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市場や競合から成功要因を導き出す3C分析。重要性や活用方法を解説

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最終更新日: 2023年09月12日

新規事業のマーケティング戦略を立案するなら、3C分析を取り入れるのがおすすめです。マーケティングの方向性が確立できる上、目的の「ぶれ」も防げるでしょう。3C分析の目的や活用方法、大手企業における成功事例を紹介します。

3C分析とは?

3C分析3つの視点からKSFを抽出するフレームワークが3C分析です。どのような目的で活用されるのか、まずは3C分析の基本を押さえておきましょう。

3つの「C」を分析するフレームワーク

3C分析とはマーケティング戦略で重要視される、3つの「C」を分析する手法です。3つの「C」は「顧客・市場(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」を指します。

3C分析を提唱したのは、日本の著名な経営コンサルタントである、大前研一氏です。自著の「The Mind of the strategist(1982年・邦題:ストラテジック・マインド)」で紹介され、広く知られるようになりました。

3C分析を活用すれば、三つの異なる視点から内部環境・外部環境を分析し、さまざまな要因に考慮した、マーケティング戦略を立案できます。3C分析を使わずに経営を進めている企業なら、3C分析の導入により高い効果を実感できるでしょう。

KSFを明確にすることが目的

3C分析の目的は最終的に、「KSF(キーサクセスファクター)」を導き出すことです。KSFは「重要成功要因」とも呼ばれ、文字通りビジネスを成功させるために、大事な要因を意味します。

KSFの構成要素は、市場や競合の動向を意味する外部要因と、自社の強みや目標達成指標を指す内部要因です。KSFが明確になれば、今後のビジネスにおいてどのような戦略を採用すべきか、意思決定ができるようになります。

実際に3C分析を実行する際は、一定の戦略策定プロセスを踏むことになるでしょう。三つの「C」の分析だけでなく、場合によっては、他のフレームワークを併用するケースもあります。

3C分析の方法

3C分析の方法三つのCを分析する際は、「顧客・市場」「競合」「自社」の順に分析するのが基本です。各プロセスで分析する項目や、活用できるフレームワークを解説します。

顧客・市場の分析

3C分析では最初に顧客・市場の分析を行います。顧客の定義・特徴・ニーズや、市場の動向・規模・推移などを把握しなければなりません。

近年は顧客目線が重要視されているため、顧客になり得るターゲットについては、できるだけ詳しく分析する必要があります

顧客・市場の分析で行われるのが、マクロ分析とミクロ分析です。マクロ分析では、政治・経済・社会・技術の4視点から分析する「PEST分析」がよく活用されます。

一方のミクロ分析に役立つフレームワークが、「5フォース分析」です。自社の脅威となる五つの要因(新規参入・代替品・売り手の交渉力・買い手の交渉力・業界内の競合関係)との関係性を、5フォース分析で把握できます。

競合の分析

顧客・市場の分析の次は競合の分析を行います。競合の分析では、競合他社のビジネスにおける「結果」と「要因」を分析するのが一般的です。

競合他社のビジネス結果については、売り上げ・利益率・顧客単価・顧客数などの情報を収集します。結果につながった要因を、さまざまな視点から分析することも重要です。

競合や市場を分析することで、「競合となる企業」「競合の強みや弱み」「競合がいないニーズ」を把握できます。自社との対比をより明確化するために、競合の前に自社の分析を行うケースもあります。

自社の分析

市場分析や競合分析をまとめた後は、自社の分析を行います。自社分析を効率よく進めるために役立つフレームワークが、「VRIO分析」です。

VRIO分析では「経済価値(Value)」「希少性(Rarity)」「模倣困難性(Imitability)」「組織(Organization)」の観点から、自社の強みや弱みを把握できます。顧客・市場の分析に用いる、5フォース分析と補完関係にあるため、併せて活用するとよいでしょう。

自社の分析では顧客・市場・競合の分析結果をもとに、さまざまなポイントに注目しながら、KSFの抽出につなげます。自社の強み・弱みに関しても、今後の方向性を整理しておくことが重要です。

3C分析と併せて活用したいフレームワーク

3C分析と併せて活用したいフレームワーク

マーケティング戦略の策定プロセスでは、3C分析以外にもさまざまな手法が役立ちます。おすすめのフレームワークと、それぞれの特徴を知っておきましょう。

SWOT分析

「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の観点から、KSFを導き出せるフレームワークが、SWOT分析です。3C分析の次のステップで用いられます。

3C分析で成功要因が明確になっても、成功するための戦略まで描くのは困難です。3C分析の結果をもとに、内部環境の「強み」「弱み」と、外部環境の「機会」「脅威」に分けてSWOT分析を行います。

KSFの発見には、クロスSWOT分析も役立ちます。SWOT分析で利用した4項目を掛け合わせる、クロスSWOT分析を使えば、選択すべき戦略を、より明確にすることが可能です。

STP分析

STP分析はKSFに基づいて、マーケティング戦略の方向性を決定する手法です。3C分析やSWOT分析で、KSFを設定した後のステップで用いられます。

STP分析で行うのは「Segmentation(市場の細分化)」「Targeting(標的市場の決定)」「Positioning(立ち位置の決定)」です。ターゲットとなる顧客の属性や、打つべき施策に関して大まかな答えを出せます。

