データベースを学習する上で、専用言語の理解は欠かせません。データベース言語の概要とプログラミング言語との違いを説明します。
それに加えて、リレーショナル型のデータベースの操作に用いられる、SQLの基本も理解しましょう。
データベース言語とは?
データベース言語とは、その名の通り、データベースを制御するための専用言語のことを言います。これを理解するためには、まずデータベースとは何かを知っておかなければいけません。
データベースとは何か?
データベースとは一定のルールに基づいて、さまざまなデータをユーザーが検索・利用しやすいように整理された情報の集まりです。
地方自治体が保管している住民の住所録や、病院のカルテ、児童生徒の成績管理などもデータベースの一種ですが、主に企業がコンピューターに保管している顧客名簿や商品情報など、業務に利用される電子データの集まりを指すケースが多いでしょう。
RDB(リレーショナルデータベース)とは?
データベースには階層型とネットワーク型、そして現在主流のリレーショナル型の3種類があります。リレーショナル型データベース( Relational Database、RDB)は、データを行(ロウ)と列(カラム)から構成される表(テーブル)に格納するのが特徴で、表同士の関係性を定義することで、複雑な構造のデータもスムーズに処理できます。
ただし、データベースから必要な情報を取り出すには管理システムが必要です。ユーザーはデータベース管理システム(Database Management System、DBMS)を通じて、必要な情報を検索・利用することができ、システムを操作するための方法として、後述するSQLが使われています。
プログラミング言語との違い
データベース言語とプログラミング言語を混同している人は少なくありません。前者はデータベースを制御するための手段であり、後者のプログラミング言語とは一線を画するものです。両者の違いを確認しておきましょう。
データベース言語の定義
データベース言語はDBMSに命令を出すためのもので、基本的にそれ以外の用途には使用できません。ソフトウェアを開発するのに必要なプログラミング言語とは違い、シンプルな構成になっており、文法や使い方も他の言語に比べて独特なものになっています。
例えば、リレーショナル型のデータベースの操作に使われるSQLは、一行程度の命令文をコマンドとして実行し、その都度結果を引き出す形式です。いわゆる「対話型」と呼ばれるもので、複雑な操作をする場合は、プログラミング言語の中にSQLの命令文を埋め込む方法を取ります。
プログラミング言語の定義
プログラミング言語とは、OSやアプリケーションなど、さまざまなプログラムを作る際に用いられる言語です。
いわゆる「手続き型」と呼ばれるもので、コンピューターによる処理手順を一定のフォーマットに従って記述します。データベース言語に比べて複雑な形式になっており、有名なC言語やJava、PHP、COBOL、Pythonなど、さまざまな種類があります。
SQLとは?
次にSQLについて、基本的なところを解説します。リレーショナル型のデータベース管理システム(RDBMS)を操作するための言語であり、特に企業の情報システムを理解する上で外せない存在です。
データベース制御用の専用言語
SQLは最も多くのデータベース管理者に普及している言語であり、国際標準化機能(ISO)によって規格化されています。SQLを学んでおけば、ほぼすべてのRDBで利用できるので、データベースの学習者は必ず学ぶ必要があると言っても過言ではありません。
読み方は、そのまま「エスキューエル」と呼ばれることが多いですが、1970年代に世界で初めてRDBMSを開発したIBMでの読み方に倣って、「シークェル」あるいは「シーケル」と呼ばれる場合もあります。
SQLの種類
SQLは「データの定義」「データの操作」「データの制御」の3種類の言語から成り立っており、データベースを操作する際に使い分ける必要があります。それぞれ確認していきましょう。
データ定義用言語
データ定義用のSQLは略して「DDL(Data Definition Language)」と呼ばれ、RDBにおいてデータを格納するテーブルや索引(インデックス)の作成あるいは削除や、各種設定の変更に用いられます。代表的な命令文は下記のとおりです。
- CREATE:データベースやテーブルなどの定義
- ALTER:オブジェクトの内容変更
- JOIN:テーブルの結合
- DROP:テーブルの削除
- TRUNCATE:データベースの削除
データ操作用言語
データを操作するための言語は「DML(Data Manipulation Language)」と呼ばれており、データの新規登録や削除、検索、更新などをするのに用いられます。代表的なDMLとしては、次のような命令文があります。
- SELECT:データの検索
- INSERT:データの新規登録
- UPDATE:データの更新
- DELETE:データの削除
データ制御用言語
データのアクセス制御を行うための言語は「DCL(Data Control Language)」で、上記のDDLやDMLの利用を制限するためのものです。代表的なものとして、次の命令文があります。
- GRANT:データベースのユーザーに特定の作業をする権限を付与
- REVOKE:データベースのユーザーに与えた権限を剥奪
いずれもRDBの管理には欠かせません。管理者は必ず理解しておくべき要素といえるでしょう。
SQLの特徴
続いて、SQLの主な特徴を説明します。SQLはあくまでもDBMSを操作するための言語であり、それだけではシステムやアプリケーションを作成することは不可能です。以下で説明するように、プログラミング言語と組み合わせて利用する必要があります。
対話型と埋め込み型による命令の違い
SQLを用いてデータベースを制御する場合、主に「対話型」と「埋め込み型」の2種類の方法を用いて操作を行います。
- 対話型:ユーザーがSQLのコマンドを直接打ち込んで操作する方法
- 埋め込み型:システムに操作するプログラミング言語の記述にSQLの命令文を埋め込む方法
単純な命令であれば対話型で問題ありませんが、システムの制御が絡むような複雑な命令を出す場合には、JavaやPythonなどのプログラミング言語によるソースコードの中に、SQLの命令文を埋め込む方法を取る必要があります。
他のプログラミング言語との組み合わせ
SQLは命令文をデータベースに送り、必要なデータの検索や追加、削除などに利用するためのものです。アプリケーションなどの開発には利用できないので、システムとデータベースを組み合わせて運用したい場合には、他のプログラミング言語との併用を考えなければいけません。
アプリケーション本体の挙動を作り出すのにプログラミング言語を利用し、業務データの格納や検索にはデータベース言語を利用する必要があります。将来的に業務システムを開発したい人は、両方を習得しておくと良いでしょう。
データベース言語を使いこなす
データベース言語とプログラミング言語との違いを解説しました。データベース言語とは、その名が示すようにデータベースを制御するためのものであり、SQLが代表例です。
あくまでもデータベースを操作するのに使われるものなので、システム開発をしたい場合は、他のプログラミング言語と組み合わせる必要があります。専門分野ではない人は両者を混同してしまいがちですが、明確な違いがあるので、この機会に覚えておきましょう。
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