経費申請の際に領収書を確認すると、印鑑がなかったことはありませんか?ビジネス書類は印鑑が押されていることが一般的です。「印鑑がない領収書は経費にできないのではないか」と焦ってしまいますよね。
そこで本記事では印鑑のない領収書でも経費として落とせるのか、そもそも領収書には印鑑が必要なのか、領収書と印鑑にまつわる疑問にお答えします。
印鑑のない領収書でも経費申請はできる
印鑑のない領収書でも経費として落とすことは可能です。
なぜなら税法上、経費とする領収書に求められる項目には印鑑が含まれていないからです。2020年には政府から「領収書は押印不要とする」という見解も出されています。
法人のみならず、個人事業主でも印鑑のない領収書を経費精算できます。
また領収書は支払った費用が必要経費だと証明する書類です。証憑としての有効性を担保するためにも、国税庁によって日付や宛名を含む5つの記載要件が定められています。
領収書の必須記載項目5つ
領収書に必要な記載項目やフォーマットには、厳密には法律上の決まりがありません。しかし以下の5つがきちんと記載されていれば税務調査の際も安心です。
【領収書の必須記載項目5つ】
|
つまり正式な領収書では、「だれが」「だれと」「いつ」「いくらで」「どんな取引をしたのか」を明確にする必要があります。領収書を作成する場合や受け取る場合には、項目に漏れがないかしっかりと確認しましょう。
レシートでも経費として落とせる
領収書が無い場合は、レシートでも経費として申請できます。
ただしレシートと領収書の大きな違いとして「宛名」が記載されているかどうかが挙げられます。
小売業・旅客運送業・旅行業・飲食業・駐車場業など、領収書の宛名の省略が認められている業種もあるため、ほとんどのレシートは領収書として使用できるでしょう。また場合によっては必要な情報が機械的に印字されるレシートの方が、領収書よりも証拠書類として信ぴょう性が高いとされる場合もあります。
しかし宛名がない移動費や飲食費がかさむと、税務調査の対象となる場合もあるため要注意です。レシートに宛名をメモしておくか、できるだけ宛名までしっかり記載した領収書を用意するようにしましょう。
経費精算を効率的に進められるソフト選びなら、ぜひミツモアをご利用ください。従業員数や欲しい機能などの各項目を画面上で選択するだけで、ぴったりの製品を最短1分で自動診断。理想の経費精算システムが見つかります。 |
領収書を発行する際は印鑑を押すべき
商慣習上と偽造防止のため、領収書を発行する際は印鑑を押しておくのが無難です。ただし5万円以上の領収書には収入印紙と消印としての印鑑が必要なので、注意してください。
押すのは商慣習上・偽造防止のため
税法上の必須項目に含まれていないので、印鑑のない領収書でも経費として申請することはできます。
しかし日本では領収書に印鑑を押すことが商慣習です。もし印鑑を押さずに領収書を発行した場合、取引先に「失礼だ」と捉えられてしまう可能性があります。
また印鑑を押すのは偽造防止にも役立ちます。一般に領収書に押される印鑑は会社の角印です。そのため万が一不正な経費精算が疑われた際、角印ありの領収書は会社が正式に発効したものだと証明できるのです。
以上のことから法律上問題がないとしても、領収書には印鑑を押しておいた方が無難といえます。
5万円以上の領収書には消印と収入印紙が必要【要注意】
記載金額が「5万円以上」の領収書には消印と収入印紙が必要です。
消印とは収入印紙と領収書にまたがるように押した印鑑のことで、印紙の再利用を防ぐことが目的とされています。
5万円以上の領収書に消印と収入印紙をつけることは、印紙税法で定められている「領収書発行側の義務」です。違反すれば印紙税額に加えて「過怠税」が科せられてしまうので、5万円以上の領収書を発行する際・受け取る際には重々気をつけましょう。
こんな領収書でも大丈夫?印鑑にまつわる疑問を解説
領収書に印鑑を押すことは法律上の規定ではないので、印鑑を押す場所や押す人に決まりはありません。商慣習上、領収書用の印鑑は角印が一般的ですが、丸印や電子印鑑、シャチハタ、手書きのサインでも大丈夫です。