より的確かつ納得感のあるマーケティング戦略を打ち出せる点も、STP分析のメリットです。分析により論理的な結論を導き出せるため、一か八かで成功を狙う必要がありません。

4P分析

マーケティングの具体策を決定できるフレームワークが、4P分析です。「Product(商品)」「Price(価格)」「Place(立地・流通)」「Promotion(広報・宣伝)」の観点から、商品を展開するための、具体的な手法を導き出します。

3C分析やSTP分析の後に4P分析を行い、商品やサービスの販促手法を検討すると、効果的です。通常はマーケティング戦略における、策定プロセスの最後に、4P分析を活用します。

サービス業の場合は4Pに「People (人)」「Process (販売プロセス)」「Physical Evidence (物的証拠)」の三つのPを加えた、7P分析も有効です。追加するPはすべてサービスに関する要素であり、サービスマーケティングにおいて、大きな効果を期待できます。

3C分析の効果を高めるポイント

3C分析の効果を高めるポイント3C分析では情報の質や鮮度にこだわりましょう。BtoB企業の場合は自社だけでなく、顧客の3C分析を行うのも効果的です。

収集する情報の質と鮮度に注意

現状の客観的な把握が主な目的となる3C分析では、情報収集がメインの作業といえます。情報を集める際は質にこだわり、可能な限り一次情報を集めるようにしましょう。

インターネットで収集できる情報だけでは、分析の材料として足りないケースもあります。アンケートを実施したり、MA・CRMのデータを使ったりして、独自のデータを活用することも重要です。

収集する情報の鮮度にも注意しましょう。市場のトレンドは頻繁に変わるため、できるだけ鮮度の高い情報を集める必要があります。

次の記事ではおすすめのMAツールを紹介しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。

関連記事:MAツール比較12選!おすすめ製品の特徴や機能を紹介|ミツモア

BtoB企業は6C分析を行う

企業が顧客となるBtoB企業が、マーケティング戦略を策定する場合は、6C分析を行いましょう。自社の3C分析+顧客の3C分析を行うのが6C分析です。

マーケティングに関する分析では、顧客を理解することが最重要事項といえます。BtoB企業の場合は、顧客である企業が置かれた環境についても分析しなければ、戦略立案に必要な分析を行えません。

6C分析を実行すれば、顧客との間でマーケティング戦略レベルでの会話をすることが可能です。顧客の3Cを深く理解できれば、より質の高い商品やサービスを提供できるようになるでしょう。

3C分析の企業事例

3C分析の企業事例

3C分析をマーケティング戦略に活用した、企業の事例を紹介します。大手企業がどのような分析を行ったのか見てみましょう。

スターバックス

アメリカのコーヒーメーカー大手スターバックスは、日本全国に1000を超える店舗を展開しています。1995年の初上陸から大躍進を遂げた理由の一つが、3C分析による的確な判断です。

スターバックスは3C分析を行った結果、競合がいない、高級路線のコーヒーにKSFを見出しました。品質へのこだわりや心地よい接客などで付加価値を生み出し、競合との差別化とブランディングに成功したのです。

スターバックスの例は、顧客ニーズを優先ながら、競合との差別化にも成功した事例といえるでしょう。

マクドナルド

アメリカのファストフード大手マクドナルドも、日本でのマーケティング戦略に、3C分析を活用しています。バリューを見出した要素が、「スピード」「低価格」「顧客に対してのホスピタリティ」です。

マクドナルドは競合との差別化を、スピードや価格で図っています。既に調理済みのものを提供するため、時間がかかりません。価格を低めに設定することで、商品の質への不満も抑えられています。

ちょっとした休憩場所として店舗を使ってもらい、顧客に対してのホスピタリティを高めている点もポイントです。他のファストフードやレストランでは、出しにくい価値を提供しています。

サントリー

飲料業界大手のサントリーは、清涼飲料水「DAKARA」を売り出そうとした際に、3C分析を用いています。DAKARAはスポーツドリンクの売り上げにおいて、アクエリアス・ポカリスエットに次ぐシェアを誇る商品です。

3C分析の結果として、顧客はスポーツ補助だけでなく、健康にも寄与するスポーツドリンクを求めていることが分かりました。これは健康について研究開発しているサントリーが、バリューを提供できるという戦略にもつながります。

結果的にDAKARAは「飲めば健康になる」という方向で、売り出されました。アクエリアスやポカリスエットよりも、健康的なイメージを定着させることにも成功しています。

時代のニーズに合った事業戦略を立てよう

時代のニーズにあった事業戦略を立てよう3C分析は「顧客・市場」「競合」「自社」の分析により、KSFを明確にするフレームワークです。3C分析を活用すれば、今後のビジネスで、どのような戦略を採用すべきかを明らかにできます。

SWOT分析・STP分析・4P分析を併用すれば、より的確な戦略を策定することが可能です。3C分析で市場・競合・自社の現状を把握し、時代のニーズに合った事業戦略を立てましょう。

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