードが向上して、より迅速な意思決定ができるようになります。
もしも承認者が外出や出張、休暇で不在の場合、紙ベースでのワークフローでは申請から決裁までの流れが止まってしまいます。また承認者が複数人いる場合、関連部署の承認を得るのに数週間かかってしまって、プロジェクトの開始が遅延する可能性も否めません。
ワークフローシステムなら、申請から承認、そして決裁までのフローがデジタル化され、情報がリアルタイムで共有されます。そのため承認者がインターネットに接続できる環境でさえあれば、パソコンやスマホからいつでもどこでも承認操作を即時行うことが可能です。
情報の伝達速度が格段に向上することで決裁までにかかる時間が短縮され、業務の遂行やプロジェクトの進行がより迅速に行えるようになります。
ワークフローにおけるミス削減
ワークフローシステムの導入は、申請から承認、決裁や保管までの各プロセスにおけるミス削減にもつながります。
たとえば経費精算を手作業で進める場合、入力ミスや計算ミスで精算額の不整合が発生する可能性があります。しかしワークフローシステムであれば、入力項目をあらかじめ設定したり、自動計算を行ったりすることが可能です。
手作業では避けづらいヒューマンエラーを未然に防止して、より正確な意思決定ができるようになります。
内部統制の強化
ワークフローシステムの導入は業務プロセスの透明性向上に貢献して、内部統制を強化します。
たとえば紙の文書管理を行っている場合、誰がいつ文書を持ち出したのか追跡するのは難しいです。また規定外のワークフローで承認が進んでしまうと、代理人による勝手な承認や未許可の備品購入など、内部での不正が発生する可能性も否めません。
一方でワークフローシステムなら、申請から承認、決裁までの各プロセスにおいて、誰がいつ、どのような操作を行ったのかすべて履歴が残ります。そして承認ルートはあらかじめ設定したものに基づいて自動化されるので、規定外の申請や承認は通らない形となります。
またアクセス権限の管理も厳密に行えるため、情報セキュリティの向上にも寄与します。
データに基づく意思決定のサポート
ワークフローシステムはデータに基づいた意思決定をサポートします。正確なデータの蓄積はもちろん、検索機能を活用して過去の文書をすぐに見つけられます。また、書類を紛失する心配もありません。
たとえば業務報告の集計を手作業で行っていた場合、データの集計に時間がかかるうえに時間経過とともにデータの精度は低下する傾向にあります。また過去のデータを参照するのにも手間がかかり、ひとつひとつ確認するのは現実的ではありません。
ワークフローシステムなら、すべての業務データがリアルタイムで集計されるので、常に最新のデータを参照できます。またデータの自動集計やグラフ機能を活用して、データ分析に活かすことも可能です。
組織内の業務効率はもちろん、ワークフローシステムは戦略的な意思決定プロセスにおいてもその価値を発揮します。
ワークフローシステムのデメリット
ワークフローシステムの導入が企業の業務効率化に大きく貢献する一方で、注意すべきデメリットもいくつか存在します。ここでは、導入時に遭遇する可能性がある主要な課題を掘り下げていきます。
システムと業務フローを合わせる必要がある
ワークフローシステムを導入する際、最大のハードルとなるのが既存の業務プロセスとシステム機能の整合性です。
システムの運用を進めるにあたっては、申請フォームの作成や承認ルートの設計など事前の設定が必要となります。初期設定をおろそかにしてしまうと、既存の業務プロセスと新しいシステムとの間にミスマッチが生じてしまい、現場の混乱を招きかねません。
これまで通りの運用を求めている場合は、使用していたExcelの申請書を活用できる製品を活用するのもひとつの方法です。またシステムの導入を機に、承認ルートの見直しを行うのもよいでしょう。
ワークフローシステムの運用をスムーズに進めるには、システムと業務フローのどちらかに完全に合わせるのではなく、従来のフローを見直しながら新しいシステムへ適合する姿勢が求められます。
操作性がよくないと現場に浸透しづらい
これまで紙ベースのワークフローを運用していた場合、システム化に対して従業員のストレスや不満を引き起こす可能性があります。
例えば複雑な承認フローが設定されていて、日常の小さなタスクでも多数の承認ステップを必要とする場合、従業員は従来の手法を求める可能性が高いです。
この課題を解決するためには、導入前や導入初期の段階で実際のユーザーを対象にした操作デモを実施するのがおすすめです。操作性の問題点やユーザーの不満を把握して、よりよい運用設計に改善を進めるとよいでしょう。
また運用を進めていく中で、操作画面やプロセスを適宜カスタマイズして調整するのも効果的です。現場の声を集めて、従業員が使いやすい状態になるように運用体制を改善していきましょう。不明点がある場合は、ベンダーが提供するサポート体制を活用するのも効果的です。
システム連携ができない場合、かえって手間になることも
ワークフローシステムと外部システムが連携できない場合、かえって手間が発生する可能性もあります。
たとえばワークフローシステムと電子契約システムが連携できない場合、社内で承認された契約書の情報を再入力する必要が出てきます。この入力作業は人手で二重に発生するため、エラーの原因や作業時間の増加につながります。
連携できるシステムの対応性は、製品によってさまざまです。自社の既存システムや現在の業務状況を考慮しつつ、連携可能なシステムを事前に確認しておくとよいでしょう。
まとめ
ワークフローシステムの導入は業務効率化からミスの削減、意思決定の迅速化まで、組織運営のさまざまな場面でメリットをもたらします。そしてそのメリットを最大限に引き出すためには、適切なシステム選定と従業員の協力が求められます。
ワークフローシステムの運用を通じて、組織の効率化と成長を加速させる第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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