印鑑を押す場所・押す人に決まりはない
一般的に印鑑は領収書の右下にある発行者や住所の右横に重なるようにして押されます。
しかし法的には印鑑を押す場所に決まりはないので、印鑑を押す場所が違っていたとしても何の問題もありません。仮に想定外の場所に押されていたとしても慌てる必要はないでしょう。
ただし収入印紙に押す消印の位置には決まりがあり、収入印紙と領収書の台紙にまたがっている必要があります。収入印紙を貼る位置に決まりはありませんが、消印を押すことを考えて貼る位置を決めることをおすすめします。
また領収書に印鑑を押す人も、必ずしも会社の代表者である必要はありません。収入印紙の消印も同様で、受領の証拠に担当者が押すのが一般的です。
領収書用の印鑑は角印が一般的だが、丸印でも大丈夫
領収書に押される印鑑は「角印(認印)」と呼ばれる正方形のものがほとんどです。しかし印鑑の種類について法的な決まりはないため、丸印であったとしても領収書の効力に変わりはありません。
ただし自分が領収書の発行者であれば丸印は避け、角印を使用した方が無難です。
特に法人登記の際に登録した実印は法的な効力が強く、悪用される恐れがあるため領収書などに気軽に利用しないようにしましょう。「領収書用の角印」「契約に使う実印」というように分けるのがおすすめです。
電子印鑑・シャチハタでも問題ない
電子印鑑やシャチハタを領収書に押した場合も、法的には何の問題もありません。
特に電子印鑑はプリントアウトや郵送の手間がなく管理も簡単です。業務の効率化やコスト削減にもなるため、今後ますます使用頻度が上がっていくと予想されます。
ただし現時点では商慣習上、印鑑の押印を求められることもあります。領収書用の角印を用意しておくと安心でしょう。
手書きのサインの方が法的な効力は高い
領収書に押す印鑑が手元にない場合など、担当者の手書きのサインで代用されることがあります。頼りない気がするかもしれませんが、実は法的には印鑑よりもサインの方がより効力が高いとされています。サインがフルネームであれば、なおよいでしょう。
また収入印紙の消印にも手書きのサインを用いることが可能です。ただし「自署」であることと「簡単に消えない」ことが条件となります。サインをする際は鉛筆など消えやすいものを避け、適切な位置に屋号や通称でも構わないので氏名を明記しましょう。
参考:印紙の消印の方法|国税庁 |
押印のマナーを守って気持ちのよいやり取りを
印鑑の有無には法律上の決まりがないため、5つの必須項目が記載されていれば印鑑がない領収書でも経費として精算できます。領収書に印鑑を押す場所や押す人、印鑑の種類にも決まりはありません。
ただし5万円以上の領収書には収入印紙と消印が必要なので注意しましょう。
また日本の商慣習上、そして偽造防止の観点から、領収書には角印を押すのが無難です。
領収書にはきちんと押印して、取引相手やお客様との気持ちの良いやり取りを心掛けましょう。
ぴったりの経費精算システム選びはミツモアで
経費の自動計算やデータの一元管理を行える経費精算システム。交通費精算などの各種精算業務を効率化して、計算ミスを減らしたり時間を節約したりできます。
とはいえ、経費精算システムは製品によって特徴や機能もさまざま。ひとつひとつ製品を比較したり資料請求をしたりしていては、手間も時間もかかってしまいます。
そんなときはミツモアにおまかせ。最短1分の自動診断で、ぴったりの経費精算システムが見つかります。
ぴったりの経費精算システムを最短1分で無料診断
従業員数や欲しい機能などの項目を画面上で選択するだけで、最適な経費精算システムを最短1分で自動診断。もちろん費用はかかりません。
ぴったりの料金プランも一緒にお届け
希望条件に沿った料金プランも製品と一緒に診断します。実際にかかる金額を見積もりからチェックして、理想のプランを探してみましょう。
診断結果は最大5製品!比較・検討で最適なソフトが見つかる
最大で5製品の診断結果をお届けします。検討していた製品だけでなく、思わぬソフトとの出会いもあるかもしれません。
ミツモアなら、ぴったりの経費精算システムがすぐに見つかります。